大槻ケンヂのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者のライブイベントで本書のサイン本があったので衝動買いした。
自分はオカルトも格闘技もサブカルも特に強い興味がある訳ではない。
でも著者の本は好き。
興味無いものが語られてるのに読ませるんだからすごい。
やっぱ『くるぐる使い』での著者のオカルトに対するスタンスを知っていて、信頼しているからこそというのはあるかも。
中学生の時に骨折をよくする友人に「ポッキー」というアダ名が付けられていた、とか、
内田裕也氏が雑誌の対談相手の検討で、「おっ、次の対談相手、天皇どうかな?天皇」とか、
そもそも誰もが笑えるネタも多い。
筋肉少女帯『キノコパワー』の曲名誕生秘話は面白かった。
1988年リリースのアルバム収録曲。
40年近く前なのか、、、。
「中(UFO)から出てきた搭乗者に水をあげたらお礼にパン・ケーキをくれた、という、まんが日本昔話みたいな事件」と
「(古来の)西欧の妖精伝承にあっては、人間界と妖精界の間でケーキと水がしばしば交換される」という一致から
「人類の無意識下に広がる幻想の共有の無気味を読み解いていとろじゃないか、との、斜めからのものの見方に僕はしびれた。」
この話を読んだ時、ユングの集合的無意識を連想した。
たまたま本書と同時に『シークレット・オブ・シークレッツ』を読んでいて、似たようなテーマだったので「おっ!」ってなった。 -
Posted by ブクログ
サブカルで生きているわけでも生きていきたいと思っているわけでもないので、ただ「オーケンの面白そうな本」として読んだ。
が、サブカル関係なく、仕事全般に役立つようなこと、更に読み進めていくと人生の教訓になるようなことが書かれていた。ただ娯楽として読もうと思っていただけなのに。
娯楽として楽しめなかったというわけでは全くない。面白かった。
音楽ファンなので、音楽関係の章はページをめくる手が進む進む。ギャラの話、めちゃくちゃ好物なんだよね(笑)
そして注釈が充実している!
電気のメロン牧場みたいな注釈じゃなくて、ちゃんとした注釈。
一度本編を読んでから、もう一度注釈と照らし合わせて読んだくらい。
読んだことのない本や観たことのない映画、興味あるのがたくさんあったなー。
【読んだきっかけ】
大島育宙さん -
Posted by ブクログ
「ジロー、知っとるか?この世は色と光と音のためにある。」
本作でも一番好きなキャラクター、中間さんのセリフです。
正しいとされていること。
正しくないとされていること。
みんなが綺麗というもの。みんなが汚いというもの。
ドロドロぐちゃぐちゃな臓物で出来た赤茶色の世界の上に、二重三重にアルミホイルを敷いて、ぐっちゃぐっちゃと汚らしい音を響かせながら、まるで銀色にキラキラ輝く道を澄まし顔で散歩しているような人たち。
そんな人たちに嫌われないよう、サランラップよりも薄っぺらい笑顔を貼り付けて、同じように生きる、子供よりも子供みたいな自分。
もしもこの世が色と光と音のためにだけあるならば、それだけを信じて生きてみたい。
色も、光も、音も、その一粒一粒に、良いも悪いも正邪も美醜もないと思うから。
ただあるものを、そのまんま全部、味わって味わって味わい尽くして死にたい。
僕は誘流メグマ祈呪術を使えないけれど、今もどこかで誰かが、世界に向けて電波を垂れ流しているのかな。
アルミホイルで覆われたこの世界はメグマ波を乱反射し、今日もみんな、少しずつ少しずつ狂っていくのです。
もちろん、僕も例外ではなく。 -
Posted by ブクログ
2025/8/12にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREでの大槻ケンヂ氏のイベントに行ってきた。
