和田秀樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『1分間をムダにしない技術』(和田秀樹、2009年、PHP新書)
精神科医の仕事、実業家として会社経営の仕事、本の執筆、大学での教鞭を見事なまでにこなす和田氏の時間活用術。それも睡眠時間を削りその分を仕事に充てるという方法ではない。
和田氏による時間の分類は以下の4つ。(1)生きるために必要な時間、(2)娯楽・リラックスの時間、(3)生産的な時間(仕事、勉強、情報収集など)、(4)無駄な情報。
以上の時間の分類を踏まえた上で、和田氏はまずは自分の時間の使い方を知ることが大事とする。その上で、無駄な時間をなくして生産的な時間を増やすことが重要であると指摘。
これは余談であるが、無駄な時間をできるだけ切り詰めて生産的なことを行えという文章を読んで、エンデの小説『モモ』に出てくる時間泥棒を思い出した。
しかし、その無駄の切り詰めがゆくゆくは自分の人生に大きなプラスとなって返ってくるのだということを和田氏は力説している。『モモ』に出てくる住人たちのように、人生の本質を見失ってまで無駄を切り詰めるべきだとは思わないが…
(2009年7月8日) -
Posted by ブクログ
日本は昔はまじめ社会だった。今は、不真面目な人の方が多い。かつてまじめだったのは、うつ病になりやすい体質のメランコ人間のほうが多かった。今は統合失調症的なシゾフレ人間が多くなった。その契機がバブル崩壊後のマネー敗戦後で終身雇用から成果主義への変化が、まじめでこつこつより、要領よく成果の上がった人が良くなってしまってからだとされる。それを進めたのがマスコミだ。まじめすぎることを非難し、おバカな娯楽番組ばかりを流し続けることが社会にシゾフレ人間を増やすことに大きな影響を与えている。
不真面目な親が増えることによって教育のレベルも低下し、格差社会が広がっている。
まじめ社会が崩壊すると、これまでの日本の高い競争力・優れた製品も作れなくなり、社会のモラルの低下、共同体の崩壊で高齢者社会も不安なものになる。
今こそ、マスコミのいうことは信じるなという親になって、まじめ批判から不真面目批判を積極的に行う社会風土を作ら無ければならない。
まじめな私には、しごくもっともな主張だ。
ただ作者の和田秀樹氏は、いろいろな本を出しているにも関わらずあまりマスコミに出ていないのは私だけの感じなのか。 -
Posted by ブクログ
警察官や教師の不祥事、食品偽装、年金問題。いつから日本はこんなに「ふまじめな」国になってしまったのだろう。著者は、これを責任感が強く秩序を尊ぶ「メランコ人間」社会から周囲に合わせ他力本願的な「シゾフレ人間」社会への転換として説明している。著者の説明では、日本の社会はもともと公的規範についてはある種の「ゆるさ」を持っている。それはたとえば、交通違反の取り締まりが、ある種現場の警察官の裁量にゆだねられていたり、非合法すれすれの職種が公然と営業できていたりということをさしている。こうした「ゆるさ」の中で社会がこれまで秩序を保ってこれたのは、「メランコ人間」の責任感とそれに対する社会の信頼があったからだという。ところがある時期からこうした責任感とそれに対する信頼が失われてしまえば、結局そこには「ゆるさ」だけが残ることになるから、宗教心の薄い日本では、まじめに決まりを守るよりも、ずるく立ち回ったほうが得をする社会に容易に転換してしまうことになる。考えてみれば大分県の教員採用試験をめぐる不祥事にしても、おそらく同じようなことは昔からあったのだろう。しかしそれは「彼は点数は低いが立派な人物でありいい教師になることを保障できる」とか「あの方のおかげで先生になれたのだから顔をつぶさないように立派な先生になろう」とか、そういう責任感や信頼感の上にそれなりに機能していたシステムだったのかもしれない。ルールを厳格に運用することがよいのか、宗教教育や道徳教育を通じてもういちど「まじめさ」を取り戻すべきなのか、考えさせられる一冊である。(菅)