酒井順子のレビュー一覧

  • 中年だって生きている

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    著者とほぼ同年代なので、いちいち共感&爆笑。
    特に、肌のシミ、シワ、白髪を受け入れるか否かを語る「老化放置」、若い頃まったく興味なかった古典文学、古典劇、古都にのめり込むようになった「回帰と回顧」のチャプターは、まんま私やん⋯。
    気取らず寄り添ってくれるようで、試論に引き込む巧みな文体でするりと読めた。

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    2024年11月23日
  • 泡沫日記

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    方丈記にも書かれているように、この世はよどみに浮かぶ泡沫(うたかた)の如し。中年域に達した著者のエッセイは、中年になって初めて経験する事物だけではなく、図らずも東日本大震災の前後の日常が綴られることになった。私も老親の看取り・葬儀を初めて経験したが、中年とは社会的責任を伴う初体験が突然に出来するものなのだと感じた。

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    2024年09月22日
  • 男尊女子

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    負け犬の遠吠えで有名な著者のフェミニズムエッセイ。
    「男女差別だ!」と言いつつ、我々の中にも「男を立てなくては……」的な思考が染み付いているのでは……という分析なんだが、ほんそれ!となることばかりである。
    解説の山内マリコ氏が「女だから勉強しなくていいとかもない」と書いてるが、いやいやまだそういう考えの人はたくさんおるぜよ……と思う。

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    2024年09月08日
  • ガラスの50代

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    まさしく今のわたしの状況と重なり共感する内容が多々あった
    子育てからの卒業は自分の存在価値の喪失につながり寂しく思っていたが私だけじゃないんだ…と
    これからの私に必要な『3つの金…お金・筋肉・近所の友達』を心掛けたいと思う
    老後を楽しむ土台として心身ともに健康でいることを目指したい

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    2024年08月25日
  • モノ欲しい女

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    ⚫︎たいしたことじゃない話をここまで面白く書けるのは稀有な才能。
    ⚫︎上野千鶴子みたいな今時のフェミニストかなと誤解していたが、まるで中身はおっさんのような思考。
    ⚫︎おっさんが読む週刊誌に連載していたから、おっさん受けする文章に敢えてしているのかは不明だが、にしてもギャップが面白い。
    ⚫︎世代がバブル、昭和の話だから、勢いがあるし、華があるね。しみったれていない。
    ⚫︎東京の都会育ちだから、ある種の田舎臭さやら陰湿さも皆無。陽の当たるところを歩んできた人の文章。擦れてない。

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    2024年07月06日
  • 下に見る人

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    平等という理想の陰で、当然のように湧き出てくる偏見や比較、油断するまでもなく人は他者を下に見たりバカにしたりする。もちろんその反対の尊敬や憧れもあるだろうが、多くは自分を上にしてあの人よりマシだと納得する。脳内で他者を "下に見る" のはやはり面白い、そこまでは許容範囲で、無自覚にアウトプットすると差別や誹謗中傷いじめ、言葉や行動で他者を傷つけてしまう。これは倫理に反している。誰しもわかっていることなのに、この愚行は絶えない。なぜか。社会と個人の在り方にイマイチ気付いていない、玄関から一歩外に出てもまだ家の中だといういわばオールパーソナル空間を維持しようとしている。それが "○○の自由" だと勘違いして、支配する側のドヤ顔な価値観からくるのだろう。そんなに偉くありたいのか。側から見ても見苦しいことに自己認識できない思考の貧弱さこそ社会の脆弱性に通底する。健全な社会は常に己を律する謙虚さと他者への優しさにある。

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    2024年06月25日
  • 枕草子 上

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    いい歳をして、いわゆる古典を殆ど読んでいない。ローマ人の物語を読み終えてから、次は何を、と考えた時に、少しずつ古典を読んでいこうと思いました。その始めは、清少納言の枕草子。

    自慢話をしちゃうのも、定子様推しなのも、好きも嫌いもはっきりしているのも、私は好きだなぁ。今回、読んで気づいたのは、花、鳥、木々、虫などの文章。当たり前だけど、現代よりも静かで自然の多い所で暮らしていたのだなと気づく。音や色の表現も細かくて、同じものを見ても、全然違って見えているのではないかと思う。
    平安時代と同じにものを見られるわけではないけれど、スマホを見ない時間を増やしたいなぁと思いました。もっと五感を通して、世界を見たい!そんなことを思いました。

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    2024年06月23日
  • 処女の道程(新潮文庫)

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    このテーマで一冊仕上げるのがすごい。まさに女性しか書けない。処女の価値についての歴史的変遷を追いつつ、その意味性と重さを捉え直している。

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    2024年05月07日
  • 都と京(新潮文庫)

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    私も田舎から京都の大学に行って、そのまま関西に住みついたくちです。
    大阪に住んで、せっせと京都に通っています。
    京都、奥深いですね!

