酒井順子のレビュー一覧

  • うまれることば、しぬことば

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    日本語の醍醐味は「言葉狩り」にあり。毒のある言葉も「言い方、言い方」という突っ込みで笑いに変えてしまう。そういえば「感謝しかない」に代表される「○○しかない」というのも言い得て妙。以前はボキャブラリーのチープさに辟易してたが、考えてみれば、こういう表現も日本語だからできること。言葉ってホント楽しい。

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    2025年08月03日
  • 松本清張の女たち

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    松本清張作品に登場する女性たちを当時の世相から分析する。お嬢さん探偵から悪女へ。連載媒体の違いからの指摘は何とも斬新。
    変な自虐の殻を破った筆者の深読みは素晴らしい。

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    2025年07月23日
  • 消費される階級

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    現代における歪みがどこに生じているかが、とても平易な文体で分かりやすく示されているので、読みやすくて良きでした。

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    2025年07月06日
  • うまれることば、しぬことば

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    ついつい購入してしまう著者のエッセイ。本著に限らず、共感する点が多いのは、同世代ゆえか。しかし、東京育ちで東京で生活し、流行や時世に敏感な著者と、地方育ちの自身との違いも感じつつ、しかしそう感じるのは羨望か・・・と楽しみながら読んでいます。

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    2025年06月25日
  • 老いを読む 老いを書く

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    昭和30年代から令和6年までの「老い本」(老いについて書かれた本)が、鋭く面白く解説されています。人生の先輩たちが、老いをどんな風に考えていたのか? おおいに参考になりました。まさに百花繚乱の、本と「老いスター」たち。

    ナルホドと思った一節。
    ・・・「竹取物語」は当時から、人々がいかに「老い」を厭うていたかを伝えている。「老いたくない」という人間の思いが強かったからこそ、「竹取物語」の作者は、空の彼方の理想である月の人は老いない、という設定にしたのだろう・・・

    この本に登場する人名

    深沢七郎 橋田壽賀子 有吉佐和子 和田秀樹 森村誠一 桐島洋子 長谷川町子 弘兼憲史 齋藤なずな 清少納言 兼好法師 鴨長明 泉重千代 きんさんぎんさん 日野原重明 池田きぬ 篠田桃紅 石井哲代 草笛光子 リンダ・グラットン 内館牧子 源氏鶏太 重松清 銀色夏生 岸本葉子 阿川佐和子 南伸坊 中野翠 黒柳徹子 黒柳朝 角野栄子 田辺聖子 森茉莉 赤瀬川源平 永六輔 ショコラ 紫苑 多良美智子 永井荷風 佐藤愛子 吉沢久子 ぺこりーの 海老坂武 谷川俊太郎 樹木希林 幸田文 白洲正子 西川勢津子 辰巳浜子 辰巳芳子 沢村貞子 玉村豊男 丸山健二 坂東眞砂子 吉本由美 麻生圭子 上野千鶴子 香山リカ 江藤淳 城山三郎 半藤末利子 樋口恵子 佐野洋子 曽野綾子 石原慎太郎 谷崎潤一郎 川端康成 松本清張 松井久子 ほか

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    2025年06月16日
  • 女人京都

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    「そうだ京都、行こう。」そんな気持ちになるエッセイ集。歴女、酒井さんの丁寧なガイドで、歴史に名を残す女性の生き様に思いを馳せながら、京都の旅にいざなってもらえました。

    23のエッセイそれぞれの最初に地図が載せられており、場所を確認しながら読めるのも良いところ。途中、酒井さんがランチやお茶に立ち寄るお店が出てきて、臨場感たっぷりで楽しさ倍増でした。

    私にとって馴染みのあるのは、平安文学に登場する女性ですが、それ以外に様々な女性の京都との関わりや、生き方の一端を知ることができ良かったです。

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    2025年06月15日
  • 男尊女子

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    どのような観察眼と言語化力をもっていたらこんな文章が書けるのか、とページをめくるたびに驚き&発見の連続で、読んでいてとても楽しかった。
    特に10,12,13,20章の洞察は秀逸。
    様々な目線に立った柔らかく、それでいて鋭い語り口なので、男女問わず読みやすい一冊だと思う。