20年ぶりくらいに生ケンヂに会ってきた。
彼は楽器ができない、楽譜が読めない音楽家ということで有名だったけど、
人前で弾き語りができるほどにギターを弾きこなしていて感無量だった。
途中で演奏失敗して曲が止まって「ちょっと練習するね」とか言ってたのはわざとだったはずきっと。
この本は曲の歌詞を小説にしたもの。
原曲に思い入れやイメージがかなり強かったのだけど、どの短編もいい意味で裏切られて楽しめた。
自分は辻村さんと生まれた日が近いので同じ時代を生きてきた。
藤子・F・不二雄や女神転生、よつばと、大槻ケンヂなど共通の好きなものが多くて勝手に親近感を持っていた。
この本の短編を読んで改めて若い頃に彼女と同じような感情になってたんだなあと実感。
ネットで各作者とオーケンの対談が公開されてるけど、執筆にあたってどこまでオマージュしたらルール違反かみたいなさじ加減をお互いに探り探りだったようで。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ現状から抜け出し遠くへ行く為の手段を見つけて、俺たち、もしかしたらもしかしちゃうのかもしれない!とエネルギーに満ち溢れる感じ、最高だ。
胸の高鳴りを感じながら読んだ。
賢三が敵わないと感じる美甘子も羽村の前では1人の初心な少女なのが良い。
賢三と美甘子はとても近しい葛藤を抱えていて、男とか女とか余分なパーソナリティを取っ払ったときの魂の形がとても似ているんだと思う。(それを言ったらカワボン、タクオ、山之上を含めた全員が10代特有の何か似たようなものを抱えているけど)
だから瓜二つの魂を持つ賢三と美甘子というのは恋愛対象として出会ったというより、入れ物の違う自分と自分が出会った、というような感覚に近いんじゃないかな。
もちろん10代の僕らは性欲にまみれているし人生にまつわる、あらゆる経験も乏しいから恋とか愛とかに振り回されてしまうけどさ、賢三君。君はきっと美甘子とセックスしなくたって何かもっと深いところで彼女と繋がれるんじゃないか。
だからとて美甘子が自分が絶対になれないタイプの羽村と良い関係になるなんて、賢三的に断固として許せないのも分かる。
けど美甘子の気持ちもめちゃくちゃ分かる。
羽村に惹かれる美甘子にも強烈に共感した。
簡単な言葉に逃げるけど恋だけはどうしたって理屈じゃないから、じゃあ経験の無さを埋めるために理論武装して人生をサバイブする僕らはどうすれば、どうすれば、、、。
とにかく賢三、もっと遠くへ、もっと遠くへ、美甘子を追い越すくらい速く遠くへ行ってくれ〜!!
百聞は一見にしかず、知識の蓄えはあっても行動に移すと思い通りにいかなかったり新たな葛藤が生まれるのがリアルだった。
行動したからこそ、確実に前には進んでいると信じさせて欲しい、実感が欲しくなる、理想は高く、欲だけが止めどなく溢れ出る感覚に共感した。
全員が自分を笑っているような感覚に陥るのも分かる。
私自身、最近好きなことを共通言語を持つ友人たちと伸び伸びやれているけど、周りのインプット量に圧倒されたり、過去の自分に苛立ったりっていうことがよくある。
自意識だけは一丁前に膨れ上がるから虚勢を張り続けてしまうし、なんか私だけダメだなーとか思って全部投げ出したくなるけど、なんとか。なんとか。
報われたい、報われて欲しい。 -
Posted by ブクログ
筋少の歌詞をベースに作成された短編集。どの話も、出てくる主人公は所謂「陰キャ」と呼ばれる人たちで、世間の輪の中に上手く混ざれない人たち。
そんな彼ら(彼女ら)に起こるヘンテコな話・・・なんだけど、いや~どの話も面白かった!!
