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引用 頁二八八
カッと目を見開き、呟いた。
「山口美廿子に追いつくために」
(中略)
引き出しの奥には、紙袋に詰めた山口美甘子のブルマーが入っていた。いつぞや山之上の机からこぼれおちたものだ。
ふと賢三は、紙袋を引き出しの中から取り出した。
袋を開け、中をのぞいた。
ふくふくとした藍色の体育着が、気絶した小動物のように眠っていた。
指でつつくと、弾力が心地よかった、
つまんでゆっくりと、賢三は袋の中からブルマーを引っ張り出した。
少年は同級生のブルマーを、しげしげと見つめた。
いつか吉祥寺の映画館でかいだ美甘子の香り、シャンプーの匂いを、賢三は鼻に感じたような気がした。
その時賢三は、思った。
急に彼は、こんなことを思った。
「もういいや」
山口美甘子のブルマーを見つめながら、賢三はもうどうでもいいやと思ったのだ。
「オレには何もできないんだ。オレが今までやってきたことは全て無意味だったのだ。もういいや」
だから賢三は決めた。たとえ地獄が凍りついても、彼女でだけはすまいと思っていた賢三だが、
「美甘子でオナニーをしてやる。あの小生意気な娘を、どろどろのべちゃべちゃにしてやる。泣いたってわめいたってかまうものか。全身の穴という穴にポコチンを突っ込んで、ぬぬぷぷぬぬぷとぐちゃぐちゃのべっちゃべちゃにしてやる!!」
左手にブルマーを握りしめたまま、右手でベルトを手際よく外した。一瞬、誰かに見られている気がして振り向いたが、もちろん誰もいない。ホッと息をつき、そして賢三はまた、ポコチンを握りしめた‥‥‥。
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チョコ編の一番最初の山口と大橋君の
踏切のシーンが一番切なくて大好きなシーン
だったりするんだけれども、
だんだん大人びていって自分の手の届かない
くらいスター街道驀進していってえっちで
大人びた山口になっていっていく感じの様が
どうにもこうにも読むのが胸痛くてセンチメンタル。
どんだけ山口山口って言いながら涙流して読んだのか
わからない。センチメンタルな青春小説の王道。チョコ編。(ちなみにパイン編はさらにその上を行く。)
チョコ編までは純情パインなままでぎりぎり読めるかな
ぎりぎりあうと!
そんな感じです、はい。
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わたしが夢中になってやっていること、本当は意味なんてないのかな、賢三と一緒に、わたしも今とても不安な気持ちです。 パイン編を読んで、この気持ちよ晴れてくれ!
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面白くて3部作いっきに読み進めたなぁ。
あの頃のもどかしいようななんとも言えない感覚がよみがえります。
そしてサブカル好きな自分にはまたグッときました。
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この第一作を手にとったのは、
まさに6年前の17歳。
すっかり忘れかけていた完結編。
6年の時を経て出会う運命。
「周りはみんなバカばかり」
「自分には他人と違う何かがある」
コンプレックスの塊で、誇大化する意識を
マスターペーションにぶつけることしか術を知らない思春期時代。
周囲においていかれる感覚。
どうあがいても追いつけない絶望感。
『人生は、グミ・チョコレート・パイン』
それでも襲う虚無 寂寞 絶望
死を決意した少年に物語は核心へ。
「死ぬのはいい。だが、セックスはしておけ」
「童貞の悩みは一発やれば解決する」
17歳の時にこの作品に出会い、
そして今このタイミングで完結編を読めたこと。
これが運命なら、俺は神に感謝したい。
俺はまさにここにいた。
そして、これからもずっと、きっと。
星5つじゃ全然足りません。
マスかく暇があったらこれを読め!
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非リアが、「通俗的な周りの連中とは違う何かを持っているはず」とバンドを組んで、練習を始めたけど、「実は、一緒なんじゃ?」と悩み始める。
わかる、わかるぞ。
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おおおお,どうなるんだ?!
バンドを始めたときの自分を思い出して,
あの時のワクワク感とかたまんなかったなぁ〜って懐かしくなった!
