谷川嘉浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネガティヴ・ケイパビリティの魅力と実践可能性についての対談(3人だから鼎談?)を書き起こした本。
正直、このレベルの会話ができることが尊敬。文字で追っていてもかみ合っているのか何なのか、分からないところもあったり。
ネガティヴ・ケイパビリティを扱うだけあって、これだ、という結論はなく語りは続く、という終わり方だった。
以下メモ
・ナラティブの危険性
「物語的誤謬」何かもっともらしい物語に落とし込むことで、過去にあったはずの多様な出来事、ありえたはずの無数の姿を見落とし忘れてしまう。
・陰謀論が力を持つ背景
世界を少しでも良くしたい
わからないことを知りたい
・コミュニケーションのモ -
Posted by ブクログ
私たちは、幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校、大学で、社会らしい”正解”をゴールとして教育または指導される。誰かが作った常識と社会で生きる多くの人にとって、本著の言うところの衝動を見つけることは難しく、レールから外れることで疎外感や孤独を味わうことになるだろう。だが、それらは衝動のままに戦略的に行動や活動をしていけば、その時々の自分の成長と同じ視点の仲間と出会うことを知らなければならない。
この社会では、学校はあくまで「人生の平均」を教えてる場所であり、自分の内から湧き上がる本心と向き合い、衝動と情熱のままに学習しながら行動する活動することが必要だ。本著でも指摘しているが、SNSなどからは距 -
Posted by ブクログ
子供の時の夢を叶える事が素晴らしいかのような、刷り込まれた価値観でテンプレ通りに語るのはとても残念だ。
何になりたいかなんてなくて良い。この社会においてナビゲーションされる一見健全そうなレールは、親子共に安心して努力する事を美しく演出するようなメイクストーリーだ。だが、ユーチューバーになんてならなくて良いし、スポーツ選手に憧れない、医者にも興味ないあなたは、それに憧れるヤツらに劣等感を感じる必要などないのだ。
ただただやっていて楽しい事。夢中になれるもの。夢とはその範囲でフレーミングした欲望に過ぎず、そうやって時間を過ごすのは素敵な事だろう。しかし、更にいうならば、夢中になれる事すらなくて -
Posted by ブクログ
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んで自分自身の働き方や個人のあり方についてもう少し考えてみたいと感じた方におすすめ。個人化が進んだ一方で常時接続が当たり前になった新自由主義の臨界点のような社会の中で、ソシャゲやショート動画はつい見てしまうのに本は読めない、という事態をどう捉えれば良いかをさまざまな哲学者の考えを引きながら解説したり、そうした生活や社会に抗うための「趣味」の意義について、エヴァを題材に深掘りしていく。アニメ作品を題材に考えるのは好き嫌いわかれるかもしれないがなかなかわかりやすかった。そして本書を読んで孤独や趣味についてさらに考えたくなった人には國分功一郎さんの『暇と退
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Posted by ブクログ
面白かった。対談している3人が楽しそうだから、読んでいて楽しく面白いのも当然。言語に乗っ取られている、という表現があり、納得する。例えば医療者同士の会話の時、関係者以外が聞いたらギョッとするようなこと。それに気がつかないと、元吉野家の専務のような発言を講演でしてしまう。内輪ウケ、みたいな話かなぁと思う。
3人の会話は時に、私にとってものすごく簡単なことをめちゃくちゃ迂回して辿り着いたりしている。いかに、自分が直感的に物事を見ているかと気づく。
ネガティヴ・ケイパビリティ。何度読んでも素敵な概念だ。そして、とても難しい。宙ぶらりんで耐える。それは言うほど簡単ではない。ポジティブ・ケイパビリティの