スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチのレビュー一覧

  • チェルノブイリの祈り 1巻

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    ネタバレ

    1986年のチェルノブイリの悲劇は1989年のソ連邦の開放、東西ドイツの統合。そしてEUの結成で過去となった。

    あのお祭り騒ぎを覚えている一人として、どこの国の人間でも、誰であっても都合の悪い過去とは向き合いたくない、覚えていたくないのだと改めて思った。

    特に当事者以外のほとんどの人間は。

    魂を搾り出すような叫びに、広島も長崎も、福島ですら忘れている日本人を思う。

    あの悲劇の場所が戦場になっている事を考える。
    そしてプーチンがいつでも核兵器を使う準備があると言う言葉に、人は愚かでしかいられないのかと考えてしまう。

    原作と出会い、コミカライズとなるまで、私は多くのことを忘れていた一人だったのだ。

    そんな大事なことを思い出させてくれた一冊だった。

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    2024年02月29日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    戦争は怖い、恐ろしい、嫌だ、悪などの言葉で表し、現実感の伴わない世界だが、そこにで前向きに毎日を生きた少女たちの話。そこに青春があったのは確か。思い出は美化されたり更新されたり、隠蔽されたりするのだろうがこのまま埋もれさせてはいけない。インタビュアーのアレクセイを通して彼女たちの戦争について考えなければいけない。
    ソ連(ロシアやウクライナ)についてもほとんど知識のないまま読んだが、おぼろげながらウクライナの位置づけもわかった。もっと多くの人に読んでほしい。

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    2024年01月14日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    社会人になってから、近くに置いておきたい本の1つ。

    アフガンってこんなに悲惨やったんやというのと、よくもこれを出版したなというのが率直な感想。重い内容なのは間違いないのに、どんどんと引き込まれる。情景が鮮やかに浮かび情が湧きながらも、どこかでそれを冷静に落とし込みながら、アフガン帰還兵の証言と裁判に触れることができた。「戦争は女の顔をしていない」とはまた別の衝撃で、これは、本当に今のロシアがやっていることと見事に重なる。アレクシェーヴィチのようなインタビュアー・伝え手になりたい。自分の原点を思い出したような気持ちにもなって。さて、がんばるか。

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    2023年11月30日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    逢坂冬馬さんの本を読んで。
    第二次世界大戦、男だけではなく女だって、戦争に傷つけられている。
    日本だけじゃなく世界中の町や村やでも。

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    2023年11月15日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    とてもではないが、すぐに読み終えることができる本ではないと思った。いったい、この時代に生まれて、(女として)生きるとはどういうことだったのかということが、無数の人たちの語りによって眼前に突きつけられる。戦争、日常への帰還。戦争に行っていた女性への眼差し。捕虜だった兵士への祖国の仕打ち。無数の個人史が表すのは、戦争の勝利ではなく、戦争に巻き込まれ生きた(死んだ)人たちがいた、という単なる事実であり、だからこそ、「戦争」「国家」「社会体制」「時代」というものへの内省を迫るような、静かな怒りや悲しみ、威厳が一つ一つの語りから感じられた。
    「夏になると、今にも戦争が始まるような気がするんだよ。太陽が照りつけて、建物も、木々も、アスファルトと温まってくると、あたしには血の匂いがするのさ。何を飲んでも食べてもこの匂いからのがれられない!きれいなシーツを敷いても、血の匂い......」
    「戦争中どんなことに憧れていたか分かるかい?あたしたち、夢見ていた、『戦争が終わるまで生き延びられたら、戦争のあとの人々はどんなに幸せな人たちだろう!どんなにすばらしい生活が始まるんだろう。こんなにつらい思いをした人たちはお互いをいたわりあう。それはもう違う人たちになるんだね』ってね。そのことを疑わなかった。これっぽっちも。ところが、どうよ....え?またまた、殺し合っている。一番理解できないことよ......いったいこれはどういうことなんだろう?え?私たちってのは......」

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    2025年01月30日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    恋の話が多い。男には女が必要ってことなのか…?パン焼き、洗濯、郵便局員…そして、銃も持つ。女性は何でもしていたんだな。

