山崎ナオコーラのレビュー一覧

  • 母ではなくて、親になる

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    ネタバレ

    出産・子育てエッセイとありますが、それだけを書いているわけではありません。一つ一つのことをすごくじっくり考えられる方なんだなあという印象です。普段エッセイは、軽い読み物として手にとりますが、これは重かった。一気には読めない感じです。

    これまでの「普通」が通用しなくなってきている時代。ありのままでいい、とは口で言うのは簡単ですが、とても難しいことです。山崎さんは、「性別にしばられてほしくない」「外で固定観念を植え付けられてくるのでは」と悩まれていました。確かにそれはそうなんだけど、思いが強すぎると逆に親の思想でガチガチになりそう…と感じます。
    たくさん考えて、それを人と共有して、見聞を広げてい

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    2021年07月31日
  • リボンの男

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    主夫?主婦?専業主夫の時給はいくらなんだろう?
    3歳児のタロウと妹子、幼稚園に通う河川敷で耳目にする自然とともに成長する二人、そんな彼は経済活動をしていないのだろうか?タロウとの小さな世界は可能性に溢れている。

    「お父さんはヒモじゃなくて、リボンだね。」
    タロウのそんな一言が、妹子の心を優しく解きほぐし、新たな一歩を踏み出せた。


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    2021年07月29日
  • かわいい夫

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    『オーダーが通らない』

    「じゃあ、そういう星の下に生まれたと思うのがいいかもね。 他の人に先にごはんを譲る人、ということで。 思い通りの食事ばかりする人生もつまらないしね」
    私は言った。

    大爆笑してしまいました。
    なんともユーモラスでほんわかしたご夫婦でしょうか。 色々な夫婦の形があり、時間を掛けて二人で作り上げて行く楽しみを教えてくれたような気がします。

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    2021年07月02日
  • ボーイミーツガールの極端なもの

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    初めて読んだ作家さん。
    表紙に一目惚れしました。
    家族の短編で、それぞれにサボテンが出てくる。
    極端なラブストーリーだけど、なんとなく情景が浮かんできて、おもしろかった。

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    2021年06月30日
  • むしろ、考える家事【電子特典付き】

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    2人目を出産されて、益々忙しい日々のナオコーラさんの家事に対する考え方が面白かったです。私は家事を考えながらするタイプでは無いので特に興味深ったです。アートとゴミの境目なんて見出しを読んだだけで笑ってしまいました。アートと思えばアートだし、ゴミと思えばゴミになるので、処分する線引きが難しいですよね。子育てと家事と仕事のペース配分に無理がかかっている感じに思えましたが、ナオコーラさんの次回作を楽しみにしています。

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    2021年06月22日
  • カツラ美容室別室

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    ゆるい感じだけど、時々ハッとするような洞察がピリッと差し込まれていてドキッとする。
    ああ、こんな闇鍋みたいな心持ちのこと、あるよねえ、なんでバレたんだろう、みたいな。

    その鋭さが、江國香織さんの小説ほどあからさまでないから、かえってお腹に応える。
    それでも、つるりと読んでどこかに残る。衝撃的なところがないだけに気持ちのいい読後感。

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    2021年06月20日
  • むしろ、考える家事【電子特典付き】

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    家事育児でも社会を回している。オン状態である。外に出て人に会うだけが社会参加ではない。というような、著者らしいパンキッシュな社会への提案。
    時短には限界があってゼロにはならないから、むしろクリエイティブとして家事育児を行おうというのは、たしかに!とも思った。心を無にしてやるよりか楽しい方がいいし意義がありそうだけど、でも、実際は勝手に手が動くくらいのルーティンになってる方が楽なんだよな…。
    なんていうか、もう少し面白くなりそうなところで終わっちゃうような…。と思いつつスラスラ読めるからやっぱり面白いのかな…。そんなに躍起になってに家事の地位を上げなくても…みたいな気持ちになってしまうんだけど。

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    2021年06月16日
  • 私の中の男の子

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    山崎ナオコーラさんは、身体的特徴による性差やジェンダーに対しての独特なアンテナがあるように思う。
    今作は不思議な自分の性への捉え方だった気がする。
    女性として見られる前に作家として捉えてほしい。
    自分の中に男の子がいる。
    彼女なりの苦しみやもがきも描かれていたように思う。
    目からうろこの発想だったり、気づかされるたびに、自分もしがらみにとらわれているのだなと気付かされる。

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    2021年06月04日
  • むしろ、考える家事【電子特典付き】

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    金を稼ぐから偉い、偉くないとかじゃない。家族の大黒柱を始めたばかりで色んな感情があるけど、こういう考え方もあるんだなとなんとなくほっとした感じ。

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    2021年05月05日
  • ブスの自信の持ち方

