あらすじ
ノストラダムスやコックリさんから、ミスター・ポーゴに北尾光司。恐怖体験から映画、寺山修司まで。ロック界屈指の文学青年・自称「野狐禅」野郎オーケンが、のほほんと放つ珠玉のエッセイ集。
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満月だ。月の光がベランダの避難はしごに反射して明るいが、オリオン座はしっかりと見える。東京でもちゃんと星は見えるのだ。都会は星が見えないなどというのは、都会の人間は星を見ようとしないという意味に過ぎないのかもしれない。
最近大槻ケンヂのエッセイにハマっている。月の裏のクレーターから飛んでくる宇宙船が云々などと歌いながらも、彼にはしっかりと現実が見えていたということになんだか安心した。だから惹かれたのだと思う。
狂気の世界に憧れながらもけして狂うことができない、狂ってはいけないと踏みとどまろうとする意志はなんとなく感じていて、私はまさに彼が思春期に求めたという同志に出会ったような気持ちで彼の詩を聞いていたのだった。
だから私の彼への想いは恋心に似て非なるものだし、醒めることがない想いとなりえたのだろう。
彼がバンドでなくても良かったというのもなんだか嬉しい。彼は表現者でありたいだけで、音楽に心酔しているわけではないのだ。私が音楽を聴いているようでその実歌詞や世界観を噛み締めているという意味で根本的には音楽の人ではないことを、なんだか肯定されたような気がした。
彼は彼の言葉通り、サムくない形で私を勇気づけてくれていたし、私が望むことがあるとすれば私もまた、他人にとってそんな存在でありたいと思う。
もちろん私には彼の言うところの“天動説の女”であった時代があるのは自覚しているし、彼が言うようにどんなに辛くても生きていなきゃならん、と思えるようになったのはわりと最近なのだけれど。
自己憐憫に溺れていた過去の私が大槻ケンヂのエッセイを読んだら、果たしてどのような想いを抱いていただろうか?それは今となってはわからないが、いずれにしてもイエローモンキーと同じくらい筋肉少女帯に影響を受け、この精神を支えられたことに変わりはない。
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大槻ケンヂのエッセイである。以上。
まず考慮すべきは、初出は1990年代の初頭で、単行本が1993年、文庫本が1996年という、いわばバブル崩壊前後に出たものであり著者20代後半という年齢であるということだ。
時代のものとはまた別の、とにかく読みやすい文章であるし、『栗ご飯』なる、『サラダ記念日』以降のアノ頃のエッセイにありがちなサブタイトルがこっ恥ずかしいのはともかく、当時のエッセイスタイルに加えて、著者の若さというものが、文章を直接的にさせているのではないかと思う。
今のようにネットで何でもという時代でなかったからこその、有るものを消費して、古典から新しいものまで映画でも本でも取り入れる。フランスの古典映画や寺山修司、ラブクラフト、かと思えば当時の最新作『ツイン・ピークス』からなにからまで取り込んでいるスタイルは、現代の同世代には難しかろう。
一方で、UFOや超常現象などについてのツッコミ本やプロレス雑誌など、今とはまた別方向のサブカルに入っていくのは、当時の文化を知らない人にはわからないだろう。雑誌「噂の真相」ラジオ「北野誠のサイキック青年団」などのアノ頃の雰囲気がそのままで非常に面白い。
また、有る種のスノッブ的な趣味なのか、深堀りの末なのかはわからないが、辞世の句などの本にまで言及しているのは、少々驚いた。『めぞん一刻』でも何度もネタにされているアレが、東京オリンピックのマラソン選手円谷幸吉の辞世の手紙が元ネタだったのだな。有名らしいが知りませんでした。
今の人には、ブンカジンぽくてムズカシソウと思ったりするかもしれないが、今でも通じる話ばかりである。
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俺が大槻ケンヂを尊敬していることは周知の事実、
でもないようなので、この場をかりて宣言します。
俺はオーケンを尊敬してるぞー。悪いかコラ!ハゲ!!
そんな僕の思想の師の1人、大槻ケンヂなのですが、
本当に多くのエッセイを書いていてエッセイ集が
一体何冊出てるのかすらわからないので
僕も全部は読んでません…。
でも古本屋で見つけるととりあえず買う。んで読む。
このエッセイ集は、当たり!
もちろん他の作品と被ってる部分も多いんだが、
数多くのエッセイ集の中でもタイトル通りオーケンの
思想的な核心部分、トロの部分が集められています。
特にUFO考察とプロレスネタ、そして
「恋を知らない少女達~FANCY FREE STRAWBERRIES~」
の項は鉄板。
他人の頭の中を覗いてみたい方、どうぞ。
コッチ側にきたら、飲みましょう。
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他作にも見られる、のほほんな日々のエッセイなんだけど、かれのエッセイには外れがない。似たような感じのものが多くてごっちゃになるのだが、適度に楽しんだ記憶が。
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大槻ケンヂの事を知りたいならこれを読め!
