谷川嘉浩のレビュー一覧
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身を滅ぼすかもしれない“衝動”。
その魅力を余すことなく語ってくれるのが、谷川嘉浩『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』です。
これはもうタイトル勝ち!
「人生のレールを外れる」という言葉に何とも言えない魅力を感じます…。
慎重な性格の私が、特に影響を受けたのは、「試みること」に対するスタンス。
実はこの本を読んだことで、「エンドク」という読書の時間を立ち上げることを考え、行動に移したんです。
試しに働きかけてみることで世界がどう反応してくれるのかを楽しみにする。
その積み重ねが、衝動を自己に憑依させる。
この「世界の反応を楽しみにする」という待ち構え方に、私は背中を押されました。
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Posted by ブクログ
衝動を『幽霊』のメタファーで論考していく点が印象的。
章ごとにまとめがなさているので、難しい展開になっても道筋を見失うことなくゴールに辿り着けた。
自分がトレーニングにかける熱量って周りから見たら『なんでそこまで?』って感じでよく言われるけど、これが衝動なのかなぁ。。
一方で、やりたいからやってる感もあるし、その点から考えるとダニエル・ピンクの記すところのモチベーション3.0に当てはまるのかな。
まぁ、この気持ちを必ずしも分類わけしないといけない訳じゃないし、今後も衝動の向きや目的は変わりうるだろうし。。
ただ少なくとも、これからもキャリア的な(偶然を想定していないような)生き方はせず、 -
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ネタバレ現代における哲学のほん。哲学と共にいるために、、、
文字多いが、その分理解はしやすい。
エヴァやブルースリーなどの描写を通して解説するところもおもしろい
現代人の構造の分析•洞察•記述がすさまじい
メモ
•自分が迷っているということに自覚的になり、ともにいるべきであるということ。オルテガ
•問いや謎を持たない人は生活から何か新しいことを受け取ることは難しい
•知識のみならず想像力も共に学ぶ
•想像力の豊かさは自分の内側に他者を住まわせていくこと
•哲学を歩くときの三つの注意点
考えることにも練習は必要 すぐに結果を得ようとしない
使われている通りの言葉遣いをする
その哲学者の想像力に沿 -
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とてもわかりやすくて、読みやすい。スマホ時代に生きている上で、薄々思っているが、気づかないようにしていることに対して、向き合うきっかけになる一冊。そして、スマホをやめろ!などという自己啓発本などの短絡的な論理を展開するのではないのも凄く魅力的だった。ネガティブ・ケイパビリティを大切にしていきたいと思う。
スマホ時代について本書を読みながら感じたことをここにメモしておく。SNSの半義務化も問題があると感じる。InstagramなどSNSをやらないとコミュニケーションが難しくなるような現状があるように感じる。SNSをやっていて繋がることがコミュニケーションのファーストステップとなっていることにも -
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自分が就職活動中で進路に悩んでいるのと、帯にラファウがいるため購入。めっちゃくちゃ面白かった。
ここまで個人の衝動について偏愛についてここまで詳しく解説した新書を読んだのは初だった。
衝動を個人が持つ「深い欲望」に替えた63ページの記述が分かりやすい。「深い欲望は分かりにくく、見えにくく、捕捉しづらいのです。進路選択、就職活動(中略)告白、離別(中略)自分の欲望の捉えどころのなさ」そうなんです。衝動、もとい深い欲望は自分でも分からない、常に説明からこぼれ落ちる。めんどくさい
著者は言語化が流行っている昨今の状況にも「言語化のサンクコスト」と言った形で84ページで警鐘を鳴らしている。「多くの人は -
Posted by ブクログ
とても良い本だと思います。
最初は哲学とはどんなものなのかという、少しとっつきにくい話題から始まります。でも、読んでるうちに、気づけば自分の悩みや、嫌だと思っていることとの重なりが見つかり、さらに自己啓発の危険性や趣味の必要性という思いがけない方向に進み始めます。
数々の著名な哲学者の言葉も引用しながら、読者に寄り添いつつ話が展開されていくので、丁寧な授業を受けているような、カウンセリングを受けているようなそんな不思議な感覚がありました。
読書の意味、というでも興味深く読むことができました。特に2章はどう学ぶのがよいのか、なぜ読書が必要なのかという、私のこれまでのモヤモヤに対する一つの回答 -