山口雅也のレビュー一覧

  • キッド・ピストルズの慢心~パンク=マザーグースの事件簿~

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    キッド・ピストルズシリーズ短編集。今作ではキッドとピンクの生い立ちについてもそれぞれの口上で語られている。謎解き要素はミステリなので勿論あるのだが全体的に濃くはなく、キッドとピンクというキャラクターの魅力の幅をひろげるという要素の方が強い感じはした。特にキッド最初の事件と銘打たれた、表題作でもある「キッド・ピストルズの慢心」を読めばキッドを更に好きになるだろうと思う。何だかんだいってキッドは正義感が強いいい奴だよねぇ。

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    2021年09月28日
  • PLAY プレイ

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    ネタバレ

    まぁそこそこといった感じかな。

    「ぬいのファミリー」は真相自体はシンプルだが、なかなかに後味が不気味な作品。
    ホラー×ミステリー短編としては上出来。

    「黄昏時に鬼たちは」は4作品の中ではミステリーとしては一番面白い。
    ハンドルネームを使うことによる人物誤認や、「引きこもり」と言われたら勝手に若者(かろうじて中年も?)を想像してしまう読者の思い込みを利用している。
    シンプルではあるが、しっかり騙された。

    その他の2作はあまり特筆すべきところはないような...

    派手さはないがどれも悪くはなく、だがやはりどこか物足りない、予想のやや下を突いてくる短編集だった。

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    2021年07月18日
  • 日本殺人事件

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    なんというか...思ってたのと違う。
    いやまぁ面白いは面白いんだけど、問題は「詫の密室」。密室だと思ってワクワクしてたら結局解決してねぇじゃん。

    設定は面白いし、それ以外の2作はそこそこ面白いだけに勿体ない。ただやはり期待外れ感は否めない。

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    2021年07月09日
  • 生ける屍の死(上)

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    真面目なのかふざけてるのか、ハードボイルド なのか?英語から翻訳されたような文体で混乱。それでも冒頭のシーンが面白いからつい先へ先へと読んできたが、なんなんだ、この荒唐無稽さは?そう、荒唐無稽に思えるけれども、ミステリーになってるのが不思議。

    死者が甦ると聞けばゾンビになると思うところが、この作品ではそうならない。死ぬ前と同じ思考を持っているし、人を食らわない。そして、自分は何故死んだのか?を知りたい死者が探偵となる。誰が死んでて誰が甦っているのか? (どう言う条件が整うと甦るのか?が分からない〜)

    色んなベストに選ばれているこの作品、翻訳調の文体とかコメディチックとシリアスが混ざり合って

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    2021年06月13日
  • 7人の名探偵

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    全編書き下ろしアンソロジー作品で、それぞれの作品に名探偵が登場します。

    中には、シリーズ物の人物が出てくる作品もあって、キャラや世界観が分かりづらい話も少し…

    30周年記念作品と言う事で、豪華な顔ぶれが揃っているので、ミステリー好きの人には嬉しい作品です。

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    2021年05月08日
  • 7人の名探偵

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    新本格ミステリ30周年記念のアンソロジー

    それぞれのシリーズを知らない読者にとっては、背景が判らない名探偵の出現は唐突だろうが、
    アンソロジーのための書下ろし故か、多分、
    甘めになっている感じがしたので、読み易かった。

    ラストを締めくくる綾辻氏の作品は名探偵モノといっていいか判別し難いが、
    実名の作家たちが登場する 新本格を愛する読者にとっては嬉しい一作だと思う。

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    2021年03月11日
  • 7人の名探偵

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    97作品目( * ॑꒳ ॑* )♪アンソロジー作品を読むのは、初めてです。読み始めて、(。-_-。)ウーン失敗だったかな…と思ったけど、有栖川有栖さんの船長が死んだ夜を読み始めてから、ページ捲るスピード早くなりました(*´艸`*)ァハ♪この7人の作家さん達で、歌野晶午さんと綾辻行人さんしか読んだことなかったので、有栖川有栖さんの小説読んでみたいかなぁと思った( * ॑꒳ ॑* )♪特に綾辻行人さんの本格なのか?って思ったりしたが、実体験の事を書かれていたならば、凄い嬉しい(๑´ლ`๑)笑

