角田光代のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
なんとも言えない気持ちになった。
夫婦なのに夫婦じゃないような感じ。
これから先もこの夫婦は根本的に変わる事はないんじゃないかなーと思う。
この関係は自分からしたらちょっと、いやかなり寂しい…。
途中で結婚式の描写が出てくるところでは、やっぱりケジメとして結婚式はきちんとした方がいいんだなーと思った。ちょうど自分が今結婚式の準備をしていて、やることがいっぱいで疲れてきたところだったけど、この本のおかげでやる気が出てきました(笑)
p253 だからやっぱりビジョンを持たなくちゃいけないんだ。郊外の家。芝生の庭。そろいの自転車。なんだっていい。犬と子ども。赤い車。清潔なシーツ。テレビ禁止の笑い声が絶えない食卓。ボーナスで行く海外旅行。
p267 宗二「そういう、何かかたちあるものを作るようなことが、したかったんだよなあって思うなあ。ひとりで、じゃなくだれかとね。だれか、っていうのはつまり男とね、男ってのはまあ、結婚みたいなことをしてくれる人ね。」 -
Posted by ブクログ
もしボクシングがわかれば
もっと読みやすかったのだろうと思う。
前半はすこし苦労しながら読み進めた。
「サラの柔らかな香車」(橋本長道)を読んだとき
将棋がわかればもっとおもしろいのだろうと思ったことを思い出した。
けれどものすごく共感したり
確認させられる気持ちや感情の部分がやっぱりあって
それらは心のなかにコトリと置かれるように静かに入ってきた。
わたしが角田さんの小説を読む理由はそこにある。
うまく言葉にできないような部分を
きれいにまとめ、強い存在感をはなつ。
それらに出会ったとき、
丸めた紙をまっすぐに伸ばすようにすっきりとするのだ。 -
Posted by ブクログ
『ピンク・バス』
表題になっている作品だったが、最後までよく分からないままだった。
『妊娠』を扱った小説だと小川洋子の『妊娠カレンダー』を最初に思い出すが、『妊娠カレンダー』と違って、妊娠中の女性視点から描いた作品なので、妊娠の気だるさや疲労感、心の揺れと言ったものが文章からじわりじわりと溢れ出していて、こちらまでしんどい思いになりながら読んだ。
『昨夜はたくさん夢を見た』
若者が成長していく中で変わっていく『死への観念』を描いた作品として面白く読めた。
ただ本作品を含めて、角田光代の青春小説は『青春を理想の形で謳歌している若者』にスポットを当てている印象を受ける。心の許せる友人がたくさんいて、周囲の事よりも内輪の楽しさを優先しつつ、死や未来といった漠然としたものを考える。今で言う『リア充』みたいなものなのかなあ。 -
Posted by ブクログ
去年から、家計簿をつけ始めた。帰国してから本格的に始めたのだが、家計簿をつけていると、以前の自分がいかに無計画にお金を使っていたかがよくわかる。お金を使っている感覚がなくなるから、クレジットカードもほとんど使わなくなってしまった。
4月は、定期代、教科書代、ゼミ費で結構支出が出たが、それ以外にはあまり支出はなかった。でも、出費が多い月に、焦らずにすむよう、常に貯蓄を心がけるべきである。
この本では、主人公の恋人が「お金に固執して、短期のバイトや、自分の好きでない仕事することなど無意味だ」と言い、無職のままその言葉を繰り返し続けている。
私も以前はそのように思っていた。お金に固執することなんて汚らわしい、自分の好きでない仕事なんてする意味がない、等々。
だが、最近思うのだ。まず、自分のやりたいことって何だ?と。それが私には思い浮かばない。また、好きな仕事に就けたとして、必ずしも好きな業務が出来るわけでもないはずだ。だから、ワガママ言わずに、与えられた仕事をこなすことが必要であるだろう。仕事とは、好きなことが出来るわけでなく、会社からお給料をもらってすることであるからだ。
お金に固執することなんて、と思っていた私だが、やはりお金は必要である、と家計簿をつけていてしみじみと思う。お金に固執しすぎるのも格好悪いと思うが、やはり生きていくためには必要なものである。
やりたいことがわからず、迷走中であり、すごく不安でもあるのだが、目の前のことに取り組んでいれば、やりたいことの道は開けて来るのではないか。そう信じて、今日も1日を過ごすこととする。
この本を読んで、実際に私が将来そのようになってしまいそうな気がして、とても恐怖を感じたので、反面教師にする。 -
Posted by ブクログ
恋愛小説は苦手な私なので、長編は無理だと思い
短編ばかり集まったものならどうだろうと思い購入。
好きな作家さんのお話が収録されているからというのも
ありました。
読みながら、やはり私は恋愛小説は無理だと再認識しつつ、
それでも印象深いお話や気に入ったお話に出会えました。
それだけでも大収穫かもしれません。
情景が思い浮かべにくい作品から、
読んでいて自分の目の前にスクリーンがあって
そこで話の映像がしっかり流れているくらい
鮮明に思い浮かべるものもあり
さまざまでした。
恋愛小説が苦手な人にも、このくらいの量ならば、
よみやすくていいと思います。 -
Posted by ブクログ
無関心、無感情ということほど怖いことはあまりないのではないかと思う。
夫婦なら、長く暮らしていくと、やはりもとは他人なので
相手の行動に対して苛立ったり年月が経つと前よりもそっけなくなったりするのかもしれないが、
私は、根底にいつも愛情は持っていて、相手のことを大事に思っていたい。
だが、房子は、夫に対して愛がないのではないか、と思ってしまうくらい相手に対しての感情がない。夫が四畳半の家を借りるのにも無感情。浮気にも何でも無感情。怒ったりする「振り」をしているだけで、実際は何の感情や欲望も持っていないのだ。
房子は、昔からそんな性格である。何に対しても。良く言えば放任主義、悪く言えば無感情。
私は、おいしいと言ってご飯を食べたいし、何に関しても感受性が強い方なので、房子の気持ちはよくわからなかった。小幡さんの家の犬がこの物語にそういう役割を果たしているのかもよくわからなかった。
ただ、読み終わった後、怖いという感情しか残らなかった。自分はこんな風に、感情がない人間になりたくない。