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    2025年05月25日
  • 家族終了

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    エッセイあんまり読まないけどすっごく面白かった!この方が面白い(笑)
    人の人生とか考え方を読ませてもらうのって面白いことだと新たな扉が開きました。

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    2025年05月04日
  • 老いを読む 老いを書く

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    読むことはあまりしたくない私は、書くこともしないけれど‥‥ね。老い・・
    でもそんな年齢には、とっぷり浸かっています。
    この本に出てくる作家さんなどは、昔々からよく知っていて読んだり、見たり。
    なので面白く読みました。でも読んだだけ…
    まつわることは考えるときりのない不安を呼び寄せる…要注意。

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    2025年05月02日
  • 消費される階級

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    読みやすいエッセイ。特に気になったのは東大礼賛と低学歴信仰の章。なぜ日本人は学ばなくなったのか、という別の本を同時進行で読んでいたのでその解として、金八先生の杉田かおるの兄役が東大を目指し失敗して自殺し、学歴よりも大事なものがあるだろという風潮になったというのは面白かった。

    稼ぐ女と使う女という章も自分と母世代で仕事や家庭への意識の違いがあることをまざまざと実感した

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    2025年04月29日
  • 老いを読む 老いを書く

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    本屋の目立つ所に陳列されることの多い「老い本」。平均年齢の上昇とともに増える老後の生活。その光と闇を書いた書籍の歴史を体系的にまとめ語る。
    「楢山節考」、「恍惚の人」、長谷川町子の「いじわるばあさん」など幅広いジャンルに注目。

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    2025年04月03日
  • うまれることば、しぬことば

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    作者の文の書き方もあり堅苦しい感じが無く読み進めることができた。
    読んでみて、普段は気にしていないけれど
    確かにこの言葉あった、流行してたなど懐かしいと感じたり
    自分たちの普段の相手に対する発言は果たしてどうだったろうか?
    と考えさせられる本だった。

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    2025年04月01日
  • 老いを読む 老いを書く

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    老い本、一般用語として通用しそうだけど、周りに使ったら何それ?と。ただ、広島に行ったら哲代おばあちゃんの話になり、草笛光子はカッコいいしで、40代の自分でさえ、なんとなく手に取ってしまう老い本。老いにおける夫婦の在り方、性生活、夫、妻それぞれ先ゆかれた後の振る舞い方、はたまた老後資金まで、ひろーく見識をなめてくれるこの本は、第一の指南書かもしれません。今回も面白かった!

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    2025年02月18日
  • 金閣寺の燃やし方

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    著者の作品は数冊読んだけど、今までのとはちがって本格的な文芸評論。
    そもそも古典、伝統芸能の知識が豊富だから、評論が分厚い。
    それなのに通常運転のライトな文体で読みやすい。
    いちばん「なるほど〜!」と思えたのは、裏日本を体現する作家水上勉の湿り気と、表日本しか見ようとしなかった三島由紀夫の乾き方を比較した、というところ。

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    2025年02月05日
  • 処女の道程(新潮文庫)

    QM

    購入済み

    おもしろい

    処女って、ただしたことがない人ってだけじゃなくて「結婚しないで実家にいる人のこと」や平安時代の性交事情など日本における処女の歴史を海外での動きとも交えて知れて面白かった。

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    2024年08月20日
  • 源氏姉妹(新潮文庫)

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    光源氏はセックス依存症。
    彼をめぐる女性たちは「姉妹」
    …身も蓋もない言い方だけど、たしかに〜!
    姫たちの告白やグループ分けした座談会など、著者の妄想も楽しい。

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    2024年08月15日
  • 枕草子 下

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    "女が一人住まいをする所は、ぼろぼろに荒れて無上などもきちんとしておらず、池などがある所も水草が目につき、庭なども蓬が茂るほどではないにしても、ところどころ砂の中から雑草が生えて、寂しげなのがよいのです。
    できる女ぶって体裁よく手入れをし、門もしっかり閉じてきちんとしているのは、ひどくうんざりするもの。"

