小野不由美のレビュー一覧
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建物にまつわる怪異を扱う営繕屋・尾端。彼はそれらを“祓う”のではなく、そこに宿る人の記憶や想いに寄り添い、少し手を加えて“繕う”ことで静かに解きほぐしていく。六つの短編を通して、家と人、そして土地に積み重なった時間の気配が描かれる物語集。
1.待ち伏せの岩渓谷で起きた水難事故。崖上の洋館から手招きする女と、窓の外に現れる人影。場所に残る気配が奇妙に交錯する。
2.火焔亡くなった姑の声が、今もなお響く。介護の記憶とともに残る気配は、やがて現実へと滲み出してくる。
3.歪む家理想の家族をドールハウスで再現する女性。作り込まれた“家”の歪みが、現実の空間にも影響を及ぼし始める。
4.誰が袖新 -
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怪談と言えば小野不由美。
薄気味悪い話と言えば小野不由美。
小野不由美が集めた99の怪談。
ちょっとリアルで気持ちの悪いことを聞いたので手に取った。
ぞおっとして「うわ!さぶいぼ出た!」という話もあれば、「ほうほう・・・」ぐらいの話もあり。
私が好きだったのは「密閉」。
本当に恐いのは生きた人間、ブチ切れ女子よね。きっと霊も「え?え?あー・・・・(今回相手が悪かったね)」ってなったはず。思わず笑ってしまった。
巻末の解説が稲川淳二で、そこにも稲川淳二の怪談があったりして、お腹いっぱい怪談が楽しめる。
この本には99話の怪談が載っていて、百物語には1話足りない。残りの1話は別に出版された「残 -
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【短評】
情緒的な筆致で怪異を描いた小野不由美によるホラー短編集の第二弾。
ホラーと言えば厭な気持ちになるのが常だが、本作で語られる六つの「怪異譚」は時に幽美で、時に静謐で、そして時に暖かい。今や遠い記憶の彼方にしか存在しない旧来の町並みに浸りながら、ただひとり静かに読み耽るのが心地良かった。
前作は極端に完成度の高い一作(『檻の外』)が強く印象に残ったが、今作は全体的に秀作揃いで、各話異なる味があり、飽きることが無かった。怪異と相対する人間の内面が緻密に描写されており、種々の怪異と「波長が合う」に足る説得力があったように感じる。単純な「恐怖感」であれば、他作品に軍配が上がるかも知れないが、 -
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尾端さんの居る安心感すごい。
出てくるなりホッとする…
すーっと読めて、時折知らなかった言い回しがあって、言葉の美しさ、表現の多彩さを感じながら読み進め、ああやっぱり小野不由美さんの端正な文章は心地よいと思う。ずっと読んでいたい。
すーっと読めるのは、引っ掛かりがなく流して読めるという意味ではなく、文体でつまづかないんだ。起こる出来事に集中させてくれる。
今回ずしっと胸にきたのは、惹句にある尾端さんの言葉だった。
「家に興味がない、ということは、自分を守ってくれる場所に興味がない、必要ない、ということと同義です。実はとても無防備なことなんですよ」 -
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小野不由美のホラーの魅力は、怪異そのものにある。
怪奇現象が起きて「なぜ?」「どうすれば?」から解決に向かうストーリーではなく、怪異そのものに対しての畏れや思念の行方を、怪異に出会った側から見ているに過ぎない。
また、「家に興味がない、ということは、自分を守ってくれる場所に興味がない、必要ないと、ということと同義です。実はとても無防備なことなんですよ」「藁人形を打ち付けた者は、藁人形を人に知られた事を恥辱と思っている」など、怪異に対しての尾端の営繕屋としての見立ては、ホラー好き読者としてはホラーに対する新たな向き合い方を提示してくれる。
怪異が解決される所謂結末はないし、主人公?とされる尾端