すごくくだらないけどメガデスを目が出るッスってネタにしてたのには相当笑ったwww
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最強な3部作の2番目。
初めて読んだときは最悪に凹んだ。
(元々凹んでるときに読んだので、さらに)
でも、そこがいい。
若い頃はこのくらいの絶望が必要。
文は全然重くないし、とても読みやすいですよ。
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あの頃、思春期特有の雄の匂いプンプンさせた汗臭い男子は嫌いだったが
ちょっと いいじゃんって 思ったよ
三冊読み終えるまで 登場人物と一緒に心が動いていった 一緒に一喜一憂してた
青春小説の金字塔ですな
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ネクラ人間の魂を揺さぶるすごい小説。17歳の賢三たちに嫉妬してしまって、途中からなんだか読んでて辛かった。この小説は底辺の人間でもそれぞれの人生があるからガンバレみたいな話だと思うけど、ネクラ仲間がいる彼らは本当の意味での底辺ではないんだよね。チョコ編あたりから山口美甘子が神格化しはじめ、最後にはあの映画監督でさえ踏み台にしてしまう完全に超人になってしまっている。序盤の会話内容から見ても、さほど憑依型(天才型)の女優といった感じはしなかった、というかどちらかといえば頭でっかちの理論型に思えたんだけど、気づいたら天才になってた。その辺にリアリティがない気がした。まぁリアリティどうこうっていう小説ではないんだけども、ちょっと演出が雑というか男性本位に思う。賢三目線から恋愛軸で考えていくと、この小説は究極の寝取られ小説ともいえる。なんてったって賢三は思いを寄せる美甘子に見向きもされず、勝手にイケメンアイドルで処女を捨て、映画監督と頽廃的なセックスを繰り広げているのだ。そして大槻ケンヂの鬱屈した性癖を表れ、かどうかはわからないが、その美甘子のセックスシーンが、必要とは思えないレベルに微にいり細にいり、実に丁寧に描かれていて、読者の劣情を煽る。作者は、物語の主軸である賢三のバンドのライブシーンで幕を引いてすっきり気持ちよくなった読者を、エピローグの美甘子と監督の大人シーンでまた性欲の泥沼に叩き込むのだ。根性が捻じ曲がっているとしか思えない。タイトルの『グミ・チョコレート・パイン』は流山ではグリコのおまけ・チョコレート・パイナップルでおなじみであったジャンケンレースのことである。映画デビューを果たしてずっと先を行ってしまった美甘子に対して、「チョキで勝ちまくって絶対追いついてやる」といきまく賢三だが、全くもって勝てない。物語終盤で成長を遂げた凡人・賢三は、グーでもいいからとにかく勝ち続けよう、といわば急がば回れ的な考え、というか身の丈に合った歩幅で行こうって感じに落ち着く。それとは対照的に、超人・美甘子はエピローグで少年相手にチョキで勝ち続ける。この小説は生まれもって人間は不平等であることをこれでもかと突きつける、格差社会(?)小説もであるのだ。
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高校ぶりに読。グミチョコパインまとめて。
これは俺たちの物語なんだよな。「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」をかかえる俺たちの。
大人になってもいまでも、読んでよかった。忘れちゃいかんね。ありがとう大槻ケンヂ。
Posted by ブクログ
グミ編の主人公目線では完璧高潔美少女女神に見えた美甘子も実は影で悪口を言うし通俗な男に惚れ込むし、同類もそれ以外も見下してるひねくれ者だったって言うのが思春期特有の好きな子への神格化が出てて良い!!
気取りやおな猿ケンゾーの劣等感によるネバネバした黒く汚い部分も出てきて
グミ編は青春!感が強かったけどチョコ編はグミ編での願望からの現実を突きつけられてる感じがした!さてパイン編もよむよー
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ナゴムの本当の始まりのあたりや、山塚アイを思わせるミュージシャンのライブが描かれており楽しい。同級生と組んだバンドが創作の楽しさが満ち満ちて始まっていく一方で、主人公がどん底の状態で終わってしまった。賢三が山之内の詩を本人が認めながらも、他のメンバーには否定して欲しいと願う描写に心が痛くなる。そういった感覚には確かにオレも思いがあり、苦しくて、賢三が心配だ。大槻さんはとんでもないものを書かいてくれたものだ。
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ヌード披露により、美甘子退学。
賢三との別れのシーン。
賢三仲間4人は屋根裏で自分BOXのライブを見る。
美甘子はジョニーズの羽村と親しくなる。
賢三たちはバンド名を決め、それぞれの役割を決める……。
といったあらすじ。
好きな女の子にさえコンプレックスを感じる賢三が、いじましい。
また美甘子パートの登場により、美甘子の内面も描かれるようになった。
あいかわらず自分BOXは魅力的。
中央線よ、あの娘の胸に突き刺され
という友部正人のフレーズが妙に頭に残った。
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物語が動き出した。バンドを始めた賢三たち。他の皆はそれぞれの役割を担い、人とは違ったものを自覚して生を謳歌するが、賢三のみが自分には何もないことを自覚してしまい、やれば出来る子神話が崩壊し絶望のふちへ。この辺の賢三の心境には共感。そして、美甘子の世界もまた変化を見せる。まさか狂って堕ちてしまうのか、、と思ってしまったりもしたけど、先生は全員はハッピーにさせたいご様子。ここからどうなるのか。楽しみ。
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やっとチョコ編読めたー
なんか走り出した感じでいいね!