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    2023年10月02日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    戦時下の女性たちの苦しみを、多くの人が知るべきだと思う。今もきっとウクライナ、ロシアで起きていることだ。

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    2023年09月02日
  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

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    クーデターを打ち破り解散したソヴィエト連邦。自由に憧れ、見習ったのは西側諸国。その体制は使い古され疲労が起きていた中古品。共産主義の苦しみと使いこなせぬ資本主義。自ら何かを生み出せない”セカンドハンド”の時代…「共産主義の終わりに死を選んだ元元帥」「元連邦内対立国で起きた男と女の悲恋物語」「地下鉄爆弾テロから生還した母と娘」「チェチェンから棺に入り戻ってきた娘と向き合う母」「ミンスクの不正選挙に対するデモ参加で拘束された女子学生」…インタビューの受け答えの中に埋まる文学。それは発掘でもあり創作でもある。

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    2023年08月05日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    戦争しても戦争しても、なお戦争を止めないこの人間の世界に訴えかけるものがあります。

    描かれているのが独ソ戦ということもあり、現在のウクライナ情勢と重なります。酷な内容ながらも知っておかなければならない、同じ地球での惨状に胸が痛みつつ、ページをめくる手は止まりませんでした。

    本書はコミックなので手に取りやすいし、状況や内容がわかりやすかったですしね。

    自由がないどころか、殺戮が仕事という戦時下の異常さ。

    ショックだったのが、毎月の生理に対して、男性の将校たちはまったく理解がないこと。
    彼女たちが歩いた後、経血がポタポタ落ちてしまったあとが残るんです。
    下着の用意もしてもらえず、血が乾いた軍服はガラスのようになり、当たる部分が切れたりすれたりして傷になる。
    川を見つけると、弾丸が危険だろうとも、群れをなしてザブザブ入っていくそのシーンが衝撃的でした。

    原作のレクシエーヴィチさんは2015年、ノーベル文学賞を受賞されています。
    世界中の学校で、教材として取り入れてほしい作品です。

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    2023年07月24日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    衝撃的なプロローグ、これから読もうとする全貌を示唆してくれる、著者の丹念な取材から得られた証言の数々、読めば読むほど絶望感しかない、可哀想な派遣され犠牲となった二十歳そこそこの少年たち、そして現実を受け入れきれない母たち、悲しすぎる。当時のソ連今のロシア何も基本変わってないのかもしれない。
    この作品を語る言葉「透徹」に納得する。
    以下に印象的な文を書き残す。
    ・九年もの間にソ連の製品はまったく進歩しなかった。包帯も然り、副木も然りだ。ソ連の兵士ってのは、いちばん安上がりなんだよ、なんにしても我慢を強いられ、文句も言えない。備品も与えられず、守られもしない、まさに消耗品さ。千九四一年もそうだったし、五十年度たっても変わらない。どうしてなんだ。(曹長)
    ・人間は戦地で変わるんじゃない、戦争から帰ってきてから変わる。現地で起きたことを見つめていたのと同じ目でここの物事を見つめた時に変わるんだ。現地であの生活を経験すると、伝えようのない感覚が残る。ひとつには死に対する軽視だ、死よりも重要な何かがあって、、、(狙撃兵)
    ・戦場では感情を殺す、冷静な頭脳、計算、銃こそが生命線だ、銃は体と一体化する、もう一本の腕みたいに(小隊長)
    ・これは俺たちが来るつもりだった戦争とは別物だと(大尉)
    ・すべては無駄だった(少佐)
    ・政治的過失だった、あの戦争は「ブレジネフの愚策」であり「犯罪」だった。この世界にうまく戻ってこれない、生きる事が、ただ生活を続ける事がここでは息苦しい(少佐)
    ・イスラム教は文明を前にして揺るぎなく強固だった。、、でも俺たちは祖国に対して潔白だ(歩兵)
    ・私たちは騙されたのだと気づき始めたのはまだ現地にいたところでした。悔しいのは、、まるで私たちが存在しなかったかのように消し去られてしまったことです、臼で碾かれたみたいに。もっとも不幸なことは、過去を差し押さえられてしまった(補助員)
    ・おふくろ、アフガニスタンってのはさ、俺たちがどうこうできるような場所じゃないんだ、あんなところは嫌だ行きたくない!俺は血にまみれてる、この手で人を殺したんだ、戦場から抜け出せない、俺は血まみれだ、なぁ戦死するのと生き残るのとどっちがいいんだろう、わからなくなっちまった、、(士官)
    ・今や世間は闇取引やマフィアに溢れ、みんなが無関心で、俺たちはまともな仕事には就かせてもらえない(軍曹)
    ・私たちは子供を亡くしたのに、彼女(著者)は名声を手にしているんです、、
    ・誰もソ連に来てほしいなんて思っていなかった、アフガンの人々にソ連の支援なんていらなかった、私たちは占領者だった。
    ・ベラルーシ共和国は共産主義国家の崩壊した後の世界においても共産主義の特別保護区であり続けるという悪評をもたらす、、、
    ・あの本にはアフガン戦争を企んだ大馬鹿どもによって犠牲なさせられた少年たちに対する愛がほとんど感じられない事だ。

