酒井順子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1973年のデビュー・アルバムから1991年の『DAWN PURPLE』までのアルバムレビューを通してユーミンの深層を追う。初期の頃の少女のとして輝き、助手席志向などは共感できることも多いし、情報収集も十分で参考になることも多い。また、女性の生き方にユーミンの歌詞の世界がいかに関わってきたがという視点は男性のワタシにはあまりないので、新鮮でもあった。彼の部屋にピアスを落としておくなんて、褒められたことではないのだけど、それを歌にすることで容認してしまう。それはユーミンの罪なのではというのはもっともである。
最後にそのあたりのことをまとめて書いているので、少し引用。
『ユーミンは救ってくれすぎた。本来ならばもっと落ち込んでいたかもしれない人生の危機も、ユーミンのお陰で何とかくぐり抜けてきました。』
『ユーミンが我々にしてくれたことは、すなわち「肯定」です。』『「ユーミンの歌とは女の業の肯定である」と言うことができましょう。』『「もっともっと」の渇望も、そして嫉妬や怨恨、復讐に嘘といった黒い感情をも、ユーミンは肯定してくれました。』『私達は女の業を解放することに罪悪感を持たずにすんだのです。』
『女が内包するドロドロしたものを全て肯定し、ドロドロをキラキラに変換してくれた、ユーミン。私達は、そんな風に甘やかしてくれるユーミンが大好きでした。』
『ユーミンは、私が初めて出会った「大人になってもおばさんにならない女性」でした。』『もしかするとジブもそうなる子とができるかも、という可能性を、ユーミンは示してしまったのです。』
『ユーミンは、覚悟と自信とともに、堂々と「永遠」を求めす。』『「永遠なんて、手に入るわけがない」と思い込むことによって面倒を回避している自分が、卑怯にも感じられのです。嗚呼、そんなふうに思わせるのもまた、ユーミンの罪。』
鋭い読解力が面白く、酒井順子はやはり只者ではないと思うのだが、無理にまとめてる気配と「小説現代」の連載をまとめたものなので単調になってしまってるところがある。 -
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東京の巨大なメトロネットワーク、1日で全部乗ることはできるのか?
膝栗毛よろしく、京都まで53回の乗り継ぎで辿り着けるのか?
乗り鉄マニア的には興味津々のテーマがずらり。コレをガチの鉄道ファンが書くととんでもなく濃い紀行文が出来上がるのですが、筆を執るのは絶景区間でもぐっすり眠り込むことに至福を感じてしまう、実にソフ鉄な酒井順子女史。
どんなハードスケジュールを突きつけられても、のらりくらり。さらさらとマイペースに旅を楽しむ姿は、まさに大人の余裕です。
ご本人も触れている通り、スタイルは宮脇俊三「旅の終りは個室寝台車」に近いのですが、書く人が違うとこんなに違うものなのですねえ。当たり前ですが。
それにしても、相変わらず原先生の同属嫌悪は酷いですな。 -
Posted by ブクログ
面白い視点で描かれた東日本大震災を巡るルポルタージュ。
確かに東日本大震災を描いたルポルタージュは家族を取り上げたものが多く、あの時、独身だった人たちはどういう状況にあり、どういう考えを抱いていたのか興味のあるところだ。独身であるが所以、既婚者の仕事を肩代わりせざるを得なかったり、被災地の故郷へと舞い戻った人たち、中にはボランティアに身を投じた人たちも。
このルポルタージュにも描かれているように、あの東日本大震災は悲惨な出来事であったが、一方で家族を含め、人と人との結び付きを見直すきっかけとなったと思う。あの時は多くの人たちが互いに助け合い、励まし合い、必死に生きていた。ガソリンが手に入らなくなり、街を徒歩や自転車で行き交う人びとが増えると、誰からともなく、おはよう、こんにちは、の挨拶が交わされた。何故か今になり、あの時、挨拶を交わしたり、助け合ったりした人たちの顔が思い出される。 -
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さらさらっと読めておもしろかった。酒井さんのエッセイとかよりこの日記が好きかもしれない。エッセイももちろんおもしろいんだけれど、エッセイにはオチがいる、それなりの新しい考察みたいなものがあるべき、笑いも必要、って感じがあって。一方、日記は肩の力が抜けているというか、ごく普通の話がおもしろい。こういう日記、ずっと書いてほしいなあ。
同年代ということもあって、共感することしきり。若いときにはもちろんいろいろ初めての経験が多いけれど、年をとる、老いることもつまりは初めての体験であって、というスタンスで、年をとることを酒井さんはうまく受け入れて、しかも楽しんでいるように思える。そういえば、この前読んだ角田光代さんのエッセイもそんな感じだったな。あやかりたいものだが……。
独身ひとり暮らしの酒井さんが、ひとりで気ままに旅行したり、卓球とか新しい趣味をはじめたり、友人知人がとても多かったりするのをうらやましいなーと思った。(そればっかりだわたし)。こういう人はおひとりさまでもいわゆる豊かな老後を送れるんだろうなー。 -
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人は未来を予測できないが、過去なら振り返ることができる。有名人(女性)の「あの時」という分岐点を振り返り、それに著者が解釈を加えているのが本書。
元々雑誌の連載だったらしく、字数制限もあるからかイマイチ深みがないなというのも正直な感想。ただ、単に分岐点を振り返る本は数多あるけれど、それが具体的に何歳のときだったのかをこの本までにクローズアップさせた本もなかっただろうし、その点では自分の年齢と重ね合わせてみると興味深いかも。自分は29歳だが、年齢がもっと上で且つ女性ならなお更。
この本で取り上げられているのはみんな女性だが、女性だからこそ面白い部分はあると思う。もちろん男性も波乱万丈の人生を歩んだ人はいるだろうが、男性の場合は組織というものの存在がより強く影響するのに対して、時代にもよるけれど、女性の方が組織に縛られない分、自由になりたいと願えばもしかすると男性よりもより自由になれるものなのかも(ただそれは、自分がゲイで若干女性贔屓であることも影響しているかもしれない)。
この本を読むと、まさに「今」の自分は後でどのように未来の自分に振り返られるのだろうと考えさせられる。というのは、恐らく自分が今ある種の賭けに出ているから。ああ、それを考えると楽しみなような不安なような…。 -
Posted by ブクログ
昨年結婚したけど、結婚にまつわるあれこれについて自分たちが選択したことと、世の中の捉え方の違いとの間で「疲労」したなぁと思う。
結婚式も二次会もしなくて、家族のみに結婚を報告するご飯会をして、写真をつくることにした。
「結婚」することを特別にしたくなかったというのが私と相方の思い。自分たちはそうでも、周りの人々はそうは思わなくて、「特別」にすることを求める・・。
この本は自分がしなかった「特別」な結婚式にまつわることがおもしろおかしく書いている。
おめでたい結婚式について、批判的に言うことがタブーとされている気がする。みんなどこかで思い当たるのではないかなぁ。
どんな形の結婚式をするにせよ、選択する自由があるということで、自分で選択してやることがいいと思うわ〜。