京極夏彦のレビュー一覧
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巷説百物語シリーズの第6作目
舞台を江戸末期の遠野へと移し、盛岡藩筆頭家老の密命で巷に流れる噂話を調べる宇夫方祥五郎を主人公に物語が展開する。
全部で6話。
どの話も遠野の昔語りから始まって、巷の話、事件の当事者の話、最後にそれを解体する話という構成。
昔語りの遠野の方言はなんとも味がある。
ここまでのシリーズでも登場している
長耳の仲蔵、亡者踊りの柳次が主に妖怪変化の仕掛けを施して事件を解決していく。
今回は座敷童のような女の子、花が良いアクセントになっている。
又一が八咫の鴉(やた の からす)として最後の話「出世螺」に登場する。
これで続巷説百物語の後の話だとわかった。
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京極夏彦の和風ミステリー『鉄鼠の檻』、分冊文庫版の2巻。
禅僧・小坂了稔殺害事件捜査のため、明慧寺で聞き込み捜査を行う山下警部補ら警察一行。「修行中の僧侶の脳波を測定する」という当初の目的を進める名目で、警察らと共に明慧寺へと向かう関口、敦子、鳥口ら一行。そんな最中、新たな殺人が発生する。老師・大西泰全が雪隠(便所)に頭から突っ込まれ、脚だけが出ている状態で発見される。禅僧二人が殺害されたことで「次は自分が殺される」と怯えるのは典座・桑田常信。この事件について、彼は何を知っているのか―――。
京極堂による「憑物落とし」、まずは禅宗の歴史・系譜のお勉強を兼ねての第一回(多分)。明慧寺の成り立 -
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百鬼夜行シリーズが大好きなのでいつかこれも読みたいなと思いつつ読んでこず。最近発売された京極夏彦サーガを読んでこれは読まねばと思って購入。
登場人物や時代が違うだけで、百鬼夜行と似たような構成展開なんかなと思ってたけど違う!
百鬼夜行だと戦犯がいて、それがたまたま妖怪の話に沿っててそれを解き明かしていくって流れだけど、こっちは戦犯側が妖怪の話になぞらえて仕掛けてる話って感じ。
読む前は百鬼夜行にはやっぱ劣るかなぁと思ってたけど全然物足りなさがなくちゃんとおもしろい。読んでる途中小休憩するとき毎回「いやオモロ〜…」って頭の中で言ってた。続編読んでいきます。 -
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百鬼夜行シリーズ待望の十作目。永らく出なかった新作だけあって悦びも一入、じっくりと時間をかけ味わって読ませて戴きました。
嘗て読み漁ったシリーズ作品の懐かしき登場人物達の躍動に心躍るばかりです。
肝腎の内容に関しては相変わらず圧倒の一言に尽きます。一体何うやって斯様な御話を考えているのか。此が一人の人間の脳味噌から出て来ると言うのが俄かには信じられぬ程です。
巻末の解説で小川哲氏が触れていますが、本作の圧巻は何と言っても其の「構造(構成)」でしょう。一つ一つは独立した違う御話に見える複数のパートで構成され、謎が解明に近付くにつれ其々が連関していきます。然し全てのパートが収斂し、真相 -
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とりあえず三部作の一作目。
なんだこれ?
名だたるホラー作家が実名で登場している。
妖怪が現代に現れ、世の中が大混乱。
水木しげるが憂い、荒俣宏が奮闘する。
会話文が多くて、今までの京極小説っぽさがない。
大御所がラノベ書いたらこんな感じなのか?それにしても語彙が多くて、会話文だらけの展開でもどこか新鮮で面白い。
端役だったけど、岩井志麻子が男性に刺されそうになって逃げてるところがツボだった。妖怪関係なく身の危険にさらされる女流作家。
黒史郎さんがいい人なのに貧乏くじ引くのがほほえましい。ダゴンみたいのに憑かれて可哀そう(だけど笑える)
ちゃんとした感想は最終巻まで読んでから。
今のと -
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『絡新婦の理』で事件に翻弄された美由紀と、京極堂の妹で雑誌記者の敦子が探偵役となる3篇。京極堂とその悪友(?)3人は登場しないけれど、百鬼夜行シリーズでお馴染みの面々が登場してきて、雰囲気は随分賑やかである。
ある意味普通を地で行き、十代ならではの素直な感覚をいかんなく発揮する美由紀と、理性的であろうとすることが信条の敦子は、互いに足りないところを補い合える良いコンビだった。密会場所となるのが、駄菓子屋というのも楽しい。『天狗』に登場する(いつぞやかの榎木津に結婚式を滅茶苦茶にされた)美弥子も含めて、京極先生の描く女性というのはどことなく清々しいのは何故だろうか。3篇とも人死にが出ていて物騒極 -
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【2024年170冊目】
投擲する狸、首を跳ねられても蘇る男、消えた花嫁、山の民と船幽霊、殺しに魅入られた死神、二人の天狗。仕掛けを施し、悪を滅する。巷説百物語シリーズ第二弾。
一話からぐっときてしまいました。こんな泣かせるような話書いたっけ京極先生…私の涙腺が緩い?とか思ってたら、話がどんどんエグくなっていって、やっぱり一番怖いのは人間じゃねーか、と。むしろ、祟られてるとか取り憑かれてる方がまだいい、正気で狂気の人間の怖さ。
一見、それぞれのお話が別物に見えたりしますが、連作短編集で少しずつ繋がっています。これ、最初は今作でお仕舞いにしようと思ったんじゃなかろうかこのシリーズ…と思わせる