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    2023年07月11日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    ネタバレ

    第二次世界大戦時のロシアの女性兵士の証言文学を原作とした漫画の第4巻。

    恋は戦時中の唯一の個人的な出来事であり誰もが率直には語りたがらなかったという話が特に印象に残っている。女性兵士は戦後、従軍しなかった女性からアバズレをみるような侮蔑にさらされたからだ。

    たとえば第20話の元女性射撃兵の証言。戦後、共同住宅に住んでいる女性からこう言われる。「戦地ではたくさんの男と寝たんでしょ?」。
    戦場は基本的に男の職場である。男たちは女に飢えている。そんな環境に志願していくのは男漁りをするために違いない。そんな偏見をもとに差別されたのが、義憤に燃えて国に精魂を捧げた元女性兵士たちだ。現在よりも潔癖な恋愛観の時代だったことも中傷に拍車をかけたのかもしれない。

    このようなやるせない仕打ちを受けては率直に恋愛について語りたがらないのも当然だろう。障害者のうち高齢の人ほど障害を秘匿したがるのに似ている。ハンデが露見したら露骨に差別されるのをリアルタイムで目撃あるいは経験してきたのだから。元女性兵士たちは大戦後、第二の戦争を戦ってきたのだと言えるだろう。

    それでも一緒に戦った男が理解してくれればまだいい。元女性射撃兵は復員してきた司令官と結婚するも、1年経って男の方は不倫相手のもとへ出ていった。「彼女は香水の匂いがするんだ 君は軍靴と巻布の臭いだからな」と言って。それ以来彼女は天涯孤独の身として暮らしている。国のために時間と若さを差し出した彼女にいったい何が残ったというのだろう。


    以上のように、本書では国家の統制によって戦争が青春にならざるを得なくなった人々──当人たちは自らの意思で志願したと思っている──の悲哀がそこかしこに散りばめられている。
    当局に逮捕された家族の返ってこなかった元看護婦、戦時中の極限状況で落ちた恋が今も焼き付いている元衛生指導員、戦争時の悪夢に毎晩襲われる元斥候。
    本来は自分の好きなことや好きな人に自身の時間と情熱を向ける権利があるはずだった人々の、誰一人として同じ話のない、歴史に埋もれて残らなかったかもしれない苦悩の合唱がここにはある。

    いくら国家に愛と忠節を示しても、国家は彼女たちに報いてはくれなかった。きっと国家にとっては意味があったのだろう。しかしいったい、彼女たちはなんのために戦っていたのだろうか。読み終わったあとはひたすら沈痛の念が胸を渦巻いた。

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    2023年05月05日
  • 戦争は女の顔をしていない 4

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    ネタバレ

    冒頭の過去の日記を読む、そこを考える。
    彼女は今、過去をどこで振り返っているのか?

