スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチのレビュー一覧

  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    恋の話が多い。男には女が必要ってことなのか…?パン焼き、洗濯、郵便局員…そして、銃も持つ。女性は何でもしていたんだな。

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    2023年10月02日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    戦時下の女性たちの苦しみを、多くの人が知るべきだと思う。今もきっとウクライナ、ロシアで起きていることだ。

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    2023年09月02日
  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

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    クーデターを打ち破り解散したソヴィエト連邦。自由に憧れ、見習ったのは西側諸国。その体制は使い古され疲労が起きていた中古品。共産主義の苦しみと使いこなせぬ資本主義。自ら何かを生み出せない”セカンドハンド”の時代…「共産主義の終わりに死を選んだ元元帥」「元連邦内対立国で起きた男と女の悲恋物語」「地下鉄爆弾テロから生還した母と娘」「チェチェンから棺に入り戻ってきた娘と向き合う母」「ミンスクの不正選挙に対するデモ参加で拘束された女子学生」…インタビューの受け答えの中に埋まる文学。それは発掘でもあり創作でもある。

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    2023年08月05日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    戦争しても戦争しても、なお戦争を止めないこの人間の世界に訴えかけるものがあります。

    描かれているのが独ソ戦ということもあり、現在のウクライナ情勢と重なります。酷な内容ながらも知っておかなければならない、同じ地球での惨状に胸が痛みつつ、ページをめくる手は止まりませんでした。

    本書はコミックなので手に取りやすいし、状況や内容がわかりやすかったですしね。

    自由がないどころか、殺戮が仕事という戦時下の異常さ。

    ショックだったのが、毎月の生理に対して、男性の将校たちはまったく理解がないこと。
    彼女たちが歩いた後、経血がポタポタ落ちてしまったあとが残るんです。
    下着の用意もしてもらえず、血が乾いた

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    2023年07月24日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    衝撃的なプロローグ、これから読もうとする全貌を示唆してくれる、著者の丹念な取材から得られた証言の数々、読めば読むほど絶望感しかない、可哀想な派遣され犠牲となった二十歳そこそこの少年たち、そして現実を受け入れきれない母たち、悲しすぎる。当時のソ連今のロシア何も基本変わってないのかもしれない。
    この作品を語る言葉「透徹」に納得する。
    以下に印象的な文を書き残す。
    ・九年もの間にソ連の製品はまったく進歩しなかった。包帯も然り、副木も然りだ。ソ連の兵士ってのは、いちばん安上がりなんだよ、なんにしても我慢を強いられ、文句も言えない。備品も与えられず、守られもしない、まさに消耗品さ。千九四一年もそうだった

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    2023年07月11日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    ネタバレ

    第二次世界大戦時のロシアの女性兵士の証言文学を原作とした漫画の第4巻。

    恋は戦時中の唯一の個人的な出来事であり誰もが率直には語りたがらなかったという話が特に印象に残っている。女性兵士は戦後、従軍しなかった女性からアバズレをみるような侮蔑にさらされたからだ。

    たとえば第20話の元女性射撃兵の証言。戦後、共同住宅に住んでいる女性からこう言われる。「戦地ではたくさんの男と寝たんでしょ?」。
    戦場は基本的に男の職場である。男たちは女に飢えている。そんな環境に志願していくのは男漁りをするために違いない。そんな偏見をもとに差別されたのが、義憤に燃えて国に精魂を捧げた元女性兵士たちだ。現在よりも潔癖な恋

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    2023年05月05日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    ネタバレ

    冒頭の過去の日記を読む、そこを考える。
    彼女は今、過去をどこで振り返っているのか?

    語られる多くの戦争の先に、また戦争があった。絶望はたやすいが、私達はまずこの愚かしい戦いを終わらせなくてはならない。

    そこにも多くの顔のない人々がいる。
    私は過去に戻ってはならない。
    だからこそ、読んでいた胸が痛む。

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    2023年04月28日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    偉大で強大なロシア帝国の実現のために共産主義を利用したので、ソ連という国はこんなに不合理で歪んでいるのか?
    ロシア・ウクライナ戦争がはじまってからロシアに関する本を続けて読んでいる。まるでロシアではソ連が今も続いているみたいだ。一時期はロシアでも民主主義が力を持ちつつあると、思えた時期もあったと思ったけど…
    プーチンによる歴史修正によってソ連が復活してしまうのか?そんなことにはなってほしくない。

    演習へ行くと言われて、戦争へ連れていかれた若い兵士たちの声がロシア・ウクライナ戦争がはじまった当初は多く聞かれた。
    アフガニスタンへ兵士を派遣するときも、ソ連は開拓地へ行くようにと飛行機に乗せて、ア

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    2023年03月31日
  • 完全版 チェルノブイリの祈り 未来の物語

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    ロシア・ウクライナ戦争がはじまって、いま起きていることを理解したくてスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの本を読みはじめた。

    311が起きた時もこれからどうなるのかをチェルノブイリから学べるかと、本を読んだりドキュメンタリーを見たりしていた。
    その結果としては何もわからないままで恐怖が残っただけだったけど。
    新宿御苑で汚染土を使った実証実験が行われると聞いて、また少しずつ放射線に関する本を読みはじめている。
    この本を読んだ印象では、福島の事故で出た放射線はチェルノブイリよりずっとマシだったみたいだ。
    311の頃は「直ちに影響はありません」を聞くと一体何言ってるんだと混乱が深まるばかりだったけど

