谷川嘉浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「哲学は難しいもの」と思い、敬遠しがちな私ですが、この本は最後まで読むことができ、考えさせられることが多かったです。
確かにちょっとした隙間を、
スマホで埋めてしまっているなと気付かされました。
モヤっとした感情になった時、同じように感じている人がいるんじゃないかと、ググったり、AIに相談して共感してもらってたり。
自分と向き合うのはしんどいことだけど、モヤモヤや、曖昧さとも付き合っていこうと思いました。
少しずつ負荷をかけて自分の器みたいなものを広げていけたら、不確実性の高い世の中でも、それなりに希望を持ってやっていけるのかなと感じました。
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Posted by ブクログ
「自分の頭で考えよう」「心の声に従い、やりたいことに邁進しよう」「他者とどんどん繋がろう」
といった、自己啓発書でありがちな文言が、この本では全否定される。
日本では珍しい"プロ哲学者"による、哲学への道案内と、私たち現代人のマズい状態の分析と、そこそこ具体的な提言がセットになった本。個人的には、もともと自己啓発の文脈が肌に合わなかったのもあり、著者の主張が好みに合って、とても好きな本になった。
しかしまあ何というか、感想を迂闊に書けない。表現・文体は易しく読みやすいので、意味不明ということではないのだが。というのも、本書の超ざっくり結論は、
「謎や疑問に対して、安易に -
Posted by ブクログ
ネタバレ★5.0
かなりタメになる内容でスマホを手放せない現代において 99.9%の人にあてはまるというか読んでほしいと思えるような内容だった。
スマホを頑張って手放そうという話ではなく、現実的に手放せない現代においてじゃあどうするかという対処法が描かれてる。エヴァや映画の引用もあるんだけど、その引用も適切でなるほどなとすごく腑に落ちる。
スマホって手放せないよねって話だけではなく、社会構造としてこういう切り離せない状況があるよねみたいにかなり多面的に展開してくれていて一読の価値がある超おすすめの本でした!
この著者は信用できるな 他の本も読む価値があるなと確信できます -
Posted by ブクログ
これ自分のために書かれたの?というくらい、読んでて思い当たる節がありまくりました。
注意として、この本は最近ありがちな「現代人はスマホ中毒だからスマホを手放そう」という前向きで安直な内容ではないです。
むしろ微量の毒を含み、読んでいてグサッときます。自己完結して「はいはい、そんな人いるよね〜」と余裕をぶちかましていると横槍がスレスレを通過!みたいな危険度があります。まさにヒヤリハット。
でも危険なだけではくて、著者がしっかり伴走してくれます。中級者向けの登山道を、万全の道具(参考文献)や先輩(著者)を携えて登るイメージ。
スマホが手放せなくなった現実に向き合いつつも、その中で失われつつあ -
Posted by ブクログ
【1.本を買った理由】
書店で表紙を見て手に取りました。これまで、過去の哲学者のことは触れたことがあっても、現代の哲学者の考えを読むことはありませんでした。「スマホ時代」は、かつての人類が行ってきた営みとは違う日常を送っているだろうということは私もよく分かっているので、そんな時代に必要な哲学を学んでみたいと思い、購入しました。
【2.あらすじ(ネタバレなし)】
まずは、哲学とはどういうものか、解説をされています。過去の偉人たちの言葉を引用しながら、つまりどういうことか、と読者に語りかけています。この本は、森を歩くときに共にいると心強いパークレンジャーのように、哲学という未知の世界を伴走す -
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い。
谷川さん、朱さんの著書を齧ってから読んでいるので、各々の研究・思考というベースがあり、それを対談で発揮するとこういう展開になるのかと感動。
『アイデンティティ』『社会秩序』『社会通念』は仮固定的なものであり、いくつかのノイズに晒されながら絶えず己を変化させつつある。という現代思想の立場を踏まえた上で読み解くべき一冊かと思う。
以下、印象に残った箇所。
【対話は自分の能力以上の力を発揮させる】
人間の能力は「脳」単体ではなく、状況や周囲との相互作用の結果のパフォーマンスとして考えるべき。
人との対話の中ではじめて浮かんでくるボキャブラリーもある。
【諍いを生み出す「 -
Posted by ブクログ
とても面白かった。
これから将来を考えていく人、現状にぼんやりと不満や「これじゃない感」を抱いている人全員に読んでほしい。
刺激的なタイトルだが、哲学者の考えの引用に留まらず、
「衝動をみつけるために自己分析しろ!」や「バックキャスティングでキャリアデザインしろ!」といった内容のハウツーでもない。
驚きや不思議のない人生に陥らないために、哲学的考え方から日常のアクションの実装方法まで明らかにしてくれている。
本当に読みやすく、突飛でなく地に足ついた道筋を示してくれている。
読んだだけではイマイチ自分の衝動が見つけられなかったので、これからプログマティックにいろんな営みに手を出したい。
ひと -
Posted by ブクログ
あなたがいることでこの会話ができる・この発言ができる。
対話ってこうありたいなと思える3人の会話だった。ボキャブラリー自体を引き出し、引き出される関係で柔軟に展開される語りに非常に引き込まれたり、引き出されて視点を調節しなおしたりされる本だった。本書はネガティブケイパビリティというワードから創発される様々な論点(陰謀論、言葉遣い、アテンションエコノミー、SNS、ethic、中間共同体、観察、エピソード)で自由に話されている。
終盤の、「イベントよりエピソードに焦点を当てる」という話は本当に腑に落ちた。別に目立たなくてもいい、自分自身がそこにアテンションを当てて手触りがある、他の人にはあまりアテ -
Posted by ブクログ
YouTubeで著者のインタビューを見て、手に取りました。
めちゃくちゃ面白いです。
衝動を見つけるためには、深い欲望=偏愛に注目することがポイントという視点、自分を振り返ると、私にとっては「秩序を生む」というのが偏愛なのかもという気づきがありました。
高校生の頃、エントロピー増大の法則(世界は放置すると混沌へ向かう)がなぜか心に残った理由も、本屋で勝手に本棚を整理したり、職場でフォルダ整理、特にフォルダの並び方にすごくこだわったり、編み物が好きだったりする理由も、それは全部、無秩序を秩序にすることが好きだから、それが私の偏愛だからなんだと納得しました。なんでも数えることも好きで、日常の家事で -
Posted by ブクログ
令和人文主義の提唱者、「スマホ時代の哲学」が大ヒットの著者である。Podcastで音声発信も精力的。人文学・思想書が一般へアウトリーチするべく活動目覚ましい、感謝である。
本書のテーマはずばり「衝動」を意識した生き方。
衝動って大仰な響きであるが、類似表現である「モチベーション」や一般的な「目的」との差異を詳らかにしていく。最終盤には外在的アプローチや同調圧力に流されない「多孔的な自己」であることの大切さを説く。
捻くれた性格である私は、その「衝動」を持ち得る人って限られた選ばれた存在なんじゃない?と訝しく思ったりするが、そんな読者も想定の範囲内である。「衝動」とは一貫して変容しない確固た