大槻ケンヂのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
15歳~17歳の少女が突如ステーシー化(いわゆるゾンビ化)してしまうという現象が頻発して、それを掃討する再殺部隊、ステーシー化する前の少女、再殺権を押し付けられた男、などの視点から一連の騒擾を描いている。
なんというかいろいろ喚起されるものがある作品だった。
男も女も露悪的じゃなくとも自然と悪意なく「モノ」として扱ってしまっているような価値観が蔓延している、と私は勝手に思っていて、それを潔く認めた作品だと感じた。
そしてその中から湧き出てくる恋愛は美しいです。
ただし渋川さんのとっかえひっかえはどうかと思います。
最終章の「春」の理屈が狂ってるやつの一歩手前みたいな雰囲気でよかった。 -
Posted by ブクログ
笑って泣ける一冊。
青春なんて青臭さが漂っているけど、
全然嫌いじゃない。
そこには独特のやるせなさと、
切なさと、
温かさがあるから。
二度と取り戻せない時間。
それがここにはあるんじゃないでしょうか。
甘いばかりじゃなくて、
苦いばかりじゃなくて、
酸っぱい時だってある。
恒一の将来を懸念する台詞には、
思わず涙が出ました。
迷える子羊に、なんて言ってみたり。
将来どうするか、
どうなるか、
どうしたいか、
悩んでいたら読んでみるべき。
読んだからって解決するわけじゃないし、
現実はそんな甘くないなんて言われてしまうかもしれませんが、
たまには夢みろよ、みたいなかんじで
ゆるーく真面目に生 -
Posted by ブクログ
すっごい、おもしろかった・・・!!なんていうんだろ、ロックでいかれてる話ばっかりなのに、全部悲しくて、いやな気分になって目もそむけたくなっちゃうのに、結局見ちゃう、みたいな。
やっぱり表題作が最高です。「泣き死ぬ」って、いい表現だなぁ。ほぼ造語でここまでキャッチーな言葉もないと思います。
全部どこかしら心理的要素がからんできて面白かったです。逆に言うと心理で説明できるものでここまで怪奇的に話を作れるのはすごい。加えてときおり出てくる“説明できないもの”の怖さが引き立つ。
「憑かれたな」はすごく舞台でやりたいですね!最後の笑いまでググッとやりたい。
そんなこと言ってわたしは「キラキラと輝くもの」 -
Posted by ブクログ
この第一作を手にとったのは、
まさに6年前の17歳。
すっかり忘れかけていた完結編。
6年の時を経て出会う運命。
「周りはみんなバカばかり」
「自分には他人と違う何かがある」
コンプレックスの塊で、誇大化する意識を
マスターペーションにぶつけることしか術を知らない思春期時代。
周囲においていかれる感覚。
どうあがいても追いつけない絶望感。
『人生は、グミ・チョコレート・パイン』
それでも襲う虚無 寂寞 絶望
死を決意した少年に物語は核心へ。
「死ぬのはいい。だが、セックスはしておけ」
「童貞の悩みは一発やれば解決する」
17歳の時にこの作品に出 -
Posted by ブクログ
バンド、ロック、ロッキン・ホース・バレリーナ、鼻ピアス、ゴスロリ
恥ずかしくなるくらいの純粋な物語を、ちょっと異色な組み合わせで隠している。
ロックバンドを組んではじめてのライブツアーに度立つ耕助らが出会ったのは、ゴスロリ少女の七曲町子。
毒々しい服装で夜の森にうずくまるラフレシアのような彼女は、憧れのボーカリストを追っかけて「食ってもらう」ために旅に出ているのだという。
憧れのボーカリストに会うことで、薄汚れて傷だらけな自分の人生をリセットするのだという町子。
しかし、耕助らと行動を共にするうちに、衣服と作りこまれたキャラクターで完全武装していた彼女の心は次第にとけてくる。
「……よく