スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチのレビュー一覧
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苛烈で残酷な独ソ戦に従軍したソ連の女性たちによる、貴重な証言をまとめた作品。
祖国を守るため、軍に志願した10代の女性たち。
長かった髪は切られ、男子のような風貌になっても、待ち時間には刺繍をしたり、時には軍用品をかき集めてワンピースを作ったり、詩を朗読したり。
寒さと飢えが蔓延り、弾丸が飛び交う戦場で血みどろになっても、女は女を捨てられない。
従軍していた女性たちは戦後同性からは侮蔑され、共に戦場で戦った男たちもまた、彼女たちを守ろうとはしなかったという。
従軍の過去を隠し、何十年も沈黙を強いられた女性たちの記憶を書き残した著者の功績を称えたい。
とにかく、戦争は惨い。
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Posted by ブクログ
これはある意味で暴挙だ…。この原作をコミカライズしようと思った人たちがいることにまず驚く。原作はノーベル文学賞を受賞した旧ソ連のジャーナリストの同名ノンフィクション。
綴られているのは著者が多年に渡り収集した、第2次大戦の独ソ戦を戦った女性たちの生の証言。看護兵·狙撃兵·歩兵·斥候·兵站·司厨·パルチザン…。彼女たちは戦場で何を見たのか。何と戦い何を思い、死んでいったのか。その壮絶な真実の体験には、ただ呆然とするしかない。
「戦争は女の顔をしていない」原作:スヴェトラーナ·アレクシエーヴィッチ/画:小梅ケイト
#読書好きな人と繋がりたい -
Posted by ブクログ
ネタバレ半分まで読んで、辛くなって抜け出せなくなりそうになりやめてしまった。
もうしわけない。ただ、伝えられるべき資料であることに間違いない。
戦争に出たソ連の女たちは、そこでは英雄と称えられたのに、その過去をひた隠しにしないと戦後の社会で受け入れられず生きていけない。強くあることを求めた国や、男たちは、戦後は、血や戦いなど知らない女らしく可愛く綺麗である清楚であることを望む。理不尽な世界。
内容で印象に残ったのは、手紙を書いてくれる宛もない兵隊たちに毎日何十通も手紙を書いていたという話。「私はあなたの知らない女の子です。兵隊さん、勝利して戻ってきてくれるのはいつですか?」そうやって、私たちは戦ったり辛い思いをする誰かに愛情を注げる生き物なのかもしれない。
ベラルーシ出身の作者は、ベラルーシ自体からこの本を書いたことを非難されながらも、書き残した。残さなければいけないと、500人以上の話を聞き、それをかきとめた。やっと与えられた賞がノーベル文学賞。彼女にとって、これは努力が報われたって思ったことだったのか。国から疎まれ、送った原稿が大幅に消されて戻ってきても、繰り返し生の声を届けようとした彼女は美しい。 -
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ネタバレ原作をノーベル賞受賞前に読んで「アウシュビッツと並ぶ非人間の極北」と読書メーターに感想を書いたが、冒頭の「放射能物質と化した夫(消防士)、それを愛しつづけ子を産んだ妻」が強烈で他の話忘れていた。
②事故疎開
③無警告で兵士を徴用
④此の古い家の玄関ドアは、死者が出るたびに外され遺体を載せて運ぶのが習わしだった。そして裏面に命日を記す。
⑤奇形児
マンガでは絵が抑えられそれほど悲惨な感じはしない。ただ愛という漢字が後ろ髪引かれる形象であるように愛する悲しみ苦しみ、出産の不安、奇形児を愛し続ける母性が胸に迫る/現地名チェルノビリ原発群はキーウの北方135㎞、国境北端にあり千数百万メガワットの(フクシマと同じく自領で使わない)巨大な電力を事故後も供給していた。 -
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ネタバレ・それについて書いたものはさらに多い。しかし、書いていたのは男たちだ。わたしたちが戦争について知っていることは全て「男の言葉」で語られていた。わたしたちは「男の」戦争観、男の感覚にとらわれている。男の言葉の。女たちは黙っている。わたしをのぞいてだれもおばあちゃんやおかあさんたちにあれこれ問いただした者はいなかった。
・戦争の映画で色つきなんてありうる? 戦争はなんでも真っ黒よ。血だけが別の色……血だけが赤いの。
・老人は死を恐れるもの、若者は笑えるんです……若い人って自分は不死身だと思ってる。私は、自分が死ぬなんて信じられなかった……
・せめて一日でいいから戦争のない日を過ごしたい。戦争のことを思い出さない日を。せめて一日でいいから。
・戦争が終わったけれど、私のお父さんは決して戻って来ないんだ。戦争は終わったのに……
・ときどき泣きたくなる……でも、泣けない…… 戦争で全て忘れてしまいました。かつての自分らしい生活を。何もかも。
・死を手なずけることはできません……そう……死には慣れなかった。
・もし、戦争で恋に落ちなかったら、私は生き延びられなかったでしょう。恋の気持ちが救ってくれていました、私を救ってくれたのは恋です。
・一緒に殺してほしい。一発で一度に。死ぬ時はふたり一緒、生き延びるのも一緒と考えていたの。私たちの恋って、明日はない、今があるだけ。
戦争を繰り返してはいけない。
戦争は不幸なことしか生まれないことがさらに分かった。 -
Posted by ブクログ
悲しいというより「重い」。住み慣れた故郷を出て戦闘する男も気が重いが、故郷を祖国を守るために「死をいとわない」覚悟で「女も戦います、戦わせてください」と立ち上がる勇気(または狂気)なくしては国の存立はなかった。
ドイツの機甲師団はあっという間に首都レニングラードに迫り、油田への要衝にあるこの都市を奪われては亡国は必至となる/住み慣れた故郷を出て戦闘する男も気が重いが、故郷を祖国を守るために「死をいとわない」覚悟で「女も戦います、戦わせてください」と立ち上がる勇気(または狂気)なくしては国の存立はなかった/孤立して長い時間の待ち伏せする狙撃兵は女子に向いているかもしれない。(防衛には必然とはいえ)卑怯な手段で人を殺すことで「女の顔」が失われないか?独裁者スターリンやヒトラーは男性原理の権化 -
Posted by ブクログ
「人間の血が染み込んでいない地面は1グラムだってなかった」「それでもこれより一歩でも引けない/国全部が‥ロシア国民が滅びるか勝利するしかないとみんなわかっていたのよ」
文明社会で戦争以外ではありえない人命の浪費、停滞前線対峙の消耗戦。
人を信じないスターリンが唯一信じたのがヒトラーで不意打ちを受けた。民はドイツ軍をファシストと呼ぶが独裁者の盟約は〈石油〉をめぐって裏切り前提/勇敢な者から死んでいく/占領軍が撤退する前に旧政権協力者となりそうな者を射殺する。朝鮮戦争下ソウルでも見られた/WW2で戦略的には勝者となったソ連はダントツに多い1450万の戦死者、700万以上の民間人死者を出した(しかもレニングラード包囲戦生存者などは真相隠蔽のため戦後収容所送りとなった)。
WW2の転回点であったスターリングラードは双方の軍にメガデスが出現し別に市民60万の残存は9796名。「補充兵がやってくる 若い元気のいい人たちが/一日二日で死んでしまって誰も残らない/私はもう新しい人たちが来るのが怖かった‥」