    語られる多くの戦争の先に、また戦争があった。絶望はたやすいが、私達はまずこの愚かしい戦いを終わらせなくてはならない。

    そこにも多くの顔のない人々がいる。
    私は過去に戻ってはならない。
    だからこそ、読んでいた胸が痛む。

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    2023年04月28日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    偉大で強大なロシア帝国の実現のために共産主義を利用したので、ソ連という国はこんなに不合理で歪んでいるのか?
    ロシア・ウクライナ戦争がはじまってからロシアに関する本を続けて読んでいる。まるでロシアではソ連が今も続いているみたいだ。一時期はロシアでも民主主義が力を持ちつつあると、思えた時期もあったと思ったけど…
    プーチンによる歴史修正によってソ連が復活してしまうのか?そんなことにはなってほしくない。

    演習へ行くと言われて、戦争へ連れていかれた若い兵士たちの声がロシア・ウクライナ戦争がはじまった当初は多く聞かれた。
    アフガニスタンへ兵士を派遣するときも、ソ連は開拓地へ行くようにと飛行機に乗せて、アフガニスタンへ連れていくということをしていたようだ。

    「大騒ぎになった。恐怖とパニックでみんな動物みたいになって――妙におとなしくなったり、猛り狂ったりしてる。悔し涙を流す奴、硬直する奴、信じがたく卑怯な手で騙されて錯乱する奴。だからウォッカなんか持ってきやがったんだ。俺たちをなるべく簡単に、楽に丸め込むために。ウォッカを飲んで頭に酔いが回ると、逃げ出そうとする奴らや、将校に喧嘩をふっかける奴らも出てきた。でも陣営は自動小銃を持った兵士たちに包囲されていて、そいつらがみんなを飛行機のほうにじりじりと追いつめていく。そうしてまるで荷箱を放り込むみたいに、俺たちは空っぽの鉄機体の腹に詰め込まれた。
    そんなふうにして俺たちはアフガニスタンに行ったんだ……。」p.53

    「帰る前には政治将校たちに、帰還後に話してもいいことといけないことを教え込まれた。戦死した者について語ってはいけない、我々は強大な軍隊なのだから。新兵いじめについても広めてはいけない、我々は強大で模範的な軍隊なのだから。写真は破り捨てること。フィルムも破棄すること。ここで我々は銃撃戦もしていなければ、砲撃も毒殺も爆破もしていない。我々は強大で世界最良の軍隊である……。」p.87

    そして帰ってくると、祖国は戦争に行く前の祖国では無くなっていた。正義と言われていた戦争は恥ずべき愚行となり、国の命令に従った兵士たちは人を殺すことしかできない怪物扱いで置き去りにされた。

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    2023年03月31日
  • 完全版 チェルノブイリの祈り 未来の物語

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    ロシア・ウクライナ戦争がはじまって、いま起きていることを理解したくてスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの本を読みはじめた。

    311が起きた時もこれからどうなるのかをチェルノブイリから学べるかと、本を読んだりドキュメンタリーを見たりしていた。
    その結果としては何もわからないままで恐怖が残っただけだったけど。
    新宿御苑で汚染土を使った実証実験が行われると聞いて、また少しずつ放射線に関する本を読みはじめている。
    この本を読んだ印象では、福島の事故で出た放射線はチェルノブイリよりずっとマシだったみたいだ。
    311の頃は「直ちに影響はありません」を聞くと一体何言ってるんだと混乱が深まるばかりだったけど、今考えると本当に不幸中の幸いで、チェルノブイリほどの深刻さに陥らずに済んだ。

    ソ連の時代の人は、ソ連人というアイデンティティを持ってた人も多かったんだ。そのことに驚いた。この本に出てくるのはベラルーシ人がほとんどなので、すべての元ソ連の国々の人に当てはまるかはわからないけど。

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    2023年03月07日
  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言

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    第二次世界大戦時に子どもだったベラルーシの人々の記録。あの戦争でベラルーシは全人口の四分の一を失った。

    ドイツ軍が金髪碧眼の子どもを誘拐して、血液を採取する話がたくさん出てくる。
    子どもを何かの実験に利用したのかと最初は思ったけど、もしかしたら軍人たちのための献血を強制的にさせていたのかもしれない。その血液採取のために、大勢の子どもたちが亡くなったようだ。

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    2023年02月08日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    本の存在意義をしみじみ感じています。
    女性なら誰もが手にとって読んでみてほしい。思い知ってほしいです。戦争は女の顔をしていないということを。

