スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチのレビュー一覧

  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    「戦争は女の顔をしていない」2巻。

    ニーナ・ヤーコヴレブナ・ヴィシネフスカヤの第十一話が最も印象深いか。
    取材後に届いた手紙で、語った内容を否定する言葉が綴られていたこと。

    大祖国戦争に勝利した英雄と、戦争に参加した一兵士としての乖離。自分の心を殺して戦ってきた日々が終わり、戦後の日常に戻ってきても、自分自身の言葉で語ることができないというのは、心が休まる日がないのではないかと思う。
    ニーナが語ったエピソードが、日常の冗談に溢れているので、余計にそう感じてしまいます。一方で、生き死にの境をくぐり抜けてきたエピソードもあり、彼女の日常と非日常の違いはどこにあったのだろう。
    「でもあたしはここ

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    2022年02月07日
  • 完全版 チェルノブイリの祈り 未来の物語

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    チェルノブイリのドキュメンタリー。体験者の話をそのまま聞くような気持ちになる。
    とくに、子供達との会話はすさまじい
    「あちこちでネズミの死骸に出くわして、彼らは笑っていたのです。ほらね、ネズミや甲虫やミミズが絶滅しちゃったら、こんどはウサギやオオカミが死にはじめて、そのつぎはわたしたちよ。人間は最後に死ぬんだよ、と。」

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    2022年01月14日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    マンガの力で、伝えていかなければならない大事なことを残せるのはよいことだなと思う。
    書籍も読んだけれど、あの膨大な情報量の一部でもこんな形で伝えられることで、多くの人に届くことを願う。自分の身にも、大切な人の身にも起きてほしくはい、大事なこと。

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    2022年01月07日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    冒頭がちょっと衝撃的。
    ‘わたしたちは勝利の申し子 勝利国の子供たちなのだから’(p.4)
    学校の図書室の本は半数が戦争についてだったという。

    その内容は言及されていないが、おそらく、勇猛果敢に戦った男性兵士たちの勇姿と、勝ったという“正義”と“それ故の”共産主義の正当性を讃えるものだと想像する。
    それは、このコミック原作の出版交渉での出版社側からの意見から想像に容易い。

    「悲惨すぎる……生々しすぎる……」
    「共産党が指導的にリーダーシップを見せている部分はどこにあるんだ?」
    「『あの戦争』ではない!」

    日本の戦争に関する児童書は、市民の目線も前線兵士に共通する、戦時中の物資不足とそこか

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    2022年01月04日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    第一巻に続けて。旧ソ連の崩壊とともに、急速にソ連史への関心は薄れていったのではないかと思うが、「知らなかった」では済まない歴史がここにはある。歴史、過去の忘却は、ともすれば「冒涜」にもつながることを忘れてはならないだろう。続刊や、Eテレテキスト、岩波現代文庫版も、期待しながら読みたい。また、岩波新書の『独ソ戦』などにも手を広げてみたいと思う。

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    2021年08月03日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    第二次世界大戦の独ソ戦が舞台。たくさんの若いソ連の女の子たちが兵士として戦争に参加していたことをこの本を読んで初めて知った。大勢のドイツ兵を狙撃した女性、燃える戦車から兵士を救出する女性、、。なぜここまでして戦争をしなければいけないのか。

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    2021年05月04日
  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言

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    戦争は女の顔していない」に続くスヴェトラーナ・アレクシェーヴィチの2作目。
    独ソ戦で大きな被害を受けた白ロシアの子供たちの証言集。
    そのまま読んでも相当なものだが、大木毅「独ソ戦」などで背景を知っておくと、彼らが置かれた状況がいかに過酷だったかがよくわかる。

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    2021年03月01日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    戦車大隊衛生指導員であるニーナ・ヤーコヴレヴナ・ヴィシネフスカヤ曹長の話が印象に残る。
    若い女性が志願して前線へ向かい、激しい戦火の中で、必死に役割を全うする。
    生き残った本人が語る体験談も、必ずしも、事実とは言い切れない部分もあるようだ。聞き手に身内の男性がいることで、言葉が変わったり、実体験した生々しい部分は隠れてしまうこともあったようだ。
    体験談を聞く場面と、回想する場面とを行き来し、現代と当時の対比を表現している。
    この作品の行末をこれからも見届けたいと思っている。

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    2021年01月18日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    原作でとてもつらかった部分が載っている。信頼し、心を預けて語られたものが、その語り手によって否定される。本当に読み応えある。

