いとうあつきのレビュー一覧

  • 春は馬車に乗って(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    タイトルやピンクの背表紙から、明るいお話を想像していましたが全く逆。結核を患い死期が近づきつつある妻と、それを支える夫の、閉塞感の漂う暮らしを描いた作品でした。

    病で気が滅入り、夫に当たってしまう妻。それを受け止めるしかない夫。そんな事、言わなくていいのに⋯と思ってしまいますが、体が辛く更に治る見込みも無ければ、お互い心が荒むもの仕方ない事です。最後の明るさは、妻の体が楽になったという事なのでしょうか。

    初めて読む作家さん、初めて見るイラストレーターさんの作品でした。苦しい内容ですが、表情のない男女のイラストがよく合っていました。

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    2025年09月07日
  • 天空遊園地まほろば

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    一定のルールで死者と一度だけ会えるという設定。
    類似の設定の本がたくさんある中で、この本だけの魅力は感じられ無かった。

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    2025年08月14日
  • すきだらけのビストロ うつくしき一皿

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    様々な芸術、芸術から着想を得た料理、どちらも素敵ですが、それらが組み合わさることでどんなに素晴らしいだろうかと思いました。
    心もお腹も満たされることで、明日への活力が湧いてくるような、移動式レストラン。描写から、非常に素敵な空間であることが伝わってきます。フランス料理はあまり知らないのですが、興味を持って調べながら読み進めるのも楽しかったです。
    メインのストーリーも短編も、温かさに溢れていて心穏やかに楽しめました。

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    2025年08月07日
  • さよならの向う側

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    『あなたが、最後に会いたい人は誰ですか。』
    死後、会えるのなら…
    と、考えてみたけど、ルールの中だとそれは叶えられそうにない。
    すぐに消えてもいいからやっぱり大事な人と会いたい。

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    2025年07月27日
  • すきだらけのビストロ うつくしき一皿

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    初めましての作家さん。
    美味しい物語を書かれているようです。
    ちょうど、そういう感じの物語を読みたかったので手に取りました。

    サーカステントにキッチンカー
    シロクマのようなシェフと
    猫のようなギャルソン(2人は兄弟)

    マダム ウイが亡くなったと知らせが来た。
    彼女との約束を守るために「翁」を探す旅に出る。

    旅先での人々との出会い。
    美しい芸術作品。
    美味しい料理。

    フランス料理は全く詳しくないですが、目一杯想像して、
    芸術も詳しくないですが、螺鈿の重箱が美しいのはわかります。

    そんな感じで想像して楽しんで、美味しい料理と人との出会いで、心が温まる時間をもらいました。

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    2025年07月10日
  • さよならの向う側

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    ネタバレ

    亡くなった後、24時間だけ会いたい人に会いに行くことができる。ただし、自分の死を知らない相手に限る。

    既に設定から面白い。
    途中で一話目に出てくる先生の教え子と思われる人物が現れたので、思わず溺れたのを助けたのも一話の恩師かと思った。それゆえに4話目に急に他の話が繋がり出したのは唐突な印象もあふ。
    3話目のコータローが猫だったのにはすっかり騙された。

    最終話、案内人さんの過去の話なのはある程度読めてはいたけど、こんなに一途に待っててくれるの嬉しいよなあって少し涙ぐんだ。

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    2025年06月28日
  • 春は馬車に乗って(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    横光利一の代表作。このシリーズの中では、絵がおとなしめ。本文にかなり寄り添った感じ。これくらいなら乙女でなくても大丈夫。ということは乙女の本棚としてはどうなのか、ということになるのだろうか。乙女はもちろん乙女でなくても楽しめる、と考えれば、成功しているのかな。

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    2025年06月21日
  • 森と、母と、わたしの一週間

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    祖母が亡くなり実家の後片付けがあるからと帰らぬ母の所へ衝動的に一人向かう野々歩。亡き祖母の山で逞しく過ごす子供達。綱一本で崖を降りたり、川を飛び石で渡ったり、雷の中雨宿りしたり、子供の頃それを当たり前のように経験し自然の怖さや楽しさを知る。そんな経験が今ではなかなか出来なくなってしまった。残念だなぁと思う。

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    2025年06月20日
  • 木精(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    鴎外にこういう作品があったんだな。
    鴎外にこういう絵は合わないかなと思ったけど、意外といい感じだった。
    強いていえば、裏表紙はこれでよかったのかな。

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    2025年06月15日
  • 森と、母と、わたしの一週間

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    職場の図書室で借りた本。こうして守られてるって思える経験が次の一歩につながって成長していくんだと思う。
     助けてって言えるまで見守るってすごい。私つい先回りしちゃう。でもちょっと信じて待ってあげよう。きっと生徒が将来困った時に自分の声で助けてが言えるように今支えになってあげようと思う。

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    2025年06月01日
  • さよならの向う側

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    最後に会いたい人は誰ですか?
    制限されたルールの中で会いたい人に会うことができるこの世の最後の特別な1日の話

    もし私が誰に会いたいかな?
    やっぱり遠くから娘の姿見たいよな
    あらためて大切な人を思える作品でしたが、

    ツナグ?

