酒井順子のレビュー一覧
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平等という理想の陰で、当然のように湧き出てくる偏見や比較、油断するまでもなく人は他者を下に見たりバカにしたりする。もちろんその反対の尊敬や憧れもあるだろうが、多くは自分を上にしてあの人よりマシだと納得する。脳内で他者を "下に見る" のはやはり面白い、そこまでは許容範囲で、無自覚にアウトプットすると差別や誹謗中傷いじめ、言葉や行動で他者を傷つけてしまう。これは倫理に反している。誰しもわかっていることなのに、この愚行は絶えない。なぜか。社会と個人の在り方にイマイチ気付いていない、玄関から一歩外に出てもまだ家の中だといういわばオールパーソナル空間を維持しようとしている。それが "○○の自由" だと勘違いして、支配する側のドヤ顔な価値観からくるのだろう。そんなに偉くありたいのか。側から見ても見苦しいことに自己認識できない思考の貧弱さこそ社会の脆弱性に通底する。健全な社会は常に己を律する謙虚さと他者への優しさにある。
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いい歳をして、いわゆる古典を殆ど読んでいない。ローマ人の物語を読み終えてから、次は何を、と考えた時に、少しずつ古典を読んでいこうと思いました。その始めは、清少納言の枕草子。
自慢話をしちゃうのも、定子様推しなのも、好きも嫌いもはっきりしているのも、私は好きだなぁ。今回、読んで気づいたのは、花、鳥、木々、虫などの文章。当たり前だけど、現代よりも静かで自然の多い所で暮らしていたのだなと気づく。音や色の表現も細かくて、同じものを見ても、全然違って見えているのではないかと思う。
平安時代と同じにものを見られるわけではないけれど、スマホを見ない時間を増やしたいなぁと思いました。もっと五感を通して、世界を見たい!そんなことを思いました。 -
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ネタバレ上野千鶴子さんの「女ぎらい ニッポンのミソジニー」を読んでいて、たくさん引用が出てくくる中に酒井順子さんが出てきたので読んでみました。「家族終了」というけっこうインパクト強いタイトルに惹かれて、小説かと思って買ったのですが、エッセイだった…エッセイって好んで読まないので「しまった」と思ったのですが、まぁ、とても面白く、色々と心に刺さりました。
文体が独特で、語尾が短く簡潔で私は好きです。他の方のレビューを読んだら文体が嫌いっていう人もいるみたいですけど。
著者は私の10歳年上。ご自分の両親のことも赤裸々に(というほどでもないか?)つづられているが、私自身のことや、私の両親と重ね合わせて読んでも世代的にそんなに離れていないので、共感することが多々あった。
私や著者の母親世代は、女性が仕事をして社会で能力を発揮することができず、家族のために無償労働をして当たり前だった。だから娘にも同じことをさせようとする母、娘が男性と対等に働いてキラキラ輝くのを嫉妬する毒親もいるらしいが、著者の母は「結婚したら家事をしなくちゃいけなくなるから今はしなくていい、好きなことをしておけ」と、家事を教えてくれなかったそうだ。私の母も全く同じことを言っていた。そして私が男性と対等に働いて、30になっても結婚せずに好きなことをしているのを羨ましがって「私もあなたのように生きたかった」と言っていた。そのまま結婚しなくても本当に良かったのかどうかはわからない(今度聞いてみよう)。
家族にまつわるあれこれを、完全に部外者として、しかし「家族のいる人は大変ね、私なんて独り身だからラクチン」と見下すわけではなく、かと言って必要以上に自分を卑下もしすぎず、部外者だからこその鋭い視点でつづっている。
私がすごく共感したのは、家族でディズニーランドにいかねばならぬ(子供を連れて行かねばならぬ)と、出かけて行って、廃人のようにくたびれて帰途につく人々を観察したくだり。私も絶対に家族でディズニーランドに行ったりはしたくないので(笑)。夫が行こうと言い出したらこの章を読ませようと思った!
40になっても親に心配されてうれしかった思い出や、皇后雅子さまに関することなど、うんうん、とうなづきながら読みました。
最後の方は、事実婚やLGBTのことなど、現代は様々な家族の形があって良い…という流れになっていき、私もその通りだと思う。しかし実際は日本の政治家が保守的すぎて選択的夫婦別姓でさえも認められず、法でしばられた同姓を名乗る夫婦だけが正しい家族!とされている。はっきり書かなくてもそれが少子化につながっているのだな、と腑に落ちる書き方で、すごく納得させられた。
酒井順子さんの他の著書も読んでみたくなったが、最初に書いたように上野千鶴子さんがいろんな方のいろんな著書を引用しているので、あれやらこれやら、読みたい本がたまってきました。どれから読もうかな。 -
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処女の社会史です。
感想でも評価でもなく、ただ思ったことだけ書き連ね……
本人がどう思うかより世間様がどう見るかが問題。そして男性優位の視線から判断されてきた処女性。
今更誰も気にしてねーよ
って声も聞こえてきそうだけれど面白かった。
最初のヒトになるってのは男性からすると少しプレッシャー。でも言われる嬉しいかも。
ホンネで女性は『最初』なんて全く気にしてないのでしょうか?
AVとか観るとインタヴューで「初めては何歳?」なんて訊いていたりするので、それなりにエッチ界では話題になりやすいネタなのでしょう。
ホントのことを答えているとは思いませんが。最近の子は進んでおるのねーとか思ったりはしてしまう。
童貞は捨てるもの
処女は失うもの…喪失
言葉にも差があります(…っても最近は処女も「捨てる」って言うのかも^^;)
いつ頃からそうなったのかは不明ですけど、捨てると失うの差は日本人の感覚の違いだと感じます。
言葉がもし変わっていないのであれば、今でも古い日本の慣習は生きている部分があるのだと思いますが、処女にはなったことが無いので永遠に謎…ですな。 -
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「昭和の女子」である私には、本書に書かれている内容、酒井さんの思いにすごく共感できた。ただ、これが書かれてから5、6年経った今はまた状況が変わっているのではないかと思われる部分もある。
細かい観察、分析が酒井さんの感性によりされていて、そこが素晴らしいところだと思いつつ、直前に読んだヤマザキマリさんの本と比べてみると、「日本の女性」っぽさが露わになっていて、日本という枠からもはみ出ていく女性が増えていけばいいなぁと思える。日本も変化しているとはいえ、酒井さんが危惧しているような後戻りがないともいえず、日本の変化など待っていられず、日本を飛び出した方が、限りある自分の人生を十全に生きられるかもと思う。 -
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私は結婚はしているものの、子どもはいません。
子どもを欲しいと思ったことがありません。
ただ、そろそろ真剣に考えなければならない年齢になりつつあり、子どもがいない人生をこのまま歩んでいいのか、迷っていました。
自分が子どものころから、子どもは欲しくないと漠然と思っていました。
周りの兄弟や、友達が親になるのを見て、自分の気持ちに変化があるかもしれないと期待しましたが、今も変わっていません。
子どもを欲しいと思えない自分は、どこかおかしいのではないか、と思ったことさえあります。
子どもを産むことによって、大きく変わってしま人生に、一生責任を背負わないといけない人生に、向き合えないのだと思います。
ただ、本書にあるように、子どもがいないと、最期をどうするかという問題があり、悩ましいところです。
これから既婚、独身に限らず子無しの最期が多くなると思いますが、社会がどうあるべきかはしっかりと議論されるべきではないでしょうか。