スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチのレビュー一覧

  • 戦争は女の顔をしていない

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    『嘘は言うまい、この道を進んでいけるという自信はなかった。しまいまで行くことができるのか。やめてしまいたい、脇道にはずれてしまいたい、というような迷いや不安の時があったがもうやめられなかった。悪というものにとりつかれてしまっていた。何か理解できるのではと覗き込んでしまったら、それは底なしの淵だったのだ』―『思い出したくない』

    世の中がこれまでになくきな臭くなっている中、読んでおかなければならない一冊と思って手に取る。スヴェトラーナ・アレクシェーヴィナはウクライナ人の母とベラルーシ人の父の下に生まれた作家。そんな出自は旧ソビエト連邦時代であれば恐らく「京都生まれの母親と大阪生まれの父の下に生ま

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    2024年05月08日
  • チェルノブイリの祈り 1巻

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    その時、起こったことが何なのか分からないことが怖かった。現実に起きていたと思うと辛い。こんなものを作ってしまった人間って何なんだろう。

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    2024年05月01日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    伝えたかったことが沢山あったと思う。伝えられなかったことも沢山あったと思う。
    それでも女たちの声を聞くことができて良かった。

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    2024年04月18日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    これが戦争の、人間のリアル

    憎しみが勝ってしまうと人はどこまでも残虐になれるんだなと思ったし、優しさも併せ持っているのが人間なんだと思った

    いいとか悪いとかじゃなくて
    極限状態ではこうなんだと思う

    だから戦争は嫌だ、どんなに腹がたっても会話で解決したいな

    戦後、心を閉ざした女性たちの心を開いて会話を引き出した著者はすごい人だと思う
    聞くのも辛いと思うし、寄り添い続けるのも難しかったのではないかと思う

    国のために戦い
    戦争から帰った女性は差別されたり

    戦場でも女の子はやっぱり女の子で
    かわいく思われたいとか女性らしくありたいと思う気持ち

    戦争中でも結婚式やほっこりするような一幕もあ

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    2024年04月05日
  • チェルノブイリの祈り 1巻

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    アレクシェーヴィチ「チェルノブイリの祈り」のコミック版。
    「戦争は女の顔をしていない」もコミックになったことで多くの人に原作が読まれた。この作品も世に出て多くの人がチェルノブイリで何があったか、当事者たちの声を聞くことができるだろう。コミックになったことで、よりリアルに伝わるのではないか。

    隠された事実、何も知らずに放射能を浴び続けた人々の最期。遠い国ロシアで起こったことだと片付けられない。おそらく日本で同じことが起こったら、同じ結果になるに違いない。

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    2024年03月23日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    ネタバレ

    まず女性が戦争に行っていた事、そしてそれは看護士などもいたが狙撃兵もいたという事。読んでいてここら辺のところがえっ?どういう事?女性が?と頭がついていかなかった。タイトルを見て戦争って女性にとっては大変な事であり、そういう大変だ云々と言う事が女性の視点で書いてあるのかと思っていたから。私は何も知らなかったんだなと思う。まあ確かに大変な事ではあるのだけどそんな言葉で表現するのはあまりに軽すぎる。
    映像化したら目をそらしたくなるであろう場面も。行動も精神も何もかも無茶苦茶になるのが戦争なんだなとあらためて思う。
    これを読んで、戦争に行った人が戦争を語らない、固く口を閉ざしてしまって、という理由がや

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    2024年05月29日
  • チェルノブイリの祈り 1巻

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    実際に起きたことなんだけど、目を背けたくなる内容で…

    事故のこと、なんとなくニュースで見た記憶があるけど
    詳しく知らなかったので、今回初めて知りました

    続きは、読める自信がありません

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    2024年03月19日
  • チェルノブイリの祈り 1巻

    ネタバレ 無料版購入済み

    丁寧なマンガ化

    この事故の対応でソ連崩壊、早まっただろうと聞いています。消防隊の人たちが消火活動をしなければ、もっと被害が拡大していましたので、そもそもの原子力発電所に無理があります。放射性廃物の管理もできないというのに、原子力ムラは極めて無責任なままです。

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    2024年03月13日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    ネタバレ

    気になったいくつかを書いてみる。

    『その人は黙ってしまったわ。顔から微笑みが消えたの。何だか恥ずかしそうなばつが悪いって顔して。もう若くない人だった……その人は分かっていたの、私を送り出す先がどういうところか……』p106
    これはチョコレートをカバンいっぱいに詰め込んだ女性の話。軍事委員の人がカバンに何が入っているかを知って、笑えなくなったという部分。戦争を知らない少女たちが戦争に向かっていく話もこれだけではない。

    『わたしは思いました、おかあさんは私のことを結婚するには若すぎるけど、戦争には若すぎないって思ったのね、と。私の大好きなおかあさん』p202
    結婚に反対されて、早く大人になりた

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    2024年03月09日
  • チェルノブイリの祈り 1巻

