スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチのレビュー一覧

  • チェルノブイリの祈り 1巻

    無料版購入済み

    チェルノブイリの原発事故は自分が生まれる前に起きたもので、名前をよく聞いたのは3.11の時の福島原発事故と比べられるようになっていた時でした。原発事故がどのようなものか、3.11を経た今でもよくわかっているとは言い難いですが、少なくともまだ放射線の影響がよくわからない時、その事故を人々がどう見て、経験したか、この漫画を通して少しだけ体験しました。原発は本当に無くさなきゃいけないと思います… 毎日浪費するエネルギーを生み出すために人が命をかける必要がどこにあるのでしょうか…

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    2025年12月05日
  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言

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    ネタバレ

    白ロシア=ベラルーシ

    自分で穴を掘らせ
    その縁に立たせ
    子どもから順に撃つ
    大人が絶望するのを
    見るために

    お腹が空いて空いて
    お母さんという言葉を聞くだけで
    泣き声が止まらなくなる

    戦争
    この記憶がまだ残るのに
    なぜ繰り返す

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    2025年09月16日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    ロシアによるウクライナへの侵略戦争が長期化している今だからこそ読んでおきたいと思った。
    タイトルは有名ながら、手に取ったことがなかった。
    内容としては非常に生々しい、従軍女性たちから聞き取った証言集。
    もっと書き手の主張が入ったルポライティングのようなものを想像していたが、インタビューに応じた女性の肉声が聞こえてくるような書きぶりによって戦争のむごさがより際立つ。
    「女たち」の視点ではあるが、前線に出される兵士たちの様子も証言から浮かび上がる。

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    2025年08月24日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    ネタバレ

    漫画のほうを先に読んで、旧日本軍よりマシかも…とか感想を持った自分を殴りたい。
    いろんな人がいて、いろんな手段で戦ったり、生き延びたりして。でも戦争がハッピーエンドで終わるなんてことない。これは今まさに繰り返されている悲劇だってことを教えられます。
    腹立つのは、解放された捕虜に「なぜ生きてる?」と問うとこ。せっかく地獄を生き延びても裏切りを疑われながら生きなきゃならないとか。
    著者のインタビュアーとしての姿勢が素晴らしい。「話してください。悪魔には鏡でその姿を見せつけてやらなければ」と。
    しかしウクライナとかベラルーシの人たちのインタビューなんだよね。こんなことされてドイツを許す気になるかとか

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    2025年08月05日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    独ソ戦の女性兵士たちの話。
    国のために、と教えられて育った少女たちは国のために戦う気概を持っている。
    でも男物のパンツは死ぬほど嫌だし、三つ編みを切るのも悲しい。普通の少女なのに兵士のときは勇ましくなれるのは、人間のなかにスイッチみたいなのがあるからなのかな。
    日本の戦争漫画に比べて、理不尽な上官とかビンタとか出てこないのはお国柄なのか女性だからなのか。これから出てくるのが。
    兵士じゃない女性はちゃんと花柄のスカートとか履けているので、やっぱ日本よりもましかなと思ってしまう。
    原作も買ってあるので読まねばです。

    追記…原作読んだらあらすじからして不穏だった。戦争行った女性たちは差別くらったと

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    2025年08月02日
  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

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    『死に魅入られた人々』では、ソ連邦崩壊までしかたどられなかったですが、しかし、本書では、対象がプーチン政権の時代まで延長されています。最初に「訳者あとがき」、とくに603-605頁を読んでソヴィエト/ロシア現代史の概略を知っておくと、インタヴュイーたちの言う意味がよく理解できると思います。要は、価値観、世界観がひっくり返るような政治の変動を生き抜くのはたいへんだということに尽きます。

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    2025年07月01日
  • 戦争は女の顔をしていない 5

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    1話読むだけでも自分が起きたことのない時代、経験したことのない戦場の空気と、その中で必死に生きた女性たちの感情が伝わってきて胸が苦しくなる。
    自分がいかに幸せな時代を生きているか、家族で日々穏やかに暮らせることに感謝したくなる。
    軍の中で必死に戦う女性たちの姿が現代の企業や官公庁中で働く女性たちと似ている気がして、男性が作った組織の中で幸せになれる女性はいるのだろうかと思った。

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    2025年04月12日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    本書は物語ではなく、第二次世界大戦で従軍した100万のソ連女性の内、500人以上の生の声を集めたインタビュー集。
    膨大な量で、Audibleでひたすら辛い内容を聴き続けたので楽しいものではないけど、語り継ぐべき素晴らしい資料だった。
    特にソ連には世界でも珍しい女性兵がいたので女性ならではの視点や境遇から語られる戦争の話はとても貴重。
    女性の従軍と言っても兵士や狙撃兵の他に、パイロット、通信兵、看護師、調理係、洗濯係など色々。だけど一番驚いたことは多くの女性が自ら前線を強く希望していたこと。
    『同士少女よ、敵を撃て』では孤児が選択の余地がなく狙撃兵になっていたけど、実態は少し異なる印象。
    中には

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    2025年01月20日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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     吊橋よりはるかに危険な戦場で若い男女がいて、“恋愛”が発生するのは必然。男子二十歳前後、女子はもっと若くティーンで数分間先に死が迫っている(かもしれない)現場で「生きている証」を求め/甘い話はないが、ことに悲惨なのは「前線から逃げたために、『もうしませんから』と泣きながら叫んでも公開銃殺された大学生」と「映画館にスターリンが臨席しているとわかると満場の拍手が10分間鳴り止まなかった(余所では拍手を止める鐘があったらしい)両親も兄も『粛清』された女の子も熱狂した」忠誠心は絶対。ツァーに代替りして生殺を握る神(のような独裁者)スターリン。レーニンは「親父」と呼ばれたが、彼は熱望してもそう呼ばれな

