いとうあつきのレビュー一覧

  • 春は馬車に乗って(乙女の本棚)

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    病の苦しみ、やがて訪れる死を前に揺れ動き、苦悩し、そして鎮まっていく二人。
    2人のやり取りが、のたうちまわり、苦しみながらも、澄みきっていく過程が丁寧。
    イラストも、秋から、苦悩に満ちた冬、春への移り変わりが描かれていてどこを開いても美しい。
    文字色も工夫してあるのかな?
    終わりと春にむかううつろいが、読んでいる側にもじんわり染みてくる。

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    2023年11月13日
  • 京都東山邸の小鳥遊先生

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    シリーズが人気な作家さんで知ってはいるけど読んでなかった1人。単発の単行本なので読みやすくてドラマを観ている感じだった。ちょっと都合良くない?とか心の移り変わりとか早すぎん?な部分はあったけど、ドラマや映画だと思えば物語を楽しめた。人生なんだかんだあるし、悪いことや悪い人ばかりじゃないよーと思えて。確かにマイフェアレディだ。

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    2023年11月12日
  • すきだらけのビストロ うつくしき一皿

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    気づけばこの著者さんの本、コンプリート

    いつも読んでいて思うのですが、料理の描写が本当に美味しそうなんです
    こんなお店あったら食べに行くし、絶対常連になっていると確信が持てるほど

    落ち込んでるとき
    悲しいとき
    うまくいかないとき

    愛情こもった美味しいもの食べたら元気になれる
    私はそう、信じてます

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    2023年11月06日
  • 木精(乙女の本棚)

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    フランツは谷間でハルロオと呼ぶ。
    木精(こだま)がハルロオと答える。

    当然のことが嬉しい。

    いとうあつきさんが描く四季・時間の移ろいがとても美しい。
    絵本としても見応えがあった。

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    2023年11月02日
  • 木精(乙女の本棚)

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    森鴎外の作品は、実はこれまでほとんど手にしたことがなかったので乙女の本棚で読めてうれしい。
    山で「ハルロオ」と叫ぶと、「ハルロオ」と答えてくれる木精(こだま)を楽しむブロンド頭の少年・フランツの成長を描く。
    木精がある種のメタファーになっていて、大人になって損なわれたかのように思えても、自分の中にはたしかにまだ残っている童心を表しているように感じられた。
    保育士から転身してイラストレーターになったという、いとうあつきさんの挿絵がとても伸びやかで清々しく、神秘的。緻密な描き込みや光の陰影はうっとりする美しさで、童話の世界観に入り込んだかのようです。

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    2023年10月16日
  • 木精(乙女の本棚)

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     乙女の本棚シリーズから、森鷗外さんといとうあつきさんのコラボ作品「木精」です。「木精」って、「こだま」と読むんですね…。ホントキレイなイラストで…表紙もキレイだけれど、ページをめくるごとに、息を飲むような素敵な、清涼感を感じさせるイラストが特徴的です。

     物語の主人公はフランツという少年、いつも同じ谷間に行って「ハルロオ」と叫ぶと、木精が返ってくることを楽しみにしていました。いつしかその谷間から足が遠ざかっていたフランツが、青年となり同じ谷間を久しぶりに訪れ「ハルロオ」と叫ぶのですが…。少年の成長を感じさせる、ちょっとだけ切なさを感じさせるストーリーです。

     乙女の本棚シリーズの中で、こ

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    2023年10月16日
  • 木精(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズにしては珍しい?明るいイラスト&明るい内容の短編の一冊。
    少年の成長を美しく、寂しくも爽やかに描いている。
    乙女の本棚シリーズは、購入の前にまず原作を読むのだが、今回はイラストの力で、より主人公の成長の鮮やかさと爽やかさが伝わってきた。
    わりと暗い話、それにあわせたイラストが多いシリーズではあるが、こういう明るい作品もとても良い。

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    2023年09月29日
  • さよならの向う側 Time To Say Goodbye

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    シリーズ3作目。
    「さよならの向う側」に行く人(動物)が、今までとは違うパターンになっていて、新鮮な気持ちで読めた。
    「真夏の夜の夢」と「手紙」が特に良かった。
    亡くなった後も、こうやって遺された人の中でしっかりと生き続けていられるのって幸せなことだなと思う。
    そんな風になれるように、周りの人と繋がっていたいなと感じた。

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    2023年09月08日
  • さよならの向う側 Time To Say Goodbye

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    『さよならの向う側』シリーズ。
    40年間『案内人』をやっていた谷口さんがついに役目を終えた。
    感動の完結編?なのかな?泣けました。

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    2023年08月13日
  • 春は馬車に乗って(乙女の本棚)

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     乙女の本棚シリーズから、横光利一さんといとうあつきさんのコラボ作品「春は馬車に乗って」です。なんともきれいな色使いのいとうあつきさんのイラストは、とってもステキです!

