いとうあつきのレビュー一覧
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ここは、天空遊園地まほろば。もう会えなくなってしまった人と再会できる、そんな遊園地。
王様のブランチの本のコーナーで特集されていて気になって手に取りました。最初の説明が全てで、亡くなってしまいもう会えない大切な人、その人に会うことができるとしたら。というお話。5つの話の短編集。事故で突然亡くなってしまった父親、付き合っていた元彼、親孝行もできないまま亡くなってしまった父親、突然亡くなった親友(お笑い芸人で元相方)、戦時中に亡くなった兄など主人公もそれぞれ違うのでそれぞれに感情移入できた。読みやすいし、これは中学生とか若い子にも読んで欲しい作品だった。個人的には3作目の親孝行の話が好きかな。親 -
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『あなたが、最後に会いたい人は誰ですか?』
私が最後に会いたい人は誰だろう?
ただ、ここでいう最後に会いたい人というのは、自分が死んだ場合で、自分の死を知らない人に限る。そうなると会いたい人なんているのだろうか?
この物語は、現実にはあり得ない話である。3章からなる連作短編集で、それぞれの登場人物が死んだ時に案内人が現れ、最後に会いたい人は誰かと問う。そして、最後の1日に会いたい人に会わせてくれるのだ。
どれもこれも素敵な物語。案内人の谷口に、後輩の佐久間が『ハッピーエンドとアンハッピーエンドの物語、どちらが好きですか?』と問うのだが、私はやっぱりハッピーエンドの物語が好きだ -
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『ルドルフとイッパイアッテナ』の斎藤洋さんの著書。
都合の良い話や、たいしてドキドキしない事件など、盛り上がりに欠ける印象が後半まで続いていましたが、ラストで全てが伏線だったことがわかり感心しました。
帯の「見えること、見えないこと そのはざまでもの思う少年の日々」という一文に、目に見えるものが全てではないというテーマを期待しましたが、まさかの心霊が見える友達が出てきて、見えるってそっち?と少し期待はずれ。
でもそれも含めて、最後に色んなことがつながる楽しさがあります。
ミステリーとまではいかないけど、児童書としては子どもにはよいかも。
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桜子と、義母と、夫の前妻の娘。三世代の血のつながらない3人で暮らす花守家。
血縁という確かな繋がりがないが故に遠慮したり気負ったり、最初はぎくしゃくしながら始まる生活だけれども、徐々に家族という輪郭が作られていく。
家族は心休まる温かな居場所。
「おかえり」「ただいま」
毎日帰る場所があり、毎日迎えてくれる人がいる。そんな場所が家族というものなのだ。
季節めぐり様相を変えていく花守家のハナミズキと共に、穏やかな生活が営まれていくのだろうと感じられた。
「自分の中にほんの少しでも好きって思える部分があるだけで、ちゃんと背筋を伸ばせるようなきがするから」
このお守りのような素敵な言葉が心に残 -
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「翔の四季」シリーズ 春
翔の耳に遅れて届くようになった音によって、同級生の会話を詳細に聞き取れてしまう。
知里が「トイレの花子さん」のふりをして同級生をおどかしたということから、自分のかわった「力」を言い、杏も怒りを感じた相手に危害を加えてしまう特殊な能力を気にしている。
涼も霊が視えることから近隣でも噂のある首なし女とみんなといっしょに立ち向かう。
「見えるもの」「見えないもの」について考えていた翔も見えたものだけで判断するのではなく、見えないもののなかにも大切なものがあり、いつでも見れる思い出もあることことがわかったのではと思う。