スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチのレビュー一覧

  • 戦争は女の顔をしていない 1

    購入済み

    良書

    今まで知らなかった角度から戦争を捉えられることができるマンガ。

    これをきっかけに、戦争を主題とした本や映画を見るようになった。

    様々な体験者にインタビューをしてまわるという構成で、短編となっている。

    つい涙がでるような体験談もあった。

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    2020年04月09日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

    購入済み

    空を指す手

     勇敢な女たちの従軍体験記を漫画で読み易くした本と朝日新聞で見て、読んでみました。読者は絵があるので視覚的に理解でき、スラスラと読めました。しかし、作者の苦労たるや、服装にしろ、戦車や銃器などの背景にしろ、目で理解してしまうので、適当に書くことができず、きちんと考証して書いているとのコラムでしたが、本当にその通りだと思いました。
     性差による決めつけは個人的に大嫌いですが、当時も現代の私たちと同じような考えを持って戦場に飛び込んだ女性たちがいたことは驚きでした。
     男性と同じようにと言いながら、最後の最後で女であることを武器に窮地を乗り越えたのも、生死の瀬戸際では仕方ないのかもしれません。
     

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    2020年03月12日
  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

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    1991年、ソ連邦崩壊。世界史年表にしたらたったこれだけの
    文字数で済んでしまう。だが、その1行は多くの人々の生活を
    根底から変えた。

    これまでの価値観を180度変えてしまった「20世紀の実験場」
    の崩壊は、市井の人々に何をもたらしたのか。「赤い国」を
    生きた普通の声を集めたのが本書だ。

    国ががらりと姿を変える。今まで「悪」とされて来たことが「善」
    となり、「善」とされてきたことが「悪」となる。資本主義への
    移行期間に、金儲けのチャンスを見出す人もいれば、ソ連時代の
    価値観を捨て去ることへの感傷を抱え込む人もいる。

    ソ連はユートピアのはずだった。アダムとイブが住んでい

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    2019年09月01日
  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

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     ソ連崩壊後のロシアとは、明治初年度の没落士族たちがアル・カポネ支配下のシカゴに放り込まれたようなものだということがまことによく分かる。
     著者は2015年のノーベル文学賞受賞者。
     祖国ベラルーシやロシアでは危険人物扱いされて不自由を強いられているだけに、この賞もまだまだ捨てたものではないとあらためて思う。

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    2018年07月07日
  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

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    ネタバレ

    資本主義の国に生まれていて良かったと思いました。共産主義思想にどっぷり浸かっているソ連の人は、共産主義は素晴らしい、レーニン万歳!なのでしょうが、私からすれば夢も希望もない国です。おのれの人生は国の体制に翻弄されるばかり。そして、チェチェンで起こったことは、残虐の限りを尽くした報復の嵐であり、完全に人間性を喪失している。このように恐怖が染みついたロシアの外交は、想像を絶する冷淡さを内包していると思います。日本の外交は歯が立たないのではないかと危惧いたします。

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    2016年12月11日
  • チェルノブイリの祈り 1巻

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    チェルノブイリ原発事故について、また近隣の人、関わった人がどうなのか、何も知らなかった。
    この漫画は、悲しみに満ちている。 希望もなく。
    それが、本当の事なんだろう。

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    2025年11月04日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    これはある意味で暴挙だ…。この原作をコミカライズしようと思った人たちがいることにまず驚く。原作はノーベル文学賞を受賞した旧ソ連のジャーナリストの同名ノンフィクション。
    綴られているのは著者が多年に渡り収集した、第2次大戦の独ソ戦を戦った女性たちの生の証言。看護兵·狙撃兵·歩兵·斥候·兵站·司厨·パルチザン…。彼女たちは戦場で何を見たのか。何と戦い何を思い、死んでいったのか。その壮絶な真実の体験には、ただ呆然とするしかない。
    「戦争は女の顔をしていない」原作:スヴェトラーナ·アレクシエーヴィッチ/画:小梅ケイト
    #読書好きな人と繋がりたい

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    2025年06月15日
  • チェルノブイリの祈り 1巻

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    ネタバレ

    原作をノーベル賞受賞前に読んで「アウシュビッツと並ぶ非人間の極北」と読書メーターに感想を書いたが、冒頭の「放射能物質と化した夫(消防士)、それを愛しつづけ子を産んだ妻」が強烈で他の話忘れていた。
    ②事故疎開
    ③無警告で兵士を徴用
    ④此の古い家の玄関ドアは、死者が出るたびに外され遺体を載せて運ぶのが習わしだった。そして裏面に命日を記す。
    ⑤奇形児
    マンガでは絵が抑えられそれほど悲惨な感じはしない。ただ愛という漢字が後ろ髪引かれる形象であるように愛する悲しみ苦しみ、出産の不安、奇形児を愛し続ける母性が胸に迫る/現地名チェルノビリ原発群はキーウの北方135㎞、国境北端にあり千数百万メガワットの(フク

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    2025年04月26日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    プラトンが指摘する「高貴な嘘」。パウロが伝える「働かざるもの食うべからず」、それを勤労の美徳としたプロテスタンティズム。しかし、そこに転がっているのは強者に吸い尽くされた弱者の死体。本書では、それが亜鉛の棺に入れられてご帰還だ。帰還兵が持ち帰った土産品を奪い取り私物化する、強者としての税関が腹立たしい。

