あらすじ
福沢が来客相手に語った談話を、自身で綴った代表作。自然科学、夫婦のあり方、政府と国民の関係、教育、環境衛生など、西洋に通じる新しい考えから快活に持論を展開。思想家福沢のすべてが大観できる。
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Posted by ブクログ
先人の功績によって今の生活がある。感謝の気持ちを忘れない事。我々がすべき事は、その恩に報い、次の世代がより生きやすくなるよう、努力を積み重ねていく事。
世界は全て宇宙の法則で成り立っている。
万物は平等であり、人間はその構成員にすぎない。無力な存在であることを自覚し、コントロールできない事には手をつけず、できる事をしていく。
Posted by ブクログ
it's amazing, prefer cosmic to time. i know this book, his modern essay can't get box-office.
Posted by ブクログ
福沢諭吉晩年の著作で、それまで福沢が語って来たことを選抜して百話に纏めたもの。佐藤きむの現代語訳による。佐藤は弘前市生まれの弘前大学卒。母校の弘前大付属中で教鞭をとった後、弘前近辺の大学等で講師を勤めている。
福沢諭吉といえば官を嫌い民間で社会貢献をした人という認識である。慶應義塾の創始者としても有名だ。この百話を読むと福沢が如何に将来の日本を見通していたか、先見の明があったかということを再認識させられる。百年以上前の著作でありながら、現在にもそのまま当てはめることが出来る事柄が、数多く語られている。
例えば孔子とニュートンの比較が面白い。孔子は道徳一筋の聖人、ニュートンは物理一筋だ。もし孔子にニュートンの物理思想を付け加えたなら、知徳兼備の人物になっただろうという。二人とも一方だけで、両方兼ね備えなかったために完全な人物とはならなかったというのだ。これまで誰がこのような発想をしたことがあっただろうか。
哲学的思想から自然科学まであらゆる分野に詳しい福沢の博学ぶりには驚く。明治維新以降の日本の近代化に大きな貢献をしたことは間違いないのだろう。ただ全体を通して感じられる説教くささが若干鼻についた。この「上から目線」は武家の出という出自に由来しているのかも。