小野不由美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かなり以前に読んだんだけど、この間「参」を読んだので、「弐」を読み返してみた。
感情を荒立てるでもなく、特別なお祓いをするでもなく、ただ淡々と建具や設えを直すことで困りごとも解決していく尾端。帯にコミカライズされた尾端さんの絵がついていたけど、イメージはカバー絵の方が近いかな。蟲師描いてる漫画家さんの装丁なのね。
話の中でも、怪異を消すのでなく、怪異と折り合いをつけていく話が好きです。1巻目の1話目や、今回の「待つとしきかば」のように。
「芙蓉忌」両親と弟が死んで、無人になった実家に主人公は帰ってくる。その古い家の二階の部屋の壁の隙間から見える女に魅入られてしまう話。なかなかに怖い幽霊話。
「関守」通りゃんせの童謡に合わせた、子供の頃の怖い体験。役小角(えんのおづぬ)初めて聞きました。終わり方がよかった。
「待つとしきかば」死んでしまった猫のことを息子に言えないでいると、息子のもとに死んだ猫とは思えない何かがやって来る。途中ほんとに怖いんだけど、これも終わり方がね、素敵なの。
「魂やどりて」古い家を気に入るように作り変える中で、知らず知らず思いのこもった物をぞんざいにあつかってしまい、怪異に取り憑かれる。津軽こぎんも初めて聞いた。ただ、綺麗なだけじゃなくて、歴史的な厚みがあるのね。
「水の声」子どもの頃の同級生の溺死に責任を感じている彼氏が、たびたびその子の幽霊を見る。この幽霊描写が怖いんです。そして、その話を聞いた尾端さんが出してきた答えが、あ、そうきたかと。
「まさくに」古い田舎の屋敷の怖い話。天井裏に出てくる幽霊がかなり恐ろしい。その上だんだん恐ろしさが増してくる。小学生の樹に合わせて、一緒にドキドキビクビクしました。この話に出てくるおばあちゃんがなかなかに素適。こんな人になりたいな。
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Posted by ブクログ
現代ホラー小説傑作集。これまた全部再読なのだけれど、傑作揃いというほかのないセレクションです。
かるかやシリーズの「芙蓉忌」、実はシリーズ他の作品に較べると印象が薄かったのですが。再読してみると、なかなかに怖いしひっそりとした切なさも感じる名作でした。なによりこのアンソロジーがこの一編で幕を開け、そしてラストが「七つのカップ」で優しく終わるという構成も素敵なのですよね(ラスト一歩手前が「あまぞわい」でとことんどんよりしたあとだというのもまた)。
小林泰三さんの「お祖父ちゃんの絵」をセレクトするというのもまたなんとも。これ、最初に読んでいるうちは「お祖母ちゃんの絵」の間違いじゃないの? って思うんですよね。それがタイトルの意味を知った時、なんという酷い意味なんだ、と。小林泰三作品にしてはまだましだと思ったのが、良い意味で裏切られた作品でした。 -
ネタバレ 購入済み
おすすめです
原作のファンで、漫画もどうしても読みたくて購入しました。
頭の中でだけ想像していた建物や周りの風景、雰囲気が見事に立ち上がってきました。
見事に祓わないんです。
怪異と呼べる存在と共に生きていけるようにさらりと工夫をする。
それが営繕屋さんである尾端さんの仕事。
まだ若く見える尾端さんですが、本当は三百歳くらいなんじゃなかろうか。
これならば自分がその立場になっても何とか共存できるかな、いやいや、こんなの時々出てきたらなかなか厳しい。
夜や雨の日に思い出してしまうとひんやりします。
はっきり障ったり祟ったりしてるものもあるけれど、それぞれのお話の登場人物たちは強くて優しいです。
折り合いをつけたり、見守るように生きていきます。
切なく静かで温かい物語です。 -
Posted by ブクログ
巻を重ねる毎に面白くなっていく。
以前、一巻だけ読んで止めてしまったのだけど(なんか少女漫画のノリでもういっかな~と思い…)、最後まで読むと面白いとどこかに書いてあったので、もう一度一巻から読み直して今に至る。
一巻で、なんでこんなキャラの強い登場人物がいきなり大勢出てくるんだ…もうお腹いっぱいだ…と思ったのだけど、3巻目ともなるとそれぞれのキャラや人間関係が板について漫才のように面白く、彼らが揃わないと始まらないと思わせる。
しかし、麻衣って学校に行ってないのかな?湯浅高校が普通に学校生活送ってるなら麻衣も学校があると思うのだけど。
見落としでなければ、学校休んで調査に来ている~のような描写が全くなく、小野先生がそこの設定スッポ抜けていたとも思えないのだけど…。
ひょっとしたら、この辺り何かの伏線なんじゃないかと密かに思っている…。