    名著だからと手に取りましたが、とても分厚く内容も重く読み進めるのに時間がかかりました。でも1/4も過ぎた頃でしょうか、この本の意義、この本を読む行為の重要性を自分なりに理解し、胸が震え、本の読み始めの時とは変わって、ページをめくる手が止まらずエピソードを自分の中に蓄積していくかのような不思議な感覚になってきます。読んでも読んでも救われることはなく地獄という一言で片付けられることもないような悪夢のようなひどい現実を知り、時にあまりの衝撃で開いた口が塞がらないことも。

    構成も詳しい内容も知らずに手に取り、最初はインタビュー集のような形に少し戸惑いました。
    でも、読み進めることで、これだけの証言が集まってこの太さの本になっている、その厚みを手で感じながら本を読むという行為自体もこの本の力なのではないかと思わされました。
    だからこの本は電子書籍ではなく、紙の本で手に取ってほしいなと思いました。

    今まで、戦争のドキュメンタリーを学校の授業で見たり、戦争経験者の話を修学旅行で聞いたり、ひめゆり、広島原爆、長崎原爆の資料館を訪れたり、触れては来ましたが。まだまだ何も知らなかったのだなと気づかされました。
    タイトルが秀逸でそれに尽きると読後感心。本当に、そう。

    現実の話とフィクションの話を並列で語るなと怒られそうですが、
    漫画で、みんなのために戦った人たちが体の一部を失って体力も著しく低下してしまう様子を見て胸が締め付けられました。人のために頑張ったのに、どうして、と。
    国のために戦場に出て死力を尽くして生きて戻っても、ありもしない疑いで蔑視されたり、お嫁の貰い手がいない人もいたり、戦争に関わったことを隠したくて証明書も破棄して障害者としての保護を受けない人がいたり。
    あれだけ苦しい目にあって、報われないのか。戦争勝利の後の苦しさ、どれだけ時間が経っても戦争は思い出したくない恐ろしいもの、、

    ひめゆりの資料館に行ったのはだいぶ前のことだったのでうろ覚えではありますが、ひめゆり学徒隊が招集をかけられた時、女生徒はうきうきして準備をしたといったようなことが残された荷物の展示とともに書かれていたと記憶しています。
    戦争の酷さを知らなかったというのは半ば信じがたい衝撃的なことでありますが、時代なのでしょうか。今、現代を生きる私たちはこうして先人たちが残してくださった貴重な証言や記録を目にすることができ、まだ幾人からは直接話を聞くことも可能です。
    その財産を絶対に無下にはせず、戦争は起こしてはならないはずなのに…。

    戦争に向かって行っているように思われてならない今日この頃。
    自分が巻き込まれてどうしようもなくなったら、この本の中で書かれているように敵に立ち向かうようになるかもしれないという思いが頭をよぎった。
    その最中になったらどうかわからないけれど、でも、やっぱりそういう考えの前に、戦争に絶対ならないために尽力していきたいと思った。

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    2024年12月25日
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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    「戦争は女の顔をしていない」の著者であるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ氏の著書『亜鉛の少年たち』を読みました。

    1979年から1989年までの約9年間行われた、ソ連によるアフガニスタンへの軍事派兵。

    この本は、アフガン侵攻に派兵されて帰還した兵士や看護師、そして彼・彼女らを送り出した母親たちの証言をもとにした「ドキュメンタリー小説」でした。

    前線に送られ戦死した10代の少年たちの遺体は、密閉されて遺族も開けることが許されない「亜鉛の棺」に入れられて戻ってきたという。
    そして、帰還することができた少年たちは、戦場での生活で心が凍りついてしまい、まるで金属のようになっていることがある、という意味も題名に含まれているのだとか。

    「戦争は女の顔をしていない」と同様に、帰還兵や戦死した兵士の母親へのインタビューを淡々と並べたもの。リアルで生々しい戦場での出来事や、帰還してからの生きづらさや、息子を失った悲しみ、怒り、それらを、証言者の言葉として並べていく。

    「戦争は女の顔をしていない」(第二次世界大戦中のドイツ侵攻から祖国を守った「大祖国戦争」の記録)と違っているのは、アフガニスタンへの派兵が、のちに国際社会から「政治的過失」と呼ばれる派兵であったこと。祖国を守るのではなく、他国に侵攻するものであったこと。

