いとうあつきのレビュー一覧
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横光利一、初めて読む作家。病気治療中の妻と、それを支える夫の、静かな日々の話。
締め切りのある仕事を抱えながら、もっと構って欲しがる妻の看病との両立でいっぱいいっぱいになり、時おり衝突しながらも支え合う姿は、第三者である読み手の私たちの目にはそれでも仲睦まじく映る。
部屋から見える庭の松の葉、鈍い亀、ダリヤの球根、野の猫、水平線、遠くの光る岬。それらすべての情景描写が美しかった。
春がくるということが、これほどよろこばしいことのように思えたのはずいぶん久しぶりな気がする。
「まア、じっとしてるんだ。それから、一生の仕事に、松の葉がどんなに美しく光るかっていう形容詞を、たった一つ考え出すのだね -
Posted by ブクログ
小学生にしてはちょっと冷静すぎる翔。友だちの涼も大人っぽく冷静。
二人の日常にちょっとした事件が起こり、二人で解決していく。
翔には最近、時間差で音や声が聞こえる現象が起こるが、このことが事件解決のきっかけにもなるの。
視覚と聴覚の時間差、人には聞こえないことが聞こえるということか。
事件解決後に翔の父親が動物園で語った言葉が印象に残った。
「正義っていうのは、守るものがあってこそで、何を守るかによって、正義はかわってくる。」
同じ事象でも見る側によって全く反対になってしまうこともある。
何が正義かなんて軽々しく言えないと改めて考えさせられた。
こういうことを子どもに語れる大人って大事だ。
翔 -
Posted by ブクログ
一生に一度だけ死んだ人間と逢える遊園地のお話。
遊園地、まほろば、昼間は空き地、という事から、奈良ドリームランドかな?と思っましたが、生駒遊園地でしたね。天空をスルーしてました。
非常に読みやすく、子供に安心して?お勧めできる内容でしたが、一つ残念なのが、「泣いたら故人との記憶が無くなる」って設定があんまり活かされてなかったなぁ….と。
五つの話があるのですが、泣いてしまって、記憶を無くすと言う結末になる話が、一つ位あったらもう一つ面白かったのに、と思いました。元カレの話辺りで、できたんじゃないの?とか思ったり。
案内人シチカの正体は、最後に取ってつけた様な感じがしたので、要らなかったかも。 -
Posted by ブクログ
かつて、山の上にあった廃業したはずの遊園地、
「天空遊園地まほろば」は、死者に会える遊園地。
大切な亡くなった人ともう一度会いたいと強く願う人にのみ遊園地への招待が届き、入園できる、
だが入場者は決して泣いてはいけない。泣いてしまえば、その人との思い出が消えてしまう。
各話で登場する遺された人達は、切なる願いを
持ちながら遊園地へと向かう。
亡くなった人とその場所で再会できるが、彼らは
死者ではない。時間が、指定する彼らの亡くなる
前に戻っているだけである(タイムリープ)
未来は変える事は出来ないが、各話で登場した
遺された人達は大切な人達と再会することに
よって、自分の生き方を見つめ直すこ