山口雅也のレビュー一覧
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ネタバレまぁそこそこといった感じかな。
「ぬいのファミリー」は真相自体はシンプルだが、なかなかに後味が不気味な作品。
ホラー×ミステリー短編としては上出来。
「黄昏時に鬼たちは」は4作品の中ではミステリーとしては一番面白い。
ハンドルネームを使うことによる人物誤認や、「引きこもり」と言われたら勝手に若者(かろうじて中年も?)を想像してしまう読者の思い込みを利用している。
シンプルではあるが、しっかり騙された。
その他の2作はあまり特筆すべきところはないような...
派手さはないがどれも悪くはなく、だがやはりどこか物足りない、予想のやや下を突いてくる短編集だった。 -
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真面目なのかふざけてるのか、ハードボイルド なのか?英語から翻訳されたような文体で混乱。それでも冒頭のシーンが面白いからつい先へ先へと読んできたが、なんなんだ、この荒唐無稽さは?そう、荒唐無稽に思えるけれども、ミステリーになってるのが不思議。
死者が甦ると聞けばゾンビになると思うところが、この作品ではそうならない。死ぬ前と同じ思考を持っているし、人を食らわない。そして、自分は何故死んだのか?を知りたい死者が探偵となる。誰が死んでて誰が甦っているのか? (どう言う条件が整うと甦るのか?が分からない〜)
色んなベストに選ばれているこの作品、翻訳調の文体とかコメディチックとシリアスが混ざり合って -
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超名作なので、文庫改訂版を機に初読。
や~、入り込むのに時間がかかった❗正直、上巻は何度も挫折した。
死者が甦って動き始めたアメリカの片田舎の話。翻訳ものっぽい雰囲気は好み。
上巻のかなり手前で、主人公が殺され、翌朝甦ってしまう。毒殺だったので、誰に殺されたのか、何に毒が盛られていたのか、本人にさえ分からないので、主人公は自分を殺した犯人を見つけようとする。が、一族が連続して殺され始める。
というものすごく斬新な設定。新しすぎる(笑)
主人公なのに殺されるのか?やっぱりオレは主人公なんかじゃなかったんだ!泣とか、若干メタ的な発言やら、自分が殺されたことを告白していればその後の殺人は食い止められ -
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山口作品は一通り読みたいなって位には好きなんですが、ホラー色?パラノイア色??の強い短編が目立つ本作は、ちょっと箸休めなテイストでいただきました。
謎解きらしい謎解きはないですね〜。どっちかっていうとメタ感強いので、メフィストスキー寄りですかね??(ざっくり。特に【次号につづく】と【人形の館の館】のハズし方はね〜色々ギリギリです(笑)。嫌いじゃない(笑)
【だいぶ前に読んだからものすごいざっくりしてる内容紹介】
◎孤独の島の島…漂着物のコレクターという変わった趣味を持つ女性。彼女が隠し続ける恐ろしい過去の秘密とは?
◎モルグ氏の素晴らしきクリスマスイブ…パッとしない人生を送り続けてい -
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ネタバレ〇 概要
垂里家の長女,垂里冴子は才色兼備の大和撫子。小説家志望で小説を書いている彼女は,これまで,何度もお見合いをしているが,なぜか,事件に巻き込まれてしまい,謎を解くはめになる。
お見合いとミステリという異色の組合せのエンターテイメント・ミステリ
〇 総合評価 ★★★☆☆
お見合いとミステリという組合せこそ異端だが,内容はいたってフェアでまっとうなミステリ。
中編が2つ収録されており,どちらもよくできたミステリなのだが,まさによくできたミステリ止まり。第1部の方は,首飾りを解剖して何もないことを確認したペンギンの死体に,改めて隠すという古典的な隠し方を生かしたミステリ。見せ方がう -
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ネタバレ〇 概要
中学校教師である「祭戸」は,子供たちを守るために,ネット犯罪を監視せよと命じられる。いやいや引き受けたものの,祭戸は,チャットを経験するうちに、チャットの面白さにどっぷりとはまっていく。そこで出会った一人が,危険な小児性愛者であると疑う。容疑者だと思われる人物の家に向かうと,そこには,同僚教師の死体が…!
〇 総合評価
横書きの文庫というのはインパクトがある。内容はチャットやらサイバーエンジェルやら,扱っている内容が,ひと昔,ふた昔前のモノという印象が強い。主人公の祭戸は,それなりの存在感があるのだが,それ以外の登場人物の個性は希薄。サスペンス的なノリもある上に,叙述トリックも -
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ネタバレ山口雅也のエッセイ&書評集。
幕開きとして,様々なテーマ,様々なジャンルを語るミステリー・エッセイが17つ用意されている。。1977年の「マーダーフルコース」というコースに見立てたミステリ案内から,1993年の「鬼ごっこ殺人事件」という謎のポケミスの作品についてのエッセイまで,非常に長い期間に単発で好評されたエッセイが掲載されている。「ブランドからディクスン・カーの逸話を聞く」というタイトルのエッセイにある,山口雅也の写真の若々しさがなんとも言えない。
続く,プレイバックは,ミステリマガジンで1977年から1979年まで連載された連載コラム。18個のコラムが収録されている。かなり古いエッセ -
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アンソロジーは、初読みの作家さんを手に取るきっかけにもなるのだけど、今回は、お馴染みの作家さんに大軍配な感じ。
「ウシュクダラのエンジェル」
他の国の宗教や慣習を安易に批判・否定するわけではないのだけど、なんとも切ない展開だった。そういうお話に、京介の語り口がやけに似つかわしい。
「禁じられた遊び」
ずっと綸太郎パパの入院話で、どんな事件に関わるのかと思ったら。
あの映画を一ひねり二ひねりした展開はさすが。
でも、名探偵の本領発揮はなかったような(笑)
「詩人の死」
なんていう毒を含んだ作品なんだろう。
いかにも葉村晶、いかにも若竹七海。
「バルーン・タウンの裏窓」
懐かしのバルーン・タ