    一点、私には判断がつかない。著者は多量なインタビューを基に原書を出版したが、内容に虚偽、創作があると訴えられた。ソ連兵の蛮行には罪が無いとは言わないが、他人に文書化されて客観的に見る自己には嫌悪感があるし僅かな差も気になるだろう。また、本来は忘れたい行為を記録される事で傷口が開く事だって。何

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    2025年02月09日
  • 戦争は女の顔をしていない 5

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    シリーズも5冊目。今回はなんていうか前巻よりよかった。一番インパクトがあったのはやっぱり1巻で、そのせいかしばらく慣れのようなものも感じてしまってたのだけど、今回は「女らしくありたい気持ち」の話がまとまってて、戦場にあった女性についてより意識できた。

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    2025年01月28日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    悲しいというより「重い」。住み慣れた故郷を出て戦闘する男も気が重いが、故郷を祖国を守るために「死をいとわない」覚悟で「女も戦います、戦わせてください」と立ち上がる勇気(または狂気)なくしては国の存立はなかった。
    ドイツの機甲師団はあっという間に首都レニングラードに迫り、油田への要衝にあるこの都市を奪われては亡国は必至となる/住み慣れた故郷を出て戦闘する男も気が重いが、故郷を祖国を守るために「死をいとわない」覚悟で「女も戦います、戦わせてください」と立ち上がる勇気(または狂気)なくしては国の存立はなかった/孤立して長い時間の待ち伏せする狙撃兵は女子に向いているかもしれない。(防衛には必然とはいえ

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    2024年12月04日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    1939.8独ソ不可侵条約→41.6独ソ開戦、同12月モスクワ攻略失敗→反転攻勢失敗→スターリングラード攻防戦900日。ロシア民族の魂が立ち上がった「女に戦争ができないはずはない。戦わせて」真の「総力戦」社会主義国の男女同権/死傷者は枢軸85万ソ側120万、60万住民は終結時点1万。博物館には1日の配給125gパンが展示。
     WW2をソ連では大祖国戦争と呼ぶ。2000万の犠牲と焦土作戦で失われた発電所、惜しげもなく川に投げ捨てた機関車・壊した橋など交通インフラ(途絶での自損)は計り知れない。

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    2024年12月04日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    戦時中の国が本巻のテーマ?慰安婦的に女性が使われていたなんて。理容師さん、通信士さんのエピソードも感慨深い。

    p.26 私たちの歴史を書くためには、あんたみたいな人が何百人も必要よ。私たちの苦しみを全部書いて表すには。私らの数え切れない涙の粒を書き止めるには。

    p.130 あの人たちが信じたのは、スターリンでも0人でもなく、共産主義と言う思想です。人間の顔をした社会主義。すべてのものにとっての幸せを一人一人の幸せを。

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    2024年11月11日
  • 戦争は女の顔をしていない 3

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    1.2につづくソ連女性従軍歴書。必死に人を助けていたらドイツ軍(敵)兵だったお話、国のために命をかけて戦ったのに嫁入りしたら罵られた話、心が痛い?

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    2024年11月11日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    1に続く、女性の戦争体験記。日本は女性子供は守られる側の存在だったが、ソ連軍では戦力・防衛力としての働きがよくわかる書。

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    2024年11月11日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    ソ連軍女性たちの戦い。洗濯婦、狙撃手、機関士、衛生兵と、立場は様々だが、家族との別れ、生理との戦い、髪を切ること、さまざまな葛藤が当時を経験した当事者たちの証言に基づいて描かれている。マンガであることでリアルな部分も読むのが辛い部分もあるが、その分描写がリアルなのだと感じる。最後2ページの、監修の速水さんの解説が秀逸!

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    2024年11月07日
  • 戦争は女の顔をしていない 3

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    「人間の血が染み込んでいない地面は1グラムだってなかった」「それでもこれより一歩でも引けない/国全部が‥ロシア国民が滅びるか勝利するしかないとみんなわかっていたのよ」
     文明社会で戦争以外ではありえない人命の浪費、停滞前線対峙の消耗戦。
     人を信じないスターリンが唯一信じたのがヒトラーで不意打ちを受けた。民はドイツ軍をファシストと呼ぶが独裁者の盟約は〈石油〉をめぐって裏切り前提/勇敢な者から死んでいく/占領軍が撤退する前に旧政権協力者となりそうな者を射殺する。朝鮮戦争下ソウルでも見られた/WW2で戦略的には勝者となったソ連はダントツに多い1450万の戦死者、700万以上の民間人死者を出した(し

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    2024年12月03日
  • 戦争は女の顔をしていない 5

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    だんだんと読むのが辛くなってくる
    次巻は、読めるかな…

    女性が女性として、女性に扱われないって
    国のために頑張ってるのに、女子トイレも女風呂も断られるってありえない

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    2024年09月11日
  • チェルノブイリの祈り 2巻

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    前巻読んだとき、忘れてはならないし知らなくてはならない大事なことだけどでも苦しいと思った。2巻が出てるのを知ったけどでも注文はしなかった。だけど行った本屋に売っていて、やっぱり買ってしまった。
    また辛い目に遭った人がいる(おそらく今も辛い)ことを突きつけられて、読んでいて辛かった。
    だけどやっぱりとても大事なことだとも思った。漫画でとても分かりやすくダイレクトに伝えてくる。
    これを読むとやはり原発は果たして必要なのか、恐ろしいと考えてしまう。

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    2024年09月06日
  • 戦争は女の顔をしていない 5

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    男女が“平等”だと言うのは、男女が“同じこと”をするのが本当に“平等”なのか。この作品はいつも、私たちの思い込んでいる“何か”が違うと思わせているように思えてならない。

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    2024年08月28日