美甘子と賢三がやっと現実世界とつながりだした。
自分が普通の人間だったって気づいて
でも違う、何かやってやるってもがいてて
そんなふたりのほうが全然良い。
全然オトナになった!
これからふたりがどんなふうにオトナになっていくのか、楽しみです。
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「俺は他とは違う」って本気で思ってた時期が俺にもあった。でも実際何が違うのかと問われれば何も違わないわけで、でもそれを受け入れたくないって気持ちがあってモヤモヤする小説。っていうか今でも「俺は他とは違う」と信じていたりする。
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で、2巻がこの表紙。
昔から、この表紙を知っていたんですが、どうしてもハードルを上げられてしまってました。
難易度が高い表紙は、グミチョコシリーズとドグラ・マグラかと。
でも、内容は相変わらず良いですね。
何にもしてないけど、何かしたいって青春ですよね!
僕は29ながら、同じようなことを考えていて、ちょっと悲しくなります……
後半、ちょっと重たい感じになってきたので、続きが気になりました。
次巻が最終巻!!
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グミ編が面白かったので、あまり熱も冷めないうちに続編を読もうかと・・・
チョコ編もサブカル満載で面白い!そして読みやすい。大槻ケンヂは得意なフィールドとはいえ、なかなか引き込んで読ませる力を持っている。自分BOX、有狂天、筋肉少年少女隊など、自分のバンドの自虐パロディも入れ込みながら、バンドの演出シーンは非常に細かく描かれていて、文体からライブハウスのニオイが漂ってくるのである。
チョコ編では、美甘子がどんどん成長して行くのに対して、賢三の「いつか追い越してやるぞ」という思いとは裏腹に、彼自身、自分のなんでもなさを痛感し始めるという、非常に情けなく切ない展開が繰り広げられる。青春小説として読者に同情の余地ありありなのである。
3部作ということで、次の完結編も非常に楽しみなのであるが、3部作は何かと2個目が熱かったりするので、それを上回る結果となってくれれば良いなあ、と願っている今日この頃。今回も冷めないうちにパイン編を買いに行こうかな。
Posted by ブクログ
1日で読み終えた。
イタリアで続きが読めなくてうずうずしていたのだから。
ちょっと暗雲が立ちこめる展開で終わっています、
このままパイン編に突入する所存。
Posted by ブクログ
良くも悪くも成長途上な中編。
先が気になってうずうず感もあり、方向性がシリアス調で先が思いやられる感もあり。
おもしろいなあ。
パイン編で美甘子と賢三の道がどう交わるか楽しみ。
作者の都合なのかわからんけど、チョコ編⇒パイン編の発行にかけて6年も月日が流れていることに驚き。
ファンの読者はよく待ったなあ…。
Posted by ブクログ
今回はバンドの話が中心となってます。当時のアングラ・ロックシーンを知るうえで貴重な作品をオーケンはたくさん書いてるよなあ。と、無知な俺は目から鱗がポロポロです。あぶらだこってこんな前から活動してたんか。
ダダイズムとウルトラ怪獣ダダの関連もここで初めて知った笑。既成概念を打ち壊す、ねえ・・・。
アナクロと批判する読者もあろうが、ロックにはやはり「今までになかった価値観」を世の中に叩きつける義務があるのだと彼らは考えていた。
きっとそれは、あたしが映画や本の中でしか世界を知らないからだ。
虚構の世界の中で現実を学びとろうとする試みは、徒労だったんじゃないのか。
『自分のしてきたことがまちがっていたと気づいたら、誰だって、死にたくなるに決まっているじゃないか』
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三部作の二作目。80年前後に活躍したバンドの名前が大量に出てくるが知らないものが多く、その辺はあまり頭に入ってこなかった。賢三の脳内でいやらしいことを考えまくるのも同じパターンでちと飽きてきた。
物語としては賢三たちとは別の美甘子の人生の方が面白くなってきた。
Posted by ブクログ
もうまわりくどくほとんどいらない部分で構成されていて、内容は、何者かになりたいけど自分には何もないのではないか、そして友達や好きな人にも置いていかれる気分を味わう主人公。それだけ。
でもグミ編もそうだったけど、話の展開以外の大部分のおかげで展開する部分がすごく強調されるというか、今回でいうと賢三の辛さがすごく膨らんで、のしかかってくるような、不思議な感覚がしました。
これは意図されているのかはわからないけれど、独特の文章でこれはこれで面白いです。
とりあえずパイン編もすぐに読んでみようと思います。
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美甘子と賢三の差が目に見えて広がっていくところがちょっと切ない!
