谷川嘉浩のレビュー一覧
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偏愛はすべてに勝る 世界が滅びたとしても
そんな極端な考え方は、自分には出来ないなと思いながら読み終えました。
なりたい自分や、憧れの人など、生活していく中で様々な人を目標にしている。そんな事ではなく、どうしようも無くやりたい事がある、例え世界が滅んでも構わない。
実にカッコよくて、自分もそうなりたい!と思ってみますが、これが中々に難しい。周囲の人との関係や、どう見られたいかの外的要因がどうしても頭をよぎります。
著書の中で例として出てくるフリーレンのように、魔法を集める事を単純に趣味と言い旅の目的であると言えるような人生を歩みたい。そう思いながら本書を読み進めていくと、著者により衝動に -
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「モヤモヤ」を抱えておく能力
――ネガティヴ・ケイパビリティ
(ネガティヴ・ケイパビリティは、ジョン・キーツというイギリスの詩人が提示した概念。)
ネガティヴ・ケイパビリティの概念がよかった。
自己啓発でテンション上げることへの警鐘を発していおり、社会や集団の歪みや問題点を放置してはいけないよって所に、「そうだ、そうだ」と思う。
以下引用
[一人一人は変化の激しい状況で生まれる不安に対処し、自分を肯定していくためにテンションを上げねばなりません。そのとき自己啓発は、タフな日々を生き抜く支えとして機能しています。しかし同時に、自己啓発の論理は、すべてを各人の問題に回収することで、社会や集団 -
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感想を一言で述べるとすれば、とても自分勝手な本でした。
著者が述べていることはほぼすべて私自身が考えていることと一致しており、著者が述べていることには反論はないのですが、裏付けとしている事柄やその結論に至る道筋が私には理解しがたいところがあり、そういう意味で置いてけぼりを食らった感じがあり冒頭の「自分勝手」という感想になっています。
- 本当にやりたいことは表面的に囚われがちである
- 色んなことに触れて取り込むことが大切である
- 自分から関わってみることが大切
- やりたいことはどんどん変わって良い
などなど、これらについては私の考えと完全に一致しています。けれどそこに至る流れとして著者 -
Posted by ブクログ
とても良かった。ちょうど今の自分のメンタリティーとこの本の内容が重なって、寄り添ってくれた感じがした。
常時接続の社会で、何かが足りないような感覚で
私たちは必死に生きているのに
知らず知らず小さな箱の中にいるみたい。
孤独と趣味、とてもしっくり来た。
何かを作るという趣味、いいな。
今の私にとっては、きっと読書が孤独を作る時間だと思う。あとランニングかな。
自分のためだけの趣味(SNSにあげるようなものでもない)をいくつか持ち合わせたいね。
あと、無理に豊かになろう!幸せになろう!とするもんじゃないね。結果、幸せだったな〜ってなるもんだ。 -
Posted by ブクログ
「現代人は漫然とスマホを眺めることで、快適なだるさを感じ、柔らかい昏睡状態となることで、社会のしんどさをやり過ごし、気分の落ち込みを軽減させている。」これは非常に納得。
「即時的に達成しやすいものが求められる現代において、すぐに消化することができないモヤモヤを心に抱えたとき、自己啓発的に行動し自己完結することを試みるか、さもなければ目的もなくスマホを眺めその場をやり過ごすか」というのはまさに私のこと‥。そうではなく、モヤモヤを心に留めつつ、他者の力も借りながら、自己対話を通じて自己形成していくべきだと。これも非常に納得。
本書を読んで改めて、読書することの意義はここにあるのかと気づいた。動 -
Posted by ブクログ
現在の24時間接続社会において失われてしまった「孤独」や「孤立」の必要性を擁護する本。
いっぱい同様の本はあるけど、今すぐ「SNSアカウント削除」「スマホ解約」が意味ないことを理解した上で、別の方法を提示しているのが他の本とちょっと違う。しかも、その方法自体がとても地味で時間がかかるってことが重要ポイント。
ところで本書では、「孤立」は他者から切り離されて何かに集中している状態(スマホは一時的にでも接続されてませんよ)、「孤独」は自分自身と対話している状態と提示している。孤立は孤独の必要最低条件。
この自分と対話というのがどうやら重要らしい。自己対話とは他者性を自分の内側に持つことを前提して -
Posted by ブクログ
このひとを知りたい、というひとがいる。
そのひとにこの本を渡して、もし読んでもらえたら、
少したってから訊いてみたい。
あなたの衝動は何でしたか、と。
あなたの偏愛をどこまでも具体的に、細かく細かく辿っていった先に、何がありましたか。
実際のところ、あなたは何を楽しんでいるのですか。
その言語化された偏愛をほどほどに一般化したら、何が残りましたかーー。
それから、僕の衝動はこれでした、と話してみたい。
とても個人的な、けっこう奥のほうのことだから、
むやみに訊くことでもないし、云うことでもない。
だから、もし双方が知りたいと思うとしたらの話。
ーーそんなことってあるだろうか。
これはとて -
Posted by ブクログ
前から「アウトデラックス」や「激レアさん」など番組に出てくるような、他人とは違う癖や嗜好を持って活動したり、生き方そのものをデザインしている人が好きで、この本にも興味をそそられた。
ちょうど何にも強い興味を持てずに、不特定な不安と焦りが募る日々を過ごしていたこともあって、何かヒントになるかもという思いで読んでみた。
「みつけかた」とタイトルにあるが、プロセスや技法的な指摘はまとめる程度で、実際は「衝動」という捉えどころのない感情の動きを体系的に説明した本。
哲学書にありがちな歴史的に著名な哲学者、思想を引用し小難しく理解を複雑化する手法が少なく、身近なアニメや漫画の引用が多いので、自分がサ