山口雅也のレビュー一覧
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伝説のミステリ小説です。作者はH.H.ホームズ。H.H. ホームズとは19世紀アメリカで27人を殺した連続殺人鬼の名前だ。これはあくまでペンネームで、その正体は評論家として有名なアンソニー・バウチャーである。おふざけとはいえ現代なら犯罪者の名前を使ったら炎上しそうですよね。
さて、話はこんなです。
カルト教団「光の子ら」を糾弾しようと準備を進めていた研究者のウルフ・ハリガンは助手として雇われた作家志望の青年マットと共に集会に参加する。そこで黄衣を着た教祖は呪を唱えてウルフの死を予言する。翌日ウルフは書斎で顔面を撃たれて殺された。現場の窓から黄衣を着た人物が目撃され、書斎は密室だった。
この密室殺人の謎に取り組むマットと、マーシャル警部は、ディクスン・カーが「三つの棺」で書いた【密室講義】を持ち出して推理、検討を進めるが、どの分類にも当てはまらない!この本はカーへの挑戦状としてカーに捧げられた本であるあたりも楽しみのひとつ。
そしてマットとウルフの娘コンチャの甘い恋愛がまた素敵。コンチャはマットの旧友の婚約者であり家柄も全く違うので、マットはよそよそしい態度で控えめに接する。一方で積極的に気持ちを伝える可愛いコンチャがいじらしい。
さらに途中まで誰が探偵役なのか忘れていたのですが、静かに祈る尼僧探偵アーシュラの鮮やかな推理はお見事でした。80年以上前の密室トリックですからそれ自体が古いのは当たり前ですが、小説として面白いです。アンソニー・バウチャーさすがですね。 -
Posted by ブクログ
「十角館の殺人」刊行から三十周年を記念して出版されたアンソロジー。7人の作家さんが「名探偵」をテーマに本格ミステリを書き下ろした短編集の文庫本。
・水曜日と金曜日が嫌い ー大鏡家殺人事件ー 麻耶雄嵩
→ミステリ作家の主人公が、探偵メルカトルに頼まれた用事の帰りに迷い、大鏡家の邸宅に助けを乞う。休ませてもろてると殺人事件が起きて…。建物の感じとか登場人物の名前とか、どことなく洋風ちっく。鳥を観察するヒュッテ?とか、サラマンダーが〜とか。でも探偵が出てきたらすぐ解決した、すごい…
・毒饅頭怖い 推理の一問題 山口雅也
→落語のまんじゅうこわい、の話が最初に語られ、その後後日談的なストーリー。まんじゅうこわいって言ってた人が大人になり、後継問題の話の席で毒饅頭に殺される。犯人は誰なのか。途中馴染みある、この中で1人嘘つきがいる〜みたいなクイズがあって、古典的な話の中に、最近の遊びって感じもまた面白かったし、ちゃんとオチもあってさすが。
・プロジェクト:シャーロック 我孫子武丸
→「ワトソン」という、医師に代わって診断を行うAIが作られているから、「シャーロック」という名の名探偵AIを作ろう、みたいな話。情報を勉強させてAIをいろんな人と育てていくんだけど、その試作に関わった人たちがどうやら次々と殺されているっぽい?みたいな。この発想はできんよなー。
・船長が死んだ夜 有栖川有栖
→犯罪心理学者の火村英生と、ミステリ作家の有栖川有栖が、遠方で取材。早く終わったので観光でもして帰ろうかってなっている時に、どうやら殺人事件があったらしいと噂を聞く。野次馬的に顔を出し、最終的に犯人を推理する感じ。怨恨じゃないけど、思いこみとか、日頃の行いとか、人間の感情がいちばん怖いのよなって感じ、いろんな偶然が重なってて、少し切ないます。
・あべこべの遺書 法月綸太郎
→法月綸太郎が父から事件の情報を聞いて、その情報と憶測と可能性で持って事件を解決に導く、安楽椅子探偵みたいな感じの話。
AさんがBさんの家で死んでてBさんの遺書があり、
そのBさんはAさんの家で死んでてAさんの遺書がある。
なんでや?みたいな話。これも人間不信になりそうな、人は簡単に信じられんよな、みたいな話。人間ってこうゆうとこが怖いんよな。
・天才少年の見た夢は 歌野晶午
