福沢諭吉のレビュー一覧
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小林秀雄大先生が、『学問のすすめ』などからは決してこぼれてこない福沢諭吉というひとを知るために挙げていたような気がする。
あまりに見慣れて、あまりにそのことばが使いまわされていて、正直、この福沢諭吉というひとをどこか敬遠していた。だが実際手に取り彼の淀みない流れるような口授に、改めて、このような先人のことばに触れられる喜びを感じた。自伝と銘打っているが、この作品は福沢諭吉というひとの精神が自ら自身を語ったものと言っていい。池田某のことばと同じ匂いがする。エッセーのような、物語のような。
ほんとうに福沢諭吉というひとは、正直に善く生きるということをやってのけた大人物であると思う。等身大で生き続け -
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あまりに面白かったので2度繰り返して読んだ。どこが面白かったかと言うと、江戸時代の武士たちの生活や話し方が作者の話し言葉によって生き生きと描かれている。また彼はアメリカに2回ヨーロッパに1回行っているが、その時の驚きや刀を差した侍たちがどう感じたか面白おかしく書いてある。意外と福沢は臆病者で、辻斬りとか追いはぎとか暗殺者を非常に恐れている。明治維新の頃洋学者はいつも尊王攘夷に命を狙われていたのだ。スリルとサスペンス、昔の生活風俗よりもよくわかって面白いだけではなく、福沢諭吉の心の優しさや家族や師弟の愛に感動した。
ただ昔のこと、放送禁止用語がまだなかった時代なので、韓国人や被差別部落の方、ハワ -
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これをそのまま映画化したらコメディ映画が出来上がるのではないかと思うくらいユーモラスな自伝。門閥制度が嫌い、漢学が嫌い、そして攘夷が嫌い。これらのごく個人的な嫌悪感が新しい社会を構想する原動力になったという事実は興味深い。門閥制度への嫌悪感は西洋流の平等主義を受け入れる下地を作っただろうし、科学的な根拠を持つ洋学を学んだあとは、漢学や攘夷といったものが極めて非合理的なものに見えただろうことは想像に難くない。明治新政府に仕官しなかった理由を語る終章(「老余の半生」)は福沢の精神を最もよく表していてやはり感動的。一切の迷信を排したウルトラ合理主義者である福沢が、独立心という無形の矜恃に最高の価値を
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ネタバレ福沢は一生を通じて一つのことしか考えなかった。日本の独立!彼は、そのために西洋崇拝者のそしりを受けて身辺に危険をもっていた。それでも彼はそういう危険を冒して西洋の文明を吸収することにつとめた。これをもって彼は愛国の方法としたのである。
何か議論を始めて、ひどく相手の者が躍起となってくれば、こちらはスラリと流してしまう。「あのばかは何をいっているのだ」とこう思って、とんと深く立入るということはけっしてやらなかった。ソレでモウ自分の一身はどこに行ってもどんな辛苦もいとわぬ、ただこの中津にいないでどうかして出て行きたいものだと、ひとりそればかり祈っていたところが、とうとう長崎に行くことができました -
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ネタバレ僕の人生の羅針盤の一つです。
特に、教育や経営における思想あyスタンスや取り組みは
この著に書かれているエッセンスが欠かせません。
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本塾の旧生徒が、社会の実他に乗り出して、
その身分職業の如何にかかわらず、物の数理に
迂闊ならず、気品高尚にてよく独立の趣意を全うする者ありと
聞けば、これが老余の一大楽事です。
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なぜ学問をするのか。そして、学問を修めた者の責務とは何なのか。福沢諭吉はその答えを、「文明の進歩のため」そして、「国家の独立を得るため」としている。
学んだものは、活かさなければならない。少し学んだだけで、それをただのステップにして職に就き、日々の暮らしを保つのに腐心するだけでは、個人はそれでいいだろうが、文明が進歩するのに寄与するには至らない。福沢は例として、世の中のすべての人が、自分の家計をやりくりすることのみを考えていたとしたら、新しいものは生まれることなく、ずっと同じ文明水準のまま時代が過ぎて行くだろうとしている。
原書は明治初期に著されたものである。元々、小冊子のような形で短 -
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福沢さん、サイコーです。100年以上も前に書かれたはずの内容が新鮮に感じます。
当時、諭吉さんが国民に訴えていたことが、現代の国民に対してもまだ通じると思ってしまったのがちょっと残念です。
日本は経済大国と言われるまでに成長してきたが、それはごく一部の賢者たちのおかげにすぎない。
当時も今も大半の国民は、受け身でなんらかわっていないのですね。。。
自分もまだまだだけど、家族や友達、職場の人も自分のまわりみな独立精神が強くないようです。
この国の国民性と言ってしまえばそれきりですが、自分は少しずつ自分の道を歩いていけたらと改めておもえてうれしいです。
良書です。 -
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私は、慶應出でも大分出でもないが、
以前から、福沢諭吉という人に興味を持っており、いつか読んでみようと思いつつも、私が果たして明治時代の書物を読んで理解できるかどうか…というところに疑問をいだいていたのだが、そんな私に、ぴったりの本。
福沢と勝とどちらが、どうというのは、その時代に実際に生きていなかったので良くわからないのだが。
過去の偉人たちや出来事を一見批判していると思われる文章でも、福沢の真意というのを、わかりやすく解説してくれているこの岬さんも素晴らしいと思う。
そして、この岬さんと言う方も、またお国は知らないが、諭吉と違う、慶應ではなく、早稲田出身というところが、またとても信頼できる -
Posted by ブクログ
幕末から明治にかけての激動の時代を生きた福澤自身の歩みを綴った作品である。彼は幼少期から向学心に燃え蘭学を学び、やがて欧米を視察する機会を得る。異文化に触れる中で日本の近代化に必要なのは「学問」であると確信した。
帰国後慶應義塾を創設し人々に「独立自尊」の精神を説いた。その生き方は既成の枠にとらわれず自ら考え行動する姿勢に貫かれている。
現代に生きる私たちもまた周囲の常識や他人の評価に縛られることなく自分なりの志を持ち自分の道を切り開くべきだろう。福澤の生き様は時代を超えて「自分を枠にはめるな」という力強いメッセージを私たちに投げかけている。
日記、自伝、自分史、市井のそれぞれに時代と