美甘子と羽村の距離が縮まったシーンと賢三の挫折シーンが個人的に好き
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黒所高校2年生の大橋賢三は、周囲を見返すため親友たちとノイズバンドを結成したが、具体的には何も動いていない。一方、賢三が思いを寄せるクラスメートの山口美甘子は映画監督の大林森に女優としてスカウトされたのをきっかけに学校をやめてしまう。美甘子も表面上クラスメートと仲良くしていたが、賢三と同じくマイナーな映画や本に傾倒していたのだ。先に飛び出した美甘子に焦りを感じた賢三は初ライブに向けて動きはじめるが――
グミ編に続くチョコ編。三部作の2話目はつまらないというが……たしかにつまらなかった(笑)。いや、それなりに笑えるのですが、なにせ賢三が悲しいぐらいに焦り落ち込んでるのであんまりおもしろくないのだ。美甘子もなんだか本も読まないアイドル羽村に恋しちゃったみたいだし。一体どうなるのか。次のパイン編が気にはなる
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前作がすべての青き性春時代を送る性少年のオナニー小説だったのに対し、本作では次第に青春小説に向かって行く。
オナニー小説から青春小説に立て直しが図られているのが本作であり、『グミ・チョコレート・パイン』を立派な青春成長小説として成立させるために必要な道具立てのすべてが本書には詰め込まれていく。
三部作の第二作というものは、スターウォーズでいえば『帝国の逆襲』。
作者もあとがきで述べているように、この第二作というモノは起承転結でいうと非常に難しい。
『承』で終わってはモノ足りず、次の『転』まで読者を引き留めていけない。『転』まで描ききってしまうと、第三作目でのスペクタクルが無くなってしまう。
本書では『転』の冒頭くらいで終えている。なので捕まえられた気持ちの持って行きようが無く、次はまだまだ?と次作への期待が引き摺られるのだ。
帝国の逆襲はダースベイダーにルークは自分の息子だと言われ、動揺を隠せずに逃げたところで終わり、本作はなんとっ!?
左手にブルマーを握りしめたまま、右手でベルトを手際よく外した。一瞬、誰かに見られている気がして振り向いたが、もちろん誰もいない。ホッと息をつき、そして賢三はまた、ポコチンを握りしめた……。
主人公の賢三がついにオナニーネタとして禁じていたヒロイン山口美可子をズリネタに、やるんか?やってしまうんかっ??やりよるんかっ???
という場面で非情にも終わるのである。
.........ラストシーンをおいてなおやはりオナニー小説から脱していない。
が、そんなことは無いのである。
ここに至る道中、「不条理なほどほとばしってしまう抑えようのない激情」を抱くボンクラ共はもはや背中すら見えないほど先を進んでしまった山口美可子を追いかけるべく、さらなる懊悩に無駄な日々を費やし、ついに自己表現の一つの形であるバンド活動という形を見出すのである。
はたして、美可子に追いつくことはできるのか?
美可子はさっさと大人の階段を三段飛ばしで駆け上がっているぞっ!どうするどうなるボンクラ共っ???
ということで第三作パイン編に続くのである。