いとうあつきのレビュー一覧

  • 少年と悪魔

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    一般書の小説では、居所不明児の出てくるものを読んだことはあるが、YA世代向けの本で居所不明児が一人称で淡々と自分の境遇を語る読み物は初めて読んだかもしれない。

    ギャンブルで借金のある夫に愛想を尽かして出て行った母。実の父親なのに、義父として可哀想な子供を育てている設定で愛人宅に転がり込む無職の要。要の愛人。ろくな大人が出てこない。

    学校に行かせてもらえず、父親と住む場所が転々と変わる一輝。自分の名前の漢字を忘れないように時々ノートに書く姿を想像するだけで切なくなる。

    心の中の悪い自分と戦う一輝。どうしてこんな心優しい少年が辛い目に遭わなければならないのかと、読んでいてこちらも辛くなる。

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    2025年11月14日
  • 春は馬車に乗って(乙女の本棚)

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    2025/11/02
     妻は檻のような寝台の格子の中から、微笑しながら絶えず湧き立つ鍋の中を眺めていた。
    「お前をここから見ていると、実に不思議な獣だね。」と彼はいった。
    「まア、獣だって、あたし、これでも奥さんよ。」
    「うむ、臓物を食べたがっている檻の中の奥さんだ。お前は、いつの場合においても、どこか、ほのかに惨忍性を湛えている。」
    「それはあなたよ。あなたは理智的で、惨忍性をもっていて、いつでも私の傍から離れたがろうとばかり考えていらしって。」
    「それは、檻の中の理論である。」

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    2025年11月02日
  • 天空遊園地まほろば

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    良かった~~~(*^_^*)亡くなっってしまった大切な人に会える遊園地。は~~~本当の話ならいいのになあ。5話全部良かった!

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    2025年10月16日
  • 天空遊園地まほろば

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    最後のおじいちゃんのお話は泣けた。なぜ兄は特攻隊として飛び立ったのか。おじいちゃんも言ってた教育の恐ろしさ。私も教育現場にいる以上、子供達が生きることに喜びを感じられるよう支えたい。
    死んだ人に会うことで生きている喜びや意味や生まれてきてよかったと思える瞬間を改めて感じることがそれぞれ登場人物のストーリーから感じられた。

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    2025年10月14日
  • すきだらけのビストロ うつくしき一皿

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    ある人を探しながらキッチンカーで
    様々な場所を巡る2人の兄弟のお話。

    文庫化を待っていました!!嬉しいっ!

    提供する料理は美味しそうなフレンチ。
    料理名を検索して想像しながらお話を読み進めるのがとても楽しく面白かったです!

    キッチンカーを通して出会う人々の人生観も
    垣間見ることもできて一気に読んでしまいました!
    美味しそうな料理ばかりでとても癒された1冊です。

    シリーズ化してほしいなあ〜!

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    2025年10月02日
  • さよならの向う側 [文庫版]

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    読んでいて涙が止まらなかった。
    当たり前に会いたい人に会える毎日は、かけがえのない尊い日々なのだなぁと思った。

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    2025年09月01日
  • 天空遊園地まほろば

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    ネタバレ

     設定が素晴らしかったです。架空の地にある架空の遊園地を舞台にしてパラレルワールドの世界に一時的に連れて行く、ちゃんとルールを設けているのも良かったと思います。
    モデルとなった生駒山上遊園地と国内最古の大型遊具である飛行塔も現役で動いているのもわかって良かったと思います。
     中身をすべて読んで5話の短編全てで号泣しました。あと読書メモにこんなに書いたのは初めてです。読書メモに書いたことをそのまま書きます。(読書メモなので大雑把に書いてありますがご了承ください

    奈良県天駒山にある死者に会える遊園地が舞台 支配人はシチカという 切符鋏で切符を切る
    「まほろば」という遊園地は戦前2年間だけ開園して

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    2025年08月18日
  • すきだらけのビストロ うつくしき一皿

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    ハードカバーの方も持ってるけど、文庫本になるの待ってたので発売してすぐに買いに行きました。表紙のイラストも可愛らしくて大好きです。飯テロ小説、大好きなのでほんと嬉しい。ハードカバー買えなかった人は、この機会にぜひ文庫本を買って欲しい。

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    2025年07月05日
  • 花守家に、ただいま。 星合わせの庭先で

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    人と人との繋がり、「家族」について、静かに優しく時にキツく、でも、全体的にはあたたかく語りかけられるような作品(抽象的すぎる……!)で、とても素敵でした。

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    2025年06月15日
  • さよならの向う側

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    もっと深めなきゃだけど、ふわっとファンタジーの世界の中に、教えっぽいのが結構入ってて、素敵すぎた。
    一つ一つの話がめっちゃいいし、、、猫やったんかーいっていうツッコミもできたし笑笑
    最後のオチまで完璧!!!!
    これはー、たしかに、いい!!
    軽くて読みやすいし、いいないいな。
    ドラマとか映画にしてほしい。