元々大槻ケンヂの書く詩(筋少の歌詞)って、物語っぽいから小説にしやすいってのは想像できましたが、ここまでドはまりして読めるとは思わなんだ。
特に心に刺さったのは、一番最初の「中2病の神ドロシー」、人間椅子の和嶋慎治さん作の「福耳の子供」、そして最後の大槻氏本人作の「香菜、頭をよくしてあげよう」ですかね。
特に、最初と最後の奴、一度喪失したモノと長い月日を経て邂逅するって展開、ホントダメなんですよ。読んでて泣きそうになりました。
話の節々にちょこちょこと織り込まれる,筋少の歌詞や、映画やSF等のサブカル系?小ネタ達、これらの元ネタが粗方分かってしまう自分に閉口しつつも、ニヤニヤしながら読んでました。
しかし、この企画、第二段第三弾と続いてくれたらなと、期待しています。小説書けそうな曲(歌詞?)まだまだいっぱいありそうですもんね。「風車男ルリヲ」とか、「リルカの葬列」とか、「最後の遠足」とか(挙げたらキリがない(笑))。
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Posted by ブクログ
いつも面白い本を教えてくれる年下の友人がいます。この本を読んでいて、彼が一番最初に勧めてくれたのがこの著者の「のほほん雑記帳」であったことが突然思い出されました。もはや30年近く前のことです。その本を読んだかどうか…も忘れてしまいました。書名だけ可愛くてなんとなく記憶の底に残っていたようです。そしたら本書の中の「作家の読書道」というインタビューで「僕、エッセイで意外に大事なのは、忘れちゃえることだと思うんです。」(P234)という発言があってちょっと許されたような気になりました。そののち「サブカルで食う」も気になりましたがこの本棚には登録していなかったのでこれも書名記憶だけかもしれません。改めて登録しておきます。そう、筋少も「日本印度化計画」みたいなサブカルコミックバンドみたいに思い込んでいてオーケン自身もサブカルの人として頭の中のフォルダーに入れていたのかもしれません。ちょっぴり世代の違うのでなかなか手にしてこなかったのだと思います。でも今回、再発見。めちゃくちゃ文章が上手いのです。短いフレーズでテンポ変えるとか一人コールアンドレスポンス的な盛り上げとかあとナンシー関とも並ぶようなオチのつけ方とか。まるでショートショートのよう。落語みたい。いや音楽の歌詞みたい。名文です。すごいテクニシャンの厨二病、プロフェッショナルの中学二年生だと思いました。「世界に二人だけの中卒〜ワイルドサイドを歩け」最高。この本、「のほほん雑記帳」を教えてくれた後輩くん読んでいるかな?
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Posted by ブクログ
俺のことが書かれている、と思う、思っちゃう。
グミチョコパインを読んでいる間だけは私の一人称は私ではなく俺になり僕になる。
俺は他とは違うと思いながらも何も成し遂げられず、そう思う自分だって何も成し遂げていないくせに…他のヤツが出来ることが出来ないから自分は非凡だと信じ込んで逃げてるだけのくせに…と心の片隅で感じつつ現実から目を背けるために、自分の平凡さに気づかない為に理屈っぽく話して他の誰も見ていなさそうな映画を見て本を読んで。
けどやっぱり、やっぱりいるんだ、美甘子みたいな奴が。
一生追いつけないんじゃないかと思う。
自分のちっぽけさを呪うし行動力の無さや勇気の無さにがっかりもする。
けどその悔しさを忘れたくはない。
チョコを出し続けてやろう。
きっと継続は力になるよと背中を押してもらった気がした。
賢三の、カワボンの、タクオの、山之上の自意識過剰さが私には分かる。
痛いほどわかる。
見る前に飛べ!じゃないけど語らずとも感覚でわかる。
だからこう、感想もフワッとしてしまうけど、周りと比べたり、自分ってダメだなーってふと感じて立ち直れそうもなくなってしまったときにバカやってる彼らの姿を思い浮かべて頑張りたい。
私も頑張るよ。
賢三たちの知識量や馬力はすごくて、暇さえあればSNSを見ちゃうような浅い知識しか手札にない私は彼らの少し後ろを追いかけていくしかないみたい。
それでもチョコを出し続ける。
残念ながら私の高校時代には賢三と違いカワボンやタクオのような友達はいなかったし、そもそも私に周りを見下せるほどの知識量も鼻からなかった。
今は周りの人の知識量や馬力に圧倒される日々だけど、まだまだ自分はいけるぞ、と信じていたい。
勘違いしていたい。
だから彼らをちょっとした心の友として、レイトショーを見に行くとき寂しいなーってときとかに、頑張る理由の一つにする。
なんか思考がまとまらずぐちゃぐちゃ!ってしてしまったけど、なんで私の考えてることが分かるんだ?というくらい、登場人物たちに握手を求めてしまいたくなるような感覚に陥った。
マドンナ美甘子やじーさんの登場の仕方も最高。 -
Posted by ブクログ
「そのバンド 本当はいなかった 25年見てたのは
自分の心さ 君自身の影なのさ」
“中2病の神ドロシー”より
うおぉ!筋肉少女帯の楽曲が小説に!しかも執筆陣も豪華アンド本人降臨!!