→近未来の戦時中。シェルターに逃げ込んだ子供たち、その中の1人が名探偵と呼ばれているにも関わらず、シェルター内で次々と殺人が起こっていく。これはどうゆうことか、何が起こっているのか、などを考えながら読む作品で、分かってからもう1回頭から読みたくなりましたん。
・仮題、ぬえの密室
→綾辻行人、我孫子武丸、法月綸太郎と、綾辻行人の嫁さんの4人で宴席。大学生の頃ミステリ研に所属していたのだが、その時に「幻の犯人当て」といわれた、フーダニット作品があったよね、という話になり。みんな思い出せないので、意見を擦り合わせていく。その中で、作品の傾向であったり、代表作を思い出しながら描かれていて、このアンソロジーならではだなって感じました。
どの話も面白かってんฅ(*´꒳`*ฅ)ꪆ -
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ネタバレこのミステリーがすごいのキング・オブ・キングスで1位だったので。
日本の作家とは思えない文体、
散りばめられたアメリカの宗教や文化の知識、
それによる土葬やエンバーミングを踏まえた上の、
死者のよみがえり設定は素晴らしいと思う。
霊園と葬儀社の経営者一族の家長が死を迎えようとしている。
家長の後妻とその息子、前妻の息子たち、娘や孫、息子の愛人とその娘の中には、
遺言状の変更に一喜一憂する者も。
そんな中、孫のパンク族の青年が死んでしまう。
そして世の習いで甦えるが、自分がなぜ死んだかわからないまま、
次々と人が死んだり甦り、探偵役を務めることになる。
(下巻へ) -
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ミステリー作家の山口雅也さんが、読書通人のための「都市伝説的」作品や本邦未紹介作品を選書する《奇想天外の本棚》
読書通人を気取りたい小生といたしましてはとても避けては通れない謳い文句であります
そんな《奇想天外の本棚》二冊目に手に取ったのは、イギリスのミステリ作家クリスチアナ・ブランド女史のジュヴナイル(児童文学のことね)『濃霧は危険』です
ブランドがこれが読めたら大人の推理小説に進んでも大丈夫という思いを込めた作品とあって、十五歳の少年を主人公にした冒険小説でありながら、大人が読んでも楽しい謎解きが仕込まれていました
少年少女向けなのでやさしく、さくさく読めて、しっかり面白い
やるなぁ《奇想天外の本棚》
まだまだ追いかけるぞ -
Posted by ブクログ
「フランケンシュタイン」+「そして誰もいなくなった」、SFとミステリのコラボ。「屍人荘の殺人」につながっているな。まあまあ面白い。
バハ・カリフォルニア沖に浮かぶ孤島で、冷凍保存していた複数の人体から手術によって脳やら臓器を取り出して一つの体に移植し、その人間を蘇らす実験が行われる。実験は成功したかにみえたが、実験の関係者が一人ずつ殺されていく…
本書は50年ほど前に書かれた作品なので、現代の通信インフラの発達は例によって予想されていない。インターネットもスマホもないのだ。孤島とはいえ、科学研究所がある場所で、これはないだろう。そこに違和感があるが、いたしかたないか。 -
Posted by ブクログ
山口雅也さん…どっかで聞いたことあるな〜と思ってたんですよ
そう!『生ける屍の死』の作者やん
「このミステリーがすごい95国内編1位」で国内編のkingofkingsに選ばれていていつか読もうと思ってたんよね
その山口雅也さんが選者をつとめ、通のために読んでいる人が少ない、あるいは本邦未紹介の奇想天外な作品を集めた《奇想天外の本棚》シリーズ
くすぐる〜
通を気取りたいワタクシのこころをくすぐる〜
はい!というわけでいきなり最新刊の『フランケンシュタインの工場』です
売り口上は『そして誰もいなくなった』+『フランケンシュタイン』
えー!なにそれ〜ど〜ゆ〜こと〜?
はい、読んでみたら…
そのまんまやないかい!というね
そのまんま『そして誰もいなくなった』+『フランケンシュタイン』やないかーい!という
『そして誰もいなくなった』と『フランケンシュタイン』を混ぜてお湯で薄めた感じね(薄めちゃダメじゃん!)
