横溝正史のレビュー一覧
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上下巻セットで、既に下巻も読み終えてしまってるのですが、上巻の終わりまでの時点で抱いた感想を書きます。
横溝正史が最後に綴った金田一モノということらしいのですが、これまでに角川文庫で出ている金田一シリーズをほぼ読んできた身として言うと、初期の作品の方が面白いかな、という感じ。
時代はこの作品の方が今に近いので理解しやすいかと思いきや、実は横溝作品のほとんどは岡山とその周辺の、当時でさえ「過疎地」とされた辺鄙なところが舞台なので、風習については昭和初期並みに昔の話になってしまい、むしろ理解できない。完璧に、舞台の向こうの話として傍観するしかないです。まぁ、これは古い小説を読む時には仕方ないことなんですが。
さて、改めて書評。
全体を通じて冗長な感がありました。上下巻にするぐらいのボリュームの割に、密度の濃い小説という感じがしません。同じ描写を繰り返したり、金田一や他の登場人物が頭に描いたことを、口に出す時にまた改めて「文字として」書いているから、というのも、そう感じさせる要因かもしれません。
とにかく推理小説である以上、たいていは人が死なないと始まらない訳ですが、事件のきっかけとなった殺人こそ冒頭に出てくるものの、舞台が具体的に動き出すための殺人が起きるのは上巻のほぼ終わりごろ。ここまでは、ずーっと島の描写やら聞き込みの内容やらが続くので、我慢して読まねば!という感じです。
下巻でどうまとめてくるのかという期待は抱かせますが、決して読みやすくはないので、☆は3つです。 -
Posted by ブクログ
『真珠郎』に続き由利先生シリーズ、但し、こちらはお初。
とは言っても、むか~し、これを少女マンガらしくコミカライズした
高階良子『血まみれ観音』を読んだので、大筋は了解した上。
……で、ビックリしたのは、
あのマンガは物凄く大胆な翻案だったんだな~、
でも上手く纏まっていて、よく出来た話だったな~、ということ。
ストーリーは、
ならず者を殺害した容疑で拘束された美青年が逃走したところから始まり、
この青年の肩に人面疽(瘡)があって、
しかもそこに秘密が隠されているらしく、彼を追う者たちがいて、
名探偵・由利麟太郎と新聞記者・三津木俊助のコンビが謎解きに奔走する
――といったところ。
地の文からして悪ノリ加減というか、筆が滑っているというのか、
時にコミカルにも受け取れるはっちゃけぶりが、
いかにも作者自身が楽しんで書いていたかのようで微笑ましい。
事件を追って東京(主に両国方面と銀座および池袋周辺)を駆け回る
由利&三津木の二人「中年探偵団」の活躍を堪能(笑) -
Posted by ブクログ
金田一が出てこない横溝作品集。書かれた年代もバラバラのようで、作品としても佳作もあれば何だこりゃなものもあり。表題作の『双生児は囁く』以外は、推理小説としては長さとしてもトリックとしても物足りない印象です。
全体的に、横溝作品の絶対的なテーマである「大正から昭和にかけての仄暗い空気感」と、「金持ちは必ず外に妾を作り、本妻が生んだのと同じ年の隠し子を作っておかなければいけないというある種の義務感」(笑)に包まれてるので、その辺が抑えられれば話の展開も読みやすくなります。
全体的には、まぁよほどの横溝ファンでもなければ手を出さなくてもよいでしょう、という印象です。 -
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巷では『ビブリア』のドラマ化のキャスティングの是非が話題のようだが、映像と原作は別物と考える私からすると、不毛な議論に思えて仕方ない。
原作。コミック。そしてドラマ。
子供につきあって、すべてに目を通したが、まあそれぞれいいのではないか。
それより世の中には色々な失敗作がたくさんある。
原作のイメージぶち壊しの設定変更。
芸能界の事情丸出しのキャスティング。
時間やスポンサーの縛りで変わるストーリー。
若いころはその一つ一つに目くじらを立てていたものだが、
裏切られ、
失望し、
幻滅し、
そのようなもの、と思えるようになってきた。
映像と原作は別物。
うまくいくこともあるし、逆もある。
さて、私の金田一耕助との出会いと言えばドラマ。
古谷金田一のドラマをよく見ていたが、原作を読んだのはそのずっと後だった。
したがって、原作を読みながらも、あの映像が思い浮かんでは来るが、決して邪魔ではない。どちらかと言うと、映像を見たことがない人は金田一の姿恰好など想像しにくいのでは、と思える。
お釜帽???と。
そして、あの音楽。
懐かしい。
しかし。
この作品、劇場まで足を運んだはずなのだが、まったく中身を覚えていない。
タイトルの強い印象は忘れがたいのだが。
さて、後半はいかに。
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金田一耕助短編集
<殺人鬼>
探偵小説家・八代が知り合った女性・加奈子は復員してきた夫・亀井にストーカー行為を受けていた。
おびえる加奈子の不安は的中し、同居している賀川が殺され、自身も殺されかける。
賀川の妻・梅子が警察からの取り調べ中に服毒自殺をしたり、ゴミ溜めからステッキやら偽の義足が見つかったり。
本当に「殺人鬼」は亀井なのか?
