谷川嘉浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
対談形式を読むのが私は苦手なのだが、この本は対談形式だから難しい(私にとって)という訳でなさそうだ。ネガティブケイパビリティの定義がそもそも難しいのだ。ネガティヴケイパビリティは「わからない」と開き直ることでもないし、「考え続けよう」と呼びかけることとも違う。捉えどころのないもので、まさに「不確実性への耐性」という表現がしっくりくる。安易な落とし所で考えを押し付けるのではなく、揺れながら実際に考え続けることであり、それ以上に表現する必要があるのであれば、それぞれの現場で引き取って具体化したり、別の概念と組み合わせたりすることでしか表現できない。
実際この本でも、ネガティヴケイパビリティを陰謀論やSNSといった様々な切り口から表現しようと試みているものの、はっきりした何かが見えてくることはない。このモヤモヤがポイントなのだ。
にしても、ナラティブ合戦とか物語的誤謬とか興味深い話が盛りだくさん。
そして、最後の三宅香帆の解説が印象的。
私は人間を見るとき、「何を言うか」ではなく、「何を言わないか」でしか人を判断しない。何を言いたくないのか、何を言い淀むのか、どんな言葉に抵抗を覚えるのか。言い淀む様子こそ人間らしさが潜む。
本当にその通りだなーと思って、一人で感動していたことは秘密。 -
Posted by ブクログ
難しい内容でした。
現代社会はストレスに晒されている。
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その対処療法として自己啓発やスマホによるアテンションエコノミーが蔓延っているが、鬱や適応障害に対する対症療法に過ぎない。
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こんな時代でも人生を豊かにするのは、孤立して孤独になること(特に孤立することが、スマホ時代には難しい)
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他者の存在から物理的に離れ、自己との対話をすることが重要
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その際に、自己完結(堂々巡り)になる可能性があり、自分の頭で考えるだけでは悲惨な結果になる可能性があるため、多様な人を心に住まわせる
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その為には、他者や、他者の思考は100理解できない前提に立ち、謎を謎のまま、消化不良を抱えること。(容易にわかった気にならないこと)
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ただし、自己との対話だけでなく、他者との繋がりもしっかりバランスよく持ちましょう。
書きながら、この本のこと(哲学というものが)わかっていないんだなと、思いました笑 -
Posted by ブクログ
思考の共犯者による対談。対話からではなく観察から。
・一問一答的世界観
・信仰と陰謀論
・アテンションとインテンション
・「言葉」に乗っ取られる世界観
金づちしか使えなければ釘に見える
◯(陰謀論やカルトも、フェアネスを求めるリベラルや保守も、区別がつかない)危うさを避けたいなら、「正しきナラティヴへの覚醒」ではなく、自分の体験を吟味する批判的な姿勢が必要となるはずです。自分の経験や行動を、多角的な視点から捉え直し、評価すること、つまり、自己相対化です。
・「観察」の役割
・イベントではなくエピソード
・いつでもどこでも誰とでも成立する言葉ではなく、手触りのある言葉で -
Posted by ブクログ
心に残るフレーズが本当に多くて、
今感じている違和感や歩留まりのヒントになることも多くて、本当に手にとってよかった…
想像力ってどう鍛えるのか?そんなことが仕事の中で考えていたが、まさかここにヒントがあったとは笑
多くの哲学者や引用から非常に腑に落ちる言葉に翻訳をしているわかりやすさに、何度でも読み返したいと感じた
あとがきを読みながら、本書を通しながら
仲の良かった人を思い出した
色々あり、今はお互いの誕生日くらいの連絡頻度ではあるが、今でも大切な存在で
あの人とはネガティブケイパビリティを共有し合える人だったんだと思う
