大槻ケンヂのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
18で夏でバカだった。
というフレーズに象徴される、若者たちの青春と、青春を置き去りにしてしまった中年のロードムービー的物語である。
とにかく「野原」というバカなパンクバンドの「名古屋って愛媛県だよねー」「えっ、名古屋県じゃねーのかよ!」みたいなバカ会話が楽しい。
そんなバカなバンドのボーカル耕介と、別のV系バンド追っかけの町子が、不器用に愛情をはぐくんで行くようすももどかしくも愛おしい。
そんな彼らのマネージャーの得山が、野原を「バンド転がし」のえじきにしようか、すまいかという葛藤に苛まれる様子も、読んでいてハラハラさせられる。
得さんは情けない中年なんだけども、彼の成長、あるいは青春の -
Posted by ブクログ
ネタバレキッズバンドのマネージャー(割り切れない男)と音楽業界の権力者(割り切った男)の構図が面白い。二人の出自が一緒なのもまた良い。choose your life.人生を選べ。
そういう意味では主人公より主人公らしいのはオッサン二人ということになる。俺がオッサン化してしまったから、というのもあるかもしれないが、オーケンも主人公よりオッサン達に力を入れて書いている節が見受けられる。
愛=赦し か
それにしても現況を笑い飛ばす力というのは偉大である。
どちらかというと★★★だ。がしかし、それだとちょっと可哀想な気もするという加点で★★★★。 -
Posted by ブクログ
グミ編が面白かったので、あまり熱も冷めないうちに続編を読もうかと・・・
チョコ編もサブカル満載で面白い!そして読みやすい。大槻ケンヂは得意なフィールドとはいえ、なかなか引き込んで読ませる力を持っている。自分BOX、有狂天、筋肉少年少女隊など、自分のバンドの自虐パロディも入れ込みながら、バンドの演出シーンは非常に細かく描かれていて、文体からライブハウスのニオイが漂ってくるのである。
チョコ編では、美甘子がどんどん成長して行くのに対して、賢三の「いつか追い越してやるぞ」という思いとは裏腹に、彼自身、自分のなんでもなさを痛感し始めるという、非常に情けなく切ない展開が繰り広げられる。青春小説