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    2020年11月30日
  • 7人の名探偵

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    綾辻行人/歌野晶午/法月綸太郎/有栖川有栖/我孫子武丸/山口雅也/麻耶雄嵩の7人の新本格ミステリの旗手による、豪華な豪華なミステリ・アンソロジー。
    有栖川有栖の火村英生とかも出てきますが・・・名探偵?の定義って、何でしょう?
    (んなモンあるのか??)
    本格ですが、私的には・・・??? な、感じでした。

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    2020年11月07日
  • 7人の名探偵

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    千差万別。『船長が死んだ夜』『あべこべの遺書』は従来っぽい。『仮題・ぬえの密室』はミステリと呼べるのかな。

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    2020年10月24日
  • 生ける屍の死(下)

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    ネタバレ

    この作品を余すことなく楽しむには私の知識量が少ないんだろうな、という小ネタ?的なのは感じた。
    本質は多分あと何回か読まないとちゃんとした感想に至るほど理解出来ていないと思う。それでもグリンは好きだし、キリスト教系の学校に行っていたので聖書はとりあえず読んだことはあったし(章節を表しているのに気付かなかったのは本当に悔しかった)、生屍複雑になるのは予想してたけどなる程と思えたし、何よりもピンクの霊柩車で帰ってきてピンクの霊柩車で出ていく、きちんとまとまって終わっているのが嬉しかった。

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    2020年10月16日
  • 生ける屍の死(上)

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    翻訳小説の様な文体は敢えてなのか作風なのかはわからないけれど、話が動き出すまではとりあえず読むという感じで下巻に突入するところ。
    死体が動き出す、という文言に「屍者の帝国」が頭に浮かんだけれど、この世界観と翻訳小説みたいな文体は合ってると思う。

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    2020年10月14日
  • 7人の名探偵

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    ネタバレ

    我孫子さんと綾辻さんのが好き。
    本格ミステリかと言われると違うかもしれないが
    グイグイ読めた。

    麻耶さん、気になっていたので
    どんな作風か知れて良かった。

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    2020年09月12日
  • 生ける屍の死(上)

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    超名作なので、文庫改訂版を機に初読。
    や~、入り込むのに時間がかかった❗正直、上巻は何度も挫折した。
    死者が甦って動き始めたアメリカの片田舎の話。翻訳ものっぽい雰囲気は好み。
    上巻のかなり手前で、主人公が殺され、翌朝甦ってしまう。毒殺だったので、誰に殺されたのか、何に毒が盛られていたのか、本人にさえ分からないので、主人公は自分を殺した犯人を見つけようとする。が、一族が連続して殺され始める。
    というものすごく斬新な設定。新しすぎる(笑)
    主人公なのに殺されるのか?やっぱりオレは主人公なんかじゃなかったんだ!泣とか、若干メタ的な発言やら、自分が殺されたことを告白していればその後の殺人は食い止められ

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    2020年01月20日
  • ミッドナイツ  《狂騒の八〇年代》作品集成

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    山口雅也さんが80年代に発表した作品集で、全て単行本未収録作。
    出世作になった『生ける屍の死』より以前に書かれた作品で、様々な媒体に発表されている。ミージシャンや画家等、異業種の方々とのコラボ作品ばかりなので驚いたし、小説のジャンルの幅広さにも唸った。コラボ故に一般読者に向けての作品(アンチミステリ)が多く、その点だけは少し残念だったが、若い頃から凄い才能の持ち主だった事が分かる一冊になっていた。現在、作家だけで無くアンソロジストとしても活躍している山口さんだけど、その原点がここに詰まっていると思う。

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    2019年12月17日
  • PLAY プレイ

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    初めて読む作家さんですけれども、割合楽しめましたかね! なんか実際に居そうな人々という感じで……ただのミステリとは違った趣を感じることができましたねぇ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    ミステリ&ホラーという感じですかね…どの登場人物も一見、普通の一般人という感じなのですが、一枚皮をめくれば……人間、様々な面があるのだということを痛感致しましたね!

