あらすじ
豊前中津奥平藩の下級士族の末子が「窮屈な小さい箱」をヒョイト飛び出し、洋学を志して長崎、大阪、江戸へ、欧米へ……。幕末・維新の大変化の時代を「自由自在に運動」し、慶應義塾を創設、「大いに西洋文明の空気を吹き込」んで日本の思想的近代化に貢献した福沢諭吉。その痛快無類の人生を存分に語り尽くした自伝文学の最高傑作。(講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
・自身独立自立自活
・ドンなことがあっても一寸でも困ったなんて泣き言を言わずいつも悠々としている
・他人の熱に依らぬ
・まず獣身を成して後に人心を養う
・根気よく勉めて迷わぬ者が勝ちを占める
・温和と活発
・自身の既往を顧みれば愉快なことばかり
なんてジメっとしたところのない方なのでしょう。
ブレなく
迷いなく
先を見通して
普遍的かつシンプルな
「issue」を教えてくれる
咸臨丸 万延元年のアメリカ
幕末、明治維新
なんで日本は侵略されなかったんやろう
Posted by ブクログ
友人の手紙を捏造して宿屋にツケで泊まる、酒を止めようとしていたら友人に煙草を勧められて両方止められなくなった、藩に黙って禁書を写本する、etc..
なんて国際センスのいいチャーミングなおじさん!
身近に感じたし、自分も何かできると勇気づけられた。
Posted by ブクログ
あまりに面白かったので2度繰り返して読んだ。どこが面白かったかと言うと、江戸時代の武士たちの生活や話し方が作者の話し言葉によって生き生きと描かれている。また彼はアメリカに2回ヨーロッパに1回行っているが、その時の驚きや刀を差した侍たちがどう感じたか面白おかしく書いてある。意外と福沢は臆病者で、辻斬りとか追いはぎとか暗殺者を非常に恐れている。明治維新の頃洋学者はいつも尊王攘夷に命を狙われていたのだ。スリルとサスペンス、昔の生活風俗よりもよくわかって面白いだけではなく、福沢諭吉の心の優しさや家族や師弟の愛に感動した。
ただ昔のこと、放送禁止用語がまだなかった時代なので、韓国人や被差別部落の方、ハワイの王室の方、身体障害者の方は読まない方がいいでしょう。
Posted by ブクログ
幕末から明治にかけての激動の時代を生きた福澤自身の歩みを綴った作品である。彼は幼少期から向学心に燃え蘭学を学び、やがて欧米を視察する機会を得る。異文化に触れる中で日本の近代化に必要なのは「学問」であると確信した。
帰国後慶應義塾を創設し人々に「独立自尊」の精神を説いた。その生き方は既成の枠にとらわれず自ら考え行動する姿勢に貫かれている。
現代に生きる私たちもまた周囲の常識や他人の評価に縛られることなく自分なりの志を持ち自分の道を切り開くべきだろう。福澤の生き様は時代を超えて「自分を枠にはめるな」という力強いメッセージを私たちに投げかけている。
日記、自伝、自分史、市井のそれぞれに時代と社会のなかで人生がある。
Posted by ブクログ
つい先日、ちくま新書から出ている「現代語訳 学問のすゝめ」を読み、福沢諭吉という人物に興味を持った。
そこで現代風の解説ではなく、当時日本の動乱の時勢とともに生きた「リアルな諭吉さん」を知りたいと思い、この本を読むことにした次第。
馴染みのある現代語ではないので若干読みにくかったものの、「現代語訳 学問のすゝめ」では味わえない雰囲気、緊張感があった。
そしてその緊張感の中でこそ、真剣に日本という国を心配する福沢諭吉の姿、想いが、実感となって理解できた気がした。
これは歴史の教科書や、現代人向けに書かれた解説本ではできない読書体験だと思う。
さてまた、福沢諭吉はただ西洋文化を重んじて、徳を好み不徳を嫌い、学問の大切さを説いた偉人としての立派な一面もあるけれど、その一方で、酒に溺れたりチキンハートだったりと、かなり人間らしい側面も持っている。
この本にはそういった「ダメダメじゃん諭吉さん」と笑ってしまうようなエピソードも沢山あって、面白かった。