スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチのレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
いくら言葉を尽くしたところで、”そこ”にいた人たちの想いや痛みが正しく伝わるとは限らない。第9話に登場した医師の「あなたはこれを”このまま”書けますか」「だれもそんな本なんか読まないでしょうよ」という言葉でそう思い知らされた。
チェルノブイリにいたことを隠したい、そこでの出来事を話したくない当事者にとって、本当に辛かったことや忘れたいことは口を噤み、歴史を正しく伝えたい、そこで何があったのかを知りたい部外者は、実験動物のように彼女らを観察し、記録する。
彼女らには申し訳ないが、心を動かすようなドラマがなかったら、自分はこの作品を読んでなかったかもしれない。同時に他人の苦難をエンタメとして消 -
-
-
Posted by ブクログ
真実を語ることを強く制限されている中で、
聴くこと、届けることをやめなかった著者にどれだけの大変さがあっただろう、と思う。
本当の声を知れたこと、心から有り難く思う。
苦しい、悲しい、怖い、
その言葉では全く収まりきらない。想像も止まってしまう。
女性が戦場に行き、国を信じ、命をかけていた。
想像を絶する世界を生き抜き、
身体にも深く傷を負っている女性に、
戦後、周りの人に言われた言葉や裏切りに、
とてつもない悲しさを覚えた。
恐怖からくる身体の症状は、読みながら何度も呆然とした。
死と距離が近くなったときの現実は、
生命の本能、そして残酷さ、愛と密接なように思う。
戦争に関わった人の -
Posted by ブクログ
読むのに1年かかってしまった。アレクシエーヴィチがノーベル文学賞を受賞した時、諸事情により群像社から出ていたこの本は絶版だった。その後岩波書店が刊行してくれた時、NHKの「100分de名著」が取り上げた時、ロシアがウクライナに侵攻した時。読みたいという思いが次第に募り、やっと手にすることができた。一つ一つの証言は短いが体験そのものが重く、心に残る言葉がいくつもある。
「男たちは自分たちが独占してきた世界、そのテリトリーにしぶしぶ女を入れる。」(著者・アレクシエーヴィチ)
「これは女の仕事じゃない、憎んで、殺すなんて。」(マリヤ・イワーノヴナ・モローゾワ〈イワーヌシュキナ〉、兵長〈狙撃兵〉 -
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
オーディブルで少しずつ聴き進めていたのを、雪の積もった投開票日に聴き切った 印象に残ったところを引用したいところだけど引用に足らない箇所なんてなかった ほとんどが自ら志願して戦争に参加した10代の少女たち、その当時の記憶を生き生きと語る高齢の女性たち、その語りに耳を傾ける若き(30代ごろの)著者という三世代の女性の身体をめぐる物語でもある インタビューのみならず差し挟まる著者の語りもいい
「戦争体験というのはあまりに個人的で内的な体験であり、人間が生きていることの果てしなさと同じく限りがない。
わたしが書こうとしている本の文章がいたるところにころがっている。農家や街の家々、街や汽車の中で。 -
-
無料版購入済み
チェルノブイリの原発事故は自分が生まれる前に起きたもので、名前をよく聞いたのは3.11の時の福島原発事故と比べられるようになっていた時でした。原発事故がどのようなものか、3.11を経た今でもよくわかっているとは言い難いですが、少なくともまだ放射線の影響がよくわからない時、その事故を人々がどう見て、経験したか、この漫画を通して少しだけ体験しました。原発は本当に無くさなきゃいけないと思います… 毎日浪費するエネルギーを生み出すために人が命をかける必要がどこにあるのでしょうか…
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ漫画のほうを先に読んで、旧日本軍よりマシかも…とか感想を持った自分を殴りたい。
いろんな人がいて、いろんな手段で戦ったり、生き延びたりして。でも戦争がハッピーエンドで終わるなんてことない。これは今まさに繰り返されている悲劇だってことを教えられます。
腹立つのは、解放された捕虜に「なぜ生きてる?」と問うとこ。せっかく地獄を生き延びても裏切りを疑われながら生きなきゃならないとか。
著者のインタビュアーとしての姿勢が素晴らしい。「話してください。悪魔には鏡でその姿を見せつけてやらなければ」と。
しかしウクライナとかベラルーシの人たちのインタビューなんだよね。こんなことされてドイツを許す気になるかとか -
Posted by ブクログ
独ソ戦の女性兵士たちの話。
国のために、と教えられて育った少女たちは国のために戦う気概を持っている。
でも男物のパンツは死ぬほど嫌だし、三つ編みを切るのも悲しい。普通の少女なのに兵士のときは勇ましくなれるのは、人間のなかにスイッチみたいなのがあるからなのかな。
日本の戦争漫画に比べて、理不尽な上官とかビンタとか出てこないのはお国柄なのか女性だからなのか。これから出てくるのが。
兵士じゃない女性はちゃんと花柄のスカートとか履けているので、やっぱ日本よりもましかなと思ってしまう。
原作も買ってあるので読まねばです。
追記…原作読んだらあらすじからして不穏だった。戦争行った女性たちは差別くらったと -