酒井順子のレビュー一覧

  • ガラスの50代

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    ネタバレ

    「身体の不調は、『乗り越える』ものから『付き合う』ものになってきたのです」

    「そうなんだ…」としみじみ暗い気持ちにもなりましたが、発想を転換して、どう付き合うか考え、工夫するのは案外楽しめるかもと思いました。

    50代を生き抜くには、変化、老化を静かに受け止めて、どう進んでいくかよく考えて過ごしていくことが大切なのだと思いました。

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    2025年11月06日
  • うまれることば、しぬことば

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    そうですね。「負け犬」で一世を風靡したエッセイストが「ことば」の栄枯盛衰をじっくり考察。穂村弘による解説含め、唸らされっぱなしでした。

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    2025年10月25日
  • 「来ちゃった」

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    2025.10.19

    旅エッセイ2連続。かなりページ数が多くて読むのを怯んでいたけど売れてしまったので仕方なく(?)読んだ。
    エッセイなのでひとつの旅のページ数は少なくても旅の数が多く、その多くが地味な旅(笑)なので、興味ないところは読むのがしんどかったりで中弛みして読むのに時間がかかったけど読後は「旅に行きたーい!」という気持ちに。
    私も旅は飛行機や鉄道の「何もできない移動時間」が好きで、始点から終点までのんびり鉄道に揺られながらおやつを食べつつ本を読み、飽きたら窓の外を眺める旅をしたい。

    文庫版の注釈では2011年の東日本大震災がいろんなもの、ことの境目になっているような気がした。

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    2025年10月19日
  • 消費される階級

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    集英社ウェブサイト「よみタイ」2022-2024連載のエッセイ集。2010年代半ば以降、女性・容姿・年齢など様々な差別がタブーとされ、水面下に潜った。上下差をつけたい人間という生きものが、すべて横並びという難題に挑戦している状況。

    面白そうながらもよくわからないタイトルだったのですが、少なくともタテマエ上は格差が許されなくなった時代、というのはわかりました。

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    2025年10月06日
  • ユーミンの罪

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    刹那の快楽を積み重ねることによって永遠を手に入れることが出来るかもしれないと夢想するようにさせたい罪。

    ユーミンの歌詞からその世界観、世界の切り取り方をこれでもかと説明する。

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    2025年09月28日
  • うまれることば、しぬことば

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    「『発達障害』や『性同一性障害』など様々な状態に名付けが行われるようになり「『私は発達障害』です」という感じで手をあげる人が次々に出てきた」

    最近読んだ『わたしのいないテーブルで』(丸山正樹 著)にも同じような記述がありました。

    症状や状態をひとつの言葉で定義することは、その渦中で苦しんで、ずっともやもやしてきた人々が手をあげるのに強い効力を発揮するのだとわかりました。

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    2025年08月08日
  • うまれることば、しぬことば

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    時代とともに言葉の解釈や価値観が変わり淘汰されていく言葉や新たに時代のうねりとともに誕生する言葉を考えることは、社会の変化や人間の営みが見えてくると思いました。言葉の誕生が概念を生み出してそこに色々な付加価値が生まれていく過程を観察しながら、現代に適応した言葉を選びとって日々の生活で使っていきたいとこの本を読んで考えました。

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    2025年07月18日
  • 消費される階級

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    2010年代以降、ポリコレやSDGsなどの潮流の中、「差別や格差を無くして、様々な違いを持つ人々が全て横並びで生きていきましょう」という世の中になりつつあるが、そんな世においても、様々な格差や上下差への欲求は残り続け、水面下で傍聴しているのではないかという問題意識から、様々な「格差」や「差別」、「階級」に関するテーマを考察。
    本書を貫く問題意識には共感するし、はっとさせられる観点もあったりするのだが、タイトルから期待していた格差や階級をめぐる骨太の議論とはかなり違い、「格差」「差別」「階級」に関する毒にも薬にもならない、ぬるいエッセイ集という感じで、正直、肩透かしな内容だった。「まぶた差別と日

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    2025年07月10日
  • うまれることば、しぬことば

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    なんとなく使っていた言葉を掘り下げて考えていく。発見が多くて面白かった。
    語彙力と知識の広さがすごいと思った。

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    2025年07月10日
  • 本棚には裏がある

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    装画の落ち着いた色がいい。思わず手に取って
    しまう。

    取り上げられている本が重たいテーマのものが
    多く、興味はあっても読めるだろうかという本も
    多かったが、酒井さんの独自の視点の書評はとても興味深く、十分読んでみたいと思わせる。ただ、
    取り上げられた本を今、全部読みたいかと言われれば、うーん‥
    重たいテーマばかりではなく、読みやすそうな本もある、たとえば
    【謎とき『風とともに去りぬ矛盾と葛藤にみちた世界文学』】
    「スカーレット・オハラはなぜ嫌われないのか?
    美人だからモテたのではなく、原作ではスカーレット・オハラは美人ではないとあるそうで、でも好きになってしまうと彼女が不美人であることに気が

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    2025年06月21日
  • うまれることば、しぬことば

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    根暗、根あかが今でいう陰キャ、陽きゃになるのか。
    でも黒人のことを黒人の人とは言わないなぁ。
    今がアフリカ系アメリカ人とは言うけど。
    さすがに外人は言わないよね。今は。
    でも、なんで韓国人と朝鮮人とか言うのがダメなんだろう。
    きつい感じがするのかな。
    著者は韓国の人っていうらしい。
    じゃあ、日本人もNGってことになるのかな。
    言葉の感覚って人それぞれだから難しいよね。

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    2025年06月03日
  • 老いを読む 老いを書く