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    2024年12月03日
  • 戦争は女の顔をしていない 5

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    今病院まで読んできた全ての巻に通じるが、女性ならではの戦場での苦労と工夫がたまらない。女でありながら男として兵士としての役割もプラスされ、男以上に大変だったはずだ。
    戦争をしてはいけないとつくづく思う。

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    2024年11月29日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    ▼(本文より)これは残るようにしなけりゃいけないよ。いけない。伝えなければ。世界のどこかであたしたちの悲鳴が残されなければ。あたしたちの泣き叫ぶ声が。

    ▼1948年、第2次世界大戦が終わって3年後に、当時ソビエトの西部、ベラルーシで、この本の作者アレクシエーヴィチさんが生まれたそうです。親世代は第2次世界大戦に従軍して、親戚も多く亡くなったそう。
     アレクシエーヴィチさんは、20代終盤くらいから、つまり1970年代、冷戦下のソビエトで雑誌記者をされていたそうで、30歳くらいから、
     <第2次世界大戦に従軍した女性たちの経験談を聞き取り集める>
    という作業を始められたそうです。

     この本は、

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    2024年11月28日
  • 戦争は女の顔をしていない 5

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    スヴェトラーナ・アレクシエービッチの『戦争は女の顔をしていない』のコミック版の第5巻。原著の各エピソードを個別に漫画化しているので、順番も沿っていないので何巻まで続くのかはわからない。おそらくは第一巻から漫画化しやすいエピソードから採用していたのだろうから、あとどれくらいのエピソードが残っているのだろうか。しかし、この巻の話においてもそれぞれのエピソードが一つの物語をきちんとなしている。それぞれの個人の体験がひとつひとつが重いことの現れなのだと思う。

    スヴェトラーナ・アレクシエービッチの『チェルノブイリの祈り』の増補版、既刊の1.8倍の増補改定、が数年前に出ている。そろそろこちらも読んでみな

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    2024年11月04日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    「でもこれは残るようにしなけりゃいけないよ、いけない。伝えなければ。世界のどこかにあたしたちの悲鳴が残されなければ。あたしたちの泣き叫ぶ声が。」

    帰ってきた彼女たちを苦しめたのは、戦地で優しかった男たちだけじゃない。家族や他の女たちも同じだった。心が痛い。

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    2024年11月02日
  • チェルノブイリの祈り 1巻

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    ノーベル文学賞受賞者のスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ氏による名著のコミカライズ。
    文章であれば一文一文が重くて読み進められないものを、一ページ一ページに希釈してもらうことで何とか読めている。
    それでも絵になることで真に迫ってくるものがある。

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    2024年10月15日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    兵士となり、戦闘に加わり、帰還した少年たちの叫び声
    わたしたちは、彼らを目の前にした時、どういう言葉をかけられるのだろう
    私にはわからない

    こういうときだからこそ
    no more war

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    2024年09月06日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    第二次世界大戦中に看護師や軍医としてではなく(そういう人もいたが)、実際に武器を取って敵を殺した女性達の体験を聴き取ったもの。最初の数ページを読んだだけで心が痛み、なかなか読み進められなかった。女性達のほとんどが自ら熱烈に志願して戦場に行ったこと、スターリンを信奉していたことはショック!戦争中は英雄として崇められたのに、戦後は男達の軽蔑の目に遭い、結婚にも差し支えがあったことにやりきれない思いがする。

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    2024年10月08日
  • チェルノブイリの祈り 2巻

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    ネタバレ

    初めて、原作を読んだ時を思い出す。
    ドイツに行った時、夕食に鹿肉が出された時にこの肉は養殖されたものだから、安全ですと言われた時の強烈な違和感と共に。

    ロシアウクライナ戦争で核を使う用意があると簡単に宣言する独裁者。あなたはチェルノブイリの悲劇を現実に見た世代だろう。でも政治家は忘れるのが得意な生き物だから、彼は忘れてしまったのだろう。

    この悲劇はもう繰り返してはいけないのに。

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    2024年08月26日
  • 戦争は女の顔をしていない 5

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    ネタバレ

    『私が一番きれいだったころ、戦争があった』
    敗戦した日本人の詩人である茨木のり子さんがそう詩に書いた。
    そして、勝戦国で戦うこと選んだ女性が同じことを語った。
    戦争は勝っても負けても被害者しか出さない。
    同じことを何度繰り返しても人は変わらないことが切ない。

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    2024年08月24日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    圧倒的。インタビューした一人ひとりの戦争経験で編み上げられた壮大な曼荼羅の織物のような読み物。1000人いれば一千通りの話がある。聞き書きゆえの話のとっ散らかりぶりも、かえって生々しい。
    ソ連が物量的に不足していたことや生きて虜囚の辱めを受けず魂など、日本とも共通する要素はあったこと、しかし特攻隊(海も陸も)ほどの人命の軽視はなかったことを知る。
    愛国心の熱狂は、人をこんなふうに戦場に駆り立てるのだということを体験談の多様さ(あるいは共通する血のにおい)と量でいやというほど知らされる。熱狂の先にある地獄と、生還後の肉体と精神の傷みのすさまじさ、理不尽な扱い。経験した人はとにかくもう二度と戻りた

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    2024年08月16日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    作者は、作中の元兵士や母親などに寄り添おうとしていると思う。
    アフガニスタンの元兵士や母親たちの話を同様にまとめる必要があるだろう。

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    2024年07月15日