素晴らし過ぎる作品だ。筋少ファンとして思わず歓喜の涙(泣)
この作品は全6篇+装丁のアンソロジー短編集となっていて各作品のテーマとなった楽曲がタイトル(一部違うが)となっている。各執筆者はテーマとなってる歌詞を物語化しているが、まぁ、出てくる出てくる他の曲(笑)
探せば20曲くらい歌詞でてくるんじゃないかという勢い!しかもなんか大槻ケンヂの文章っぽさも感じる(寄せてる?)
筋肉少女帯愛が濃い!濃すぎる!!
物語としてはユーモア妄想日常ちょいSFファンタジーな作品揃い、バラエティ豊かで肩の力を抜いてのほほんと楽しめる。
勿論、筋肉少女帯知らない人でも楽しめる作品ではあるが、やはり各楽曲をBGMにして読むのが良いだろう。
筋少ファン、そうでない人、妄想癖とか、、暗い学生生活を送った人とか、電波受信する人とか、この世の全てを燃やし尽くしたい人とか、とにかく全人類オススメ!
「あのコは夏フェス焼け」藤田和日郎
オーケンの皮を被っていたのは…美少女!?
素敵表紙で期待感を高めてくれます!
藤田先生の別短編の「空に羽を…」という作品は
筋少の「機械」という曲をモチーフにしているので、コチラもオススメです!
「中2病の神ドロシー」辻村深月
好きだったはずのバンドが突如世界から完全に消えて無くなってしまった。彼女は存在しないバンドを探し求めて…
メッチャ綺麗にまとまってる!友達と協力してバンド探し求める姿はまさに青春小説!爽やかさを感じる作品。
「十光年先のボクへ」柴田勝家
名曲サンフランシスコ10イヤーズアフターをモチーフとした作品。
主人公ケンちゃんはこの世界は全部作り物で周りの人間に自分がそのことを知っていると気付かれてしまうと今の世界が崩壊してしまうと信じており、日々凡庸に生きているのだが…
楽曲サンフランシスコとリンクさせつつの展開にファン歓喜!楽曲もそうなのだが切なさと余韻を感じるラストが良い!
「日光行わたらせ渓谷鐵道」滝本竜彦
レティクル座行超特急をモチーフにした作品。
クラスの陰キャな主人公はその有り余るリビドーを秘密ノートに書き溜めていたのだが、クラスの陽キャ女子、踏子にそのノートを拾われてしまい…
うおぉ!オーケンのグミチョコ的なアングラ青春小説やんけ、ニヤニヤしながら読んじゃったよ。
「ディオネア・フューチャー」空木春宵
人間がハエトリグサに見えるボクと、球体関節ヒロイン“ドリュー”のSFカタストロフィ青春恋愛小説。
ライトな文体ながら切ないエンディング。
オーケンを連想させるキャラジローさんがいい味出してる。
「福耳の子供」和嶋慎治
バンド人間椅子のギタリスト和嶋慎治の筆による小説。実際の曲調は不気味な雰囲気なのだが、ほのぼのとした感じに表現されており、津軽弁がいい味出してる。
見た目の通り文学っぽい作品書くんだなぁ…
「香菜、頭をよくしてあげよう」大槻ケンヂ
満を持してのオーケン作品!曲もそうなのだが、まぁいつもの、オタク系のほほんアンドちょっぴりセンチな恋愛物な感じ。
しかし実際「頭をよくしてあげよう」って言われたら引くよね(笑)