山崎ナオコーラのレビュー一覧

  • 私の中の男の子

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    雪村には十九歳まで性別がなかった。第二次性徴はあったし、体は膨らんだし、性交の経験もしたが、とくに性別はなかった。十九歳で作家デビューしたときに、初めて性別ができた。

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    2015年10月09日
  • 私の中の男の子

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    「男性」を主体として書くことに長けている作者が、今回は性別を超越した「人間」を描く。

    女性でも男性でもない「作家」をめざして物語は進む。
    主人公は自分を自在にコントロールしようともがく。ただ、ナオコーラさんの文体は「もがき苦しむ」という重々しいものではない。もがくことも人生の一部分ととらえているかのように、実にかろやかに表現する。
    普遍の世界があることを信じながらも、作家としてただ強く、そしてより良くなるために孤独と歩む。

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    2012年07月21日
  • 私の中の男の子

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    今回の物語のテーマは「性別」。
    10代で作家デビューを果たした主人公が、女性扱いされることに疑問と嫌悪感を抱いて、それでも仕事に生きるのだ!ともがき苦しみつつ、周りの人間と、社会の中で生きて行くという物語。

    ナオコーラさんの文体に目が慣れてきました。
    さくさく読めてしまう。

    ただ、雪村(主人公)の性格があんまりイメージできなかったのと、前半と後半の繋がりが「…ん?」という感じだったので☆みっつ。

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    2012年07月21日
  • 私の中の男の子

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    音訳ボランティアで読んだ本。
    なにがいいたいのかよくわからなかった。
    男の子のような部分は女性誰でももっていると思うし、その反対も大いにあると思う。
    自意識が過剰なだけでは…。

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    2012年06月24日
  • 私の中の男の子

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     著者近影のあたりについては、最近読んだ山本文緒のエッセーで、「この人は顔にコンプレックスがないことが不思議」みたいなことをネットで書かれ、「そーかー、この顔はコンプレックスを感じなきゃいけないような顔なのか」とはじめて思った、という話を思い出した。結局彼女は顔は自分でもあまりポイントにならなかったらしいけれど(ただし太ることについては気になるらしい)。
     文章を書くことによって、身近な=物理的な人間関係から超越することができると思っていたのに、ネットなどの双方向メディアを通じて、かえってそれを意識させられるというのは、たしかにそうなんだろうなぁと思った。ネット社会になるまでの作家は、実際、生

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    2012年06月15日
  • 私の中の男の子

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    山崎ナオコーラは好きな作家だが、
    この作品を読み始めたときは
    いつもと似たような登場人物に少し飽きたかなという印象だった。
    しかし読み進めるにつれてやっぱり引き込まれた。

    性別に対する不満や不安、こんな風に考えることある、と感じた。
    思ったこと、考えたことを文章にするのが上手だなぁと
    作家なんだから当たり前だけども素直に感心した。

    自分とリンクする部分を感じつつ
    この作品はどこまでフィクションなのかな?と思った。
    そして案の定、著者紹介の絵に笑った。

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    2012年06月12日
  • 「『ジューシー』ってなんですか?」

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    起承転結で言えば、起だけで終わるような作品。

    相変わらず、大きな事件もなく、更に言えば何も完結しないお話。

    いいね!

    やっぱりそこがいい!


    しかし、逐一名前を呼びながら挨拶するのには違和感。

    そういう、微妙な空気感みたいなものを冒頭から感じさせたかったのかな?


    そして、ラテ欄を作る会社って、本当に存在してるのか・・・?

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    2012年05月24日
  • 浮世でランチ

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    同性に対する憧れや、嫉妬が思春期特有の瑞々しさに溢れてる。
    大人になっても、丸山は丸山。無理に繕わない素直な生き方で、なんかいいな。

    一番大人なのは、犬井君かな。

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    2012年05月22日
  • 論理と感性は相反しない

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    ナオコーラさんの作品2回連続短編集。

    男と点と線よりは読みやすい作品。


    この本もナオコーラさんが描く不思議物語がたくさん詰まってます。

    日常的なんだけど、微妙にねじ曲がってる感じ。

    ねじ曲がってるっていうと意味的に悪い感じになっちゃうかな。


    「架空のバンドバイオグラフィー」って話(?)はなかなか面白い。

    そのままの流れで次の話に進むんかい!って感じで。


    「三十代で会社の後輩にやさしくしてごはんをたくさんおごると、四十代で仕事が軌道に乗ります」って曲はぜひ聴きたいw




    全体的にふわっとしていて終わりのない、ナオコーラさんの書く話がやっぱり好きです。

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    2012年05月22日
  • 指先からソーダ

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    ナオコーラ面白い。読者に求めてるコトがすごくいい。自然体。そして私もそのまま受け止めてる、繋がってる。わかってるよー!そう受け止めてるよー!って言いたい