    178段のこの下りがとても印象に残っている。何故なのかまだわからないけれど、これももしかすると定子様への祈りなのかもしれないと思った。

    自分の身の回りの出来事をとても冷静に清少納言は観察している。良いも悪いもこえて心に留まったものを書き残す。書き残せば、自分が生きた事実も残すことができる。それを体現している人なんだな。

    清少納言が「田植えと稲刈りが珍しい」と書いている事実にはいつも驚く。彼女もまた貴族の貴婦人であって、天皇の后に仕えたからこそこうして記録を残せたのだ。
    もし私が千年前に生まれていたら、こうして読んだ本の感想を書くことなどできなかっただろうななんてことも考えた。

    239段、定子が皇后となった頃、第三子を妊娠していた時の段が、あとの史実を知っているととても切なかった。

    みな人の花や蝶やといそぐ日も我が心をば君ぞ知りける
    (華やかな方へと皆が去る日でもあなたは私の心のそばに)

    本当に定子がこの和歌を詠んだとするのならあまりにも切ない。この時お腹にいた第三子の出産の時に、皇后定子は亡くなる。実際、この239段がわかっている中で最後の枕草子における定子の描写だそうだ。
    自らの華やかな日々はもう帰ってこないのだと、皇后自身は分かっていた。それでも、定子は素晴らしい人だったのだと清少納言は伝え残したかった。だから今も枕草子はこうやって読まれ、人の心を打つ。
    筆一本で大切な誰かの尊厳は守ることができる。そのことを千年たった今も思う。

    260段
    ひたすら過ぎゆくもの。
    帆をかけた船。人の年齢。春、夏、秋、冬。

    こうした清少納言の審美眼と、それを現代語に訳す酒井さんのセンスが好きだ。

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    2024年08月01日
  • 枕草子 下

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    みな人の花や蝶やといそぐ日もわが心をば君ぞ知りける
    定子と清少納言の関係性がよくわかる
    没落していく中で、清少納言がそばにいてくれてどれだけありがたかっただろう…

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    2024年07月22日
  • 枕草子 下

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    枕草子、清少納言、すごいな。下巻の方が私には面白く読むことができました。名前が恐ろしいもの、とか見た目には格別なことはなくても、文字に書くと大仰なもの、とかタイトルがすでに独特で面白い。視点が面白いのは随筆を書くのには必要だよなぁと改めて思いました。
    今となっては枕草子は随筆となっているけれど、定子様のサロンの同人誌的な感じだったのかなぁと思います。平安時代あるある、みたいなことを書いて、定子様を喜ばせたかったんだろうな。
    清少納言のこと、定子のことをもっと知りたいなと思いました。そして、今更ながら原文で楽しめるようになりたいものだと思いました。

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    2024年06月25日
  • 枕草子 上

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    酒井さんの現代語訳がすいすいと読ませます。
    季節の移ろいや山河について書かれたイメージが強いけれど、お寺に篭るなどどこかにお出かけするときの段が印象的でした。

    あとがきの
    "随筆が、どこまでも自由なジャンルであること。そして孤独とともにあること。枕草子を訳しつつ、私はそんなことを感じていました。"
    という言葉もとても好きです。随筆は、心のままに何かを書くということは客観的に物事を見る必要がある。

    没落したお后さま。異例だらけのお后さまである定子に仕えたからこそ得られた思い出。清少納言だからこそ得ることのできた感性がとても瑞々しいです。
    定子さまだけでなく、一条天皇、斉信、行成、のちに政敵とすらなる道長でさえ、ここでは歴史上の政治家ではなくその時代を生きた人たちとして表されます。

    141段の
    "この草子を人が見るものとは思っていなかったので、眉をひそめられそうなことでも変なことでも、思っていることをそのまま書こうと思ったのです。"

    という訳文が本当に光っています。そのまま書いたことで、1000年経っても清少納言も枕草子に出てくる人々も皆生き生きとして今の時代に現れてくれるんですね。
    下巻も楽しみです。

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    2024年06月11日