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    2025年05月30日
  • 花守家に、ただいま。 星合わせの庭先で

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    本の表紙がとても綺麗で手に取ったけど、
    内容も物凄く良かった。

    血縁関係がなくても家族になれる。
    お義母さんの三河弁でより温かみが感じられた。
    終盤号泣しながら読んだ。

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    2025年04月18日
  • さよならの向う側

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    第3章の物語に出てくる幸太郎とサヤカが、若いカップルかと思っていたけど、まさかの幸太郎は猫だったのに驚いた。
    いつ人生が終わってしまうか分からないから、大切な人との時間を大切にしたいと思えた。

    最後の章で、谷口さんが最後に会いたい人は葉子しか居ないと10年以上思い続けていたのが、本当に葉子のことを愛していたんだなと思ったし、最期に会いたい人が見つからないとどうなるんだろうと思ったら、まさかの案内人という道があって驚いた
    第1章から第4章でさよならの向う側に来た人たちは皆谷口さんに案内されてたんだと気づいて驚いた
    物語の繋がりが面白すぎる!!!!

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    2025年03月30日
  • さよならの向う側 [文庫版]

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    2回目。内容もある程度入っていたためか、1回目より内容は入ってきたし、謎が解けたところがいくつかあり読んでいて充実感があった。
    人は人の出会いが自分を成長させてくれ、それはまた誰かとどこかでつながっている温かみを感じた。
    「呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする」夏目漱石の『吾輩は猫である』の一節は大切な言葉にしたいと感じ、改めて本を読んでみたいと思った。

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    2025年03月27日
  • 星屑すぴりっと

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    主人公のイルキがいとこの零した願いを叶えるべく、
    中学校の同級生のハジメと、尾道から京都へと目指すお話です。難病で一日を家で生活するいとこが以前つくった映画を見つけるために、イルキとハジメがお互いを尊重し助け合う姿が本当に素晴らしかったです。
    岡山弁と関西弁で最初は戸惑いましたが、段々愛着が湧いてきて会話のテンポも心地よくなりました。また、方言がキャラにしっかりと馴染んでて個性を作っていたと思います。いつの間にかに夢中になって読み進めていました。イルキとハジメ、この2人が大好きな登場人物で、また読み返したいと思う作品です。

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    2025年03月21日
  • さよならの向う側

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    ネタバレ

    こんなに泣いたのは久しぶりです。
    どの話もとっても良くて泣けたのですが特に4章の美咲と大倉の話が号泣でした。
    『生きるということは誰かとの繋がりがあることなんだよ。
    大切な人が傍にいてくれることはこんなにも幸せなことだっとんだね。』
    この本を読んで、この何気ない日常って当たり前じゃないんだよなてことを思い出させてくれました。
    おはよう、おかえりなさいって言えるのって当たり前じゃないんですよね。当たり前の事に感謝し口にしなくちゃいけないですね。

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    2025年03月20日
  • 花守家に、ただいま。 星合わせの庭先で

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    優しくてあたたかくて、けれども芯はしっかりしている。
    そんな花守家とその親族のかたがたのお人柄が素敵でした。
    過去には実の家族とはいろいろ辛いことがあったかもしれないけれど、現在と未来は幸せで溢れているように感じました。

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    2025年02月10日
  • すきだらけのビストロ うつくしき一皿

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    すてきな芸術とおいしい料理
    それだけあれば、明日も幸せ

    イルミネーションに飾られた小さなサーカステントにキッチンカー、お腹がぐうと鳴るいい香り。それらに出会ったあなたは運がいい。
    そこは期間限定で現れる幻のビストロ「つくし」。
    猫を思わせるギャルソンとシロクマのようなコックが、抜群においしい料理で迎えてくれる場所だ。
    キッチンカーの赴くままに店を開く「つくし」だが、きまっていつも芸術のある場所に現れる。ピアノの演奏が聞こえる野外劇場、絵画が飾られたマルシェ、映画が上映されている砂浜……。
    おいしい料理と素敵な芸術は最高のマリアージュ。弱った心と体をふっくら満たしてくれるので、ど

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    2025年01月06日
  • すきだらけのビストロ うつくしき一皿

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    本当にシロクマと黒猫がお店をしているファンタジーものかと思ったらそうではなかったです(笑)
    でも、こんなお店が自分の住む街に来たら絶対行ってみたいし、すごく面白かったです!!

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    2025年01月03日
  • 花守家に、ただいま。 星合わせの庭先で

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    ネタバレ

    実の家族に愛されなかった桜子が本当の愛を知り、自らも愛することができ、家族と共に生きる。
    書いてしまえば簡単だけど、そこに至るまでの道のりが繊細に描かれていました。涙涙…の物語。

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    2024年12月27日
  • 京都東山邸の小鳥遊先生

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    初の単行本ですね。表紙がすごく綺麗で、目を引くカラーです。
    脚本家の葉月、俳優の英輔たちを取り巻くあたたかい仲間たち。読んでいてすごく前向きになれる話でした。

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    2024年08月13日