いとうあつきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
横光利一、初めて読む作家。病気治療中の妻と、それを支える夫の、静かな日々の話。
締め切りのある仕事を抱えながら、もっと構って欲しがる妻の看病との両立でいっぱいいっぱいになり、時おり衝突しながらも支え合う姿は、第三者である読み手の私たちの目にはそれでも仲睦まじく映る。
部屋から見える庭の松の葉、鈍い亀、ダリヤの球根、野の猫、水平線、遠くの光る岬。それらすべての情景描写が美しかった。
春がくるということが、これほどよろこばしいことのように思えたのはずいぶん久しぶりな気がする。
「まア、じっとしてるんだ。それから、一生の仕事に、松の葉がどんなに美しく光るかっていう形容詞を、たった一つ考え出すのだね -
Posted by ブクログ
小学生にしてはちょっと冷静すぎる翔。友だちの涼も大人っぽく冷静。
二人の日常にちょっとした事件が起こり、二人で解決していく。
翔には最近、時間差で音や声が聞こえる現象が起こるが、このことが事件解決のきっかけにもなるの。
視覚と聴覚の時間差、人には聞こえないことが聞こえるということか。
事件解決後に翔の父親が動物園で語った言葉が印象に残った。
「正義っていうのは、守るものがあってこそで、何を守るかによって、正義はかわってくる。」
同じ事象でも見る側によって全く反対になってしまうこともある。
何が正義かなんて軽々しく言えないと改めて考えさせられた。
こういうことを子どもに語れる大人って大事だ。
翔 -
Posted by ブクログ
みたらしとしらたまって名前の猫だけでもう可愛い。
すごくファンタジーで辛い出来事が続くが気分は落ち込まない。
食堂のある世界観もほんわかしている。
あとしらたまが立ちよった人たちの料理をみたらしにせがむお話も毎話差し込まれるのもいいね。
過去に1度だけ戻れるのも、制約もあるのも某コーヒー店に似ているけど、食事の時間だけという短い時はシビア。
でもみんな最後は気持ちを伝えられて満足していた。
ルールを破る人が現れるのか。
実はみたらしとしらたまは元は人間なのではと要らぬ想像をして変に期待して読んでしまったので、結構あっさり終わったなと感じてしまった。
もうちょいダーク味ある作品を読んでみた -
Posted by ブクログ
ネタバレ表紙に惹かれて借りた本。
「翁」を探して日本中をキッチンカーで旅する兄弟の話。
一つ一つのエピソードが(感覚的に)柔らかい…と感じたのだが、本文の最後辺りに出てきた台詞「憂いという字にひとが加わると、優しい、になりますしね」を体現してると思った。
心配事や不幸が訪れたお客さんが料理を食べ、心を軽くしていく様がまさにそれだと。
柔らかい光が差していくような(でも先は分からない)がそれを感じさせてくれたのかも。
人の縁は続いているんだって思わせてくれるラストも良かった。
…それとは別な話になるが…
食べ物は多分美味しいもの、表現もきっと美味しそうに書いているのだと思うのだけど、自分には馴染みが