    まあ、そんな感じで人間やら家族やらの暗部と言いますか……普段、見えない部分を照らしてくれる、そんな短編集だったかと思います。さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2019年07月15日
  • マニアックス

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    山口作品は一通り読みたいなって位には好きなんですが、ホラー色?パラノイア色??の強い短編が目立つ本作は、ちょっと箸休めなテイストでいただきました。
    謎解きらしい謎解きはないですね〜。どっちかっていうとメタ感強いので、メフィストスキー寄りですかね??(ざっくり。特に【次号につづく】と【人形の館の館】のハズし方はね〜色々ギリギリです(笑)。嫌いじゃない(笑)


    【だいぶ前に読んだからものすごいざっくりしてる内容紹介】

    ◎孤独の島の島…漂着物のコレクターという変わった趣味を持つ女性。彼女が隠し続ける恐ろしい過去の秘密とは?

    ◎モルグ氏の素晴らしきクリスマスイブ…パッとしない人生を送り続けてい

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    2017年10月25日
  • 垂里冴子のお見合いと推理 vol.3

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    ネタバレ

    〇 概要
     垂里家の長女,垂里冴子は才色兼備の大和撫子。小説家志望で小説を書いている彼女は,これまで,何度もお見合いをしているが,なぜか,事件に巻き込まれてしまい,謎を解くはめになる。
     お見合いとミステリという異色の組合せのエンターテイメント・ミステリ

    〇 総合評価 ★★★☆☆
     お見合いとミステリという組合せこそ異端だが,内容はいたってフェアでまっとうなミステリ。
     中編が2つ収録されており,どちらもよくできたミステリなのだが,まさによくできたミステリ止まり。第1部の方は,首飾りを解剖して何もないことを確認したペンギンの死体に,改めて隠すという古典的な隠し方を生かしたミステリ。見せ方がう

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    2017年06月18日
  • チャット隠れ鬼

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    ネタバレ

    〇 概要
     中学校教師である「祭戸」は,子供たちを守るために,ネット犯罪を監視せよと命じられる。いやいや引き受けたものの,祭戸は,チャットを経験するうちに、チャットの面白さにどっぷりとはまっていく。そこで出会った一人が,危険な小児性愛者であると疑う。容疑者だと思われる人物の家に向かうと,そこには,同僚教師の死体が…!

    〇 総合評価
     横書きの文庫というのはインパクトがある。内容はチャットやらサイバーエンジェルやら,扱っている内容が,ひと昔,ふた昔前のモノという印象が強い。主人公の祭戸は,それなりの存在感があるのだが,それ以外の登場人物の個性は希薄。サスペンス的なノリもある上に,叙述トリックも

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    2017年05月05日
  • ミステリー倶楽部へ行こう

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    ネタバレ

    山口雅也のエッセイ&書評集。
     幕開きとして,様々なテーマ,様々なジャンルを語るミステリー・エッセイが17つ用意されている。。1977年の「マーダーフルコース」というコースに見立てたミステリ案内から,1993年の「鬼ごっこ殺人事件」という謎のポケミスの作品についてのエッセイまで,非常に長い期間に単発で好評されたエッセイが掲載されている。「ブランドからディクスン・カーの逸話を聞く」というタイトルのエッセイにある,山口雅也の写真の若々しさがなんとも言えない。
     続く,プレイバックは,ミステリマガジンで1977年から1979年まで連載された連載コラム。18個のコラムが収録されている。かなり古いエッセ

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    2016年08月09日
  • 名探偵の饗宴

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    アンソロジーは、初読みの作家さんを手に取るきっかけにもなるのだけど、今回は、お馴染みの作家さんに大軍配な感じ。
    「ウシュクダラのエンジェル」
    他の国の宗教や慣習を安易に批判・否定するわけではないのだけど、なんとも切ない展開だった。そういうお話に、京介の語り口がやけに似つかわしい。

    「禁じられた遊び」
    ずっと綸太郎パパの入院話で、どんな事件に関わるのかと思ったら。
    あの映画を一ひねり二ひねりした展開はさすが。
    でも、名探偵の本領発揮はなかったような(笑)

    「詩人の死」
    なんていう毒を含んだ作品なんだろう。
    いかにも葉村晶、いかにも若竹七海。

    「バルーン・タウンの裏窓」
    懐かしのバルーン・タ

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    2016年05月08日