思ったこと感じたこと、もやついているけど言葉にできないことを臆せず話すことができて
そこに答えはいらない場面の方が圧倒的に多かった気がするけど、その時間も込みで、その人との時間が大切だったと思った
そんな孤独を分け合える隣人がいて、私の心の中の他者にはきっとあの人がいて、久々に連絡をしようかなと思うなどしたのでした
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Posted by ブクログ
ネタバレ『ゆる言語学ラジオ』のパーソナリティである水野さんが推してたので購入。曰く「面白すぎてページが止まる」とのことでしたが、本当にその通りでした。
有名な漫画やアニメの登場人物のセリフから思索する方法はとっつきにくい”哲学”を身近に感じやすく、読みやすくしてくれていると思います。文体自体も非常に読みやすく、けれど単純化はされていない。だからこそ、メモを片手に考えてしまう。
副題にもある『常時接続の世界』というワードには何度も立ち止まり、考え、メモを取っていた。
特に携帯(スマホ)に対しての自分のスタンスがいつの間にか変わっていたことに、この本で読むまで気づかなかったことに、自分で驚きもあった。
ほんの少し前まで友人が携帯を見ていることにちょっと嫌な気持ちを持っていたのに、今となってはそれが当たり前になってしまっていたこと。もうスマホがなければ生活ができなくなってしまっていて、それは『常時接続の世界』で生きていることを望んでしまっているんだなぁ、と。でも著者はそれを頭ごなしに否定することもなく、読者(私)の気持ちに寄り添いながら提案をしてくれるので読んでて自己否定や自己嫌悪に陥らない。
ただ、私個人はエヴァ知識がほとんどないので(登場人物の名前くらいはわかるけど)、きっとエヴァを観てたらもっと面白く思考できたのかもと少し悔しかったです。 -
Posted by ブクログ
この本でいう「衝動」は、モチベーションの語彙では説明しきれないものだ。衝動に突き動かされている行動は、「え?なんでそんなことをそんな熱量で?」と、周囲や自分自身が疑問に思うくらい非合理な動機であり、“要領のいい”行動、"賢い”行動とは無縁なものである。
衝動を持つ人は、ちょっと不可解ではちゃめちゃ。「自分ではもうコントロールしきれないくらいの情熱」「過剰なパッション」と表現されたりも。
自分にはそんな「衝動」はないな〜特に今は気持ちも塞ぎ込んでいて、何をしても楽しくないし、何が楽しいかもわからない。
そんな状況を打破するために、本書では自分の「偏愛」探しを勧めている。自分の中で何故か説明できないけど好きなもの、それが偏愛なのだが、偏愛は具体的な活動を出口として見つけた衝動なのだという。つまり、衝動が具体的な活動を形にとったものが偏愛と呼ばれるのだ。自分の偏愛を知るためには、自分へ丁寧にインタビューすることが大切。それっぽい回答に満足せず、万人ウケしないオリジナルの偏愛を見つけ出す必要があるのだ。
唐揚げをただただ揚げ続ける人の話面白かったな。
あと、「PROTECT ME FROM WHAT l WANT」のフレーズは刺さる。消費者が自分の欲望を見失っている高度消費社会や国際政治の状況などを念頭に置いている感じがよく出てる。自分で望んだはずのことなのに、結果、自分を恐怖や不安に陥れている。日常生活で意外と身近にあるのでは。 -
Posted by ブクログ
また読み返したいと思える本に久々に出会った。
君たちはみんな激務が好きだ。
君たちは自分自身に耐えるのが下手だ。
君たちは自分を忘れて、自分自身から逃げようとしている。
このニーチェの言葉を、
冒頭で読むのと末尾で読むのとでは捉え方がかなり変わる。
スマホのせいで、孤独や孤立のない常時接続の時代。
常にマルチタスクで生活自体がもはや激務。
一つのことに集中はできず、孤独じゃないのに寂しい世界。
私たちに必要なのは、敢えて孤独をつくり自分と対話する事。
それには「何かを作る、もしくは育てる趣味」をもつ事が有効。
例えばエヴァンゲリオンの世界が滅亡しそうな中で、加持さんがスイカをこっそり育てていたように。
こういったタイプの本で、具体的な解決策(趣味)をわかりやすく提示してくれる事は珍しい気がする。
本当に難解な哲学のテーマを、エヴァンゲリオンやブルースリーの名言などを例えにできる限りわかりやすく伝えてくれている。
それでも、やっぱり元のテーマが難解すぎるが故に???となる箇所もあったので次は注釈まで細かく読み直したいと思った。