山崎ナオコーラのレビュー一覧
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前半は園芸の話が中心でよかった。ベランダで育てるので身近に感じられ、やり方も具体的に書いてあり、イメージしやすかった。スーパーで買ってきた野菜からバラまで、手広くやっているのも面白い。また、正しいやり方だけでなく、うまく育てられなかった話まで赤裸々なのがリアルでよかった。失敗談がのっている方がハードルが下がって、始めようとする気持ちが起こりやすい。読んでいくうちに、どれ、ネギでも育ててみるか、という気持ちになれた。しかし終盤にかけてが、少し頂けなかった。ベランダ園芸に関係のない、著者の愚痴のような自慢のような、考察の欠片もない垂れ流しの文章で、それまでのよさが消えてしまっていた。園芸をしようと
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Posted by ブクログ
ネタバレ19歳で作家になった雪村の女である容姿と自分の中にある男の部分。
作家ではなく、女性作家と言われるようになったことで
雪村は自分が女性だと見られていることへの違和感。
担当編集者の紺野にたいする思いが、果たして同志なのか恋なのかわからなくなり、
いっとき紺野と距離を置いてみたり
大学で知り合った時田との波長の合っている感じが、友情なのか恋なのかわからなくなったり
作家業に専念し、女性としての胸を取ってみたり、時田と恋人関係になったときもあった雪村だったが
山に登ったり、ジョギングをしたり、ジムトレーナーの服部との出会い、食事とまじめに付き合っていくことで
自分の性別と折り合いをつけていく -
Posted by ブクログ
物語の流れや構成というよりも、主人公が心の中で会話の相手に突っ込む場面、その一言が妙に心に残る作家だと思う。
4つの短編はそのどれもが「おじさん」と「少女」をテーマにしているが、中でも「手」は明らかに「おじさん」を人生の研究テーマに据えている「少女」(とも呼べない年齢の女性)が主役だ。
女は若ければ若いほど素敵、と思っているおじさんに対し、
女は若ければ若いほど素敵という思いがあるから、女に対して「若いね」と言うことが褒め言葉になると考えるのだ。だが女は、努力して大人になったのだから、できるだけ年相応に見られたいに決まっている。
と心で呟くシーンは妙に納得感が高い。
それでいて、こうも -
Posted by ブクログ
「手」のラストシーンに胸を締め付けられた。
ナオコーラさんの作品によくある、「ただ出会って別れるだけ」の王道をいく作品かもしれない。
恋愛を客観視すると、総じて美しく見えるが、出会いよりも別れの方が一層美しく見えるのは、本当に不思議である。
以下、本文抜粋。
《音楽って、何度も反復があるでしょう?記憶があるから、もう一回同じメロディが起こると、感動するんですよ。寅井さんと僕も、昨日会って今日も会ったから嬉しいでしょう?一ヶ月会わなかったら顔も忘れちゃうでしょう?でも会うと思い出す。だから、何度も会いましょう》(「手」)
《生きているだけで、「自殺することに、反対です」というシュプレヒ