【感想・ネタバレ】グミ・チョコレート・パイン チョコ編のレビュー

あらすじ

大橋賢三は高校二年生。周囲のものたちを見返すために、友人のカワボン、タクオ、山之上らとノイズ・バンドを結成する。一方、胸も大きく美人と評判の山口美甘子もまた、学校では「くだらない人たち」に合わせてふるまっているが、心の中では、自分には人とは違う何かがあるはずだと思っていた。賢三は名画座での偶然の出会いから秘かに想いをよせていたが、美甘子は映画監督の大林森にスカウトされ女優になることを決意し、学校を去ってしまう……。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

現状から抜け出し遠くへ行く為の手段を見つけて、俺たち、もしかしたらもしかしちゃうのかもしれない!とエネルギーに満ち溢れる感じ、最高だ。
胸の高鳴りを感じながら読んだ。

賢三が敵わないと感じる美甘子も羽村の前では1人の初心な少女なのが良い。
賢三と美甘子はとても近しい葛藤を抱えていて、男とか女とか余分なパーソナリティを取っ払ったときの魂の形がとても似ているんだと思う。(それを言ったらカワボン、タクオ、山之上を含めた全員が10代特有の何か似たようなものを抱えているけど)
だから瓜二つの魂を持つ賢三と美甘子というのは恋愛対象として出会ったというより、入れ物の違う自分と自分が出会った、というような感覚に近いんじゃないかな。
もちろん10代の僕らは性欲にまみれているし人生にまつわる、あらゆる経験も乏しいから恋とか愛とかに振り回されてしまうけどさ、賢三君。君はきっと美甘子とセックスしなくたって何かもっと深いところで彼女と繋がれるんじゃないか。
だからとて美甘子が自分が絶対になれないタイプの羽村と良い関係になるなんて、賢三的に断固として許せないのも分かる。
けど美甘子の気持ちもめちゃくちゃ分かる。
羽村に惹かれる美甘子にも強烈に共感した。
簡単な言葉に逃げるけど恋だけはどうしたって理屈じゃないから、じゃあ経験の無さを埋めるために理論武装して人生をサバイブする僕らはどうすれば、どうすれば、、、。
とにかく賢三、もっと遠くへ、もっと遠くへ、美甘子を追い越すくらい速く遠くへ行ってくれ〜!!

百聞は一見にしかず、知識の蓄えはあっても行動に移すと思い通りにいかなかったり新たな葛藤が生まれるのがリアルだった。
行動したからこそ、確実に前には進んでいると信じさせて欲しい、実感が欲しくなる、理想は高く、欲だけが止めどなく溢れ出る感覚に共感した。

全員が自分を笑っているような感覚に陥るのも分かる。
私自身、最近好きなことを共通言語を持つ友人たちと伸び伸びやれているけど、周りのインプット量に圧倒されたり、過去の自分に苛立ったりっていうことがよくある。
自意識だけは一丁前に膨れ上がるから虚勢を張り続けてしまうし、なんか私だけダメだなーとか思って全部投げ出したくなるけど、なんとか。なんとか。
報われたい、報われて欲しい。

0
2025年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

グミ編で賢三といい感じだった美甘子が簡単に羽村に惚れ込んでいく様子を嫌だ、ショック、低俗、気持ち悪いって思う人の感性は絶対に間違ってなんかなくて、
だけど自分がそう感じなかったのは大人になったってことなのかな それとも私が根本的に女だからなのかな
触れてきたカルチャーが通俗であっても羽村という人間は低俗じゃないし、なんなら得難い存在だったと思う。
美甘子は大人として、表現者として確実に成長したしやっぱり何百冊も本を読むことよりも好きな人と一回キスすることの方が重要なのかなぁ、いやどうなのかなぁ 優越感とか関係ない真っ当な趣味ならこんなこと考える必要もないんだけど 私の場合はどうなんだろうなぁ 

0
2025年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ナゴムの本当の始まりのあたりや、山塚アイを思わせるミュージシャンのライブが描かれており楽しい。同級生と組んだバンドが創作の楽しさが満ち満ちて始まっていく一方で、主人公がどん底の状態で終わってしまった。賢三が山之内の詩を本人が認めながらも、他のメンバーには否定して欲しいと願う描写に心が痛くなる。そういった感覚には確かにオレも思いがあり、苦しくて、賢三が心配だ。大槻さんはとんでもないものを書かいてくれたものだ。

0
2018年06月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

グミ編の主人公目線では完璧高潔美少女女神に見えた美甘子も実は影で悪口を言うし通俗な男に惚れ込むし、同類もそれ以外も見下してるひねくれ者だったって言うのが思春期特有の好きな子への神格化が出てて良い!!
気取りやおな猿ケンゾーの劣等感によるネバネバした黒く汚い部分も出てきて
グミ編は青春!感が強かったけどチョコ編はグミ編での願望からの現実を突きつけられてる感じがした!さてパイン編もよむよー

0
2024年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1日で読み終えた。
イタリアで続きが読めなくてうずうずしていたのだから。
ちょっと暗雲が立ちこめる展開で終わっています、
このままパイン編に突入する所存。

0
2011年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

美甘子と賢三の差が目に見えて広がっていくところがちょっと切ない!
美甘子と羽村の距離が縮まったシーンと賢三の挫折シーンが個人的に好き

0
2021年09月24日

「小説」ランキング