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    新書本はほとんど読まないのだけれど
    なかなか興味深いテーマと老いスターの登場でいっきに読み終えた
    老い、いやだ
    あちこち痛い
    しみしわたるみ
    邪魔者扱い
    スマホ操作できなきゃ生きる価値もないみたいで
    …これでいいのか、日本?
    もう少しちゃんと考えようぜ
    と改めて思わされる本でした

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    2025年05月27日
  • 枕草子 下

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    平安中期、中宮定子に仕えた清少納言が、宮中での生活を才気煥発の筆で綴った傑作随筆集。エッセイスト酒井順子ならではのエスプリの効いた現代語訳が楽しい。関白道隆の没後を描いた一四三段から完結まで。
    意外と時間がかかりましたが最後まで読みました。今は普段見慣れないものも多いから、ピンとこないというか、想像しかできない部分もあるけど、インスタとかやってたら面白い文章書く人だったんだろうなと思う。どちらかというとクセツヨだしXかな(笑)この時期はお仕えする定子様が不遇のときで自身も悩んだり落ち込むことも多かったであろう中、敢えて笑い話も織り交ぜながら敬愛する人たちを美しい形で残そうとしたのかなと思うと泣

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    2025年05月25日
  • 消費される階級

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    ★★★ユーモア溢れる読みやすい文章で、様々な格差について考察されている。年長者と若者との感覚の差については、自分はこのような空気の中で育ったからこう感じているのかと、発見がたくさん。昭和から直近まで、たくさんの出来事や現象が取り上げられ、文筆家はすごい。自分はなんと無知なのだろう、と感じた。

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    2025年05月04日
  • 消費される階級

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    「負け犬の遠吠え」から早20年。
    結婚しない女の在り方を叫んだ著者は、
    変わらず時代の移り変わりを一歩引いたところで淡々と見つめている。

    正しさは平板化すること。
    あとがきでの
    「表面的な格差や差別は減少し続ける…つるつるした世の中は歩きやすいだろうけれど…立つ時も歩く時も力が必要となる」(抜粋)

    の言葉が胸に残る。

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    2025年04月06日
  • 老いを読む 老いを書く

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    老いに関する色々な切り口の本(老い本)が紹介されます。楢山節考、認知症世界の歩き方、佐野洋子の死ぬ気まんまん。歳をとってからの生活、独り、定年、ぼけ、お金、配偶者の死、自分の死。いろんなテーマの本が次々に紹介されて、一種の読書案内として読みました。

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    2025年04月05日
  • 老いを読む 老いを書く

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     老いとは誰にとっても避けられない道だ。最近その道のりを思うことが増えた。加齢に対する戸惑いや年齢を重ねることの意味が静かに語られている。
     若い頃は老いを遠いものと感じていた。しかし体の変化や健康不安が現れるとそれは身近な問題になる。いつかではなくすでに始まっていると気づくのだ。
     とはいえ老いについて深く考える必要があるのか。いろいろな本を読むよりこの一冊で十分かもしれない。それどころかこうした本は不要とも思う。結局これまで通りやりたいことを続ければそれが最良の生き方ではないか。
     未来を不安に思うより今をどう生きるかが大切だ。老いを意識しすぎず自然体で日々を重ねていきたい。

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    2025年04月03日
  • 消費される階級

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    あの人より、上か、下か――「差別や格差を無くして、様々な違いを持つ人々が全て横並びで生きていきましょう」となった昨今、表面上は序列、区別、差別は消えたものの、姿を変えた「凸凹」は、いまだ世の中のあちこちに。時代を切り取る名著の書き手が、日本人の根深い階級意識をあぶり出す。
    ちょうど今、酒井順子さんの枕草子の現代語訳を読んでいる。エッセイは何気に初めて読むが、なんか思ってたより普通?な感じ。世代が違うというのはあるかもしれないけど、なんかそんな深く考えたことなかったけどなーみんなそんな気にしてるのかなーとか思ったり。でもまあどんな世代でも当時は〇〇がいい!とかたくなに思ってたりするブームがあるし

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    2025年03月31日
  • 枕草子REMIX(新潮文庫)

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    別の本の対談で、酒井順子の名前を見つけ、ちょっと懐かしくなって読んだ。以前、私など足元にも及ばない読書家の友人から、面白いと勧められたが、私は古典の成績が悪く、貴族の文化に興味がわかなかったので、当時はふぅん、と聞いただけで読んでいなかった。今は昨年の大河ドラマ「光る君へ」の余韻もあって、ようやく手に取った。

    現代に置き換えて、わかりやすくキャリアウーマンに当てはめたり、中宮の女官の世界が女子校と同じ構造だったりする例えを用いて、面白おかしく貴族の世界観を紐解く。
    当時、貴族には平民を民とも思わない思想があり、清少納言も貴族は特別なものと思っている。(貴族は平民のことを「下種」とあからさまに

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    2025年04月05日
  • 負け犬の遠吠え

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    感想書くのが少し難しいなぁ。
    作者の語彙力、人間観察力、考察力に完敗。
    偏見チックなところもあるが、思い返すと「 そうそう」と納得してしまう文章。
    こんなにもスラスラと読める文章が非常に小気味よい。

    負け犬のイヤ汁が個人的に好き。
    35歳くらいになっていや〜な臭い汁が出てくる。まだ30歳(一応去年結婚、ただ子どもの予定は一切ない)はどうなのだろう。
    子どもの話が出てきて、準負け犬なのではないだろうか…と心配になった。

    たしかに自分は一時の楽しさを重宝して、長期的な視点で物事を考えてない気がする。
    生物として普通に考えれば、子孫を残すことが将来的にも正しい。勝ち犬は考えるのだ笑

    いわゆる勝

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    2025年03月20日