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    自分の中で深く根付いていた差別意識を明確に自覚した。
    私は、私を若い女だという理由で当然のように差し出させようとしていたおじさんたちに多分ずっと憤っていたと思う。
    笑い流したり受け流したりしながらちょっとずつすり減って行く私を見ながら何も救ってくれなかったおじさんという属性を私はきっと今も憎んでいる。
    ただ、だからといってその属性にいる全ての人にこの気持ちを向けても良いのでは無くて。
    自分を正当化してきたこの気持ちこそが差別なのだとやっと気づけた。

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    2021年04月18日
  • むしろ、考える家事【電子特典付き】

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    同じくらいの年齢の子どもがいるので、わかるわかるとサッと読み。「時短」「シンプル」が良しとされている家事だけど、楽しみを見出すこともできるよね。

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    2021年03月27日
  • お父さん大好き

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    「お父さん大好き」は好きだ。
    「手」もナオコーラワールドで、まぁおもしろいけど理解できるかといえばできない。

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    2021年03月27日
  • カツラ美容室別室

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    根っから楽しいような、みんな闇があるような、曖昧な感じ そのまま結論を出さないでいる感じも
    高円寺という街そのもの

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    2021年02月23日
  • 浮世でランチ

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    思ってもみない内容で正直頭が追いつかなかった。もっとじっくり噛み締めながら読めばもっと高く点数をつけられたかもしれない。主人公の、どこか偏った自分ルールに縛られている(本人はそう思わないのだろうが)ところが共感できた。わたしも自分の個性を出したいがためにおかしな方向に尖ろうとしたことがある、があまり思い出したくはない。けどそんな自分も受け入れながら堂々と前に進まなければならないのかもしれない。

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    2021年02月22日
  • 母ではなくて、親になる

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    『母ではなくて、親になる』というタイトルからまず考えたのは、ジェンダーについての問題を含んでいそうだということ。母になるということはつまり世間一般にいう「お母さん」になるということ。「お母さんにはならない、私は親になるのだ」というこのタイトルには、性別的な役割の違いを限定せずに、ときには父親的に、ときには母親的に振る舞うことの意思表示だと思う。

    ボクが子育てをしていてよく思うのは、母親はこうあるべきとか父親はこうあるべき、なんて時代はひと昔前に終わってるよなぁということ。
    父親が子どもたちの面倒を見つつ晩御飯をつくる。その間に、母親はゆっくり友人とお酒を楽しむ時間にしたっていい。どっちがどっ

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    2021年02月21日
  • ベランダ園芸で考えたこと

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    ベランダ園芸を始めたので読んでみた。
    私は今まで花の苗を買ってきて植えたことしかなかったが、この本では種から育てることの面白さや深さを、どうしてそう感じるのかということが掘り下げて書かれていた。
    普段ぼんやりと感じていることが明文化され、なるほどと腑に落ちることだらけで、これはもう種を撒くしかないと思った。

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    2021年01月31日
  • 私の中の男の子

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    「母ではなくて親になる」を読み、ナオコーラさんの性別に対する考え方がおもしろいなーと思って読んでみた。

    小説家になったとたんに「女性作家」と取り沙汰され、外見をネットでたたかれて…という導入部、本が売れなくて悩む…というあたりは、エッセイで読んだナオコーラさん像と重ねあわせて読んでしまった。
    だからなのか、主人公の雪村の行動が急に極端に感じてしまって、半分過ぎた頃からついて行かれなくなってしまった。
    小説の雪村と、作者は別人格、小説はフィクションである、とわかってはいるんだけど。
    胸の切除(乳腺の切除ではなく、乳房のほう)、ネパールへ行きエベレストを目指す…。
    唐突すぎて、え?!と驚いた。

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    2020年12月24日
  • ブスの自信の持ち方

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    途中まで「そうそう。これを中高生の時に読みたかった!」と得心しながら読んだが、後半は著者の写真騒動とか個人的な怨念と拘りが強すぎてちょっと怖かった。

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    2020年12月12日
  • ボーイミーツガールの極端なもの

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    ナオコーラさんの本は実は初めて読みました。

    確かにタイトル通りの極端なボーイミーツガールの短編集。3編ずつ短編が3セットあり、合計9編の物語。セット感も緩く繋がっており、少し違うセットの登場人物が顔を出したりします。私はこういう演出が大好物。

    それぞれの物語の冒頭に象徴的なサボテンが写真付きで紹介されています。そして、物語の中にサボテンがそっと登場する。こんなにいろんな場面や人に寄り添えるくらいサボテンって種類が多いんだなと素直に驚きです。

    お気に入りは、入鹿くんと勇魚(くじら)くんの海獣兄弟の物語。兄のクジラくんは引きこもりで松田聖子の動画を漁る日々。対してイルカくんは勉強、運動どちら

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    2020年12月07日
  • 可愛い世の中

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    豆子はプライド高くて、素直にありがとうが言えなかったりして、共感はしがたかったけど、世の中の女性に対する考えを書いていてよかった。

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    2020年11月30日