金田一の出番は少ない!八代の手記という形で展開されていく。
戦後の混乱期ならではの事件。
<黒蘭姫>
エビス百貨店で起きた万引き女による店員殺害事件。
同じ建物の喫茶店では百貨店の元従業員が毒殺されていた。
万引きしても見逃される「黒蘭姫」の正体とは?
等々力警部がチラリと出てきます。
金田一にしては犯人の予想がつけやすいお話。
<香水心中>
依頼の為、等々力警部と訪れた軽井沢で男女の心中死体が発見される。
男の方は依頼人の孫であった。
依頼が取り消されたり、再度申し込まれたり…
食い違う死亡推定時刻と目撃証言。
腹の大きな招かれざる女。
<百日紅の下にて>
焼け野原となった屋敷跡で向かい合う戦場帰りの金田一と佐伯。
妻の一周忌に起こった毒殺事件の真相は?
この後に金田一は獄門島へ!
2012/12/08-09 -
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『睡れる(ねむれる)花嫁』は、あるアトリエで起こった昔と今の事件をテーマにしたミステリー
『湖泥』は、ある田舎にある北神家と西神家の対立を背景に起こった殺人ミステリー。
『蜃気楼島の情熱』は、あるアメリカ帰りの紳士が竜宮城のような建物を沖の小島に建て、そこで起こった殺人事件。
『蝙蝠と蛞蝓』は、金田一耕助を怪しむアパートの住人が嵌められた殺人事件。
『人面瘡』は、姉が妹を2度殺したと訴え、その直後妹が死体で発見されたミステリー。
どれも似たようで、それぞれのストーリーがあって、すべて楽しめて読めました~。
今時の科学捜査でなく、金田一の頭脳で事件を解決するところが読んでて面白い。
しかし、私の金田一耕助のイメージって、「のっぽさん」なんだけど。。。。変かな? -
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ネタバレ短編集
「七つの仮面」:聖女の皮をかぶった娼婦・美沙を巡る男女のいざこざ。
「マリア様が見てる」の過激版のような…金田一はチラリとしか出てきませんが美沙の語りがいいです。
「猫館」:女占い師と飼い猫が殺害される。何故犯人は女占い師の上着だけを脱がせ、数多くいる猫のうち1匹だけを殺したのか?そして内弟子の女の行方と裏に住む男やもめの画家は事件に関わっているのか?あっさり終わってしまいます。
「雌蛭」:珍しく金田一耕助自身が冒険します。洋服まで着て!
あるマンションの部屋からハンドバッグを取ってきて欲しいという依頼を受けた金田一がその部屋で発見したのは硫酸を掛けられ息絶えている男女の死体だった。ハンドバッグの持ち主は男の元妻。現場からコンパクトを持ち出した男と被害者の関係は?元妻の行方は?
「猟奇の始末書」:白浜海岸の洞窟でナイトクラブの女が殺されているのが発見された。胸には金田一の先輩である三井が所有していた矢が深々と刺さっている。驚かすために崖めがけて打ったという三井。あり得ない角度で刺さっている矢。ラストはちょっとがっかり。
「蝙蝠男」:試験勉強に勤しむ少女が見た向かいのアパートでの惨劇。死体はそこからトランクで運ばれていた。シルクハットの蝙蝠男の正体は?なんともあっさり解決。目撃証言をしてくれた少女へ合格記念を贈るなんて粋な金田一が見れる話
「薔薇の別荘」:体の不自由となった戦後の女傑が別荘に親戚一同を呼び寄せる。その場には奉公人である三枝子も出席せよという。約束の時間になっても現れない女傑は密室の中で絞殺されていた。ラストはちょっといいはなし。
2012/11/04-05 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『生ける死仮面』:美少年の死体と彼から作ったとされるデスマスクを愛でていた芸術家が逮捕される。その直後に顔をしつようにつぶされた男のバラバラ死体も…異常愛の果ての凶行かと思いきや、実際は財産目当ての事件。それぞれの遺体は一体誰なのか
『花園の悪魔』:ヌードモデルの死体が花壇で発見される。いっしょの宿に泊まったとみられる男に手配がかかるが1年経っても消息がつかめない。実はモデル殺しはカモフラージュのための殺人であった
『蠟美人』:腐敗した死体の骨から生前の顔を再現したところ、それは良人殺害の容疑で手配中の銀幕女優だった!世間を騒がせた直後、復元した学者が殺害され、蝋人形も破壊されてしまう。遺体は本当に女優・マリだったのか?
『首』:約300年前と同じように首は獄門岩に、胴体は首なし淵にという凄惨な事件を金田一が調査している最中にまたも同じような事件が!しかし2つの事件に共通する関係者は皆無。これのみ磯川警部が相棒
2012/11/02-04