小野不由美のレビュー一覧
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古い家屋や庭、井戸といった「場所」にまつわる不可思議な現象。
営繕屋・尾端は、それを“祓う”のではなく、そこに宿る想いや記憶に寄り添い、少し手を加えて“繕う”ことで解きほぐしていく。
6つの短編を通して、人と家、そして時の流れにまつわる怪異を描いた物語集。
1.奥庭より
受け継いだ古い家の奥座敷。閉めても閉めても開いてしまう襖。その違和感は、家に残された記憶とつながっていく。
2.屋根裏に
認知症の母が「屋根裏に誰かいる」と言い出す。天井裏に潜む気配は、家族の過去や思い出と重なり合う。
3.雨の鈴
雨の日に響く鈴の音。袋小路に立つ黒い着物の女。その姿がもたらすのは、静かに忍び寄る恐怖。
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Posted by ブクログ
そうだよね、家にまつわる話なら、それは当たり前に「家族」「家庭」の話なのであった(今更感)
今回は特に母、娘、妻、嫁…あたりのテーマが多くてホラー度も割り増し。苦いものが込み上げ辛かったけど、尾端さんの言う通り、どんな結果(家)でもその人にとって納得のいく(住み心地のいい)ものであることが大事なのだ、本当にそうだなと思った。
いろんな家族がいて、いろんな過去があって。人に言えない、あるいは自分で気づいてない感情もあるだろうけど、そういうものともなんとか折り合いをつけて、生きてかなきゃならない訳で。
印象に残ったのは骸の浜。
他者の悪意で八方塞がり、自分の力だけではどうにもならない、って時 -
Posted by ブクログ
映像なしの文章のみで、ここまで恐怖を引き出せるとは。お見事。引き込まれて、2日で一気に読んでしまった。
「営繕かるかや」のように、家にまつわるホラーではあるが、「かるかや」が短編ゆえに比較的早く収まりがつくのに対し、「緑の我が家」は長編ゆえに、すぐに解決せず、じっくり追い詰められる分、より深く怖さに浸れる事ができた。
ホラーとしても一級品だと思ったが、それ以外にも、小学生の頃の描写のリアルさ(オサルというアダナ、「ヘンキョウ」と呼ばれる場所、誰かが「オサルはナマイキだ」と言い始めて無視を開始する、など)、この世ならざる世界の理屈、後味の悪くない終わり方なども、良かった。
最初に書かれたのが19 -
Posted by ブクログ
ネタバレ心にずっしりきた。
分かりやすい伏線が散りばめられていたおかげで、予想は大体合っていた。
落書きの少年は、怪談で聞いたことがあるところの、何か禍々しいものの集合体だったのだろう。
もし、私が同じ状況ならば、家族と折り合いが悪かろうが何だろうが絶対引っ越すな、と思った。が、浩志が引っ越さない理由は、そんなことが理由ではなく、必死に忘れようとして記憶から消していた「オサル」のことを、どうしても消し去れない彼のことを、ハイツ・グリーンホームに足を踏み入れた時点で何となく感じ取っていたのでは?(もしかしたらその前からかも)
心理的描写に長けていてさすが、小野先生だなと思う。
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Posted by ブクログ
弐は読んでなかったんだな…参が出たのでまず弐を読んでからと思って購入。
相変わらずこわぁ…だった。これぞ日本の怪談!って感じ。旧い家にまつわる話なので自然とそうなるか。派手さはなく静かにヒタヒタと、でも疑いようもなく「そう」である(怪異である)。例えば閉めてた「はず」の襖が開いてるとか1人の時に気づくけど、え?嘘でしょ?勘違いだよね?で済まそうとするじゃない。そっから確信に変わるまで、なかなか他人には話せない、その段階がめちゃめちゃに怖い、孤独で。
子供の頃のおかしな記憶、大人になって理解するのはあるあるだと思うのだが、現実的にあり得ないから夢(あるいは捏造の記憶)だと思ってたのにリアルな -
Posted by ブクログ
ちょっと古典的って思ったけど、なんと30年前の作品だった
でも、時代を感じさせない、不由美ワールドな内容にグイグイ引き込まれる
ほとんど最後の最後まで、なんなん?あいつって感じだったけど
それが、ずーっとしこりのような恐怖感というか、ホラーモヤモヤさせてて
どっぷり世界にひきこまれてましたわ。
最近、マイルドエフェクト、知的解決な流れに浸かっていたので
後半のまぁまぁ過激な動きにはちょっとびっくりした次第。
でも、こうやって思い返してみると、魔性の子とかそんな感じだったなと
ちょうどその頃の不由美ワールドを改めて感じた本作でした。
真夏のホラー、ごちそうさまでした。