     内容は、肺の病に侵され余命わずかな妻を看取る夫のお話です。病に苦しみ、夫にあたるしかない妻…夫も妻に振り回されながらも妻に寄り添い続けた結果、妻も自身の病を受け入れられるようになっていく…。最期は、妻に春いっぱい感じられるスイトピーを抱かせ、「この花は馬車に乗って、海の岸を真っ先きに春を撒き撒きやって来たのさ。」と…。

     「キューブラー・ロスの死の受容」というものがあります。「否認 怒り 取引き、抑うつ、受容」…この5段

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    2023年07月21日
  • さよならの向う側 Time To Say Goodbye

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    シリーズ3作目の本著。前作からの期待を裏切らない感動作でした。
    親から子へ、子から孫へと伝えられるバトンと、同じ時を生きる隣人と繋がっていく輪。
    その両方に、自分という人間が生かされているのだと感じた。

    この人生の中で、自分は何を受け取り、何を伝えて生きていきたいか。
    自ら選別することは難しいけれど、少なくとも誰かの人生を明るくする何かを与えられる生き方をしたいと思った。

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    2023年07月08日
  • さよならの向う側

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    自分にとって、大切な人の事を考えてしまう。
    最後に会いたい人は誰だろ?と、悩む。
    一つ一つの物語に人の人生が詰まっていた。
    悔いがないように生きてみたいですね。

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    2023年07月05日
  • さよならの向う側

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    ネタバレ

    死んだことを知らない人に会いに行く物語
    子供の大丈夫が本当に大丈夫と感心したとき、
    親の気持ちを知ったとき、何気ない日常が幸せと感じたとき、本当に大切にしている人にまた会えた時
    それぞれの感情が身に染みて温かい気持ちになった。
    すんなり読めた小説

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    2023年06月16日
  • 星屑すぴりっと

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    難病のいとこが小さく呟いた願いを
    拾って、握りしめたイルキくん
    関西出身のハジメくんと、青春18切符の旅に出る!

    めっちゃ岡山弁満載!!!+関西弁
    馴染みのない人は、脳内でどうやって再生されるんだろう?こてこてのイントネーションで、ぜひ!!

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    2023年05月12日
  • さよならの向う側

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    亡くなってすぐの人が、24時間だけ現世に戻って会いたい人に会える。ただし、会えるのは自分が死んだことを知らない人だけ…。
    ちょっと泣けた。
    案内人のほんわかした雰囲気が良かった。
    案内人さんが案内人になった話もすごく良かった。
    極甘のマックスコーヒーが飲みたくなった。
    (お菓子とかクリームになったお土産シリーズはよく売ってるけど、肝心のマッ缶は見かけない気がするなぁ…。)

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    2023年04月29日
  • こえてくる者たち 翔の四季 冬

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    翔の四季、3作目。クラスメイトたちの能力が際立ち始める本作、いよいよ斉藤センセイの本領発揮といった感じです。春につながる冬の物語、6年生になった翔くんたちの活躍も楽しみです。

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    2023年03月29日
  • こえてくる者たち 翔の四季 冬

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    平凡な日常生活の中に魔法や時間差聴覚、祈祷、霊など亀毛兎角なモノが登場する特徴的な作品。
    読後、何とも言えない不思議な気持ちになる。

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    2023年03月04日
  • 春は馬車に乗って(乙女の本棚)

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    横光利一、初めて読む作家。病気治療中の妻と、それを支える夫の、静かな日々の話。
    締め切りのある仕事を抱えながら、もっと構って欲しがる妻の看病との両立でいっぱいいっぱいになり、時おり衝突しながらも支え合う姿は、第三者である読み手の私たちの目にはそれでも仲睦まじく映る。
    部屋から見える庭の松の葉、鈍い亀、ダリヤの球根、野の猫、水平線、遠くの光る岬。それらすべての情景描写が美しかった。
    春がくるということが、これほどよろこばしいことのように思えたのはずいぶん久しぶりな気がする。

    「まア、じっとしてるんだ。それから、一生の仕事に、松の葉がどんなに美しく光るかっていう形容詞を、たった一つ考え出すのだね

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    2023年03月01日
  • さよならの向う側

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    自分が最後に思い出す人生はどんな場面だろうかと考えた。その場面が今現在だろうと想像できた自分は、なんと幸福な毎日を生きていることか。

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    2023年02月27日
  • さよならの向う側 i love you

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    2021年6月に刊行された『さよならの向う側』の続編。
    「月の光」「明日への手紙」「I Love You」「糸」4話収録の連作短編集。

    『さよならの向う側』と呼ばれる場所。
    そこに辿り着いた死者は道先案内人から『一日だけ現世に戻り、逢いたい人と最後の再会を果たす事が出来る』と告げられる。
    但し『あなたが死んだことをまだ知らない人』という条件付き。

    ファンタジー色が濃いように見えて描かれているのはリアルな人間模様。

    死をテーマにしながら行間からは人の温かさと深い愛情が溢れ幾度も涙腺が緩む。

    これは紛れもなく再生の物語。

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    2023年02月18日