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    ネタバレ

    1986年のチェルノブイリの悲劇は1989年のソ連邦の開放、東西ドイツの統合。そしてEUの結成で過去となった。

    あのお祭り騒ぎを覚えている一人として、どこの国の人間でも、誰であっても都合の悪い過去とは向き合いたくない、覚えていたくないのだと改めて思った。

    特に当事者以外のほとんどの人間は。

    魂を搾り出すような叫びに、広島も長崎も、福島ですら忘れている日本人を思う。

    あの悲劇の場所が戦場になっている事を考える。
    そしてプーチンがいつでも核兵器を使う準備があると言う言葉に、人は愚かでしかいられないのかと考えてしまう。

    原作と出会い、コミカライズとなるまで、私は多くのことを忘れていた一人だ

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    2024年02月29日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    独ソ戦の戦場で戦ったソ連女性たちの証言集。膨大な証言それぞれが生々しく、死傷者数といった数字だけでは表現できない凄惨さに心が痛む。
    独ソ戦のときはドイツに蹂躙されたウクライナでソ連がナチスと戦っていたというのに、今やロシアがウクライナと戦争してるなんて、憤りすら感じる。

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    2024年01月14日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    戦争は怖い、恐ろしい、嫌だ、悪などの言葉で表し、現実感の伴わない世界だが、そこにで前向きに毎日を生きた少女たちの話。そこに青春があったのは確か。思い出は美化されたり更新されたり、隠蔽されたりするのだろうがこのまま埋もれさせてはいけない。インタビュアーのアレクセイを通して彼女たちの戦争について考えなければいけない。
    ソ連(ロシアやウクライナ)についてもほとんど知識のないまま読んだが、おぼろげながらウクライナの位置づけもわかった。もっと多くの人に読んでほしい。

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    2024年01月14日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    社会人になってから、近くに置いておきたい本の1つ。

    アフガンってこんなに悲惨やったんやというのと、よくもこれを出版したなというのが率直な感想。重い内容なのは間違いないのに、どんどんと引き込まれる。情景が鮮やかに浮かび情が湧きながらも、どこかでそれを冷静に落とし込みながら、アフガン帰還兵の証言と裁判に触れることができた。「戦争は女の顔をしていない」とはまた別の衝撃で、これは、本当に今のロシアがやっていることと見事に重なる。アレクシェーヴィチのようなインタビュアー・伝え手になりたい。自分の原点を思い出したような気持ちにもなって。さて、がんばるか。

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    2023年11月30日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    逢坂冬馬さんの本を読んで。
    第二次世界大戦、男だけではなく女だって、戦争に傷つけられている。
    日本だけじゃなく世界中の町や村やでも。

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    2023年11月15日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    とてもではないが、すぐに読み終えることができる本ではないと思った。いったい、この時代に生まれて、(女として)生きるとはどういうことだったのかということが、無数の人たちの語りによって眼前に突きつけられる。戦争、日常への帰還。戦争に行っていた女性への眼差し。捕虜だった兵士への祖国の仕打ち。無数の個人史が表すのは、戦争の勝利ではなく、戦争に巻き込まれ生きた(死んだ)人たちがいた、という単なる事実であり、だからこそ、「戦争」「国家」「社会体制」「時代」というものへの内省を迫るような、静かな怒りや悲しみ、威厳が一つ一つの語りから感じられた。
    「夏になると、今にも戦争が始まるような気がするんだよ。太陽が照

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    2025年01月30日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    第二次世界大戦でソ連軍に従軍した女性たちの生の声が収録されている。
    まず、女性が兵士として戦地に行っていたということに驚いた。彼女たちは、自ら志願して兵役を務めた。
    確かに国を守り立ちという気持ちに男女差はないだろう。
    けれど、戦後の彼らの処遇は男性とは違ったようだ。
    勲章をもらった男性は英雄視され、女性は戦争に行った女と非難される。
    読むに堪えない箇所に、何度か読み進めるのを躊躇したが、それは戦争の本来の残酷な姿を真摯に書いているからこそだ。だから多くの人に読まれるべき本だと思う。
    夫を戦争で亡くした女性が、帰ってきたら大切にしたのにと語っていたのを読んで、日々感謝して夫を大切にしなければと

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    2023年10月31日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    恋の話が多い。男には女が必要ってことなのか…?パン焼き、洗濯、郵便局員…そして、銃も持つ。女性は何でもしていたんだな。

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    2023年10月02日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    戦時下の女性たちの苦しみを、多くの人が知るべきだと思う。今もきっとウクライナ、ロシアで起きていることだ。

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    2023年09月02日
  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

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    クーデターを打ち破り解散したソヴィエト連邦。自由に憧れ、見習ったのは西側諸国。その体制は使い古され疲労が起きていた中古品。共産主義の苦しみと使いこなせぬ資本主義。自ら何かを生み出せない”セカンドハンド”の時代…「共産主義の終わりに死を選んだ元元帥」「元連邦内対立国で起きた男と女の悲恋物語」「地下鉄爆弾テロから生還した母と娘」「チェチェンから棺に入り戻ってきた娘と向き合う母」「ミンスクの不正選挙に対するデモ参加で拘束された女子学生」…インタビューの受け答えの中に埋まる文学。それは発掘でもあり創作でもある。

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    2023年08月05日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    戦争しても戦争しても、なお戦争を止めないこの人間の世界に訴えかけるものがあります。

    描かれているのが独ソ戦ということもあり、現在のウクライナ情勢と重なります。酷な内容ながらも知っておかなければならない、同じ地球での惨状に胸が痛みつつ、ページをめくる手は止まりませんでした。

    本書はコミックなので手に取りやすいし、状況や内容がわかりやすかったですしね。

    自由がないどころか、殺戮が仕事という戦時下の異常さ。

    ショックだったのが、毎月の生理に対して、男性の将校たちはまったく理解がないこと。
    彼女たちが歩いた後、経血がポタポタ落ちてしまったあとが残るんです。
    下着の用意もしてもらえず、血が乾いた

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    2023年07月24日