谷川嘉浩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
3名の哲学、政策学等にバックグラウンドを持つ有識者の対談を編集した一冊。正直、専門用語を追うことに精一杯で理解は半分もできたか怪しい難解さがある。まさに本書にて、拙速に理解した気になる態度の危うさを再認識した。物語的誤謬や陰謀論、マスターアーギュメントの魅力は、複雑さからの逃避でもあると感じた。わからなさに耐え、聞く姿勢を保つことが他者理解の出発点になる。世界は一問一答では動かず、視点を増やし、意見を暫定的に持つ柔軟さが必要だ。結論よりも態度を問い直す読書体験だった。この本は確実に再度決定本。読んで答えを明確にするのではなく、思考を、許容を深くする本。明確に手ごたえが得られなかったため、星は4としたが、とても良い本。最強の星4本かも。
-
Posted by ブクログ
個人的には読む劇薬。
大学生辺りから徐々に現代人ナイズされていった自分にとっては、最初からかなり刺さる部分が多かった。
ただ、孤独に向き合うことがしんどい時期にこの内容に触れると余計に病む気がする。
この本にあったように、他人と繋がることで自分自身の多様性が、他人に求められる一つの人物像に押し込められるというのはよくあることだと思った。
また、退屈な時間を潰すために断続的な刺激を受けているというよりむしろ、細切れにされた快楽・刺激を受け取り続けているのがデフォルトで、仕事などが合間に挟まることを「退屈」と呼んでいる現在の歪な状況が見て取れた。
上記の事柄がスマホを媒介して加速している今、反響の多いことが納得のいく本だった。 -
Posted by ブクログ
スマホが当たり前となった世界で生き抜くために哲学を用いて考えさせられる本。
なぜスマホを使ってしまうのか、今の時代何が大事になってくるか噛み砕いて説明してくれているところが非常に良い。
物事(読書など)において、じっくり時間をかけて集中する機会は作っておかないといけない。
お気に入りのポイントは二つあって、
一つ目は、じっくり噛み砕けるまで悩んだり時間をかけるということは、数学を解く際にあたためておくという点で似ているなと感じた。
二つ目は、ただスマホという便利なものが手に入ってしまった以上、それから離れられる興味を持てる何かを探しておくことが大事だということ。 -
Posted by ブクログ
スマホが、いかに私たちを「自分自身から遠ざけているか」を痛感させられた一冊だった。
スマホから離れたいのに離れられない自分を責める気持ちで手に取った本だったが、なぜスマホが手放せないのか、そして離れたときに自分の中で何が起こるのかを、現代社会の背景から丁寧に解き明かしてくれる。これまで言葉にできなかったモヤモヤが腑に落ち、「そういうことか…!」と思えた。
依存してしまうのは個人の弱さではなく、時代との関係性でもあると知り、少し肩の力が抜けた。哲学的な内容も身近な例で補足されていて読みやすく、学生から大人まで楽しめる奥深さがある。
スマホから離れることは、単に刺激を減らすことではなく、静かな時間の中で人はどう自分を育てていくのか。本書はその問いを、導入から終わりまで必要な説明と問いによって丁寧に積み重ねながら、考え方を押し付けることなく静かに差し出してくれます。 -
Posted by ブクログ
ネガティブケイパビリティ
本書によると、物事を宙づりししたまま抱えておく力と定義されています。早期解決が重要視さる現代とは真反対の考え方です。人からの紹介で読んでみたのですが、自分がとても苦手なことが良くわかりました。
言い換えると「待つ力」とも捉えることができます。他人に対してビジョンを指し示すのではなく、自分自身で描いてもらう、あるいは考え続けてもらうということだと考えております。
ある意味では他社に対して「問い続けること」に近いのかもしれません。互いにわからない答えを探すために問いを続けることで少しずつ課題や不安がクリアになっていく
その役割として「思考の共犯者」がとても大切な存在です。
これから自分が担うべきものは一般的なリーダーではなく、中核を成す主体的なフォロワーであり続けることです。
なんとも難しい課題ですが、取り組むと決めた以上、逃げずに取り組んでみたいと思います。