山崎ナオコーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
え、主人公って広田だったの?
と、思った。
同じくらい岸の目線でも書かれていたし、岸の話のほうがもっと真情の吐露であり、広田のそれは、彼の見た日常の記録に近いので、そう思ったんだろうか。
岸は~、広田は~とか固有名詞でその人物の目線から書かれる視線の切り替えが、時系列ではないので目は回らない。
ただ、すごくまったりしている日常の描写だったし、岸から見てくだらない!と憤る仕事内容が、あたしからするとよくあるんじゃん?としか思えなかったので、感情移入は出来なかった。
広田はあまり感情を述べずに事実だけを伝えるし、岸はすごく心情を語るけどその心情がわたしのそれにマッチしないので -
Posted by ブクログ
著者近影のあたりについては、最近読んだ山本文緒のエッセーで、「この人は顔にコンプレックスがないことが不思議」みたいなことをネットで書かれ、「そーかー、この顔はコンプレックスを感じなきゃいけないような顔なのか」とはじめて思った、という話を思い出した。結局彼女は顔は自分でもあまりポイントにならなかったらしいけれど(ただし太ることについては気になるらしい)。
文章を書くことによって、身近な=物理的な人間関係から超越することができると思っていたのに、ネットなどの双方向メディアを通じて、かえってそれを意識させられるというのは、たしかにそうなんだろうなぁと思った。ネット社会になるまでの作家は、実際、生 -
Posted by ブクログ
ナオコーラさんの作品2回連続短編集。
男と点と線よりは読みやすい作品。
この本もナオコーラさんが描く不思議物語がたくさん詰まってます。
日常的なんだけど、微妙にねじ曲がってる感じ。
ねじ曲がってるっていうと意味的に悪い感じになっちゃうかな。
「架空のバンドバイオグラフィー」って話(?)はなかなか面白い。
そのままの流れで次の話に進むんかい!って感じで。
「三十代で会社の後輩にやさしくしてごはんをたくさんおごると、四十代で仕事が軌道に乗ります」って曲はぜひ聴きたいw
全体的にふわっとしていて終わりのない、ナオコーラさんの書く話がやっぱり好きです。