知りたく無くても暇なら読んでほしい。
面白いから。
ただA型だなって思います。
理屈理屈で積んでかためて、でもおーけんは優しいから
「ま、ボクがこう思ってるだけだから気にしないでな〜」
と笑って誤摩化すのだ。
Posted by ブクログ
他人の頭の奥底の部分を覗き見してしまったよう。それほど深く色々考えている人の本。著者の好きなプロレスや芸能人のファンの心理など
、思わず「なるほど」と頷く部分があったり。かるーい気持ちで読めたりじっくり読めたりとおもしろいエッセイです。
Posted by ブクログ
なんだか大槻ケンジにはまりそう。前半の笑える部分ももちろん、後半にあるいわゆる「追っかけ」だったり「熱烈なファン」だったりする女の子に対する考察が興味深いのです…。
Posted by ブクログ
毎回毎回ためになるオーケンの本。
おっかけ少女の精神状態を分析している部分はためになるかも…
後日、寺山修司の本を読むことになったきっかけの本。
Posted by ブクログ
【恋をするな。仲間になれ!】
大槻エッセイにしては比較的に攻撃色が強い。バンド好きの勘違い女が読んだら気分を害すであろう一冊。
こんな僕でもやっぱり音楽の世界に憧れたときがある、本書の中に出てきた勘違い女たちとたいした差がない。むしろもっと悪い気がする。
今思うのは、恋人より仲間になったほうが、バンドとは長く付き合っていけるということ。苦しいのは君だけじゃなくて、バンドも同じくらい君の熱すぎる情熱に苦しんでいるのだ。と誰かに御節介を焼きたくなった。今も大して成長できてないのだけど。
それ以外にも、ちょっと読んでクスって笑って、心の薬になる作品。
薬は苦くて当たり前だ。
悪い病気は早く直して、外で笑おう。
Posted by ブクログ
かなーり古いエッセイですけれども、面白かったです! というか、後書きでオーケン氏が述べているようにまさに電車の中、あるいはお風呂の中で気軽に読める一冊ですね…! オーケン氏の、ほんわかした人柄が全編に渡って感じられる作品となっております…!
ヽ(・ω・)/ズコー
けれどもまあ、解説者の方も述べておられましたけれども、のほほんとしているようで意外と色々なことを考え、そして悩んでいることも窺い知ることができます…オーケン氏のエッセイ、久しぶりに読みましたけれどもイイ塩梅で心の清涼剤になったような気がしなくもないような、そんなハッキリとしない、曖昧模糊とした読後感を残してくれましたさようなら。 ←え?? 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
Posted by ブクログ
「ボクはこんなことを考えている」3
著者 大槻ケンヂ
出版 角川文庫
p50より引用
“今では想像もつかないが、ジャズやマンボだって絶頂期には
カウンターでオピニオン興奮剤だったのだ。”
ロックミュージシャンである著者による、
著者が愛してやまない事柄について書かれたエッセイ集。
プロレスについてからマイナーな映画についてまで、
穏やかな文体で時にコミカルに書かれています。
上記の引用は、
タイアップについて書かれた項の中の一文。
マンボはまぁ盛り上がる感じはしますが、
ジャズはしっとりとしているイメージが強い為、
かなり以外に思いました。
ロックミュージシャンなのでもっと突飛で過激な内容が、
これでもかと書かれていると思っていましたが、
驚くほど普通でまともな内容だったので、
少し拍子抜けしてしまいました。
顔にひび割れを入れていた人とは思えない、
穏やかでまっとうな意見だと思います。
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Posted by ブクログ
思考がアウトローな人ほど魅力があるという
電波でも花畑という意味でもない、要するに好奇心が向こう側に飛んでいる人のことである。
寺山修司に太宰治、SMクラブにイカれたロックバーのママ、ロックにプロレスに漫談に、UFOに映画に、アニメに恐怖体験に井上陽水。
一見なにも関連性のないものを巧妙に思考で結びつけたところに、知的なギャグセンスの幅の広さがでてくる。
人として軸がぶれている?
いいや、多分別の意味で人生の軸をぶらせているんだと思う。
とりあえず絶望先生に通じるものもあるような無いような
Posted by ブクログ
理屈っぽくて、途中で読むのしんどくなりましたw (´-,_ω-`)プッ
でもまぁ、なんとか読みきったけどね。この本にはオーケンが感動した数々の著書、映画などが紹介されている。機会があったらそれらを見てみようと思う。