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    2012年04月15日
  • 論理と感性は相反しない

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    「人間が出てこない話」と「嘘系図」
    頭が良くない私は感心して、何でか理由がわからないまま、読んで良かったなぁと思うのだ。

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    2012年04月01日
  • 長い終わりが始まる

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    色んな事を気付かせてくれた小説。
    解説も興味深かった。
    「コミュニケーションの為にコミュニケーションを
    取る」
    なるほど!

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    2012年02月21日
  • 長い終わりが始まる

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    なんだか後味悪いです。
    田中が本当にむかつきました。くぅう、、、
    でも、いびつな目とか、ひねくれた性格とか、ズルさとかを
    可愛いと思えてしまうあの感じはすごくリアルにわかりました。
    あぁ、なんだかみんなさみしぃなぁ。
    とにかく、リアルでズキズキしてしまったナ。

    面白かったです。

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    2012年02月16日
  • 長い終わりが始まる

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    小笠原、にくめない。

    矛盾もあるけれど素直に思ってることを吐き出すからこそ、
    人を苛立たせるし、彼女に刃向いたくなるのかもしれない。

    でも、身体だけの関係を拒めなかったのは弱さなのかなぁ。

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    2012年02月06日
  • 「『ジューシー』ってなんですか?」

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    どちらも職場小説とのことで、それなりに気持ちは伝わるも、「書き散らす」感じが持ち味なのでしょうか、文を行きつ戻りつ。
    特に「ああ懐かしの~」は二度読んでやっと解った気がした。

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    2011年12月29日
  • 長い終わりが始まる

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    大学のどのサークルの中に一人はいる少しプライドの高く、まっすぐな子の話。長い終わりはすでに終わりが見えていて消化試合のようなものだということ。とても現実的な話。

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    2011年11月26日
  • 長い終わりが始まる

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    文章はスカスカ(笑)。
    でも何となく、面白いと感じました。
    音楽関連の専門用語が出てきて難しかったけど・・・。
    性描写が生々しくてエロかったです。

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    2011年11月19日
  • カツラ美容室別室

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    さて困りました。
    小説の中には「読後感」の作品と「読中感」の作品があるようです。読中感の作品は“読んでいる時に、その世界に嵌り込み、その雰囲気を楽む”もので、読み終えた後は何も残らない。
    この話もそうですね。読後感が無い。
    読後感というのは、大抵、物語に大きな局面があって、それが生み出すもののようです。この話のように、淡々とした日常が描かれたものだと、どうも読後感というものは出ないようです。
    では「読中感」が優れていたかというとそうもない。なんだかフラフラしていて、よく判らなかったというのが本音です。まあ、現実の世界なんて、フラフラしているものなのですが。

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    2016年07月31日
  • 指先からソーダ

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    うーん。若い。若いけど、文章に対する真摯さっていったら、すごいものがある。この人はプロになるべくして、プロになったんだなあという感じ。でも、なんだか力みすぎてたりする気もして、おばちゃんは、もちょっと楽に生きたら?と思ってしまいます。でもって、すでに自分のことをそれなりの歳だと思っているようだけど、もっともっと、上には上がいて、きっともっと歳とってからこのエッセイ読むと若い自分がまぶしくて、恥ずかしいと思うよ。おもしろかったし、文章の感覚はすごいとは思うのだけど、なんかちょっと付き合うのに疲れるわぁと思ってしまった。おばちゃん、最近ほんと、おばちゃんだからねぇ。

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    2011年09月12日
  • 人のセックスを笑うな

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    永作博美と松山ケンイチ主演で映画になった小説の原作。第41回文藝賞受賞作品。美術専門学校の学生と39歳の講師との恋愛(不倫)物語。

    さらりと読める軽い本ですが、一つの地味な恋愛風景といった感じで悪くないです。タイトル通りところどころセックスの話はさらりと出てきますが、リアリティがあってちょっとエッチです。

    ただそんなに賞とって絶賛されるほどの話か?何か全般的に描写が軽い印象です。通勤時間の30分で読めました。私は古本屋の100円コーナーで入手しましたが、定価で買った人はちょっと可哀想かも。

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    2025年10月25日