福沢諭吉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
福沢諭吉はおもしろいよってよく聞いたきたけれど、いやホントに面白いわ。
これが今から150年近くも前に書かれたことが信じられない。
本当に現在でも十分にリーダブル。
夏目漱石もそうなんだけれど、「いま」の僕たちのことを語っているようにしか思えない、そんなエキサイティングさがある。
まあ、逆に言うと、一世紀以上、日本(人)は本質的な問題を改善できていないということなんだろうけれど。
しかしそれとは別に、福沢諭吉を(それほど難解ではないとはいえ、それなりの文語文を)ある程度それなりに読みこなし、面白いと思えるようになった自分に、多少の成長を感じる。
やっぱり亀の甲より年の劫、だなあ(笑) -
Posted by ブクログ
学問のすすめというのは冒頭の文がえらく不自然に切り取られたことでだいぶ有名な本ですが、それにしても「といへり。」を削ってしまうのはずいぶんな暴挙ではないか。
高校時代に一読したきり再度読まないものだから、今になって中身を説明せよと言われてもなんだっけという情けない有様ですが、けれどもこの本が、現代にも通ずる本だというのは今でもハッキリと信じており、当時の激動の時代にこういう人がいたということをみんなもっとよく(決して紙幣を通じてだけでなく)知っておくべきだとも思うわけです。
こういった知識人をきちんと生かしておける社会というのがよい社会だと思います。
こういった人間を再生産できる社会というの -
Posted by ブクログ
あまりに面白かったので2度繰り返して読んだ。どこが面白かったかと言うと、江戸時代の武士たちの生活や話し方が作者の話し言葉によって生き生きと描かれている。また彼はアメリカに2回ヨーロッパに1回行っているが、その時の驚きや刀を差した侍たちがどう感じたか面白おかしく書いてある。意外と福沢は臆病者で、辻斬りとか追いはぎとか暗殺者を非常に恐れている。明治維新の頃洋学者はいつも尊王攘夷に命を狙われていたのだ。スリルとサスペンス、昔の生活風俗よりもよくわかって面白いだけではなく、福沢諭吉の心の優しさや家族や師弟の愛に感動した。
ただ昔のこと、放送禁止用語がまだなかった時代なので、韓国人や被差別部落の方、ハワ -
Posted by ブクログ
福沢さん、サイコーです。100年以上も前に書かれたはずの内容が新鮮に感じます。
当時、諭吉さんが国民に訴えていたことが、現代の国民に対してもまだ通じると思ってしまったのがちょっと残念です。
日本は経済大国と言われるまでに成長してきたが、それはごく一部の賢者たちのおかげにすぎない。
当時も今も大半の国民は、受け身でなんらかわっていないのですね。。。
自分もまだまだだけど、家族や友達、職場の人も自分のまわりみな独立精神が強くないようです。
この国の国民性と言ってしまえばそれきりですが、自分は少しずつ自分の道を歩いていけたらと改めておもえてうれしいです。
良書です。 -
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私は、慶應出でも大分出でもないが、
以前から、福沢諭吉という人に興味を持っており、いつか読んでみようと思いつつも、私が果たして明治時代の書物を読んで理解できるかどうか…というところに疑問をいだいていたのだが、そんな私に、ぴったりの本。
福沢と勝とどちらが、どうというのは、その時代に実際に生きていなかったので良くわからないのだが。
過去の偉人たちや出来事を一見批判していると思われる文章でも、福沢の真意というのを、わかりやすく解説してくれているこの岬さんも素晴らしいと思う。
そして、この岬さんと言う方も、またお国は知らないが、諭吉と違う、慶應ではなく、早稲田出身というところが、またとても信頼できる -
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幕末から明治にかけての激動の時代を生きた福澤自身の歩みを綴った作品である。彼は幼少期から向学心に燃え蘭学を学び、やがて欧米を視察する機会を得る。異文化に触れる中で日本の近代化に必要なのは「学問」であると確信した。
帰国後慶應義塾を創設し人々に「独立自尊」の精神を説いた。その生き方は既成の枠にとらわれず自ら考え行動する姿勢に貫かれている。
現代に生きる私たちもまた周囲の常識や他人の評価に縛られることなく自分なりの志を持ち自分の道を切り開くべきだろう。福澤の生き様は時代を超えて「自分を枠にはめるな」という力強いメッセージを私たちに投げかけている。
日記、自伝、自分史、市井のそれぞれに時代と -
Posted by ブクログ
率直に言うと、『慶應義塾すげー』です。志の強さが芯に入ってる演説集。難しい言葉も若干入ってますが、章末に編者による要約が入っていて読み解けるようになってます。日本語なのに英語を紐解いてるかんじ。
ほぼ三田演説館(当時使われてた慶應の三田にある施設で、今は原則中に入れません)で話された内容が入ってます。私が慶應の通信に通ってた時、たまたま授業で三田演説館の中を見る機会がありました。演者と聴講席が近くステンドグラスを通って入ってくる光が美しい場所。この演説集に載っているような熱意あるスピーチが行われた場面を想像できたのがうれしかったです。
章のはじめは明治時代の初期で、歴史上じゃないリアルな江戸の -
Posted by ブクログ
個人の独立心が必要だ。他人の意見に流されるのではなく、他人に媚びるのではなく、自身で判断できるようにならなければならない。
独立心が無いと、他人に頼る。頼ることが当たり前になって、自身の不遇を他人の責任にするようになる。
集団全体にそういった意識が増えると、集団が腐って行く。
私にできることは、自身の独立心を高めること。そして、人の独立心を高めるように助けること。
そのためには、学び続けることが大切だと思う。難しい言葉を学ぶということではなく、生活を高めるために学ぶのだ。
その生活とは、私個人の生活を成り立たせるというわけではない。他者の生活に貢献し、集団全体の生活をより良くするということで