大槻ケンヂのレビュー一覧
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ネタバレ「続」も、前編に劣らず非常によかった。前編と同じ編集方針となっており、全国不登校新聞社に在籍する、不登校・ひきこもりの当事者・経験者である子ども若者編集部員が、「私が話を聞きたい人に話を聞きにいく」という方針で取材を行うことにより作られている。「世のため」「人のため」ではなく、「私」が話を聞きたいというのが大原則となっている。
そのインタビュアーに答えた17名の著名人がこちら。
目次には、対談者のキーとなる一言が次のように紹介されている。確かにこれらのセンテンスがキーとなるものであるが、それ以外にも一人の読者として感動した言葉や生き方があった。
■中川翔子:ちょっとの「好き」を集めて、積み -
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大槻ケンヂの本は例外なく傑作だ。
・・・が、しかし、この本は「傑作」ではなく「大傑作」だと思います!!
大槻ケンヂってミュージシャンなのに、視覚的にも非常にすぐれていると思う。読んでいて情景が目に浮かぶようです。
いろいろな読み方ができると思うけど、自分は「許しと再生」というのを読み取りました。心が洗われる一冊です。
自分が洋楽を聴かないので、随所に出てくるさまざまな曲がイメージできないのだけど(もちろんたぶん聴いたことのある曲なのだろうけれど、タイトルと結びつかない)、それでも、充分に楽しめました。
でも、もしこの本に出てくる曲ばかりを集めたCDを作ってくれたら、すごくいい「 -
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プロレス好きとして最後の拠り所は「確かに八百長と言われても仕方ない部分はあるが、彼らが真剣に戦えば世界最強なんだ」。ところが、異種格闘技ブームで「どうやらそうでもないらしい」とヘナヘナ腰砕け。矢尽き刀折れた。
オカルトも同じ。「どうも怪しい。でも好きなんだ」という気持ちは譲れない。
その昔、スプーン曲げ少年が調子の悪い時にトリックでスプーンを曲げた。決定的瞬間を写真に撮られ、一事が万事インチキにされてバッシングを浴びた。この辺りの構図もプロレスと似ている。
大槻発言「筒井康隆の著作に、人の考えが読める美人超能力者(テレパス)が主人公のSF3部作があって、そのヒロインの火田七瀬は人間 -
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まず、簡単に感想を書けるようなレベルの本じゃないと思った。
もちろん純文学ではない。
どちらかというとエンタメ小説、大衆小説だと思う。
でも、アートだと思う。
下らないことがたくさん書いてある。無駄な言葉の垂れ流しにも見える。(前半にオナニーという言葉がどれだけ出てきたことか、ギネス認定される数だと思う。)
ストーリーも大したこと起こらないし、男子高校生が女の子に片思いしていて、バンド組みたいと思っている。というだけの話。
前半はバカバカしいなと思いながらも、ページをぐいぐいめくってしまう自分に不思議を感じる。中盤、主人公が山口美甘子に映画館で会うあたりからマジックが効きだし、物語は最後 -
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始まり方と終わり方がすごく好き。
文章の造りがほんとうに上手で、"少しだけしゃべるギター"とか、今までの話の伏線を本当に綺麗にまとめてあって、完璧にすきです。タイトルも、表紙も、いいなあ。
というか、もう、大槻ケンヂさんの文章の書き方がツボ。思っていたよりも暗い話は多かったけれど、新宿渋谷しんじゅく!のとことか声出して笑ったし、文章から大槻ケンヂさんの優しさが滲み出てて、読んでて優しい気持ちになった。
わたしも何か始めてみたい。わたしも10代でギターを諦めた人間だったけど、またギターもいいな。四半世紀も生きてないわたしなんて、まだまだ、なんでもできちゃうんだろな。 -
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引用 頁二八八
カッと目を見開き、呟いた。
「山口美廿子に追いつくために」
(中略)
引き出しの奥には、紙袋に詰めた山口美甘子のブルマーが入っていた。いつぞや山之上の机からこぼれおちたものだ。
ふと賢三は、紙袋を引き出しの中から取り出した。
袋を開け、中をのぞいた。
ふくふくとした藍色の体育着が、気絶した小動物のように眠っていた。
指でつつくと、弾力が心地よかった、
つまんでゆっくりと、賢三は袋の中からブルマーを引っ張り出した。
少年は同級生のブルマーを、しげしげと見つめた。
いつか吉祥寺の映画館でかいだ美甘子の香り、シャンプーの匂いを、賢三は鼻に感じたような気がした。
その -
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ネタバレ大槻ケンヂさんはオールナイトニッポンのファンで、音楽もすごく好きだったので、そのせいかあまり小説には興味がなかった。しかしこの小説はとても評判であったためいつか読みたいと思っていた。そうしてようやく20年越しくらいで読んでみたところ、とっても楽しかった。
特に名画座めぐりをしているところ、そのまんま僕が大学生の時にやっていたことで、映画館の名前も作品もそのままで、たまらない気分になった。
オタクを下に見ているところを記しているところもいい。確かに時代の空気はそうだった。実際、オタクも今ほどかっこよくなかった。今のオタクがかっこいいわけではないかもしれないのだが、今は当時90年代より全