まーでも面白かったよ
雑な感じの設定とご都合主義な展開もむしろ良い
一見とっつきにくい文体も雑っぽさに磨きをかけてて良い
そしてこの《奇想天外の本棚》ちょっと追いかけたいと思っちゃいました
B級な感じが好きな人にオススメです
え?私?もちろんB級大好き! -
Posted by ブクログ
山口雅也の連作ミステリ小説『垂里冴子のお見合いと推理』を読みました。
ここのところ、国内のミステリ作品が続いています。
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縁談は事件を連れてやってくる――!
垂里家の長女・冴子、当年とって33歳、未婚。
美しく聡明、なおかつ控えめな彼女に縁談が持ち込まれるたびに、起る事件。
冴子は、事件を解決するが、縁談は、流れてしまう……。
見合いはすれども、嫁には行かぬ、数奇な冴子の運命と奇妙な事件たちを名人上手の筆で描き出す、特上の連作ミステリーついに文庫化。
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集英社が出版している月刊小説誌『小説すばる』に1995年(平成7年)から1996年(平成8年)に発表された4篇を収録して1996年(平成8年)に刊行された発表された垂里冴子シリーズの第1作です。
■春の章 十三回目の不吉なお見合い
■夏の章 海に消ゆ
■秋の章 空美の改心
■冬の章 冴子の運命
■カーテンコール あとがきに代えて
■文庫版あとがき
■文庫版解説 加納朋子
縁談が持ち込まれる度に事件が発生するという奇妙な宿命の下に生まれた薄幸の名探偵… その名は垂里冴子、、、
垂里家の長女にして33歳、読書好きでいたって優雅、おっとりの和風美人… 華麗なる推理で事件の謎は見事に解決するが、見合いの方は成功しない。
お見合いと推理を見事に結合させた連作集… 「好きな女探偵ベスト10」の2位に選ばれた大人気キャラクターが登場!
縁談が持ち込まれる度に、事件が発生するという奇妙な宿命の下に生まれた薄幸の名探偵・垂里冴子(すいりさえこ)が、奇妙な死体発見、人体消失、不可解な突然死、死を誘う男… という4つの事件を解決、、、
天真爛漫な次女・空美、姉思いの弟・京一、娘を心配する両親の一路(かずのり)と好江、そして、次々と冴子に見合い話を持ってくる「お見合い界の孤高のハンター」こと叔母・人見合子 等の個性的なキャラを絡めて展開する、ほのぼのとしたミステリでした… ユーモアもたっぷりですが、オーソドックスなミステリとしての要素もバランス良く織り込んであって愉しめましたね。
面白かったー 引き続き、続篇を読もうと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新本格ミステリの作家さん7人による「名探偵」がテーマのアンソロジー。面白かったです。
メルカトル鮎(シリーズ未読でした)、火村英生、法月綸太郎と名探偵シリーズもあれば、綾辻さんは深泥丘なんだ…という楽しみもありました。探偵AIは2作品。
「プロジェクト・シャーロック」のみ既読でした。シャーロック・ホームズのAIがあるなら教授もね…という。マイアミの鑑識課員やラスベガスの科学捜査研究所もプロジェクトに参加してくるのも面白かった…以前、募金の名義に名探偵ものの作品の登場人物名を使ってたリストを目にしたことがあって錚々たるメンバーだったのを思い出したりしました。
「天才少年の見た夢は」の戦中シェルター密室殺人も大変なことでした。究極の安楽椅子探偵ってそういうことか…(気付きませんでした)。
綾辻さんのお話の、作家さん大集合はこのアンソロジーの締めくくりとして良かったです。小野不由美さんまで。麻耶雄嵩さん……。
新本格、好きなジャンルだなぁと改めて思いました。これからも読みます。 -
購入済み
意欲作がいっぱい!
どの話も印象的。新しい試みがされていて、ミステリへの愛を感じた。
CDアルバムを聴くように、どっぷりはまり込んでも楽しいだろうし、
内容難解なところもあるので、まずはサラッと雰囲気を楽しんでもいいと思う。