山崎ナオコーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
さて困りました。
小説の中には「読後感」の作品と「読中感」の作品があるようです。読中感の作品は“読んでいる時に、その世界に嵌り込み、その雰囲気を楽む”もので、読み終えた後は何も残らない。
この話もそうですね。読後感が無い。
読後感というのは、大抵、物語に大きな局面があって、それが生み出すもののようです。この話のように、淡々とした日常が描かれたものだと、どうも読後感というものは出ないようです。
では「読中感」が優れていたかというとそうもない。なんだかフラフラしていて、よく判らなかったというのが本音です。まあ、現実の世界なんて、フラフラしているものなのですが。 -
Posted by ブクログ
うーん。若い。若いけど、文章に対する真摯さっていったら、すごいものがある。この人はプロになるべくして、プロになったんだなあという感じ。でも、なんだか力みすぎてたりする気もして、おばちゃんは、もちょっと楽に生きたら?と思ってしまいます。でもって、すでに自分のことをそれなりの歳だと思っているようだけど、もっともっと、上には上がいて、きっともっと歳とってからこのエッセイ読むと若い自分がまぶしくて、恥ずかしいと思うよ。おもしろかったし、文章の感覚はすごいとは思うのだけど、なんかちょっと付き合うのに疲れるわぁと思ってしまった。おばちゃん、最近ほんと、おばちゃんだからねぇ。
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Posted by ブクログ
11年の時を経て、14歳と25歳の同じ女性をカットバックで描いて行きます。
14歳の少女は自意識過剰。一般常識に反抗しつつもし切れず、孤高であろうとしてもどこかで群れて。成長した25歳の女性は、世慣れて人との距離の置き方を覚えはした物の、どこか少女時代の雰囲気を残して居る。
人間は描けていると思う。こんな女子中学生も居るだろうな。多分、著者の分身なんだろうな。でも結構迷惑な奴だよななんて思ってしまいます。でもそれがリアル過ぎるために中途半端です。エンディングもリアルで中途半端。狙いなのでしょうが。
純文学的なのでしょうが、どこか隔靴掻痒という感じがしてしまいます。 -
Posted by ブクログ
さらっと読める作品でした。題名のインパクトと内容に差があるというのは色んな書評で読んでいたのですが
確かに、そう思います。それが悪いわけではないですからね、私は嫌いではないです。
ここの出版社から出ている作品は、割と他に比べて変わった作品が多いなぁという印象が強いのですが、
私的にはそこの期待を裏切らない作品でした。あっさり感が嫌いでは無いです。
しかし恋してみると、形に好みなどないことがわかる。好きになると、その形に心が食い込む。そういうことだ。
オレファンタジーにぴったりな形がある訳ではない。そこにある形に、オレの心が食い込むのだ。
主人公の気持ちが淡々と綴られているのですが、それが