山崎ナオコーラのレビュー一覧
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著者近影のあたりについては、最近読んだ山本文緒のエッセーで、「この人は顔にコンプレックスがないことが不思議」みたいなことをネットで書かれ、「そーかー、この顔はコンプレックスを感じなきゃいけないような顔なのか」とはじめて思った、という話を思い出した。結局彼女は顔は自分でもあまりポイントにならなかったらしいけれど(ただし太ることについては気になるらしい)。
文章を書くことによって、身近な=物理的な人間関係から超越することができると思っていたのに、ネットなどの双方向メディアを通じて、かえってそれを意識させられるというのは、たしかにそうなんだろうなぁと思った。ネット社会になるまでの作家は、実際、生 -
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ナオコーラさんの作品2回連続短編集。
男と点と線よりは読みやすい作品。
この本もナオコーラさんが描く不思議物語がたくさん詰まってます。
日常的なんだけど、微妙にねじ曲がってる感じ。
ねじ曲がってるっていうと意味的に悪い感じになっちゃうかな。
「架空のバンドバイオグラフィー」って話(?)はなかなか面白い。
そのままの流れで次の話に進むんかい!って感じで。
「三十代で会社の後輩にやさしくしてごはんをたくさんおごると、四十代で仕事が軌道に乗ります」って曲はぜひ聴きたいw
全体的にふわっとしていて終わりのない、ナオコーラさんの書く話がやっぱり好きです。 -
Posted by ブクログ
さて困りました。
小説の中には「読後感」の作品と「読中感」の作品があるようです。読中感の作品は“読んでいる時に、その世界に嵌り込み、その雰囲気を楽む”もので、読み終えた後は何も残らない。
この話もそうですね。読後感が無い。
読後感というのは、大抵、物語に大きな局面があって、それが生み出すもののようです。この話のように、淡々とした日常が描かれたものだと、どうも読後感というものは出ないようです。
では「読中感」が優れていたかというとそうもない。なんだかフラフラしていて、よく判らなかったというのが本音です。まあ、現実の世界なんて、フラフラしているものなのですが。 -
Posted by ブクログ
うーん。若い。若いけど、文章に対する真摯さっていったら、すごいものがある。この人はプロになるべくして、プロになったんだなあという感じ。でも、なんだか力みすぎてたりする気もして、おばちゃんは、もちょっと楽に生きたら?と思ってしまいます。でもって、すでに自分のことをそれなりの歳だと思っているようだけど、もっともっと、上には上がいて、きっともっと歳とってからこのエッセイ読むと若い自分がまぶしくて、恥ずかしいと思うよ。おもしろかったし、文章の感覚はすごいとは思うのだけど、なんかちょっと付き合うのに疲れるわぁと思ってしまった。おばちゃん、最近ほんと、おばちゃんだからねぇ。