福沢諭吉のレビュー一覧
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福沢諭吉の『西洋旅行案内』の現代語訳と著者の解説。
日本には牛車があったのだから馬車も驚かないと思ったが、馬車には驚いたとか、ひとつひとつ当時の日本人の常識に「へー」と思う。
そして、日本がこのとき外国では……?と世界史と結びつけて考えるのは難しいのだが、日本人の西洋旅行記なので、当時の日本の様子と、当時の外国の様子がわかるのも本書の特徴かと思う。
そうか、幕末の動乱期はアメリカの南北戦争前後になるのか。福沢諭吉が南北戦争の直前にアメリカに行って、さらにその6年後にアメリカに行ったので、その前後の様子の描写が楽しく読める。
西洋では日本で働くことはできるか、行くことはできるか、と話しかけられた -
Posted by ブクログ
つい先日、ちくま新書から出ている「現代語訳 学問のすゝめ」を読み、福沢諭吉という人物に興味を持った。
そこで現代風の解説ではなく、当時日本の動乱の時勢とともに生きた「リアルな諭吉さん」を知りたいと思い、この本を読むことにした次第。
馴染みのある現代語ではないので若干読みにくかったものの、「現代語訳 学問のすゝめ」では味わえない雰囲気、緊張感があった。
そしてその緊張感の中でこそ、真剣に日本という国を心配する福沢諭吉の姿、想いが、実感となって理解できた気がした。
これは歴史の教科書や、現代人向けに書かれた解説本ではできない読書体験だと思う。
さてまた、福沢諭吉はただ西洋文化を重んじて、徳を好 -
Posted by ブクログ
1872年という明治初期に書かれた書物にも関わらず、現代にも通じる-なんて紋切り型の言葉に違和感を覚えずにいられないのは、先に『福翁自伝』を読んだ為か。そもそも、福沢諭吉は権威や立身出世とやらに無頓着で、旧態依然とした体制や大衆とやらにとにかく「渇だ渇っ!」と言いたかっただけなのだ。
しかし、こうやって誰もが名前ぐらいは知るこの書物を読み解くと、実体は学問論というよりは当時の社会全般にたいする考察と提言といった面に主が置かれているのは意外だった。種々洋楽書物を参照しつつ、冴えた/醒めた目線で古き習慣を奮いにかけ、平易にアイロニーをまぶして語るその口調は、「学問は実学であり、実用されてなんぼ -
Posted by ブクログ
・賢人と愚人の差との別は、学ぶと学ばざるとによりて出来るものなり。・今の政府は官員の多きを患ふるなり。事を簡にして官員を減ずれば、その事務はよく整理して、その人員は世間の用をなすべし。一挙して両得なり。(=役人を減らすことが、かえって政府の事務を整頓させる上、有用な人物を民間に回すことになって、両得である。)・学問に入らば大いに学問すべし。農たらば大農となれ、商ならば大商となれ。学者は松庵に安ずるなかれ。(=諸君は小さな生活の安定に満足してならぬ。)・活用なき学問は無学に等し。ってところが特に印象に残った。福沢諭吉って、世界の動きを見て、蘭学ではなく英学に転向することを決意したり、文章がいろん
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