いとうあつきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一般書の小説では、居所不明児の出てくるものを読んだことはあるが、YA世代向けの本で居所不明児が一人称で淡々と自分の境遇を語る読み物は初めて読んだかもしれない。
ギャンブルで借金のある夫に愛想を尽かして出て行った母。実の父親なのに、義父として可哀想な子供を育てている設定で愛人宅に転がり込む無職の要。要の愛人。ろくな大人が出てこない。
学校に行かせてもらえず、父親と住む場所が転々と変わる一輝。自分の名前の漢字を忘れないように時々ノートに書く姿を想像するだけで切なくなる。
心の中の悪い自分と戦う一輝。どうしてこんな心優しい少年が辛い目に遭わなければならないのかと、読んでいてこちらも辛くなる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ設定が素晴らしかったです。架空の地にある架空の遊園地を舞台にしてパラレルワールドの世界に一時的に連れて行く、ちゃんとルールを設けているのも良かったと思います。
モデルとなった生駒山上遊園地と国内最古の大型遊具である飛行塔も現役で動いているのもわかって良かったと思います。
中身をすべて読んで5話の短編全てで号泣しました。あと読書メモにこんなに書いたのは初めてです。読書メモに書いたことをそのまま書きます。(読書メモなので大雑把に書いてありますがご了承ください
奈良県天駒山にある死者に会える遊園地が舞台 支配人はシチカという 切符鋏で切符を切る
「まほろば」という遊園地は戦前2年間だけ開園して -
Posted by ブクログ
第3章の物語に出てくる幸太郎とサヤカが、若いカップルかと思っていたけど、まさかの幸太郎は猫だったのに驚いた。
いつ人生が終わってしまうか分からないから、大切な人との時間を大切にしたいと思えた。
最後の章で、谷口さんが最後に会いたい人は葉子しか居ないと10年以上思い続けていたのが、本当に葉子のことを愛していたんだなと思ったし、最期に会いたい人が見つからないとどうなるんだろうと思ったら、まさかの案内人という道があって驚いた
第1章から第4章でさよならの向う側に来た人たちは皆谷口さんに案内されてたんだと気づいて驚いた
物語の繋がりが面白すぎる!!!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
すてきな芸術とおいしい料理
それだけあれば、明日も幸せ
イルミネーションに飾られた小さなサーカステントにキッチンカー、お腹がぐうと鳴るいい香り。それらに出会ったあなたは運がいい。
そこは期間限定で現れる幻のビストロ「つくし」。
猫を思わせるギャルソンとシロクマのようなコックが、抜群においしい料理で迎えてくれる場所だ。
キッチンカーの赴くままに店を開く「つくし」だが、きまっていつも芸術のある場所に現れる。ピアノの演奏が聞こえる野外劇場、絵画が飾られたマルシェ、映画が上映されている砂浜……。
おいしい料理と素敵な芸術は最高のマリアージュ。弱った心と体をふっくら満たしてくれるので、ど