いとうあつきのレビュー一覧
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「翔の四季」シリーズ 秋
もの思う少年・翔をとりまく1年間〜夏を読んでから少し間が空いてしまったが、読みだしてから翔の家族や涼のことを思いだした。
今回は、翔がスポーツカーを見たあとで、その音が何十秒かずれて聞こえることに気がつく。
近所で起きた不審火は、カラスが線香を咥えて飛んでいたことに関係するのか…
学校内での同級生が持ってきたレアカードの盗難事件は、友だちの涼が犯人を見つけるが…
前作は、「見えていないこと」にきづいた翔だったが、今回は「きこえていないこと」に思いがむく。
小学生にしては、涼の考え方が大人で盗難犯を公にすることもなくおさめたことは、正しいこととは何かを考えさせられたように思う。
少し納得いかなかったのでは…と思う翔も父親の話を聞いて分かったのだろう。
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Posted by ブクログ
中学2年の野々歩は、学校でボッチになる怖さからストレスを溜めていた。
祖母の葬式のあと、実家に残ったまま帰らぬ母のことを思い、学校へ登校せずに祖母の家のある田舎に向かった。
田舎の家は誰も居ず、町で見かけた「森のようちえん コロボックル」のポスターと同じ文字が書いてあるクリーム色のバンが目の前を横切り、思わず走り出した野々歩。
広場に着いたバンから次々と幼稚園児が飛び出してきて…
最後に降りてきたのは、なんと母である。
ボランティアをしているという母といっしょに翌日から森のようちえんに行く野々歩。
滞在している1週間で野々歩が体験したことは、自然に囲まれて自由に自分たちだけで楽しむ子どもたちの姿を見て感じたこと。
それは母も同じだった様子で、田舎が嫌いだと早くに家を出たから森や川で過ごす尊さを思うことがなかったと。
森の可能性にわくわくするのは、子どもだけじゃなくても大人もそうかもしれない。
できないことも大人が助けるのじゃなくて、子ども同士がちゃんと見て助けている。
何も特別なことじゃないけど、みんなが自由で活き活きとしているのは素晴らしいことなんだなと思った。
あとがきによると2021年、コロナが蔓延し先の見えない不安にだれもが揺れ動いていたとき、森のようちえん「まるたんぼう」がテレビで紹介され、森の自然の中で自分の興味関心のおもむくままにのびのびと動いている子どもたちを見て、著者が視察に参加したそうだ。
子どもたちの持つエネルギーの凄さ、物語からもひしひしと伝わってきた。
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Posted by ブクログ
中学受験を控えた翔が、ふとしたことから高宮さんと飼い犬トラウムと出会い、夏休みの塾に行く前に週に二回の散歩を頼まれる。
同じマンションに住む芸能人と知り合ったり、人には見えないものが見えると言う同級生との会話など日常の何気ないやりとりのなかで、それぞれのおもいを感じている。
見えると言う同級生のことも嘘や誤魔化しだと非難することもなく、困っている芸能人のことも何とかしようと頑張る翔。
この夏は、高宮さんとトラウムとの出会いと別れを一度に経験したけれど、後悔よりも良い思い出になったのではないだろうか。
哀しい夏というよりも一生忘れられない夏になったことだろう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ肺病でどんどん弱っていく妻。
妻の家族と4、5年も闘争して、やっと娶ることができて、母と妻との間で苦痛な時間を過ごしたあと、やっと夫婦二人きりになれたのに、妻は病気になってしまった。
もう良くならないと、心の片隅にでも思っているのなら、彼は、毎日もっと優しくしてあげればいいのに。妻が言うように、隣で仕事をして、片時も離れない位に甘えさせてあげればいいのに。
妻が始終不満を伝えていたが、彼はちょっと冷たいと私も思った。
彼女のわがままを檻の中の理論と呼んで、もう死ぬかもしれない妻から逃げるように仕事とお金を言い訳にするのは、本当は鬱陶しいと思っているだけで、余り大切に思っていないんじゃないかと思ってしまう。
この妻は、言いたいことをちゃんと言えたのかな?
我慢し過ぎないで死ねたのかな?
それが気がかり。
もう死ぬんだから、照れ隠しとかしないで、彼はもっと優しくしてあげなよと思ってしまった。
私だったら、仕事なんかしないでずっとそばにいてってもっと主張しそうな気がする。
色とりどりの花々を乗せた舟の表紙の絵がとても魅力的。温かで柔らかな絵が、夫婦の想い合う少しぎこちない心を映し出しているようで、心に染みた。
乙女の本棚シリーズは、文学作品をより印象深く味わえる。今も毎月のように新刊が出ているようなので、未読のものを早く全部読みたい。