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人気シリーズ「乙女の本棚」第19弾は横光利一×イラストレーター・いとうあつきのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
もうあたし、これでいつ死んだっていいわ。
海のそばにある家。そこで彼は、日に日に弱っていく妻を一人看病し続けていた。
横光利一の『春は馬車に乗って』が、『26文字のラブレター』などで知られる人気イラストレーター・いとうあつきによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
横光利一さん、縁がないけど気になってたので手に取った乙女の本棚シリーズ。
死の淵にある妻とそれを看病する夫を描写した物語。
美しく柔らかなイラストのおかげで、文章だけだとどんどん暗く重たくなるストーリーが、一定の愛情と美しさを保って捉えられます。
本人ではどうしようもなく、病による不安や理不尽さからくる妻のワガママとそれに振り回されつつも見捨てられない夫の姿、を現代なら上っ面の愛と本音みたいなイヤミス的なものになりそうなのだが、この作品は上っ面は醜いけど底に愛情が横たわっている、と読める。そう読めるのもイラストの影響大きい。
2024.1.28
15
Posted by ブクログ
1898/3/17〜1947/12/30 利一忌
1926年作
病気で自由にならないその身の悔しさと最期が近づく苦悩。その病気が言わせるワガママを夫に放つ事ができる素敵なカップルだなあと思うのです。
それでも 看病と経済に疲れを感じつつある夫。
医者から、いよいよ現実的な最期を知らされた夫は死について考える。
この作品のいとうあつきさんの夫婦の絵が、美しいなあ、と思う。春がやってくるようなコラボ。
スイトピーが馬車に乗って春をまきながらやってくる。春はやってきて、苦しみは消えて、妻の鎮魂歌。
横光さんの体験から。駆け落ちのように暮らし始め、同居後間も無く結核となり、亡くなった後入籍としたようです。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、横光利一さんといとうあつきさんのコラボ作品「春は馬車に乗って」です。なんともきれいな色使いのいとうあつきさんのイラストは、とってもステキです!
内容は、肺の病に侵され余命わずかな妻を看取る夫のお話です。病に苦しみ、夫にあたるしかない妻…夫も妻に振り回されながらも妻に寄り添い続けた結果、妻も自身の病を受け入れられるようになっていく…。最期は、妻に春いっぱい感じられるスイトピーを抱かせ、「この花は馬車に乗って、海の岸を真っ先きに春を撒き撒きやって来たのさ。」と…。
「キューブラー・ロスの死の受容」というものがあります。「否認 怒り 取引き、抑うつ、受容」…この5段階の通りかなって感じました。様々な葛藤もあったけれど、妻は夫に看取ってもらえて、本当によかったんじゃないかと感じました。
Posted by ブクログ
横光利一、初めて読む作家。病気治療中の妻と、それを支える夫の、静かな日々の話。
締め切りのある仕事を抱えながら、もっと構って欲しがる妻の看病との両立でいっぱいいっぱいになり、時おり衝突しながらも支え合う姿は、第三者である読み手の私たちの目にはそれでも仲睦まじく映る。
部屋から見える庭の松の葉、鈍い亀、ダリヤの球根、野の猫、水平線、遠くの光る岬。それらすべての情景描写が美しかった。
春がくるということが、これほどよろこばしいことのように思えたのはずいぶん久しぶりな気がする。
「まア、じっとしてるんだ。それから、一生の仕事に、松の葉がどんなに美しく光るかっていう形容詞を、たった一つ考え出すのだね。」
「どこから来たの。」
「この花は馬車に乗って、海の岸を真っ先きに春を撒き撒きやって来たのさ。」
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
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