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    2023年03月07日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    「戦争は女の顔をしていない」の著者であるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ氏の著書『亜鉛の少年たち』を読みました。

    1979年から1989年までの約9年間行われた、ソ連によるアフガニスタンへの軍事派兵。

    この本は、アフガン侵攻に派兵されて帰還した兵士や看護師、そして彼・彼女らを送り出した母親たちの証言をもとにした「ドキュメンタリー小説」でした。

    前線に送られ戦死した10代の少年たちの遺体は、密閉されて遺族も開けることが許されない「亜鉛の棺」に入れられて戻ってきたという。
    そして、帰還することができた少年たちは、戦場での生活で心が凍りついてしまい、まるで金属のようになっていることがある、

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    2022年11月27日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    戦争に積極的な女性たちに驚いた。
    戦争での女性の役割
    戦後の母国での対応
    生き続ける
    語るときの雰囲気、空気
    作者の聴く姿勢

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    2022年11月22日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    原作より先に漫画を読んで良かったかもしれない。
    少女達は可愛らしい絵柄で読みやすいのだが、『戦場』を書く上ではどれだけの想像力を要しただろう。 特に三巻目が一番衝撃だった。少女達はもちろん、幼い子供達にとっても『戦争』は、決して拭い去れない記憶だ。 何よりも十代の少女達が自分から前線へと志願していく姿(時に男性以上の熱量を持って)、スターリンによる統制教育など、現代で生きる日本人ならなおさら想像し難い。女性が銃を撃つなんて、まず想像できない。『女性』であることの誇りを捨てざるを得なかった戦場で、少女達を突き動かしていたものはいったい何なのか。原作も読まなければ。
    戦争は『記録』に遺された正し

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    2022年10月10日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    第二次世界大戦時、独ソ戦にて戦場にいた『女』兵士たちの声が聞こえる。戦争に男も女もなかったのだと思わされる。ソ連軍に多くの女性が志願したことに驚かされる。狙撃兵、パルチザン...本書の証言は生き残った女性の声によって成り立っているが、当然、亡くなった女性も多かったことだろうと思う。ひとりの女性が戦っている姿が見られるが、彼女たちは『何と』戦っていたのだろうか。戦争とはそういうものなのかと思い知らされる。

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    2022年10月07日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    今、このタイミングで読んで良かった。新訳で付け加えられた裁判の記録が、戦争の真の悲劇をさらにえぐるように訴えてくる。

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    2022年09月27日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    1970年代末から80年代末にかけて行われたアフガニスタン侵攻の関係者たちによる証言集。奇妙なタイトルは戦死者たちが亜鉛で密封された棺に入れられて帰ってきたのにちなんでいる(密封されているから遺族は遺体と対面できなかった)。この戦争は当初政府が宣伝していたような国際友好では全然なく侵略戦争だった。犠牲者たちは各々にとっての真実を語る。戦闘中の悲惨な体験、息子や娘を亡くした悲しみ、帰国後の偏見への怒り、徒労感、虚無感。ある者はアフガニスタンを忘れたいと言い、ある者は戻りたいという。多種多様な声、声、声。読みながら何度も戦慄し、何度も同情の涙が出た。この部分だけでも優れたドキュメントだが、補足資料

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    2022年08月23日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    アフガニスタンから帰還した者たちが語る、現地で遭遇した女性たちのエピソードがいずれも衝撃的なので記しておく。

    バグラム近郊で……集落によって、なにか食べさせてほしいと頼んだ。現地では、もしお腹を空かせた人が家に来たら、温かいナンをごちそうしなきゃいけないっていう風習がある。女たちは食卓に案内し、食べ物を出してくれた。でも俺たちが家を去ると、その女たちは子供もろとも村人たちに石や棒を投げつけられ、殺されてしまった。殺されるのをわかっていたのに、俺たちを追い払わなかったんだ。それなのに俺たちは自分たちの習慣を押し通して……帽子も取らずにモスクに入ったりしてた……。(p.67)

    初めての手術の患

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    2022年08月21日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    なんということだろう。

    人間、という、説明のしづらい、生身の生き物がそこにはいた。

    安易な意味付けなど不要だ。

    ただ、現代とはなんと幸せなんだろうと感じた。

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    2022年06月13日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    原作既読。
    よくあれを漫画にしようと決断したと思ったなあ、というのが偽らざる最初の感想。ハードル高過ぎ。
    そして、しっかり負けないように描かれているのも素晴らしい。

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    2022年06月03日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    とても素晴らしい漫画だと思う。だが、いや、だからこそ読むのが辛かった。
    われわれは現代日本人は戦争をあまりに知らない。戦争の本質とは、おそらくその場にいて体験した人間にしかわからないものだろう
    たが、この漫画はその戦争の本質の一部を、戦争を生身で体験した女性に語らせることで我々に知らせてくれる。

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    2022年05月15日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    語り手の元兵士の女性の心情に寄り添ってしまうのだが、ドイツ側の視点に立つとまた別の悲劇がある。素晴らしいコミカライズ作品。

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    2022年05月13日