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    2024年04月14日
  • 鉄道無常 内田百けんと宮脇俊三を読む

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    読み応えありました!
    いちばん意外だったのが著者が鉄道好きとは。

    百閒先生は大ファン、ヒマラヤ山系さんの話題も出てきて、なんだかうれしい。
    宮脇氏は知らなかったので、著書を紐解いてみたいと思って新たな楽しみも。

    題名の通り、鉄道と人生とはかくもリンクしている。
    この先の鉄道事情も憂いながらも、鉄道と人のロマンを感じる本です。

    文庫本の解説、梯久美子氏も秀悦、サウダージ。

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    2024年03月25日
  • 本棚には裏がある

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    書評として面白い
    毎回3冊紹介され、何かしらテーマがある
    面白いと書いているわけでないが、とても面白い本のような気がする
    実際のレビューを見るとそんなでもなかったりするので、書評が面白いのだ
    何冊かをテーマをもって選書するというのはいいなあ

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    2024年01月01日
  • 家族終了

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    ネタバレ

    上野千鶴子さんの「女ぎらい ニッポンのミソジニー」を読んでいて、たくさん引用が出てくくる中に酒井順子さんが出てきたので読んでみました。「家族終了」というけっこうインパクト強いタイトルに惹かれて、小説かと思って買ったのですが、エッセイだった…エッセイって好んで読まないので「しまった」と思ったのですが、まぁ、とても面白く、色々と心に刺さりました。
    文体が独特で、語尾が短く簡潔で私は好きです。他の方のレビューを読んだら文体が嫌いっていう人もいるみたいですけど。
    著者は私の10歳年上。ご自分の両親のことも赤裸々に(というほどでもないか?)つづられているが、私自身のことや、私の両親と重ね合わせて読んでも世代的にそんなに離れていないので、共感することが多々あった。
    私や著者の母親世代は、女性が仕事をして社会で能力を発揮することができず、家族のために無償労働をして当たり前だった。だから娘にも同じことをさせようとする母、娘が男性と対等に働いてキラキラ輝くのを嫉妬する毒親もいるらしいが、著者の母は「結婚したら家事をしなくちゃいけなくなるから今はしなくていい、好きなことをしておけ」と、家事を教えてくれなかったそうだ。私の母も全く同じことを言っていた。そして私が男性と対等に働いて、30になっても結婚せずに好きなことをしているのを羨ましがって「私もあなたのように生きたかった」と言っていた。そのまま結婚しなくても本当に良かったのかどうかはわからない(今度聞いてみよう)。
    家族にまつわるあれこれを、完全に部外者として、しかし「家族のいる人は大変ね、私なんて独り身だからラクチン」と見下すわけではなく、かと言って必要以上に自分を卑下もしすぎず、部外者だからこその鋭い視点でつづっている。
    私がすごく共感したのは、家族でディズニーランドにいかねばならぬ(子供を連れて行かねばならぬ)と、出かけて行って、廃人のようにくたびれて帰途につく人々を観察したくだり。私も絶対に家族でディズニーランドに行ったりはしたくないので(笑)。夫が行こうと言い出したらこの章を読ませようと思った!
    40になっても親に心配されてうれしかった思い出や、皇后雅子さまに関することなど、うんうん、とうなづきながら読みました。
    最後の方は、事実婚やLGBTのことなど、現代は様々な家族の形があって良い…という流れになっていき、私もその通りだと思う。しかし実際は日本の政治家が保守的すぎて選択的夫婦別姓でさえも認められず、法でしばられた同姓を名乗る夫婦だけが正しい家族!とされている。はっきり書かなくてもそれが少子化につながっているのだな、と腑に落ちる書き方で、すごく納得させられた。
    酒井順子さんの他の著書も読んでみたくなったが、最初に書いたように上野千鶴子さんがいろんな方のいろんな著書を引用しているので、あれやらこれやら、読みたい本がたまってきました。どれから読もうかな。

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    2023年12月10日
  • 処女の道程(新潮文庫)

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    処女の社会史です。
    感想でも評価でもなく、ただ思ったことだけ書き連ね……

    本人がどう思うかより世間様がどう見るかが問題。そして男性優位の視線から判断されてきた処女性。
    今更誰も気にしてねーよ
    って声も聞こえてきそうだけれど面白かった。

    最初のヒトになるってのは男性からすると少しプレッシャー。でも言われる嬉しいかも。
    ホンネで女性は『最初』なんて全く気にしてないのでしょうか?

