酒井順子のレビュー一覧
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『負け犬の遠吠え』で一躍ブレイクした著者の家族エッセイ。
ご両親、なかなかのツワモノでした……。
お母様は確かに世間一般の「母親像」からは、逸脱する部分もあるけど、著者との相性は良かったんだろう。
行動だけ見れば毒親とも取れるが、それでも毒にならないのは偏に親子の相性が良かったからではないか。
親子といえども別人なので、必ずしも全ての子供が良い相性の親のもとに生まれるわけではない。
最後の方で、必ずしも生活のパートナーと性愛のパートナーは同じでなくとも良い、というのは私も同意見。
中年夫婦のセックスレスは市民権を得ているのに、若者の友情婚は何故認められないのか。
(男女であれば制度上は可 -
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歴史に名を残した著名な女性たちの、人生の転機となった年齢とそのエピソードを綴った一冊。
酒井さん独自のツッコミやコメントも光る。
レディガガ、オードリー・ヘップバーン、与謝野晶子、松田聖子、金子みすゞ、清少納言、ダイアナ元イギリス皇太子妃、キュリー夫人、アガサクリスティー、持統天皇、ベアトリクスポター・・・
など、時代、国、ジャンルを超えて、実に様々な女性たちが登場。
オードリー・ヘップバーンが実は緊張しいの自信のない性格だった、与謝野晶子のパワフル過ぎる行動力、金子みすゞの薄幸な人生、2度もノーベル賞を獲ったキュリー夫人の娘もノーベル賞を獲っていた、ベアトリクスポターは絵本作家だけでなく -
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平安時代を生きた5人の女性を和歌や随筆と生い立ちをヒントにその人柄を紐解いていくという1冊。
古文はもともと苦手で自分ではまともに訳して読むこともできませんが、現代の人々に置き換えて解説してくれるので非常にわかりやすいです。
まず、歴史の教科書に載っている人物たちに会ってみたいという感覚を自分が持っていないので、ここまで感情移入する筆者の感性がとても新鮮に見えました。
そもそも1000年以上語り継がれる文章を残している時点でとても凄いことなのでその人自体に何がしかの魅力があるのはある意味当然なのかもしれません。古文や漢文をもっと勉強したくなる本でした。 -
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2002年に連載されたエッセイを編集したもの。現在にも続く「勝ち組、負け組」のさらに前に出現し、話題となった「負け犬」についてのエッセイ集。
筆者曰く、「どんなに美人で仕事ができても三十代以上、未婚、子ナシ」は負け犬と定義している。筆者自身がまさにその定義に当てはまっていた頃で、自虐・自戒も含め「負け犬」の生態をさらけ出す。「時間もお金も自由!」という思想は「遠吠え」に。定義の内容から当然のように男性側の対応とも深く関わってくる。
女と男のホンネをこれでもかとさらして、三十代の頃「オスの負け犬」だった私も苦々しく、しかし何度も笑わされながら読んだ。笑いの中にも「少子化対策は女性への対策だけ -
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男女平等が叫ばれるようになって久しい現代でも、男尊女卑的な思想は世間のそこここに転がっている。そのルーツを辿ったとき、男尊女卑的な思想を持っているのは、必ずしも昔ながらの価値観を引きずる男性だけとは限らない。中には、男が上で女が下、という価値観を自ら選び、実践している女性もいる。彼女たちは煙草や酒を嗜むかのように、いわば嗜好品の一つとして男尊女卑的な思想を生活に取り入れている、ように見える。そういう女性のことを、筆者は「男尊女子」と呼ぶ。
前から気になるタイトルの本だなあと思ってはいたものの、この「男尊女子」なる存在を完全否定したり糾弾したりするような内容であるなら、それはそれで多様性を -
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久しぶりの酒井順子さん。健在でいらっしゃる!
実際私が男尊女子なのである。一方で自称フェミニストであるものの、三歩下がってついていきたい九州女なのである。学歴もできれば収入もあわよくば身長も、彼氏の方が上がいい。
だから、結局私は年上の男性が好きである。結局ファザコンなのかもしれない。実家は典型的な専業主婦家庭で、母は父より1年だけ年下なのだが、未だに敬語である。
それでも、確かに五郎丸君の無邪気な発言には驚いたよね。中学生の同級生の男の子が「妻には一汁三菜を作れと言っている」とFacebookに書いていたのにも驚いた。結局、男尊女子はいるのである。
私は中途半端ではた迷惑な男尊女子だ -
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エッセイストの酒井順子と『今日の猫村さん』の漫画家ほしよりこによる旅行のエッセイ集。決して有名ではない観光地を訪れる興奮と人々の出会いが素晴らしい。旅の醍醐味に触れた作品。
雑誌「Precious」に2007年から2010年に連載された作品。
女子鉄で知られる酒井順子の紀行文。独特のですます調はあまり肌に合わなかったが本紀行ではピッタリとはまる。ほしよりこのイラストも秀逸。楽しい紀行である。変な自虐ネタもなく純粋に旅を楽しむところが実によい。
北海道から沖縄まで全国津々浦々、どちらかというと観光客の少ない所を旅する。おそらく二度と訪れる機会のないであろう絶景。はるばると来た感慨が題名の「来ち -
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ネタバレ男尊女卑は、あなたの中にある。
男尊女卑なんて古い価値観であり、男性がそんな振る舞いを見せたら腹を立てる。しかし、女性の中にも男尊女卑を肯定する心があるのではないか。著者の問題提起は、鋭い。何度もうなずく箇所があった。そうだ、女性が下に見られるのは嫌だけど、男性を持ち上げて楽している部分もあるのだ。結婚・出産したいなら、自分の気持ちを押し込めて、「男尊女子」を演じなくてはならない、その矛盾。どうしてありのままでいられないのか、と嘆く同じ心が、「男尊女子」である怠惰に浸っている。
著者は、そんな矛盾を肯定する。そういうものから、まだ自由になれないのだ、と。戦後70年ではまだ変わりきれないのだ -
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題名が、実に刺激的だ。金閣寺は、美しいがゆえに燃やされるために存在しているのかもしれない。金閣寺は様々な戦乱や戦争を経ても550年間に燃えることはなかった。屹然として金閣寺は存在していた。美しいことは、永遠であってはならない。それをたった一人の僧が燃やした。あくまでも、燃やされる対象としての金閣寺である。だから、燃やし方が重要で、金閣寺が最ものぞむ燃やされ方まで、考えねばならない。しかし、この本は金閣寺の燃やし方よりも、なぜ金閣寺が燃やされたのか?と金閣寺が燃やされたことで、どう思ったのか?のに論点を置いている。
酒井順子は「金閣寺炎上事件」から、金閣寺に魅せられた男、林養賢、三島由紀夫、水上