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1941年にナチス・ドイツの侵攻を受けたソ連白ロシア(ベラルーシ)では数百の村々で村人が納屋に閉じ込められ焼き殺された。約40年後、当時15歳以下の子供だった人たちに、戦争の記憶がどう刻まれているかをインタビューした戦争証言集。従軍女性の声を集めた『戦争は女の顔をしていない』に続く、ノーベル文学賞作家の代表作。(解説=沼野充義)
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Posted by ブクログ
第二次世界大戦時に子どもだったベラルーシの人々の記録。あの戦争でベラルーシは全人口の四分の一を失った。 ドイツ軍が金髪碧眼の子どもを誘拐して、血液を採取する話がたくさん出てくる。 子どもを何かの実験に利用したのかと最初は思ったけど、もしかしたら軍人たちのための献血を強制的にさせていたのかもしれない...続きを読む。その血液採取のために、大勢の子どもたちが亡くなったようだ。
ソ連で第二次世界大戦を生きた子供達をインタビューした本。 戦争は誰が起こしたのか、と一言で言えるものではないが、少なくとも子供達は完全に巻き込まれた被害者であることは間違いない。 そんな子供達の視点だからこそ、戦争の悲惨さがわかる。 自分は良い大人だが、勇ましくもなんともないので、祖国のために戦った...続きを読む女達より、ただひたすら運命に流された子供達の方が共感し、戦争の恐怖を感じた。 ソ連で第二次世界大戦を生きた女達を書いた「戦争は女の顔をしていない」は、戦後の「戦争に参加した女性に対する社会の扱い」「大祖国戦争という祖国を守った誇らしい戦争であり悲惨さより栄光を伝える社会」など問題点にも焦点があたっていたが、こちらは戦争の悲劇が主な焦点だと思える。
戦争は女の顔していない」に続くスヴェトラーナ・アレクシェーヴィチの2作目。 独ソ戦で大きな被害を受けた白ロシアの子供たちの証言集。 そのまま読んでも相当なものだが、大木毅「独ソ戦」などで背景を知っておくと、彼らが置かれた状況がいかに過酷だったかがよくわかる。
これが戦争か、とひしひし感じる 平和に暮らしていたある日開戦し、わけもわからぬまま 逃げ出し、場合によっては捕まり、銃殺され 理不尽な非日常が日常になっていく 子供の目線でのことなので 誇張もなにもなく、あったことをそのまま ありのままに淡々と書かれているので 本当にこれが戦争なのだ、と思える一冊...続きを読む 語り継ぐべき記憶が埋もれず本になってくれたことに感謝 この作者さんの他の作品も読んでみたいと思いました
たかがインタビューとは思えない。 聴くこと、聞き出すことの難しさ。 語られることだけで大きな感動があります。
白ロシア=ベラルーシ 自分で穴を掘らせ その縁に立たせ 子どもから順に撃つ 大人が絶望するのを 見るために お腹が空いて空いて お母さんという言葉を聞くだけで 泣き声が止まらなくなる 戦争 この記憶がまだ残るのに なぜ繰り返す
独ソ戦争について全く知らなかった自分を恥じた。戦争の犠牲になるのはいつだって子供である、と心のどこかで主張してきたが、何も理解できていなかった、読み終わった今でも理解できていないと思う。 ユダヤ人の少年と行動を共にしていた子の話が印象に残っている。
「親子は別れを告げた、銃殺を待つ間に」「きれいだった母の顔が撃たれた」「お粥の行列に並ぶが、前で食べたはずの子どもはなぜか戻って来ない」「母親から子供がひったくられ火の中に放りこまれた」「空が怖くなる、吊られているのをみたから」「犬たちがくわえてきた、3歳の妹をズタズタにして」…ナチスドイツの侵攻を...続きを読む受けた当時ソ連の白ロシア。数百の村で行われた凄惨な仕打ち。4人に1人が命を落とす。当時を目撃した子供たちの証言。原題は「最後の生き証人」。残念ながら”最後”ではない。まだ、世界のどこかで悲劇が繰り返されている。
はじめに、の次2行文でやられました。これは刺激的な内容の様です。 世界は今も戦争している。戦争は歴史上途切れることなく続いている。 1941年ナチスドイツの侵略をうけたソ連白ロシア(ベラルーシ)で子供たちの証言を一つ一つ拾い上げたこの本。 何とも言えない。歴史の教科書をもっているがこの事実は...続きを読む一行も書かれていない。それはなぜか。戦争は日常であり、歴史の転換点でしか取り上げられないからだ。日常の中にどれだけの犠牲があるかを考えさせられた一冊。
今もシリアの難民たち、そのなかでやはり多くの子供たちが死んでいる状況が続いている。地球から戦火が消えない日は来ないのであろうか。なんの罪もない子供や老人が安心して暮らしていける世の中はおとずれないのであろうか。生き残った子供たちは凄まじいPTSDに苦しめられたに違いない。それを想うと暗澹たる気持ちに...続きを読む陥る。
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