    AVとか観るとインタヴューで「初めては何歳?」なんて訊いていたりするので、それなりにエッチ界では話題になりやすいネタなのでしょう。
    ホントのことを答えているとは思いませんが。最近の子は進んでおるのねーとか思ったりはしてしまう。

    童貞は捨てるもの
    処女は失うもの…喪失

    言葉にも差があります(…っても最近は処女も「捨てる」って言うのかも^^;)
    いつ頃からそうなったのかは不明ですけど、捨てると失うの差は日本人の感覚の違いだと感じます。
    言葉がもし変わっていないのであれば、今でも古い日本の慣習は生きている部分があるのだと思いますが、処女にはなったことが無いので永遠に謎…ですな。

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    2023年11月23日
  • 男尊女子

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    「昭和の女子」である私には、本書に書かれている内容、酒井さんの思いにすごく共感できた。ただ、これが書かれてから5、6年経った今はまた状況が変わっているのではないかと思われる部分もある。
    細かい観察、分析が酒井さんの感性によりされていて、そこが素晴らしいところだと思いつつ、直前に読んだヤマザキマリさんの本と比べてみると、「日本の女性」っぽさが露わになっていて、日本という枠からもはみ出ていく女性が増えていけばいいなぁと思える。日本も変化しているとはいえ、酒井さんが危惧しているような後戻りがないともいえず、日本の変化など待っていられず、日本を飛び出した方が、限りある自分の人生を十全に生きられるかもと思う。

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    2023年10月22日
  • 処女の道程(新潮文庫)

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    ネタバレ

    とても面白かった。
    前半は大昔の話で、なんとなくぴんとこなかったが、だんだんと近代の話になると、思い当たるところもあって、なるほどの連続だった。
    この本は単に処女の価値観を整理したものだけにとどまらず、時代時代の文学であったり文化についても言及をしていて、とても勉強になった。

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    2023年10月22日
  • ガラスの50代

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    過去に読んだ「負犬の遠吠え」は、あまり共感できなかったが、時を経て自分も年を重ねた今、この本では、共感できる事ばかり。
    年を重ねる事に、前向きになれる本です!

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    2023年10月09日
  • 百年の女 『婦人公論』が見た大正、昭和、平成

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    雑誌の内容や女性の扱われ方が変わってゆく様子を、当時の社会情勢や主な出来事と照らし合わせて紐解いていくのがわかりやすかったし、とても興味深かった。

    分厚いので読み終わるのに時間がかかるけど、この本を書くために酒井さんが費やした膨大な時間と労力を思うと、そんなこと言えないなと思う。

    冷静な筆致で進んでいくけど、1箇所だけ酒井さんの素というか正直なつぶやきがあって、共感しつつちょっと笑ってしまった。

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    2023年10月06日
  • ガラスの50代

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    最近思っていることを明確に認識できた部分が多くて勉強になりました。植物に例えてた最後のあたりが残りました。

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    2023年09月09日
  • 子の無い人生

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    私は結婚はしているものの、子どもはいません。
    子どもを欲しいと思ったことがありません。

    ただ、そろそろ真剣に考えなければならない年齢になりつつあり、子どもがいない人生をこのまま歩んでいいのか、迷っていました。

    自分が子どものころから、子どもは欲しくないと漠然と思っていました。
    周りの兄弟や、友達が親になるのを見て、自分の気持ちに変化があるかもしれないと期待しましたが、今も変わっていません。
    子どもを欲しいと思えない自分は、どこかおかしいのではないか、と思ったことさえあります。
    子どもを産むことによって、大きく変わってしま人生に、一生責任を背負わないといけない人生に、向き合えないのだと思います。

    ただ、本書にあるように、子どもがいないと、最期をどうするかという問題があり、悩ましいところです。
    これから既婚、独身に限らず子無しの最期が多くなると思いますが、社会がどうあるべきかはしっかりと議論されるべきではないでしょうか。

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    2023年07月07日
  • 平安ガールフレンズ

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    五人の平安時代の女性作家をとりあげ、その人となりや作品が紹介されていました。時代背景なども説明してくれていてわかりやすいし、作家としてというより人間としてこの人はどんな人、という分析をしてるのが面白かった。

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    2023年06月18日