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    2021年01月09日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    本の帯にあるように、「この本は理解するためのものではありません。理解していないことを知るための本です。」なぜ彼女たちが口をつぐんでいたのか、それを考えると胸を抉られるような気持ちになります。戦争に出たのも、そこで経験したのも、それぞれ語る人によって思いは違うが、戦後受けた周りからの目はおそらく同じようなものだっただろう。そう思うとこの本のタイトル『戦争は女の顔をしていない』というのが腑に落ちる。これは原作版を読んで気がついたことなのだが、漫画版も2巻目に入り、少しその辺についても触れられている。どこまでこの漫画版が続くのかわからないのだが、是非ともその、従軍した女性に対する世間の目のことをしっ

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    2020年12月26日
  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言

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    ネタバレ

     はじめに、の次2行文でやられました。これは刺激的な内容の様です。
     世界は今も戦争している。戦争は歴史上途切れることなく続いている。
     1941年ナチスドイツの侵略をうけたソ連白ロシア(ベラルーシ)で子供たちの証言を一つ一つ拾い上げたこの本。
     何とも言えない。歴史の教科書をもっているがこの事実は一行も書かれていない。それはなぜか。戦争は日常であり、歴史の転換点でしか取り上げられないからだ。日常の中にどれだけの犠牲があるかを考えさせられた一冊。

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    2017年06月27日
  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

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    ソビエト崩壊から現代ロシアにいたるまでのやく20年余りを生きた・生きている人たちからの聞き書き。第二次大戦を戦った人から、ソ連時代の記憶がない人まで、膨大な人たちの語りの記録。盗聴されたくない話をするときはラジオの音を最大にするとか、党員証を返却されたり夜中に投げ込まれたと思いきや、解散して発行できなくなる前に早く出してくれと頼まれた党幹部(というより地域の役員的なポジションぽいですが)の話だったり、細かな息遣いがつまった持ち運ぶのに困るぐらいの大著。やっぱりこれは文学なんだろう。

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    2017年03月26日
  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言

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    これが戦争か、とひしひし感じる
    平和に暮らしていたある日開戦し、わけもわからぬまま
    逃げ出し、場合によっては捕まり、銃殺され
    理不尽な非日常が日常になっていく

    子供の目線でのことなので
    誇張もなにもなく、あったことをそのまま
    ありのままに淡々と書かれているので
    本当にこれが戦争なのだ、と思える一冊
    語り継ぐべき記憶が埋もれず本になってくれたことに感謝

    この作者さんの他の作品も読んでみたいと思いました

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    2017年02月23日
  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言

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    ネタバレ

    今もシリアの難民たち、そのなかでやはり多くの子供たちが死んでいる状況が続いている。地球から戦火が消えない日は来ないのであろうか。なんの罪もない子供や老人が安心して暮らしていける世の中はおとずれないのであろうか。生き残った子供たちは凄まじいPTSDに苦しめられたに違いない。それを想うと暗澹たる気持ちに陥る。

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    2016年11月05日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    積読にしておきながら、こんなこと言うのもなんですが必読の一冊です。同志少女よ〜の読後にこちらの本を手に取り読み始めました。初めは夢中になり、どんどん読み進めたのですが、どうも私は口述記録というスタイルが合わないのか途中で飽きて挫折しました。同じ著者のチェルノブイリの祈りも積読になってます。いつか読み切れるかな…。

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    2025年11月28日
  • チェルノブイリの祈り 4巻

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    昔、チェルノブイリのことを知って、原爆で聞いていた症状の違いに驚いた。今回、この作品を読んで再度思った。原爆や福島の原発事故とチェルノブイリは何が違うのか。それとも知らないだけで同じなのか。

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    2025年11月19日
  • チェルノブイリの祈り 3巻

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    政治的な側面も多く描かれた巻だった。確かに国の対応はひどいんだけど、もはや人がどうにか出来る域を超えてしまってるとも思う。

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    2025年03月06日
  • チェルノブイリの祈り 2巻

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    『戦争は女の顔をしていない』のスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの同名タイトルの作品のコミカライズ化。放射線そのものの恐ろしさを改めて痛感させられる。

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    2025年02月22日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    ネタバレ

    「もし戦争で恋に落ちなかったら私は生き延びられなかったでしょう」
    「恋の気持ちが救ってくれていました。私を救ってくれたのは恋です」
    「戦争は私の一番いい時期だったの。だってあの時は恋をして幸せだったんですもの」

    戦争という凄惨な状況下においても、恋はこれほどの力をもつのかと目を瞠るような証言だった。
    著者であるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチが〈人間の生涯と同じ長さの本を書いているのだ〉と綴るほど、誰に聞いても一つとして同じ証言はなく、そしてそのどれもが現実にあったことなのだという事実に打ちのめされる思いがする。

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    2025年02月21日
  • 戦争は女の顔をしていない 5

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    戦争は男性仕様ってのも嫌な話で、そもそも暴力性を抑えることが出来れば、性別から論じる必要もなかろうに、って思っちゃう。単なる理想論だろうけど。それにしても、戦争反対。

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    2025年02月03日