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    2025年05月13日
  • 森と、母と、わたしの一週間

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    祖母のお葬式の後、実家に残ってなかなか帰ってこない母。友だちとも何となくうまくいかない野々歩は母に会いに行くことにする。そこで出会った森のようちえんのたくましい子ども達から元気をもらって変わっていく野々歩。最後、少し消化不良。この続きを読んでみたいと思った。

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    2025年04月11日
  • さよならの向う側 i love you

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    実際にはあり得ない話だからこそ、感情移入しつつ、しすぎずといった丁度良い距離感で読むことができて、作品の世界観にも没頭できた。

    特に最終章が印象的でした。
    自分が死んだことを知ってる人に強い想いがあり、直接会うことが叶わない。そんな状況だからこそ、如月の起こした行動にグッときた。
    やっぱり人の心を動かすのって想い他ならないんだなぁって思うし、その想いはどんな形であれきっと伝わる。
    人との繋がりを大切にしたいと心から感じた作品です。

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    2025年04月03日
  • すきだらけのビストロ うつくしき一皿

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    サーカスのテントのような移動式の
    不思議なビストロを舞台にした
    ほっこり美味しい連作短編集。

    料理の腕はいい兄と、経営手腕のある弟。
    ふたりの定番の掛け合いも良いスパイスだ。

    兄の独立を援助してくれた謎の老人を探して
    援助してもらったという人たちを
    訪ねて歩くロードムービー要素が「横糸」

    でも、仕事で忙しくて疲れたOLや
    彼女の好みに合わせようと
    背伸びしている青年や
    夫婦関係に悩む男性などなど
    たくさんの人々の心とお腹を満たす
    いつもよりちょっと手の込んだ一皿が
    登場するのです。

    そうして縁をたどっていった先に…。
    うーん、やっぱり素敵なビストロ。

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    2025年04月01日
  • チカクサク

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    舞台は戦後の1950年代。5歳の時に一緒に遊んでいた3歳の弟が亡くなり罪悪感に苛まれる少年が主人公。なんかちょっとファンタジー?現実味がないような……そんな感じ。

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    2025年02月17日
  • チカクサク

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    ネタバレ

    養蜂家の叔父のもとへは、毎年菜の花の開花を知らせる電報「チカクサク」が届く。
    弟の死は自分のせいだと罪悪感を抱き続ける英治。その心を、秘密を抱える叔父、息子をなくした老婆、子どもを亡くした女絵師らとの出会いが少しずつ癒やしていく。
    重いテーマが、少しずつ希望へ向かっていく流れがよい。最後はタイトルの意味と重なって、よい読後感をもらいました。
    中学生向き?小学生にはちょっと重いかも。

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    2025年02月16日
  • すきだらけのビストロ うつくしき一皿

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    好き、だらけのビストロ。
    シェフ有悟とギャルソン颯真はキッチンカーで美味しい食材を訪ねながら全国を回っていた。有悟を助けてくれた翁を訪ねて旅する中で各地で人々に芸術とコラボさせた温かい料理を提供する。
    期待値が高かった分ありきたりなお話に感じてしまったのですが、それなりに楽しく読めた。
    作中では能に目覚めた父のエピソードがお気に入りです。

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    2025年01月25日
  • さよならの向う側

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    ネタバレ



    うまく考えられた綺麗なストーリー

    あなたが、最後に会いたい人は誰ですか?

    現世で会うことができるのは、死んだことをまだ知らない人だけ

    優太は子供なので母親が死んだことを理解できていない

    認知症のため息子の死をわからない

    猫もやってくる

    最後の舞台で歌を歌う

    さよならの向こう側で 最期を迎える妻をまつ

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    2025年01月06日
  • 京都東山邸の小鳥遊先生

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    ネタバレ

    安定の読みやすさ!
    読後感が良い
    脚本の書き方の決まりがわかって嬉しい。

    『京都寺町三条のホームズ』が大好きな私は、あの方が少し出てきて嬉しかった。お元気でよかった!

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    2024年12月30日
  • 森と、母と、わたしの一週間

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    山のなかで伸び伸びと自主性を大事にしながら育つ園児たちに比べたら私たちはなんとせまい世界を生きているのかと思わされた。まあ雷鳴る山の中を遊ばせるのはかなりリスキーだと思うけど。そして野々歩と母が気になる。母親の方がだいぶ機嫌に振り回されるみたいだけど、そっちの方は最後まで変わらなくて野々歩の母親にはあまり共感出来なかった。

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    2024年12月11日