いとうあつきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
サーカスのテントのような移動式の
不思議なビストロを舞台にした
ほっこり美味しい連作短編集。
料理の腕はいい兄と、経営手腕のある弟。
ふたりの定番の掛け合いも良いスパイスだ。
兄の独立を援助してくれた謎の老人を探して
援助してもらったという人たちを
訪ねて歩くロードムービー要素が「横糸」
でも、仕事で忙しくて疲れたOLや
彼女の好みに合わせようと
背伸びしている青年や
夫婦関係に悩む男性などなど
たくさんの人々の心とお腹を満たす
いつもよりちょっと手の込んだ一皿が
登場するのです。
そうして縁をたどっていった先に…。
うーん、やっぱり素敵なビストロ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2024.09.27
安城市出身の作家さんで、作中に県内の自分にゆかりのある市がいくつか出てくるとのことで迷わず手に取った。
ハナミズキの描写で季節を感じながらゆったりとすぎていく血縁関係のない3世代の女性のお話。
最後はスカッとしたし、血が繋がってなくても、血の繋がりよりも太い絆が生まれている3人に、これからもずっと幸せに暮らしていて欲しいと、思った。
普段はミステリ作品ばかり選んでしまうが、たまに小休止としてこういうヒューマンドラマ的なものを読みたくなる。心が何かじわりと温かいもので満たされていく感覚がある読後感でとてもよかった。 -
Posted by ブクログ
中学校の閉塞感に耐えられなくなり、ふと離れて暮らしている母に会いたくなった野々歩。
祖母が亡くなった後の片付けのために、ひとり祖母の家に住んでいる母に会うのは半年ぶり。
久しぶりに会った母は、「森のようちえん コロボックル」でボランティアをしていた。
コロボックルの子どもたちのパワーに圧倒される野々歩の気持ちがよく分かる。子どもたちは山や森の中を駆け回り、泥だらけびしょ濡れになるのも構わず、思う存分遊び倒す。
実在する「森のようちえん まるたんぼう」という幼稚園がモデルになっていると知り、とても興味を持った。
子どもたちが生き生きと過ごしている姿、山の澄んだ空気、荒々しい自然の雨と雷の音。