大槻ケンヂのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ大槻ケンヂさんはオールナイトニッポンのファンで、音楽もすごく好きだったので、そのせいかあまり小説には興味がなかった。しかしこの小説はとても評判であったためいつか読みたいと思っていた。そうしてようやく20年越しくらいで読んでみたところ、とっても楽しかった。
特に名画座めぐりをしているところ、そのまんま僕が大学生の時にやっていたことで、映画館の名前も作品もそのままで、たまらない気分になった。
オタクを下に見ているところを記しているところもいい。確かに時代の空気はそうだった。実際、オタクも今ほどかっこよくなかった。今のオタクがかっこいいわけではないかもしれないのだが、今は当時90年代より全体の基準が下がっている感じがして、こんな印象なのかもしれない。当時はかっこよくなければならない、オシャレでなくてはならないというような圧があったような気がする。
仲のいい友達が二人いるのだけど、どっちがどっちか読んでいてあまりよく分からなかった。最後の方で背景が語られてようやく見えた気がした。あんな友達がいてたまり場があったらさぞ楽しいだろうと思った。うらやましい。
ノイズバンドをやるという続編も楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
副題が「大人になってもドロップアウトし続けるためにキッチリ生きる。
'80年代から爆走中、彼らに学ぶ「生きざま」の知恵」
新書だから、で軽い気持ちで電車に持ち込んだ私がバカでした。
死ぬかと思いました。
ものすごい濃くて爆笑必須の本でした。
ここに登場するアーチストたちの曲を、私はほとんど聴いては来なかったけど
当時の話、現在の話、どこを取っても含蓄たっぷり。
当事者にしか分からない話の数々が面白すぎる。
ロックというジャンルは、
自分の年齢について意識することが、
他の音楽ジャンルに比べて、早く訪れる気がする。
(アイドルという別格もあるかもしれない)
精神的にも肉体的にもそうだろうし
自分の生活、自分のファンや、自分を取り巻く業界や社会も含めて
時間とともに否応なく変化する中で、
音楽を続けていくために、どう対応していくのか。
すべて自分がクリアしなければいけない問題で、
万人に役に立つようなスタンダードな正解なんてないんだなと
本を読みながらつくづくと思う。
ファンキー末吉の中国ロック村、橘高文彦の子育て話、
ダイアモンドユカイのプロポーズ話など、
思い出しても爆笑しそうな話がてんこもり。
リンドバーグ再結成話は、
女性が仕事と家庭を両立する難しさというリアルな問題が見えて興味深かった。 -
Posted by ブクログ
オーケン作品で1,2を争う面白さ。
バンド物は、
どこかあやふやで上っ面な作品が多いように思うが、
自身がバンドマンである彼の作品は、
その描写がリアル。
一気に読んでしまいたくなるほど、
読みやすい文章と、
引き込まれるストーリー。
世代によってどの人物に、
感情移入するかが分かれるだろう。
マネージャーの言う事、
プロデューサーの言う事、
バンギャの言う事、バンドマンの言う事。
それぞれが一理あるし、
それぞれが信念を持って生きてるってことが分る。
酸いも甘いも噛み分けて、
時代を生きてきた彼にしか書けない作品だと思う。
読後、無性にツアーをしたくなる。
バンドマンでもないのに。
音楽が好きな人。
バンドやってる、やってた。
そんな人たちに、
この本を読んで欲しい。 -
Posted by ブクログ
裏表紙のあらすじと同様、本文も、「18歳で夏でバカだった。」って始まるんだけど、なんかもう、それだけでおもしろげです。
「18歳」「夏」「バカ」って、どの言葉も、可能性?みたいな言葉な気がする。どの言葉も、これから何かが起こりそうな感じするもん。これからどんどん、おもしろいことが起きそうな予感。
そして、実際はそんなこと全然ないんだけれど、そんな一文を読むと、あたしの18歳の夏も、なんだかそんなだった気がしてきます(繰り返しになりますが、実際は全然そんなことなかったです。18歳の夏は…、たしか毎日、学校で夏期講習受けてた気がする…)。
で、読後もかなり満足。期待を裏切らない!
なんていうか、全体的に、少年マンガのノリ。
こういうのを読むと、男の子っていいなぁと思います。バカで、一生懸命で、青春を存分に楽しんで、生き方自体がもうロック。かっこいいなぁと思う反面、ちょっと悔しい感じもします。
それから、大槻ケンヂの本って、今回初めて読んだんだけど、なんか、この人はすげーなぁ、と。。。なんていうか、もうホントに、素で、バカだと思う。年齢的には十分、イイ大人なのに。
でも、そーゆー感じがすごい好きです。
しょーもない大人だなぁと思うけど、無理して大人ぶったり、無理して若くあろうとしたりしてないっぽいところ、ごく自然にあるって感じがすごく好きです。
でも、これもやっぱり繰り返しになりますが、自然体であんな文章書いてるなら、大槻ケンヂはやっぱり、十代の男の子たちと同じくらい、素でバカなんだと思う。
でも、なんだか人生、ヤなことがあっても、なんだかんだで楽しそうだし、そーゆーとこが魅力的だなぁと思ったり。
できるなら、そーゆー、バカっぽいけどかっこいい大人になりたいなぁ、なんて。 -
Posted by ブクログ
古本で購入。
大槻ケンヂの言葉のセンスと小説のもつ雰囲気にやられた。
“ミュージシャン”大槻ケンヂの曲はあまり数を聴いたことはないけど、「再殺部隊」「風車男ルリヲ」あたりはちょっと尋常じゃない。
この短編集も、気の狂った少女「くるぐる」の発する予言や過去透視を芸として見せる「くるぐる使い」だった男が己の外道の所業を告白する表題作を始め、独特の世界観がみっしりと詰まってる。たまらん。
意外と重要な1編と思えるのが、現実世界と妄想世界の狭間でぐらついている少年を描いた「春陽綺談」。
少年から異常体験を聴かされた男が彼に言う
「ヘラヘラ生きるコツを教えてやる」
という言葉は、収録作品のすべてに共通する、精神の平行棒に立つ脆く危うい少年少女への、大槻ケンヂの想いなのかもしれない。
その一方で、この短編には作者の敬愛する江戸川乱歩へのオマージュが溢れてる。少年・春陽(はるひ)からして、江戸川乱歩文庫を出版している春陽堂書店が元ネタっぽい。
他の作品も想像以上にすごかった。
特に「くるぐる使い」のやるせなさやエグさ、どことなく漂うエロスがすごい。
“作家”大槻ケンヂはエッセイの評価も高いそうなので、1冊読んでみよう。