小野不由美のレビュー一覧
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ネタバレイラスト担当が蟲師の方にて、主人公が現代に生まれ変わったら、こういうことしていそうだな、と。
表紙の足のイラストがなかなか禍々しい。
「忍びよる」
単身者用の集合住宅に住む拓史は、工事現場でスマホを見つける。呼び出しに応じると、雑音に交じり男の声が。以来、耳障りな雑音が聞こえ、人影を見るように。
→吸血鬼ネタがなにかで、招かれたり返答が無いと家に入れないというのがあるが、無意識でも家というのは自分の場所、という思いがあるのだなぁ。
「迦陵頻伽」
文美は上司から覚えのない嫌がらせを受ける。家では「内神様」が祀られ、亡き祖母と文美だけが暗がりに蹲る黒い「猿」を視ていた。やがて猿は職場にも現れる。
→会社の上司は、そういったものが原因で感情が増長されていたとしたら大分気の毒だけれど、そこら辺は不明のまま。。。
「鉄輪」
仲川はギャラリー用に幽霊屋敷と呼ばれる廃屋を買う。リフォームを依頼された稲葉が、柱に打ち付けられた藁人形を大量に発見すると、仲川は人形を残そうとする。
→『「遊んでいる」と「遊ばれている」の途方もない心理的距離。』
『「…苦しいし、…怨んでもいる。けれども同時に、虐待される自分が情けない…尊敬されていない、好ましく思われてもいない自分を認めることは辛いと思います。…他人に…知られるのは恥辱です。」』
フルーツバスケット、という漫画に、親にいじめられていることを言えない、という描写があったなぁ、なるほど。
「いつか眠りを」
築四十年の平屋を買った。将来を諦めた四十歳手前の葉村にとって、終の棲家だった。ある日、葉村は風呂場の中に影を視る。はたしてこの家は事故物件なのか。
→将来を諦めて、逆に丁寧な暮らしになるっっていう。賃貸と違って、物件購入は覚悟がいるな、と。そして本シリーズの人たちは何故に怪異という存在を受け入れてくれるのだろう。少年が、本当に成仏できる日がくるといい。。。
「夜明けの晩に」
都会で精神を病み、地元に戻った高典は、毎晩のように見る悪夢で疲弊していた。夢に現れる灰色の男に見覚えがあった高典が、正体を突き止めると……。
→これは。。。逆恨みというか。。。自分の分が来る前に出会えるのって幸運すぎる。外からどう見られているか、隣の芝生は青く見えるというけれど、難しい。
「風来たりて」
昨年完成した建売住宅に越した梓紗は近所付き合いに馴染めず、読経のような異音に悩まされる。古い住人によると、住宅地はかつて刑場だったというが。
→アンソロジーかなにかで既読。これも、自分に来る前に解決されるパターンにて、既に被害を受けた人たちはひっこすのだろうか、そのまま住むのだろうか。。
終の棲家というけれど、持ち家には喜びもあるし、一転すると悲惨でもある。
本作中古物件のが多いけれど、新築はそれで土地の問題があるのだなぁ。。。 -
Posted by ブクログ
オーディブルで聴きました。
今更ながら知ったこの作品。面白かった!
子どもの時に神隠しにあった経験のある高校生の少年と彼の高校に教育実習にやってきた若者が意気投合したせいなのかなんなのか、むちゃむちゃ人が死ぬお話。
この高校生の彼の敵と見なされたら、確実に仕返しされる。倍返しで。やられるヤツはまあまあムカつく輩なので、読者としてはもはやスカッとしてしまうところもあるが、なにしろ死亡者の数が半端ない。八つ墓村の祟りどころの話ではない。
この時代(1991年)から、というか、この時代のほうが、SNSがない分マスコミはえげつなかったかもしれない。
どう決着がつくのかと思ったら、付かない。このシリーズは延々と続く。12国記というだけあって、15冊刊行されてもまだ終わっていないらしい。
でも全部読んじゃうかも。
そして作者は綾辻行人氏の妻なのね。すごい夫婦だ。 -
Posted by ブクログ
教育実習で母校に戻った広瀬が、影を抱えた生徒・高里に心を引かれていく物語。十二国記の世界観を知っていると背景を想像しやすいけれど、事情を知らずに読むと純粋なホラーとしてかなり強烈。小さな違和感が少しずつ積み重なり、事態が思いもよらない方向へ転がっていく展開にぞっとした。価値観がまったく違う相手に理屈が通じず、ただ恐怖だけが迫ってくる状況は想像しがたく、その“理解できなさ”が怖さを増しているように感じた。怪異そのものより、追い詰められた人々の行動のほうが不可解に思える場面もあり、何が発端なのかは最後まで掴めず気になってしまう。十二国記の序章としての位置づけらしく、ここからどう広がるのか楽しみ。新刊に向けて順番に読み進めたい。
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Posted by ブクログ
オーディオブックで。遥か昔に読んだことはあったが、初勅に悩んでいたことくらいしか覚えていなかったのでとても新鮮だった。抜群に面白い。
世界観の設定も凄いし、何より少女達の弱さ甘さを悪とする、その容赦の無さが凄すぎる。
これを今日にいたるまで、少女達が読み続けているのだと思うと、これまた凄いことだなと思った。
そして陽子が同性の読者から支持される理由も本当によく理解できる。
格好良い。
これから社会にでる少女達だけでなく、社会の荒波にのまれ溺れ息も絶え絶えの大人の自分もまた、心を鷲掴みにされた。
もう一度この作品に触れる機会が得られたことに感謝したい -
Posted by ブクログ
一番好きかも。
歴史の奥行きが深いし、神道、仏教、土着の信仰の絡みがおもしろかった。
舞台は能登。
昔からの日本古来の伝承と怪奇事件。
このシリーズの多種性に驚愕。
どの方面にどこまで知識が深いのか小野不由美先生。
小説家の博識さに震えることはよくあるのだけど、こういうカジュアルさでこういう分野を深く掘り下げて教えてくれるのってすごくないか…?とずっと思いながら読み進めています。
この歴史を巻き込む怨恨について、リンさんは何を思うのか。こういう恨みから生まれる不幸が脈々と未来に受け継がれることの虚しさについてどう感じているのか。
そしてこういう類いのホラーの場合の折り合いというか結び方も良かった。
このシリーズの登場人物の多様さがそのままこのシリーズのホラーの種類という感じ。よくできていてすごいな。