    そして、もう1つの違いは、この書籍が、出版後に一部の証言者たちから訴えられ、裁判となったこと。

    私が読んだ版(原書が2013年に出版されたもの?)には、その裁判記録が追加されていました。

    アフガニスタン派兵が「国際友好の戦士」「アフガニスタンの地で道路や橋を建設し、人々から感謝されている」というふれ込み(刷り込み?)で戦地に送られ、そこでアフガンのパルチザンたちとの血生臭い戦闘を経験し、軍の中での新人いびりや差別があり、時には人道的ではない行動を強制され、戦死すれば亜鉛の棺に入れられて(遺体が入れられているとは限らないけど)、家族のもとに返される。「国際友好」とは名ばかりで、国際社会から「政治的過失」と見られる軍事行動であったことで、全てをなかったこととして処理される……。

    祖国(ソ連)に「騙される」形で国際的犯罪に加担させられてしまった末端の兵士たち。著者のアレクシエーヴィッチ氏は、信頼関係を築いたうえで証言をしてもらい、それを文章にしたはずなのに、ソ連崩壊後に独立したベラルーシにおいて、何人かの証言者から裁判が起こされた。アフガン侵攻という記録があってはならないと考えた黒幕が証言者たちを、また「騙して」裁判を起こさせたのかも…。


    兵士たち、母親たちの証言を読むのは辛いものでした。
    きっと実生活では普通の感覚を持っていた少年が、過酷な生死を分ける戦場で感覚を失っていく。普段ならしない犯罪的行為もおこなってしまう。むしろ、犯罪的行為を「みんなで」行わなければ、その集団の仲間と認められないような状況。

    これを読んでいる2022年。ロシアがウクライナに侵攻している。ロシア軍の去った後の村での惨状や、一般人や一般人に影響を与えるインフラを狙ったミサイル攻撃の報道が日々更新されている。多分、「亜鉛の少年たち」の中の少年たちのように、祖国に「騙されて」派兵され(私たちの感覚では)犯罪、と呼べる行為をしてしまう。

    「俺はごく普通のソ連の若者だった。祖国は俺たちを裏切らない、祖国が俺たちを騙すわけがない!と思っていた。」



    大義がどこにあるのか、政治的な駆け引きとして何が許されるのか、一般人の私には線引きはよくわからないけれど、「戦争」とか「侵攻」とか、そんな判断をすること自体が犯罪なのだと思う。一般の私たちは、この本を読めば、戦争、というものを起こしてはいけないんのだと気が付く。けれど、どこかの国とかどこかの国とかどこかの国とかのトップは、この本を読んでも何も感じないんだろう。

    どこかの国のトップには、見えているものが違うんだろう。

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    2022年11月27日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    戦争に積極的な女性たちに驚いた。
    戦争での女性の役割
    戦後の母国での対応
    生き続ける
    語るときの雰囲気、空気
    作者の聴く姿勢

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    2022年11月22日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    原作より先に漫画を読んで良かったかもしれない。
    少女達は可愛らしい絵柄で読みやすいのだが、『戦場』を書く上ではどれだけの想像力を要しただろう。 特に三巻目が一番衝撃だった。少女達はもちろん、幼い子供達にとっても『戦争』は、決して拭い去れない記憶だ。 何よりも十代の少女達が自分から前線へと志願していく姿(時に男性以上の熱量を持って)、スターリンによる統制教育など、現代で生きる日本人ならなおさら想像し難い。女性が銃を撃つなんて、まず想像できない。『女性』であることの誇りを捨てざるを得なかった戦場で、少女達を突き動かしていたものはいったい何なのか。原作も読まなければ。
    戦争は『記録』に遺された正しい事実以上に、『記憶』の中でなお息づく物語の中に見えるものがあると痛感した。

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    2022年10月10日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    第二次世界大戦時、独ソ戦にて戦場にいた『女』兵士たちの声が聞こえる。戦争に男も女もなかったのだと思わされる。ソ連軍に多くの女性が志願したことに驚かされる。狙撃兵、パルチザン...本書の証言は生き残った女性の声によって成り立っているが、当然、亡くなった女性も多かったことだろうと思う。ひとりの女性が戦っている姿が見られるが、彼女たちは『何と』戦っていたのだろうか。戦争とはそういうものなのかと思い知らされる。

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    2022年10月07日